都市間バス「(NEW)サンライズ号」(旭川~北見~釧路)のいま

昼行高速バス,高速バス乗車記,一般路線バス

都市間バス「サンライズ号」 道北バス担当便 1295
都市間バス「サンライズ号」 道北バス担当便

都市間バス「サンライズ号」 阿寒バス担当便 538
都市間バス「サンライズ号」 阿寒バス担当便

写真は、道北バス(本社:旭川市)と阿寒バス(本社:釧路市)が共同運行する都市間バス「サンライズ号」〔旭川~北見~釧路系統〕です。

旭川~釧路間約312kmを7時間50分かけて走破する、北海道内屈指の長距離都市間路線でもありますが、この路線の特徴は、なんといっても
  • 高速道路を経由せずに一般道のみを走破する
  • 素晴らしい車窓が存分に堪能出来る
この2点に尽きます。

その都市間バス「サンライズ号」ですが、2023年10月1日の改正で大きな変化を遂げたことを皆様はご存じでしょうか。

実は、それまでの「サンライズ旭川釧路号」(道北バス・阿寒バス)と、旭川~北見間を結んでいた都市間バス「特急石北号」(道北バス・北海道北見バス)、そして釧路~北見間を結んでいた「特急釧北号」(阿寒バス・北海道北見バス)の3路線が統合され、新生「(NEW)サンライズ号」として運行を始めたのです。

いうまでもありませんが、コロナ禍の影響で実施した減便の継続や、乗務員不足による都市間バスの効率的な運行が、運行会社3社の共通課題であったといいます。
このことから、既存の3路線を統合し、新生「サンライズ号」として運行を始めたのです。

路線の統合により、運行形態は以下の通りに変更されました。

【路線統合の内容】

1)運行本数の変更
路線統合により、「旭川~釧路系統」2往復と「旭川~北見系統」1往復の2系統3往復体制に再編。
旭川~釧路間については、従来通り2往復のままですが、旭川~北見間については、コロナ禍時代の「特急石北号」から1往復増便となり、1日3往復の運行となりました。

2)北見バスターミナル乗降扱いの開始ならびに途中休憩場所・乗務員交代場所の変更(旭川~釧路系統のみ)
旭川~北見間および釧路~北見間の足を確保する目的から、旭川~釧路系統に北見バスターミナル停留所を新設。
旭川~釧路間の通し利用はもちろんのこと、旭川~北見間および釧路~北見間の利用が出来る様になりました。
これに伴い、旭川~釧路系統の途中休憩場所・乗務員交代場所が、北見市相内のセブンイレブンからJR北見駅前の北見バスターミナルに変更された他、旭川~釧路系統の停留所見直しが行われています。

3)運賃の改定
昨今の燃料高騰等の影響から、運賃改定を実施しました。
〔主な区間の運賃〕
・旭川~釧路 片道6,700円 往復12,400円
・旭川~北見 片道4,400円 往復8,300円
・釧路~北見 片道4,200円 往復7,600円

私自身、統合前の3路線には、プライベートや仕事の移動手段で何度か利用しましたが、こと路線統合後の「サンライズ号」には乗車する機会がありませんでした。
今般、偶然にも利用する機会があり、先日乗車してまいりました。

今回は、昼過ぎから夜まで、新生「サンライズ号」を堪能しようということで、北見から層雲峡まで乗車したのち、層雲峡から釧路まで乗車するという、一般人には変な乗り方だと思われるであろうルートで乗車しました。

新しくなった都市間バス「サンライズ号」の旅。
いったいどんな旅であったのでしょうか。

(第1ランナー)旭川→層雲峡 「サンライズ号」阿寒バス担当便

元「スターライト釧路号」専用車が登場!!

