九州産交バス「不知火号」乗車記(2019年3月乗車分)
た名古屋~九州間の夜行高速バス。
当時運行されていたのは、以下の8路線でした。
【最盛期に運行されていた名古屋~九州間の夜行高速バス】
※運行会社は開業当時のものを記載。
ところが、バブル崩壊後、次第に路線網は縮小され、特にここ数年においては路線の休廃止が相次いでいます。
結果、現在も運行を続けている路線は、
前回、このブログで名古屋~福岡線「どんたく号」西鉄便の乗車記をご紹介しましたが、今回は名古屋~熊本線「不知火号」を改めて取り上げます。
「不知火号」については、以前このブログで名鉄バス便をご紹介しましたが・・・
今回ご紹介するのは、九州産交バス便であります。
実は先日、九州からの帰路の足として「不知火号」九州産交バス便を利用したのですが、如何せん「不知火号」九州産交バス便を利用したのは今回が初めて。
というわけで、その時の様子などを中心に紹介していきます。
1990(平成2)年7月に運行を開始し、経路変更や路線延長など経ながら、現在も名鉄バスと九州産交バスが共同で運行しています。
やって来たのは、熊本市中央区桜町にある熊本交通センター。
“交通センター"と名乗ってはいますが、実は現在同地区にて再開発が行われており、熊本交通センターは路上に停留所が並ぶ仮営業の状態。
かつての交通センター跡に、商業施設、バスターミナル、公益施設(ホール)、ホテル、住宅、バシネマコンプレックスなどが入る複合施設を2015(平成27)年から建設しており、今年2019(平成31)年9月にオープンする予定です。
バスターミナルの名称も「熊本交通センター」から「桜町バスターミナル」に変更されることになっています。
当初の予定では、始発の西部車庫(九州産交バス本社・熊本営業部前)から乗車する予定でしたが、時間的に間に合わなかったため、今回は熊本交通センターから乗車することにしました。
今回乗車した車両は、九州産交バス熊本営業部高速バス営業所所属1011号車(日野セレガHD QPG-RU1ESBA)。
写真の1130号車(日野セレガHD QRG-RU1ESBA)と共に、「不知火号」用車両として活躍しています。 元々は「フェニックス号」(福岡~宮崎線)及び「なんぷう号」(熊本~宮崎線)の専用車として導入されましたが、車内仕様が3列独立シート&床下乗務員仮眠室付き仕様ということもあって、繁忙期には夜行高速路線の続行用車両としても活躍していました。
ところが、その後、「不知火号」専用車が他路線に転用されたことから、写真の1130号車と共に「不知火号」用車両としてコンバートされ、現在に至ります。
伝統の「サンライズカラー」が車体に映えますね。
発車の10分前にはバスが入線、乗車改札が始まります。
車内に入ってみましょう。 車内は3列独立シート29人乗りの夜行高速仕様となっています。
最後列の座席が3席ではなく4席になっているのが特徴で、最後部7席は女性専用席として販売されています。
窓側座席には通路カーテンが装備されているほか、産交バスならではの装備として、車内中央部トイレ付近に「ハイクロミスト」という除菌水発生装置が設置されています。
除菌・加湿・消臭機能を持つ除菌水をこの機会で発生させることで、クリーンな車内空間を提供するそうです。
シートは、天龍工業製の夜行高速用標準シートを採用。
ダークブラウンのシートモケットが落ち着きを与えてくれます。 各座席には座席コンセントと緊急用非常ボタンを装備していますが、私が産交便で評価したいのは、車内装備品の毛布。
どうも夏季と冬季で毛布の厚さを変えている様で、冬季用の毛布は特殊な構造になっているからなのか、暖かく包まることが出来ます。
おかげで道中寒い思いをせずに済みました。
ざっと見た感じ、夜行高速バスに必要な装備は一通り備わっている印象を受けましたが、共同運行の名鉄バスが新型シート「プレミアムワイド」を搭載したハイグレード車両を投入しており、共同運行会社の車両と比較すると見劣りを感じるのは致し方がないのかなぁと思いました。
