四国高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」 乗車記【追記あり】
夜行高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」。
2007(平成19)年7月1日に運行を開始し、当時は西鉄高速バス(当時)と四国高速バスの共同運行路線でしたが、2018(平成30)年3月31日をもって西鉄高速バスが運行から撤退、翌4月1日以降は四国高速バスが単独で運行しています。
「さぬきエクスプレス福岡号」については、西鉄高速バス運行時代に幾度となく利用しました。
今は無き西工製の3802号車(三菱KL-MS86MP 西工02MC SD-Ⅱ)の堂々たる雄姿に魅かれ、何度も足を運んだものです。
実はこの度、約4年半ぶりに「さぬきエクスプレス福岡号」に乗車する機会があり、福岡から高松まで乗車してまいりました。
今回はその時の模様をご紹介します。
九州島内はもとより、本州方面へ向かう高速バスが発着する、日本有数の高速バスターミナルのひとつです。
「さぬきエクスプレス福岡号」は同ターミナルの6番のりばから発車します。(写真はイメージです。)
今回乗車した車両はこちら↓。
四国高速バスの最新型車両3081号車(日野セレガHD 2RG-RU1ESDA)です。
「Sanuki Express」のロゴが入ったお馴染みの四国高速バス専用カラーを纏っています。
バスは発車5分前に入線。
乗車改札を受け、車内に入ります。
最後部も1人掛けになっている他、静粛性確保のために床がカーペット敷きになっているのが特長です。
窓側座席には通路カーテンも装備。
回りを気にせずにゆっくりと休むことが出来ます。
シートは、天龍工業製の標準シートに大型の可動式枕を搭載した独自仕様。
この可動式枕が頭をしっかりと支えてくれ、個人的に好印象でした。
各座席の肘掛下に設置されています。
使い捨てスリッパは持ち帰ることも出来ます。
充実した車内設備が売りの四国高速バスですが、その売りは「さぬきエクスプレス福岡号」専用車においても健在でした。
全体的な印象としては、カーペット敷きの床が何処とない豪華さを演出しているのかなぁと感じました。
10分程で福岡インターを通過し、福岡インターからは九州自動車道を東へ進みます。
この日の乗客は私を含めて20人前後。
スマートフォンでネットを楽しむ人やシートを倒して寝る人など、思い思いの時間を過ごしています。
23時12分、八幡インターを流出し、九州自動車道とはいったんお別れ。
北九州都市高速道路を足立ランプまで走行し、小倉中心部に入ります。
23時35分、小倉駅前に到着。
こちらで最後の乗車扱いを行い、乗務員による各種案内がマイクを通して行われます。
23時40分、小倉駅前を発車。
ここからは富野ランプまで一般道を走行した後、北九州都市高速道路~関門橋~中国自動車道~山陽自動車道~瀬戸中央自動車道~高松自動車道などを経由して、坂出・丸亀・高松へ向かいます。
消灯前の開放休憩は、関門橋手前のめかりパーキングにて約10分間停車。
定刻ですと0時00分頃に到着します。
関門橋手前のめかりパーキングエリアは、関門海峡が見渡せるビューポイントとしても有名ですが、夜中はライトアップされた街並みや関門橋を見ることが出来ます。
関門橋をバックに停車する「さぬきエクスプレス福岡号」です。
めかりパーキングエリアを発車したバスは、関門橋を渡り切ったところで消灯。
この先は途中数か所にて車両点検や乗務員の休憩などで停車しますが、乗客は朝の開放休憩まで外へ出ることが出来ません。
暫くは起きていましたが、やがて夢の中へ。
翌朝は乗務員の案内放送で目を覚ましました。
疲れていたということもありますが、時間は短いもののそれなりに寝ていた様です。
定刻ですと朝の5時前に到着します。
7月の日が長い時期ですが、外はまだ薄暗かったです。
同じく駐車場には、ライバル路線の琴平バス「コトバスエクスプレス」福岡~高松・徳島・鳴門線が停車していました。
生憎の曇り空でしたが、早朝の瀬戸内を堪能することが出来ました。
瀬戸大橋を渡り切った5時26分、バスは坂出インターを流出。
その数分後の5時29分に、最初の降車停留所である坂出駅前に到着します。
こちらでは乗務員の交代場所にもなっており、そのために数分間の停車時間が設けられています。
