西日本鉄道 夜行高速用4012号車で行く福岡近郊日帰り旅 ~White night Cruising~

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全国的に希少価値的存在になりつつある西日本車体工業(以下:西工)製の夜行高速用車両。
特にここ数年においては全国各地で廃車が進み、今や定期運用している事業者はほぼ皆無となりました。

そんな中、(予備車扱いではありますが)現在でも在籍しているのが、ご存じ西日本鉄道(以下:西鉄)が所有する2台の夜行高速用車両「02MC SD-Ⅰ」であります。(写真は西鉄高速バス在籍時に撮影したものです。)

西鉄高速バス「桜島号」夜行便 4012

※この車両については、私のブログでも何度か乗車記などでご紹介していますので、宜しければご覧いただきたいのですが・・・



実は、夏真っ盛りの2019(令和元)年7月中旬に、西日本鉄道(以下:西鉄)が所有する西工製夜行高速用SD-Ⅰを貸し切って福岡近郊を旅するという、仲間内によるバス貸切乗車会が開催されました。

「もしかすると、この乗車会をもって乗車することは出来なくなるかもしれない・・・。」

と思った私は、「折角の機会だから・・・」ということで、スケジュールを調整して一路福岡へ。
貴重な乗車会に参加してまいりました。

今回は、この乗車会の模様を簡単にご紹介します。
日数が経ってしまいましたが、備忘録としてお読みいただけると幸いです。

にしてつグループとしては最後の西工製夜行高速車の4011号車と4012号車

ここで、今回の主役である西鉄の西工製夜行高速用車両「02MC SD-Ⅰ」について、改めてご紹介しましょう。

現在在籍している西鉄の西工製夜行高速車「02MC SD-Ⅰ」がデビューしたのは、2005(平成17)年の夏。
型式は三菱KL-MS86MPで、4011号車と4012号車の2台が導入、博多自動車営業所に配属されました。
導入当初は、東京線「はかた号」や名古屋線「どんたく号」、そして今は無き大阪線「ムーンライト号」などで活躍しましたが、その後、2台のうち1台が、当時運行していた夜行高速三重線「お伊勢さんエクスプレス福岡号」の共同運行会社である三重交通へレンタルされ、レンタル返却後は、西鉄高速バス(本社:福岡市)に移籍し、九州島内夜行路線(鹿児島線「桜島号」や福岡~宮崎夜行線)で活躍しました。
現在は、西鉄高速バスの解散に伴い、西鉄福岡高速自動車営業所に再移籍した上で、九州島内夜行路線(鹿児島線「桜島号」や福岡~宮崎夜行線)用の予備車として在籍しています。

西鉄高速バス「桜島号」夜行便 4012
福岡~名古屋線「どんたく号」運用時の4012号車

久しぶりの名車とのご対面

乗車会の前日、東京新宿から「キング・オブ・夜行バス」こと西鉄の夜行高速バス「はかた号」で福岡に到着した私。
西鉄「はかた号」 0002_302


福岡~阿蘇線「ASOエクスプレス」実見を済ませ、この日は福岡にて宿泊しました。
西鉄「ASOエクスプレス」 3152


そして、翌朝。
乗車会の集合場所である博多バスターミナルへと向かいます。
博多バスターミナル

今回の乗車会でお世話になった車両はこちら↓。
西鉄 4012_01 外観
西鉄福岡高速自動車営業所所属の4012号車(三菱KL-MS86MP 西工02MC SD-Ⅰ)です。
西鉄バスファンにはお馴染みの車両ですが、堂々とした風格と車体デザインは、10年以上たっても新鮮に映ります。
「名車の貫禄 健在!!」といったところでしょうか。
車齢の割に車体が綺麗なのは、普段からの手入れの賜物でしょうね。

車内は、3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様となっています。
各座席にはコンセント・非常押しボタンを完備。
トイレは車内進行方向左側中央部に設置されています。
西鉄 4012 車内

西鉄 4012 シート

西鉄 4012 シート フルリク時

西鉄 4012 トイレ
規格ぎりぎりまで突き詰められた車内は、まさに快適そのもの。
メーカー純正車と比較して座席回りが広いのも、このタイプの車両の特長です。

この車両に乗車するのは、2018(平成30)年春以来、約1年ぶり。
久しぶりのご対面、そして久しぶりの西工製夜行高速車での旅・・・これは楽しみです。

悪天候の中のクルージング

9時15分過ぎ、参加者全員が揃ったところで、バスは博多バスターミナルを出発します。
この日は、雨が降りしきる生憎の悪天候。
撮影に難儀しそうですが、こればかりは仕方がありません。
西鉄 4012 博多バスターミナル発車

