西日本鉄道「どんたく号」乗車記(2019年3月乗車分)
名鉄バス(愛知県名古屋市)と西日本鉄道(福岡県福岡市、以下:西鉄)が共同で運行し、1989(平成元)年12月の運行開始からまもなく30周年を迎える老舗人気路線です。
名鉄バス「どんたく号」
西日本鉄道「どんたく号」
このブログでは、過去に「どんたく号」の乗車記を紹介している他、高速バス関連の情報配信サイト「バスとりっぷ」様でも「どんたく号」名鉄バス便の乗車記を紹介しております。
【「どんたく号」乗車記 (ひろしプロジェクトWEB内)】
【「バスとりっぷ」 名鉄バス「どんたく号」乗車体験記】
「どんたく号」名鉄バス便については、上記「バスとりっぷ」内乗車体験記で書いた通りなのですが、こと西鉄便についてはここ暫く乗車しておらずご無沙汰でした。
ですが、実は先日、久しぶりに「どんたく号」西鉄便に乗車する機会がありました。
今回はその時の模様をご紹介します。
車両・シートは変われど・・・西鉄夜行高速バスの「イズム」は継承!?
やって来たのは、名鉄名古屋駅に直結する名古屋名鉄バスセンター。東北、東京新宿、北陸、関西、四国、九州方面へ向かう高速バスのほか、近距離高速バス、一般路線バスも発着する、中京圏有数のバスターミナルです。
バスのりばは3階と4階にありますが、長距離高速バスは3階から発車。
エスカレーターもしくはエレベーターで3階に上がると、乗車券カウンターと待合所、コンビニエンスストアがあります。
「どんたく号」は、3階5番のりばから発車します。
今回乗車したのは、こちら↓の車両。 西日本鉄道博多自動車営業所所属4851号車(三菱エアロクイーン QRG-MS96VP)です。
「どんたく号」はもとより、福岡~東京線「はかた号」(予備・続行用)、福岡~岡山線「ペガサス号」といった本州方面夜行高速路線で活躍する他、福岡~延岡線「ごかせ号」、福岡~鹿児島線「桜島号」でも活躍する、オールラウンドな車両です。
車両こそ西工製からメーカー純正(三菱ふそう製)に変わりましたが、伝統の"白夜行"塗装はこの車両でもよく映えますね。
と思いきや、この車両、実は昨年2018(平成30)年7月の「ごかせ」の取材で福岡から延岡まで乗車した時の車両でした(笑)。
バスは発車10分前に入線し、乗車改札が行われます。
乗車改札を受け、車内に入ってみます。 車内は3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様。
内装がアイボリーということもあってか、黒のシートモケットが一際目立ちますね。
西鉄伝統のプライベートカーテンは、この車両でも健在。
乗車時は荷物棚に上げられていますが、消灯前の開放休憩時に乗務員がセット。
セットされたプライベートカーテンは、狭いながらも個室感覚で休むことが出来、女性客を中心に好評を得ています。
シートは、天龍工業製の夜行高速シートを搭載。 可動式枕を装備し、足受けのくり抜きも通常タイプより深くなっています。
各座席にはコンセントも完備。
携帯電話やスマートフォンの充電に便利です。
その他、肘掛下部後方には緊急時押しボタンが後付けにて設置されています。
因みに、この車両の当たり席は、なんといっても最前列の1A席。
足元が大変広く、長身の方でも足をゆったりと伸ばすことが出来るのでお勧めです。
未だに「名車」との呼び声が高い「西工ネオロイヤルSD-Ⅱ」と「杉本工業製スリーピングシート」の組み合わせ。
時が流れ、車両メーカーもシートメーカーも変わってしまいましたが、プライベートカーテンや足置き台の奥行きの深さなど、西鉄ならではのこだわりも随所に伺うことが出来、同社が培ってきた「イズム」は引き継がれているといっても良いでしょう。
途中休憩は2箇所 目の前に関門橋が・・・
21時00分、名古屋名鉄バスセンターを発車したバスは、栄オアシス21で乗車扱いを行い、東新町ランプから名古屋高速へ。名古屋高速に入ったところで、乗務員による各種案内がマイクを通じて行われます。
過不足無い的確な案内は、さすが西鉄といったところ。
その後、各座席を回って不明点がないかどうかの確認と、車内サービスのパックジュース(緑茶)の配布も行われます。