九州自動車道の武蔵ケ丘バス停を発車したところで、自動放送による各種案内と交代乗務員による自己紹介、補足説明が行われます。
以前は、熊本県庁前から松の本~熊本インターという経路で九州自動車道に入っていましたが、2016年4月1日のダイヤ改正で熊本市内の運行経路が変更され、現在に至っています。
「ひのくに号」(福岡~熊本線)スーパーノンストップ便と同じ運行経路といえば、地元の人であればお分かりいただけるのではないでしょうか。
武蔵ケ丘から北上し、植木インターと菊水インターで乗車扱いを行ったバスは、九州自動車道~関門橋~中国自動車道~山陽自動車道~中国自動車道~名神高速道路~新名神高速道路~東名阪自動車道を経由して名古屋へ直行します。
菊水インターから先は、終点名古屋名鉄バスセンターまで降車扱いの停車がありません。
この日の車内は、約7割方の乗車率。
春休み期間中ということもあってか、若い方の乗客が目立ちます。
中には卒業旅行らしき団体客も。
「名古屋に着いてからどこへ行こうかぁ。」などといった話声が聞こえるのも、この時期ならではですね。
途中の開放休憩は2箇所。
1箇所目は、関門橋を渡った先の中国自動車道王司パーキングエリアにて10分~15分停車します。
定刻ですと23時過ぎに到着します。
こちらのパーキングエリアは、深夜時間帯に売店が営業しておらず、あるのはトイレと飲み物類の自動販売機のみ。
実は私、乗車前に夕食を取り損ねまして、熊本交通センターの周りに営業しているコンビニエンスストアが無かった(すぐ近くにセブンイレブンがあったのですが、改装工事中で閉店していました)ことから、消灯前のパーキングエリアで飲食物が手に入るだろうと思い、何も買わずにバスに乗車したのですが・・・甘い考えでした。
というわけで、飲食物の購入は乗車前に済ませておくのが良いでしょう。
外は雨模様。
素早くトイレや洗顔を済ませてバス車内に戻る乗客が多く、私もトイレを済ませた後、飲み物を購入し、WEB用の撮影を済ませてバス車内に戻りました。
23時15分、乗客が全員揃ったところでバスは王司パーキングエリアを発車。
その数分後に車内は消灯され、おやすみタイムとなりました。
多少疲れていたからか、シートを倒して目を瞑るや否や、深い眠りについてしまい、気が付くとバスは滋賀県内の新名神高速道を走行してました。
こちらでも10分~15分停車し、定刻ですと6時30分頃に到着します。 大山田パーキングエリアは、トイレ、自販機はもちろんのこと、売店、コンビニエンスストア(24時間営業)、ATMもあって、施設が充実しています。
停車時間は短いですが、飲食物の購入はこちらを利用すると良いでしょう。
「不知火号」も、ラストスパートを前にひと休みです。
6時45分、乗客が全員揃ったところでバスは発車。
雨の東名阪自動車道を名古屋へ向けてラストスパートです。
7時00分、名古屋西インター料金所を通過。
名古屋高速を10分程走り、白川ランプで高速道路とはお別れ。
その後は雨ということもあって車の流れは悪かったのですが、それでもバスは定刻よりも10分程早い7時20分に終点の名古屋名鉄バスセンターに到着。 トランクに預けた荷物を受け取った多くの乗客達は、会話を交わしながら次なる目的地へ。
私もスーツケースを引きずりながら帰路へと向かったのでありました。
それは・・・
「乗車率が高い路線であっても、今後も安泰とは限らないのでは?」
ということです。
既知の通り、ここ最近、長距離夜行高速バスの休廃止や運行撤退が相次いでいます。
「利用客の減少」や「不採算」など、休廃止や撤退に至る理由は様々ですが、特にここ最近において目に付くのが「深刻な乗務員不足」であります。
休廃止を告知するプレスリリースを見ていただくと分かりますが、休廃止や撤退の理由で「乗務員不足」を記す事例が多くなったと思いませんか?
