夜行高速バス 2023年冬~夏の動き(ダイヤ改正、運行会社の変更、新規参入、運行終了など)

夜行バス

2023年冬~夏 夜行バスの動き アイキャッチ用 960

新型コロナウイルスが感染症5類へ移行され、人々の動きが活発になる中、2023年冬から夏にかけて全国各地で高速バスの新設・改廃の動きが活発になってきています。

「人々の動きが活発になっているのだから、コロナ禍前までに本数も増えているし、新路線も誕生しているでしょ?」と思いがちですが、実態はその逆。
大都市と観光を結ぶ路線の新設や増便といった明るい話題が一部であるものの、多くは「減便」「廃止」といった残念な話題が多く、こと夜行高速バスに関しては、その傾向が一層目立っている印象をけます。

原因は、いうまでもなく「需要の減少」ですが、これに加えて最近特に耳にするのが「深刻な乗務員不足」です。
さらに、2024年4月にはバス運転者の「改善基準告示」が改正される予定で、これが実施されると、乗務員不足はより一層深刻化するといわれております。

そこで、今回は「2023年冬~夏の動き」と題し、2023年冬から夏にかけて話題になった夜行バスの「ダイヤ改正」「運行終了」などの動きを改めておさらいしたいと思います。

「くにびき号」夜行便廃止 中国JRバスが「大阪〜松江・出雲線」開設

最初に取り上げるのは、大阪と松江・出雲を結ぶ高速バスの動きです。

2023年1月まで、大阪と松江・出雲には「くにびき号」という高速バスが阪急観光バス一畑バス中国JRバスの3社共同で運行していました。

阪急観光バス「くにびき号」 1168
阪急観光バス「くにびき号」

一畑バス「くにびき号」 ・437
一畑バス「くにびき号」

ところが、この3社共同運行体制が2023年1月末日をもって終焉。
翌2月1日から、中国JRバスが新たに京都・大阪〜松江・出雲線「出雲エクスプレス大阪京都号」「出雲ドリーム大阪京都号」の運行を開始したのです。

中国JRバス「出雲エクスプレス大阪京都号」 641-3955
中国JRバス「出雲エクスプレス大阪京都号」(イメージ)

運行本数は、昼行便「出雲エクスプレス大阪京都号」が4往復(うち2往復が大阪起終点)、夜行便「出雲ドリーム大阪京都号」が2往復(うち1往復が大阪起終点)となっており、運賃は大阪~松江・出雲間が大人片道2,600円~9,500円、京都~松江・出雲間が大人片道2,800円~9,800円となっています。

中国JRバスが「くにびき号」から運行を離脱し単独で路線を開設したことで、大阪~松江・出雲間の高速バスは新たなるステージへ移行したことになります。

これに伴い、「くにびき号」は夜行便を廃止し昼行路線へ変更。
現在は1日8往復(2023年7月中旬より1日7往復に減便)体制で運行しています。

運行時刻・運賃は、阪急高速バス「くにびき号」のページおよび中国JRバス「出雲エクスプレス大阪京都号」「出雲ドリーム大阪京都号」のページにてご確認をお願いいたします。

近鉄バスの夜行高速バス「サテライト号」が復活!

あの長距離夜行路線が復活しました。

近鉄バスは、大阪・京都と東京池袋・さいたま大宮を結ぶ夜行高速バス埼玉特急線「サテライト号」を開設、2023年2月23日に運行を開始しました。

近鉄バス「サテライト号」 2951 稲田営業所にて_101
近鉄バス「サテライト号」

夜行高速バス埼玉特急線「サテライト号」は、1989年11月に大阪と川口・浦和・大宮の間を結ぶ夜行バスとして国際興業と近畿日本鉄道が共同で運行を開始しましたが、1997年6月30日をもって廃止。
ところが、二十数年の時を経て、2023年2月23日に大阪・京都と池袋・さいたま新都心・大宮間を結ぶ夜行バスとして復活したのです。

初代「サテライト号」は国際興業との共同運行路線でしたが、2代目「サテライト号」は近鉄バスが単独で運行。
東京都内(池袋)に停留所を新設するなど、東京~京都・大阪間の新たな移動手段として十分に使えそうです。

運賃は大阪・京都~東京池袋間が大人片道6,700円~9,700円、大阪・京都~さいたま間が大人片道7,200円~10,200円となっています。

運行時刻・運賃は、近鉄バス「サテライト号」のページにてご確認をお願いいたします。

尚、 高速バス・夜行バス・バスツアーの旅行・観光メディア 「バスとりっぷ」(株式会社LCL)にて、私が執筆した「サテライト号」の乗車記が公開されていますので、宜しければこちらもお読みいただけると幸いです。


「HEARTS・博多特急ニュースター号」運行開始

久しぶりの関西~福岡間夜行高速バスの開設です。

東京大阪バスグループの大阪バスは、ロイヤルバスと共同で大阪(梅田)~福岡(博多)間夜行高速バス「HEARTS・博多特急ニュースター号」を開設、2023年3月1日に運行を開始しました。

大阪(梅田)~福岡(博多)を9時間~9時間30分かけてノンストップで結び、大阪バス担当便は毎日1往復(3列独立シート車)、ロイヤルバス担当便は1往復~1.5往復(3列独立シート車または4列シート車)運行します。

大阪(梅田)ののりばは大阪駅桜橋口のJR線高架下バス停、福岡(博多)ののりばはHEARTSバスステーション博多となっています。

大阪~福岡の全席独立シート車夜行バスは、かつて阪急観光バスと西日本鉄道が運行していた「ムーンライト号」が廃止されて以降、約6年ぶりの復活となります。
現在の利用状況が気になりますね。

運行時刻・運賃は、大阪バス「HEARTS・博多特急ニュースター号」のページにてご確認をお願いいたします。

(次ページに続きます。)