バスは、名古屋高速を名古屋西インター料金所まで走行した後、東名阪自動車道~新名神高速道路~名神高速道路~中国自動車道~山陽自動車道~中国自動車道~関門橋~北九州都市高速道路~九州自動車道を経由して福岡へと向かいます。
途中の開放休憩は、消灯前と起床後の2回のみ。
消灯前の開放休憩は、名古屋から1時間弱走行した東名阪自動車道御在所サービスエリアにて15分間実施されます。
発車時刻は、乗務員から案内されると同時に、前方のモニターにて表示されます。
発車時刻を確認してからバスを降りるようにしましょう。
バスもしばしひと休みです。
22時10分、乗客が全員戻って来たところで乗務員がプライベートカーテンをセット。
その後、車内灯が消され、バスは御在所サービスエリアを後にします。
この先は、数ヶ所のサービスエリアにて停車しますが、乗務員交代と車両点検のための停車で、乗客は下車することが出来ませんので注意が必要です。
消灯後、シートを倒して目を瞑ると、シートの座り心地の良さからか、いつしか夢の中へ。
途中、サービスエリアでの乗務員交代時に数回目を覚ましますが、比較的ぐっすりと眠ることが出来ました。
翌朝の開放休憩は、関門橋手前の関門自動車道壇ノ浦パ-キングエリアにて15分間実施されます。
定刻では5時50分頃に到着します。
壇之浦パーキングエリアといえば、あのローカルバラエティ番組『水曜どうでしょう』でもお馴染みのサービスエリアですが、実は本州と九州の架け橋「関門橋」が間近で見られるビュースポット。
冬期は夜明けが遅いために真っ暗ですが、日が高い春先から秋にかけては、目の前の関門橋と対岸の九州を一望することが出来ます。
6時05分、乗客が全員揃ったところで、バスは壇ノ浦パーキングエリアを発車。
関門橋を渡り、門司インターから北九州都市高速道路に入り、25分程でバスは最初の降車停留所である小倉駅前に到着します。
こちらでは数名下車していきました。
砂津、引野口は降車客がいないとのことで通過し、7時00分に八幡インターから九州道へ入ります。
その後の直方PA・若宮インターも降車客がいないとのことで通過し、7時24分に福岡インターを通過。
福岡都市高速道路を10分程走行した博多駅東ランプで高速道路を降り、オフィス街を駆け抜けたバスは、定刻よりも5分早い7時45分に博多バスターミナル2階降車ホームに到着しました。 終点は西鉄天神高速バスターミナルですが、近くの西鉄クルームホテルで朝風呂に入りたいということもあり、私はこちらで下車。
西鉄天神高速バスターミナルへ向けて発車するバスの後姿を見ながら、博多バスターミナルを後にするのでありました。
西鉄・名鉄バス両社の車両を乗り比べてみるのも面白いかも?
以上、西鉄「どんたく号」の乗車記をお届けしました。今回、久しぶりに西鉄本体が運行する本州方面夜行高速路線に乗車しましたが、先述の通り、車両やシートこそ変わりはしたものの、西鉄伝統のプライベートカーテンが継続採用されている点や、足受けの奥行きを出来るだけ深くするなど、利用者視点に立った改良が施されているという点で、西鉄夜行高速バスの「イズム」は継承されているのではと感じました。
一方で、共同運行会社の名鉄バスも、2014年以降に導入した夜行高速用車両については新型シート「プレミアムワイド」の搭載が標準になっており、利用者からも高い評価を得るなど、レベルを上げて来ています。
今回乗車した感じでは、西鉄・名鉄バス両社の車両ともに遜色なく快適に過ごせられるのではと思いましたが、シートの形状や中央列席専用の荷物棚が装備されているという点で、もしかすると利用者にとっては名鉄バス便の方が豪華に映るかもしれません。
「どんたく号」を頻繁に利用する方は、両社のバスを乗り比べてみるのも良いかもしれませんね。
ともあれ、数年前とほぼ同様の快適な移動が楽しめた、今回の西鉄「どんたく号」の旅でございました。
【乗車データ】
- 乗車日:2019/03/02
- 乗車区間:
名鉄バスセンター→博多バスターミナル - 運行会社:西日本鉄道
- 車両:三菱/エアロクイーン(QRG-MS96VP)
- 年式:2014年式
- 所属:博多自動車営業所
- 社番:4851
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