今回の旅のスタートは、JR北見駅に隣接する北見バスターミナル
北見市内・郊外へ向かう北海道北見バスの路線バスの他、女満別空港行き連絡バス、札幌・旭川・釧路行き都市間バスが発着するなど、北見地区の交通の要所になっています。

JR北見駅
JR北見駅

北見バスターミナル
北見バスターミナル

以前の北見バスターミナルは、まちきた大通ビル(かつての北見東急百貨店)の1階にありましたが、北見市都市再生整備事業に伴い、2018年(平成30)年12月15日に駅前広場へ移転。
JR北見駅からのアクセスが便利になりました。

最初に乗車したのは、北見バスターミナル11時45分発の旭川行き。
この便は、阿寒バスの車両で運行されます。

11時10分ごろ、釧路から1台のバスが到着。
こちらのバスに乗車しました。

阿寒バス「サンライズ号」 ・300_202406_101 北見バスターミナルにて

阿寒バス釧路営業所所属300号車(日野セレガSHD PKG-RU1ESAA)です。
かつて札幌~釧路間都市間バス「スターライト釧路号」専用車として活躍した車両も、現在は都市間路線の予備車両として活躍。
スーパーハイデッカーならではのアイポイントの高さが特徴で、流れゆく車窓もひと際美しく映ることでしょう。
オレンジカラーの目立つカラーリングが、当時注目を集めたことも記憶しています。

間もなくして、道北バスの車両による釧路行き「サンライズ号」も到着。
2台のバスが並びます。

阿寒バス「サンライズ号」 ・300_202406_111 北見バスターミナルにて休憩中

バスは、こちら北見バスターミナルで約30分間休憩停車します。
その間に、乗務員も交代。
旭川から乗務した道北バスの乗務員はバスを乗り換えて旭川へ戻り、逆に釧路から乗務した阿寒バスの乗務員はバスを乗り換えて釧路へ戻ります。

北見での乗車改札は、発車の5分前~10分前に実施。
乗務員に乗車券を提示し、バスに乗車します。

阿寒バス「サンライズ号」 ・300_202406_102 北見バスターミナルにて

車内は3列と4列混合の29人乗り夜行高速仕様。
前方から8列目までの21席が3列独立シート、後方2列8席が4列シートと、かつての東急系高速バスや北海道内で見られたシート配列になっています。
前方の仕切りカーテンこそ撤去はされていますが、座席と通路を仕切るカーテンはそのまま残されています。

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車内

シートは、天龍工業製の夜行用シートを採用。
リクライニングの角度もかなり深く設定されています。

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 シート

もちろん、足置き台(フットレスト)やレッグレストも完備。

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 足置き台(フットレスト)・レッグレスト

各座席には、モバイル充電用USBポートが設置されています。
尚、マルチステレオコントローラは、サービス終了に伴い、現在は使用されていません。

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 USBポート

車窓が素晴らしい石北峠を越えて層雲峡へ・・・

11時45分、私を含め10名弱の乗客を乗せたバスは、定刻に北見バスターミナルを発車。
国道39号を旭川方面へ向けて走行します。

地方都市中心部ならではの風景も、15分走行すると・・・

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_01

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_02

長閑な風景に変わります。

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_03

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_04

東相内相内留辺蘂駅前に停車し、さらに温泉で有名な温根湯に停車したバスは、道内屈指の走行観光が厳しい峠「石北峠」の峠越えに差し掛かります。

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_05

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_06

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_07

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_08

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_09

石北峠の標高は1,050m。
ただ、植生環境から見れば3,000m級の環境となっていて、頂上付近では6月中旬でも雪が降ることがあるなど、道路環境が改善されている昨今でも、走行条件の厳しい峠として知られています。

走行条件が厳しいということは、その分、車窓が素晴らしいのはいうまでもありません。
急カーブと急坂で一気に峠を登る北見側の風景と、大雪湖を眺めながら峠を下る上川側の風景の対比も面白いです。

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_10

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_11

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_12

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_13

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_14

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_15

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_16

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_17

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 車窓_18

温根湯を発車して約1時間後の13時32分、定刻より10分早く、バスは層雲峡に到着しました。

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 層雲峡到着

終点は、旭川市近文の道北バス本社ですが、今回はこちらで下車。
旭川へ向けて発車するバスの後姿を見届けたのでありました。

阿寒バス「サンライズ号」 ・300 層雲峡発車

(次ページに続きます。)