櫛田神社付近でフォトラン

まず向かったのは、最寄りの櫛田神社。
本来であれば、神社内の駐車場で撮影・・・といいたいところでしたが、年に一度の「山笠」の準備中ということもあり、今回は櫛田神社周辺でのフォトラン実施・・・ということになりました。

西鉄 4012 櫛田神社到着

櫛田神社前を走行する西鉄4012号車です。

西鉄 4012 櫛田神社付近走行中_01

西鉄 4012 櫛田神社付近走行中_02

西鉄 4012 櫛田神社付近走行中_03

街角には山笠が展示されていました。

西鉄 4012 櫛田神社付近走行中_04

西鉄 4012 櫛田神社付近走行中_05

雨の埠頭で撮影会

続いて向かったのは、福岡市内の某埠頭。
こちらで撮影会となりました。
晴れていればいうことのない素晴らしい場所なのですが、さすがに天候には勝てません。
ですが、それなりの撮影は出来ましたよ。(と私は思っています。)

西鉄 4012 那の津埠頭にて_01

西鉄 4012 那の津埠頭にて_02

西鉄 4012 那の津埠頭にて_03

西鉄 4012 那の津埠頭にて_04

西鉄 4012 那の津埠頭にて_05

関門橋を渡って下関へ

福岡市内某所での撮影を終えたところで、ここからは福岡都市高速道路と九州自動車道を経由して、山口県下関市へと向かいます。

途中、直方パーキングエリアとめかりパーキングエリアにて休憩停車を実施。
撮影やお買い物など、各々思い思いの時間を楽しんでいました。

西鉄 4012 直方PA(上り)にて_01

関門橋が見渡せるめかりパーキングエリアです。

西鉄 4012 めかりPAにて_01

西鉄 4012 めかりPAにて_02

西鉄 4012 めかりPAにて_03

関門橋を渡り、バスは山口県下関市へ。

西鉄 4012 関門海峡

下関市に入り、立ち寄ったのは・・・すばり、「唐戸市場」です。
こちらで昼食タイムとなりました。

唐戸市場(Wiki) 480
Wikipediaより

唐戸市場_02(Wiki) 480
Wikipediaより

下関市民、いや、山口県民の台所といってもいい「唐戸市場」。
中に入ってみると、早朝に揚がったばかりの新鮮な魚介類が我々を出迎えてくれます。
仲卸や海産物加工業による販売だけではなく、周辺の沿岸漁業で漁獲した魚や農家が収穫した農産物を自分たちで販売する「直売所」の機能も持ち合わせているのが特長で、特に人気なのが、市場にずらりと並ぶ新鮮な寿司類だとか。
私も数種類味わいましたが、中々美味しかったですよ。(写真が無くてごめんなさい。)


雨は次第に大降りに。
近くには、西鉄観光バス(西鉄バス二日市)の貸切バスが停車していました。

西鉄 4012 唐戸市場にて

北九州市内でフォトラン&撮影会

門司港レトロでフォトラン

唐戸市場での昼食を終えた我々一行は、関門トンネルを通り、門司港駅へと向かいます。

西鉄 4012 関門トンネル通過

門司港駅周辺は、いわゆる「門司港レトロ」としてここ数年人気が高まっている場所。
2019(平成31)年3月には大規模リニューアルが完成し、完成記念式典には、あのタモリさんも来賓として出席したことで話題にもなりました。

西鉄 4012 門司港駅にて_01

西鉄 4012 門司港駅にて_06

こちらでは、フォトランを実施。
限られた時間の中で、思い思いの写真を撮影していました。
西鉄 4012 門司港駅にて_02

西鉄 4012 門司港駅にて_03

西鉄 4012 門司港駅にて_04

西鉄 4012 門司港駅にて_05

西鉄 4012 門司港駅にて_06

濃霧の平尾台で撮影会

門司港レトロでのフォトランを終えたところで、次に向かったのは、北九州市内有数の景勝地である「平尾台」でした。
実は、こちら平尾台でもフォトランを実施する予定でしたが・・・