坂出駅前から乗務する乗務員に引継ぎを行い、坂出駅を発車します。
終点の高松駅高速バスターミナルまで、あともう少しです。
その後、5時53分、丸亀駅に到着。
丸亀駅からは一般道を走行し、6時08分には善通寺インターバスターミナルにて降車扱いのために停車します。
善通寺インターからは高松自動車道へ。
30分弱で高松市内に差し掛かります。
こちらでは数名下車し、パーク&ライド駐車場の駐車券を受け取っていました。
その後、ゆめタウン高松は降車客がおらず通過し、6時57分、定刻より10分早くバスは終点の高松駅高速バスターミナルに到着しました。
福岡を発車して9時間弱、あっという間に過ぎた福岡~高松間の移動でした。
前回の乗車から4年半、そして初の四国高速バス担当便の乗車でしたが、車内の造りや設備がしっかりとしていて、想像以上に快適に移動することが出来ました。
床がカーペット敷きであることによる騒音の遮蔽効果もそれなりにある様で、走行音もさほど五月蠅く感じずに済みました。
一方、今回の利用でひとつ気になったことがあります。
それは、運行ダイヤについてです。
私の記憶が確かなら、西鉄高速バスとの共同運行時代は福岡~高松間の所要時間が約10時間15分であったと記憶していますが、四国高速バスによる単独運行に変更されて以降のダイヤ改正で、所要時間が1時間以上短縮されています。
⇒ 四国高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」時刻表(四国高速バス公式サイト PDFファイル)
所要時間が短縮されること自体は利用者にとってありがたいかもしれませんが、実は“途中交代制ワンマン運行"のまま所要時間が短縮されているのです。
特に見ていただきたいのが、北九州小倉~坂出間の所要時間です。
同区間の走行距離は約400km。
これに対して、約6時間で走破するダイヤになっています。
この運行ダイヤですが、想像するに乗務員にとっては結構きついのではないでしょうか。
恐らくですが、以前設けられていた”パーキングエリアでの仮眠時間”をカットして所要時間の短縮を行っているのではないでしょうか。
確かに、途中のパーキングエリアでの休憩時間は設けられていますし、厚生労働省が定める「バス運転者の労働時間等の基準」及び国土交通省が定める「交替運転者の配置基準」も満たしているので、法令的には問題ありませんが、もし途中のパーキングエリアでの仮眠休憩がないとすると、乗務員にとってかなりの負担になっている可能性があります。
競合路線対策や採算面の問題もありますが、乗務員の負担などを考えると、”パーキングエリアでの仮眠時間”を復活させるか、坂出~福岡間(もしくは全区間)ツーマン運行にするなどの対策が必要なのでないかと今回の乗車を通じて感じました。
2007(平成19)年の運行開始から12年。
ここ最近は競合路線の対策や廃止路線の代替目的で、早割運賃の導入や徳島・高知方面乗り継ぎきっぷの販売を行っています。
色々と書きましたが、今後も利用者に愛される路線として末永く走る続けることを切に願いたいものです。
【乗車データ】
【追記】
私がライターとしてお世話になっております高速バス関連の情報配信サイト「バスとりっぷ」にも、乗車記として紹介しています。
「バスとりっぷ」掲載用として、新たに撮影・取材をしております。
宜しければ、こちらもご覧いただけると幸いです。
(2020.01.21追記)
【お知らせ】
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九州福岡と四国高松を乗り換えなしで結ぶ
2007(平成19)年7月1日に運行を開始し、当時は西鉄高速バス(当時)と四国高速バスの共同運行路線でしたが、2018(平成30)年3月31日をもって西鉄高速バスが運行から撤退、翌4月1日以降は四国高速バスが単独で運行しています。
「さぬきエクスプレス福岡号」については、西鉄高速バス運行時代に幾度となく利用しました。
今は無き西工製の3802号車(三菱KL-MS86MP 西工02MC SD-Ⅱ)の堂々たる雄姿に魅かれ、何度も足を運んだものです。
実はこの度、約4年半ぶりに「さぬきエクスプレス福岡号」に乗車する機会があり、福岡から高松まで乗車してまいりました。
今回はその時の模様をご紹介します。
目次
充実した車内設備の最新型セレガ