それだけ、長距離の夜行高速バスに人員を回す余裕がなくなっているということなのです。
更に、最近の事業者の流れを見てみると、長時間(日数)拘束される割に利益率が高くない長距離夜行高速路線に人員を回すよりも、1人の乗務員で複数往復回せる生活路線や短距離・中距離高速路線、観光路線へ資源を集中しようという流れが顕著になっているのです。
これまで、名古屋~九州間の長距離夜行高速路線については、一部の路線を除いて高乗車率を誇る路線が多いのが特徴でした。
にもかかわらず、ここ数年の間に路線の休廃止が相次いでいるということは、現状乗車率が高い路線であっても、今後も安泰とは限らないのはと私は考えるのです。
現に、今は無き名古屋~佐世保線や名古屋~大分線「ぶんご号」、そして昨年2018(平成30)年11月で運行を終了した名古屋~長崎線「グラバー号」のいずれも、一部の閑散期を除いて乗車率が高い路線でしたが、全て運行を終了しています。
先述の通り、現在、名古屋~九州間の夜行高速バスは3路線が運行されていますが、果たして今後も運行し続けることが出来るのかどうか・・・昨今の業界を取り巻く諸事情を考えると非常に心配です。
名古屋~九州間に限りませんが、長距離夜行高速バスの動向については今後も引き続き注目して見ていきたいと思います。
一方で、休廃止になった路線も、休廃止前には少なからず利用客がいたのもまた事実です。
乗り継ぎ割引きっぷの販売や接続時刻の改善など、利用客の不便が少しでも改善されるようなケアを事業者に対しては是非ともお願いしたい・・・そんなことを考えた今回の「不知火号」の乗車でした。
【乗車データ】
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最盛期(バブル期)には多数の路線が運行されてい
当時運行されていたのは、以下の8路線でした。
【最盛期に運行されていた名古屋~九州間の夜行高速バス】
※運行会社は開業当時のものを記載。
- 名古屋~福岡線「どんたく号」(名古屋鉄道・西日本鉄道)
- 名古屋~福岡線「レインボー号」(JR東海バス・JR九州)
- 名古屋~北九州線「玄海号」(名古屋鉄道・西日本鉄道)
- 名古屋~長崎線「グラバー号」(名古屋鉄道・長崎自動車)
- 名古屋~佐世保「西海路号」「コーラルエクスプレス」(名古屋鉄道・西肥自動車)
- 名古屋~大分線「ぶんご号」(名古屋鉄道・大分バス・大分交通・亀の井バス)
- 名古屋~熊本線「不知火号」(名古屋鉄道・九州産業交通)
- 名古屋~鹿児島線「錦江湾号」(名古屋鉄道・鹿児島交通・南国交通・林田産業交通)
名古屋鉄道「西海路号」
西日本鉄道「玄海号」
ところが、バブル崩壊後、次第に路線網は縮小され、特にここ数年においては路線の休廃止が相次いでいます。
結果、現在も運行を続けている路線は、
- 名古屋~福岡線「どんたく号」(名鉄バス・西日本鉄道)
- 名古屋~熊本線「不知火号」(名鉄バス・九州産業交通)
前回、このブログで名古屋~福岡線「どんたく号」西鉄便の乗車記をご紹介しましたが、今回は名古屋~熊本線「不知火号」を改めて取り上げます。
「不知火号」については、以前このブログで名鉄バス便をご紹介しましたが・・・
今回ご紹介するのは、九州産交バス便であります。
実は先日、九州からの帰路の足として「不知火号」九州産交バス便を利用したのですが、如何せん「不知火号」九州産交バス便を利用したのは今回が初めて。
というわけで、その時の様子などを中心に紹介していきます。
目次
「フェニックス号」「なんぷう号」で活躍していた車両を転用 産交ならではの工夫も
先述の通り、夜行高速バス「不知火号」は名古屋~熊本間を結ぶ夜行高速バスです。1990(平成2)年7月に運行を開始し、経路変更や路線延長など経ながら、現在も名鉄バスと九州産交バスが共同で運行しています。
やって来たのは、熊本市中央区桜町にある熊本交通センター。
“交通センター"と名乗ってはいますが、実は現在同地区にて再開発が行われており、熊本交通センターは路上に停留所が並ぶ仮営業の状態。
かつての交通センター跡に、商業施設、バスターミナル、公益施設(ホール)、ホテル、住宅、バシネマコンプレックスなどが入る複合施設を2015(平成27)年から建設しており、今年2019(平成31)年9月にオープンする予定です。
バスターミナルの名称も「熊本交通センター」から「桜町バスターミナル」に変更されることになっています。
