西日本鉄道「桜島号」とJR九州「指宿のたまて箱」(簡単な乗車記)
前回のおさらい
「札幌~博多間 3日連続 高速バスだけの旅」の3日目。東京新宿から「キング・オブ・夜行バス」こと西日本鉄道(以下:西鉄)の夜行高速バス「はかた号」に乗車し、札幌から約67時間かけて無事に福岡博多にゴールした私。
目的はひとまず達成しましたが・・・旅はまだまだ続きます。
この後、私はさらに南下し鹿児島へ。
そして、未乗のD&S列車に乗ることになるのです。
火の鳥カラーの「桜島号」で鹿児島へ
西鉄「はかた号」を終点博多バスターミナルで降りた私は、束の間の休息を挟み、高速バス「桜島号」で鹿児島へ向かいます。乗車した車両はこちら↓。 西日本鉄道福岡高速自動車営業所所属3137号車(三菱エアロエース QTG-MS96VP)です。
2017(平成29)年に導入された、側窓が完全固定の「火の鳥」塗装車になります。
現在は、ほぼ「桜島号」固定で運用に就いています。
発車の5分~10分前にはバスが入線し、乗車改札が始まります。
気になる車内の様子は・・・
車内は、4列シート38人乗りの昼行高速仕様。
長距離路線への投入を考慮してか、補助席は設置されていません。
シートは、天龍工業製のメーカー標準シートを採用。
数パターンあるうち、最もグレードの高いシートになっています。
また、シートの背面にはテーブルが設置されています。
以前に別の記事でも書いたのですが、通常の4列シート車よりは若干シートピッチが広くなっており、感覚としては、私の地元北海道で運行されている都市間バス「特急はぼろ号」(沿岸バス)のエアロエースのシートピッチを広くして、補助席を無くした仕様といった印象を受けます。
各座席にはコンセントを設置。
窓側座席のコンセントは内壁下に、通路側座席のコンセントはひじ掛け下に設置されています。
西鉄担当便全車両はもとより、南国交通をはじめとする九州島内各社にも普及しているこの手の4列シート車ですが、「シートピッチが広い」「前方に足が伸ばせられる」といったメリットがあるにせよ、九州新幹線という強力なライバルが存在することを考えると、「果たしてこれでいいのですか?」といいたくなるのは私だけでしょうか。
新型コロナ対策について
この車両の新型コロナ対策は、以下の通りでした。
【主な新型コロナ感染症対策】(乗車当時のものです。)
・座席使用制限:あり
※最前列座席(1A~1D席)を閉鎖
・車内消毒液設置:あり
・運転席回りのビニール製カーテン設置:なし
・運行終了時の車内消毒:実施
・エアコンの外気導入:実施
メーカー公式【三菱ふそう】新型コロナウィルス新生活様式への対応
・休憩時の車内換気:実施
・その他:
プラズマクラスターイオン発生装置を設置
乗務員のマスク着用 など
12時32分 博多バスターミナル発車
定刻に博多バスターミナルを発車したバスは、20分程走行した西鉄天神高速バスターミナルで乗車扱いを行い、天神北ランプから福岡都市高速道路へ。
10分程走行した太宰府インターから九州自動車道に入り、筑紫野(二日市温泉入口)、高速基山、久留米インター、八女インターで乗車扱いを行った後、九州自動車道を鹿児島へ向けて南下します。
14時23分~14時35分 北熊本サービスエリアにて開放休憩
「桜島号」は、途中のサービスエリアにて開放休憩が2回実施されます。
1回目の休憩場所は、熊本北部にある北熊本サービスエリア。
こちらでは、12分間停車しました。
売店自体は決して広くはありませんが、品揃えは豊富で、飲食物や土産物の購入はこちらで済ませることも出来ます。
まだ昼食をとっていなかったということもあり、今回はこちらの売店で軽食類を購入しました。
バスも、しばしのひと休みです。
15時52分~16時02分 えびのパーキングエリアにて開放休憩
北熊本サービスエリアを発車したバスは、引き続き九州自動車道を南下。
やがて、八代インターからのトンネルが続く山岳区間に差し掛かります。
車内から見る球磨川です。
2020年7月の熊本豪雨で甚大な被害が発生したこの地域。
地域の復旧・復興、そしてJR肥薩線やくま川鉄道、肥薩おれんじ鉄道の復旧のことなど・・・景色を見ながら色々と考えてしまいました。
一刻も早い復旧・復興を祈るばかりです。
2回目の休憩場所は、宮崎県のえびのパーキングエリア。
こちらでは、10分間停車しました。
えびのパーキングエリアは、えびのループ橋やえびの高原が見渡せる絶景スポットとしても有名ですが、どちらかといえば下り線よりも上り線の方が見晴らしが良いということもあって、こちらでの撮影はバス車両のみとしました。
17時21分 鹿児島中央駅前到着
順調に南下を続けた「桜島号」は、16時31分に鹿児島空港南に到着。
数名の乗客を降ろし、近くの溝辺鹿児島空港インターでいったん高速道路を降ります。
というのも、この便は鹿児島空港を経由するため。
次の鹿児島空港では、乗客2名が下車していきました。
この後、離島航路にでも乗り継ぐのでしょうか。
16時42分、溝辺鹿児島空港インターから九州自動車道に戻り、さらに南下を続けます。
16時51分、高速帖佐に到着。
続く高速伊敷でも乗客1名を降ろし、17時11分、鹿児島インターにて九州自動車道とはお別れします。
その後、鹿児島市内の帰宅ラッシュに巻き込まれ、鹿児島中央駅前に到着したのは、定刻4分遅れの17時21分でした。
夕暮れのJR鹿児島中央駅と駅ビルです。
流れゆく車窓を堪能しているうちに着いてしまったという印象が強かった今回の「桜島号」での移動ですが、個人的にはやはり2+1配列の3列スーパーシートの方が良かったかなぁと。
もし4列シート車を導入するのであれば、少なくても名鉄バスなどで採用している「幅広4列シート」程のグレードの高さでないと、速達性を前面に出す九州新幹線に太刀打ち出来ないのではないかと思いました。
運行事業者の台所事情が厳しいのも分かりますが、4列シート車の本格導入以降、高速バスから新幹線への転移傾向が顕著に表れているという話もある中、運賃面だけではなくハード面においても今後何らかの対策を打ち出さない限り、乗客の新幹線への転移傾向が今後も続くのではないか・・・そんなことを感じた「桜島号」往路の旅でございました。
【乗車データ】
- 乗車日:2020/10/02
- 乗車区間:
博多バスターミナル→鹿児島中央駅前(東19番おりば) - 運行会社:西日本鉄道
- 車両:三菱/エアロエース(QTG-MS96VP)
- 年式:2017年式
- 所属:福岡高速自動車営業所
- 社番:3137
久しぶりの鹿児島宿泊
この日は、久しぶりの鹿児島宿泊。
GoToトラベルを活用し、約6年ぶりに鹿児島中央駅前のソラリア西鉄ホテル鹿児島に宿泊しました。
ソラリア西鉄ホテル、ゆっくり出来て良かったですよ。
(次ページに続きます。)