やって来たのは、福岡市中央区天神の一等地に位置する「西鉄天神高速バスターミナル」。九州島内はもとより、本州方面へ向かう高速バスが発着する、日本有数の高速バスターミナルのひとつです。
「さぬきエクスプレス福岡号」は同ターミナルの6番のりばから発車します。(写真はイメージです。)
今回乗車した車両はこちら↓。
四国高速バスの最新型車両3081号車(日野セレガHD 2RG-RU1ESDA)です。
「Sanuki Express」のロゴが入ったお馴染みの四国高速バス専用カラーを纏っています。
バスは発車5分前に入線。
乗車改札を受け、車内に入ります。
車内・シート
車内は、3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様。最後部も1人掛けになっている他、静粛性確保のために床がカーペット敷きになっているのが特長です。
窓側座席には通路カーテンも装備。
回りを気にせずにゆっくりと休むことが出来ます。
シートは、天龍工業製の標準シートに大型の可動式枕を搭載した独自仕様。
この可動式枕が頭をしっかりと支えてくれ、個人的に好印象でした。
USBポート
携帯電話やスマートフォンの充電に便利なコンセント類は、USBポートを採用。各座席の肘掛下に設置されています。
スリッパ・ブランケット
そして、各座席にはブランケットと使い捨てスリッパも。使い捨てスリッパは持ち帰ることも出来ます。
充実した車内設備が売りの四国高速バスですが、その売りは「さぬきエクスプレス福岡号」専用車においても健在でした。
全体的な印象としては、カーペット敷きの床が何処とない豪華さを演出しているのかなぁと感じました。
関門橋と瀬戸大橋を渡り一路高松へ・・・
22時10分 西鉄天神高速バスターミナル発車
22時10分定刻に西鉄天神高速バスターミナルを発車した「さぬきエクスプレス福岡号」は、博多バスターミナルで乗車扱いを行った後、呉服町ランプから福岡都市高速道路へ。10分程で福岡インターを通過し、福岡インターからは九州自動車道を東へ進みます。
この日の乗客は私を含めて20人前後。
スマートフォンでネットを楽しむ人やシートを倒して寝る人など、思い思いの時間を過ごしています。
23時12分、八幡インターを流出し、九州自動車道とはいったんお別れ。
北九州都市高速道路を足立ランプまで走行し、小倉中心部に入ります。
23時35分、小倉駅前に到着。
こちらで最後の乗車扱いを行い、乗務員による各種案内がマイクを通して行われます。
23時40分、小倉駅前を発車。
ここからは富野ランプまで一般道を走行した後、北九州都市高速道路~関門橋~中国自動車道~山陽自動車道~瀬戸中央自動車道~高松自動車道などを経由して、坂出・丸亀・高松へ向かいます。
0時02分~0時12分 めかりパーキングエリア停車(開放休憩)
このバスの途中開放休憩は2か所です。消灯前の開放休憩は、関門橋手前のめかりパーキングにて約10分間停車。
定刻ですと0時00分頃に到着します。
関門橋手前のめかりパーキングエリアは、関門海峡が見渡せるビューポイントとしても有名ですが、夜中はライトアップされた街並みや関門橋を見ることが出来ます。
関門橋をバックに停車する「さぬきエクスプレス福岡号」です。
めかりパーキングエリアを発車したバスは、関門橋を渡り切ったところで消灯。
この先は途中数か所にて車両点検や乗務員の休憩などで停車しますが、乗客は朝の開放休憩まで外へ出ることが出来ません。
暫くは起きていましたが、やがて夢の中へ。
翌朝は乗務員の案内放送で目を覚ましました。
疲れていたということもありますが、時間は短いもののそれなりに寝ていた様です。
4時52分~5時05分 鴻ノ池パーキングエリア停車(開放休憩)
朝の開放休憩は、瀬戸大橋を渡る手前の瀬戸中央自動車道鴻ノ池パーキングエリアにて10分間実施されます。定刻ですと朝の5時前に到着します。
7月の日が長い時期ですが、外はまだ薄暗かったです。
同じく駐車場には、ライバル路線の琴平バス「コトバスエクスプレス」福岡~高松・徳島・鳴門線が停車していました。
5時15分~5時25分 瀬戸大橋通過
5時05分、鴻ノ池パーキングエリアを発車した「さぬきエクスプレス福岡号」は、5分程で瀬戸大橋に差し掛かります。生憎の曇り空でしたが、早朝の瀬戸内を堪能することが出来ました。
瀬戸大橋を渡り切った5時26分、バスは坂出インターを流出。