当初の予定では、始発の西部車庫(九州産交バス本社・熊本営業部前)から乗車する予定でしたが、時間的に間に合わなかったため、今回は熊本交通センターから乗車することにしました。
今回乗車した車両は、九州産交バス熊本営業部高速バス営業所所属1011号車(日野セレガHD QPG-RU1ESBA)。
写真の1130号車(日野セレガHD QRG-RU1ESBA)と共に、「不知火号」用車両として活躍しています。 元々は「フェニックス号」(福岡~宮崎線)及び「なんぷう号」(熊本~宮崎線)の専用車として導入されましたが、車内仕様が3列独立シート&床下乗務員仮眠室付き仕様ということもあって、繁忙期には夜行高速路線の続行用車両としても活躍していました。
ところが、その後、「不知火号」専用車が他路線に転用されたことから、写真の1130号車と共に「不知火号」用車両としてコンバートされ、現在に至ります。
伝統の「サンライズカラー」が車体に映えますね。
発車の10分前にはバスが入線、乗車改札が始まります。
車内に入ってみましょう。 車内は3列独立シート29人乗りの夜行高速仕様となっています。
最後列の座席が3席ではなく4席になっているのが特徴で、最後部7席は女性専用席として販売されています。
窓側座席には通路カーテンが装備されているほか、産交バスならではの装備として、車内中央部トイレ付近に「ハイクロミスト」という除菌水発生装置が設置されています。
除菌・加湿・消臭機能を持つ除菌水をこの機会で発生させることで、クリーンな車内空間を提供するそうです。
シートは、天龍工業製の夜行高速用標準シートを採用。
ダークブラウンのシートモケットが落ち着きを与えてくれます。 各座席には座席コンセントと緊急用非常ボタンを装備していますが、私が産交便で評価したいのは、車内装備品の毛布。
どうも夏季と冬季で毛布の厚さを変えている様で、冬季用の毛布は特殊な構造になっているからなのか、暖かく包まることが出来ます。
おかげで道中寒い思いをせずに済みました。
ざっと見た感じ、夜行高速バスに必要な装備は一通り備わっている印象を受けましたが、共同運行の名鉄バスが新型シート「プレミアムワイド」を搭載したハイグレード車両を投入しており、共同運行会社の車両と比較すると見劣りを感じるのは致し方がないのかなぁと思いました。
途中休憩は2箇所 飲食物の購入は乗車前がベスト
20時20分に熊本交通センターを発車したバスは、熊本県庁前、自衛隊前、益城インター口にて乗車扱いを行った後、益城熊本インターから九州自動車道に入ります。九州自動車道の武蔵ケ丘バス停を発車したところで、自動放送による各種案内と交代乗務員による自己紹介、補足説明が行われます。
以前は、熊本県庁前から松の本~熊本インターという経路で九州自動車道に入っていましたが、2016年4月1日のダイヤ改正で熊本市内の運行経路が変更され、現在に至っています。
「ひのくに号」(福岡~熊本線)スーパーノンストップ便と同じ運行経路といえば、地元の人であればお分かりいただけるのではないでしょうか。
武蔵ケ丘から北上し、植木インターと菊水インターで乗車扱いを行ったバスは、九州自動車道~関門橋~中国自動車道~山陽自動車道~中国自動車道~名神高速道路~新名神高速道路~東名阪自動車道を経由して名古屋へ直行します。
菊水インターから先は、終点名古屋名鉄バスセンターまで降車扱いの停車がありません。
この日の車内は、約7割方の乗車率。
春休み期間中ということもあってか、若い方の乗客が目立ちます。
中には卒業旅行らしき団体客も。
「名古屋に着いてからどこへ行こうかぁ。」などといった話声が聞こえるのも、この時期ならではですね。
途中の開放休憩は2箇所。
1箇所目は、関門橋を渡った先の中国自動車道王司パーキングエリアにて10分~15分停車します。
定刻ですと23時過ぎに到着します。
こちらのパーキングエリアは、深夜時間帯に売店が営業しておらず、あるのはトイレと飲み物類の自動販売機のみ。
実は私、乗車前に夕食を取り損ねまして、熊本交通センターの周りに営業しているコンビニエンスストアが無かった(すぐ近くにセブンイレブンがあったのですが、改装工事中で閉店していました)ことから、消灯前のパーキングエリアで飲食物が手に入るだろうと思い、何も買わずにバスに乗車したのですが・・・甘い考えでした。
というわけで、飲食物の購入は乗車前に済ませておくのが良いでしょう。