西鉄 4012 平尾台へ向けて

ご覧の通り、濃霧で視界が悪い状態。
安全を考慮した結果、フォトランは中止となり、代わりに平尾台の駐車場にて撮影会を実施することになりました。

西鉄 4012 平尾台にて_04

一寸先闇の状態でしたが、ヘッドライト点灯の効果もあってか、幻想的なSD-Ⅰの姿を撮影することが出来ました。

西鉄 4012 平尾台にて_01

西鉄 4012 平尾台にて_02

西鉄 4012 平尾台にて_03

少し見難いですが、貸切乗車会では恒例(?)の幕回し撮影会も実施されました。(一部のみ抜粋。)

西鉄 4012 平尾台にて_06 鹿児島各停

西鉄 4012 平尾台にて_07 坂出・高松

西鉄 4012 平尾台にて_08 宮崎夜行

締めは中州でのフォトラン

下関・北九州地区でのフォトラン・撮影会・クルージングを楽しんだところで、バス貸切乗車会も終盤に差し掛かります。

平尾台からは九州自動車道などを経由して福岡市内へ。
途中、直方パーキングエリアにて休憩停車がありました。

西鉄 4012 北九州→福岡

西鉄 4012 直方PA(下り)にて

あと少しで福岡市内です。

西鉄 4012 あと少しで福岡市内

そして、福岡天神の街並み。
西鉄天神高速バスターミナル・西鉄福岡(天神)駅も見えますね。

西鉄 4012 福岡天神

最後(締め)は、中洲地区でのフォトランとなりました。

西鉄 4012 中州にて_01

この地区は、絵になる撮影スポットが結構あるため、撮影場所の確定に苦労しましたが、何とか撮影場所を確保。
限られた時間の中で、シャッターを切りまくりましたが、参加者の皆様はどうだったのでしょうか。

西鉄 4012 中州にて_02

西鉄 4012 中州にて_03

西鉄 4012 中州にて_04

西鉄 4012 中州にて_05

西鉄 4012 中州にて_06

あっという間の想い出に残る一日

中州でのフォトランも終わり、いよいよこの4012号車(西工02MC SD-Ⅰ)ともお別れです。

西鉄 4012 中州にて_07

中州から呉服町を経由し、バスは博多バスターミナル2階21番のりばに到着。

西鉄 4012 博多BT到着

バスの後姿を見届け、参加者と別れの挨拶を交わした私は、博多バスターミナルを後にし、四国高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」で帰路につくのでありました。

西鉄 4012 中州にて_04


以上、西鉄4012号車バス貸切乗車会の模様をお届けしましたが、まずは、この様な楽しい貸切乗車会を企画・実現していただいた運営の方々、西日本鉄道の関係者様、西鉄博多自動車営業所の乗務員さん、そして参加者の皆様に、この場を借りて改めてお礼を申しあげたいです。

想い出に残る貸切乗車会をありがとうございました!

全国的に数を減らし、今や希少価値的存在の西工製夜行高速車。
西鉄に在籍する車両も、先は長くはないと推測されることから、このれの車両に乗車出来るのは、もしかすると今回がが最後かもしれません。

西工製「ネオロイヤルSDシリーズ」夜行高速仕様車の良さを挙げるとするならば、

・洗練された車体デザイン
・広々とした空間
・安定した走行性能と乗り心地


なのではないでしょうか。

低排気量・車体軽量化の流れが主流である今日の日本のバスにおいて、この様な車両が登場するのは、今後二度とないのかもしれません。
ですが、西工製「ネオロイヤルSDシリーズ」夜行高速仕様車が作り上げて来た歴史は、バス業界関係者やバスファンに重要なものであると同時に、日本のバス車両史において、間違いなく「名車」の1台なのではと思うのです。

この車両に出会えたこと、そして、10年余りの間、我々バスファンを楽しませてくれたことに感謝し、この記事を締めたいと思います。

数々の想い出をありがとうございました!


西鉄 4012 平尾台にて_05


【乗車データ】 
  • 乗車日:2019/07/13
  • 乗車区間:
    博多バスターミナル→櫛田神社→某所→下関市唐戸市場→門司港駅周辺→平尾台→中州地区→博多バスターミナル
  • 運行会社:西日本鉄道
  • 車両:三菱/KL-MS86MP(西工02MC SD-Ⅰ)
  • 年式:2005年式
  • 所属:福岡高速自動車営業所(乗車会当日の運行は博多自動車営業所が担当)
  • 社番:4012

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