その数分後の5時29分に、最初の降車停留所である坂出駅前に到着します。
こちらでは乗務員の交代場所にもなっており、そのために数分間の停車時間が設けられています。
坂出駅前から乗務する乗務員に引継ぎを行い、坂出駅を発車します。
終点の高松駅高速バスターミナルまで、あともう少しです。
その後、5時53分、丸亀駅に到着。
丸亀駅からは一般道を走行し、6時08分には善通寺インターバスターミナルにて降車扱いのために停車します。
善通寺インターからは高松自動車道へ。
30分弱で高松市内に差し掛かります。
6時57分 高松駅高速バスターミナル到着
6時37分、高松中央インター最寄の高松中央インターバスターミナル到着。こちらでは数名下車し、パーク&ライド駐車場の駐車券を受け取っていました。
その後、ゆめタウン高松は降車客がおらず通過し、6時57分、定刻より10分早くバスは終点の高松駅高速バスターミナルに到着しました。
福岡を発車して9時間弱、あっという間に過ぎた福岡~高松間の移動でした。
所要時間が短縮されたのはありがたいのですが・・・
以上、四国高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」の乗車記をお届けしました。前回の乗車から4年半、そして初の四国高速バス担当便の乗車でしたが、車内の造りや設備がしっかりとしていて、想像以上に快適に移動することが出来ました。
床がカーペット敷きであることによる騒音の遮蔽効果もそれなりにある様で、走行音もさほど五月蠅く感じずに済みました。
一方、今回の利用でひとつ気になったことがあります。
それは、運行ダイヤについてです。
私の記憶が確かなら、西鉄高速バスとの共同運行時代は福岡~高松間の所要時間が約10時間15分であったと記憶していますが、四国高速バスによる単独運行に変更されて以降のダイヤ改正で、所要時間が1時間以上短縮されています。
⇒ 四国高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」時刻表(四国高速バス公式サイト PDFファイル)
所要時間が短縮されること自体は利用者にとってありがたいかもしれませんが、実は“途中交代制ワンマン運行"のまま所要時間が短縮されているのです。
特に見ていただきたいのが、北九州小倉~坂出間の所要時間です。
同区間の走行距離は約400km。
これに対して、約6時間で走破するダイヤになっています。
この運行ダイヤですが、想像するに乗務員にとっては結構きついのではないでしょうか。
恐らくですが、以前設けられていた”パーキングエリアでの仮眠時間”をカットして所要時間の短縮を行っているのではないでしょうか。
確かに、途中のパーキングエリアでの休憩時間は設けられていますし、厚生労働省が定める「バス運転者の労働時間等の基準」及び国土交通省が定める「交替運転者の配置基準」も満たしているので、法令的には問題ありませんが、もし途中のパーキングエリアでの仮眠休憩がないとすると、乗務員にとってかなりの負担になっている可能性があります。
競合路線対策や採算面の問題もありますが、乗務員の負担などを考えると、”パーキングエリアでの仮眠時間”を復活させるか、坂出~福岡間(もしくは全区間)ツーマン運行にするなどの対策が必要なのでないかと今回の乗車を通じて感じました。
2007(平成19)年の運行開始から12年。
ここ最近は競合路線の対策や廃止路線の代替目的で、早割運賃の導入や徳島・高知方面乗り継ぎきっぷの販売を行っています。
色々と書きましたが、今後も利用者に愛される路線として末永く走る続けることを切に願いたいものです。
【乗車データ】
- 乗車日:2019/07/13
- 乗車区間:
西鉄天神高速バスターミナル→高松駅高速バスターミナル - 運行会社:四国高速バス
- 車両:日野/セレガHD(2RG-RU1ESDA)
- 年式:2018年式
- 所属:高松営業所(本社)
- 社番:081
【追記】
私がライターとしてお世話になっております高速バス関連の情報配信サイト「バスとりっぷ」にも、乗車記として紹介しています。
「バスとりっぷ」掲載用として、新たに撮影・取材をしております。
宜しければ、こちらもご覧いただけると幸いです。
(2020.01.21追記)
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