外は雨模様。
素早くトイレや洗顔を済ませてバス車内に戻る乗客が多く、私もトイレを済ませた後、飲み物を購入し、WEB用の撮影を済ませてバス車内に戻りました。
23時15分、乗客が全員揃ったところでバスは王司パーキングエリアを発車。
その数分後に車内は消灯され、おやすみタイムとなりました。
多少疲れていたからか、シートを倒して目を瞑るや否や、深い眠りについてしまい、気が付くとバスは滋賀県内の新名神高速道を走行してました。
朝の開放休憩で気分転換 雨の中を終点名古屋へ・・・
2箇所目の休憩場所は、亀山ジャンクションから東名阪自動車道に入り、桑名インターを過ぎた先にある大山田パーキングエリア。こちらでも10分~15分停車し、定刻ですと6時30分頃に到着します。 大山田パーキングエリアは、トイレ、自販機はもちろんのこと、売店、コンビニエンスストア(24時間営業)、ATMもあって、施設が充実しています。
停車時間は短いですが、飲食物の購入はこちらを利用すると良いでしょう。
「不知火号」も、ラストスパートを前にひと休みです。
6時45分、乗客が全員揃ったところでバスは発車。
雨の東名阪自動車道を名古屋へ向けてラストスパートです。
7時00分、名古屋西インター料金所を通過。
名古屋高速を10分程走り、白川ランプで高速道路とはお別れ。
その後は雨ということもあって車の流れは悪かったのですが、それでもバスは定刻よりも10分程早い7時20分に終点の名古屋名鉄バスセンターに到着。 トランクに預けた荷物を受け取った多くの乗客達は、会話を交わしながら次なる目的地へ。
私もスーツケースを引きずりながら帰路へと向かったのでありました。
好調路線も今後安泰とは限らない!?
以上、九州産交バス「不知火号」の乗車記をお届けしましたが、今回の道中で移動しながら考えていたことがあります。それは・・・
「乗車率が高い路線であっても、今後も安泰とは限らないのでは?」
ということです。
既知の通り、ここ最近、長距離夜行高速バスの休廃止や運行撤退が相次いでいます。
「利用客の減少」や「不採算」など、休廃止や撤退に至る理由は様々ですが、特にここ最近において目に付くのが「深刻な乗務員不足」であります。
休廃止を告知するプレスリリースを見ていただくと分かりますが、休廃止や撤退の理由で「乗務員不足」を記す事例が多くなったと思いませんか?
それだけ、長距離の夜行高速バスに人員を回す余裕がなくなっているということなのです。
更に、最近の事業者の流れを見てみると、長時間(日数)拘束される割に利益率が高くない長距離夜行高速路線に人員を回すよりも、1人の乗務員で複数往復回せる生活路線や短距離・中距離高速路線、観光路線へ資源を集中しようという流れが顕著になっているのです。
これまで、名古屋~九州間の長距離夜行高速路線については、一部の路線を除いて高乗車率を誇る路線が多いのが特徴でした。
にもかかわらず、ここ数年の間に路線の休廃止が相次いでいるということは、現状乗車率が高い路線であっても、今後も安泰とは限らないのはと私は考えるのです。
現に、今は無き名古屋~佐世保線や名古屋~大分線「ぶんご号」、そして昨年2018(平成30)年11月で運行を終了した名古屋~長崎線「グラバー号」のいずれも、一部の閑散期を除いて乗車率が高い路線でしたが、全て運行を終了しています。
先述の通り、現在、名古屋~九州間の夜行高速バスは3路線が運行されていますが、果たして今後も運行し続けることが出来るのかどうか・・・昨今の業界を取り巻く諸事情を考えると非常に心配です。
名古屋~九州間に限りませんが、長距離夜行高速バスの動向については今後も引き続き注目して見ていきたいと思います。
一方で、休廃止になった路線も、休廃止前には少なからず利用客がいたのもまた事実です。
乗り継ぎ割引きっぷの販売や接続時刻の改善など、利用客の不便が少しでも改善されるようなケアを事業者に対しては是非ともお願いしたい・・・そんなことを考えた今回の「不知火号」の乗車でした。
【乗車データ】
- 乗車日:2019/03/03
- 乗車区間:
熊本交通センター→名鉄バスセンター - 運行会社:九州産交バス
- 車両:日野/セレガHD(QPG-RU1ESBA)
- 年式:2012年式
- 所属:熊本営業部・高速バス営業所
- 社番:1011
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