夕張鉄道(夕鉄バス)が新型ノンステップバスを導入!

一般路線バス

夕張鉄道 新型ノンステップバス 5060_01

夕張鉄道 新型ノンステップバス 5060_02

夕張市に本社を置く夕張鉄道(以下:夕鉄バス)が、この度新型ノンステップバス(日野ブルーリボン 2PG-KV290Q2)を3台導入し、2018(平成30)年11月6日より夕張市内を走る路線で稼働を始めました。

「あの夕鉄バスで新車のノンステップバス!?」と驚く方もいらっしゃるかと思いますが、聞くところによると、今回の新車導入は、実に14年ぶりになるそうです。
ですが、今回の新車導入、実は単なる一事業者の新車導入ではないのです。
いったい、どういうことなのでしょうか・・・。

ということで、新さっぽろ駅から夕鉄バス「急行札幌線」(新さっぽろ駅~由仁駅前~夕鉄本社ターミナル~南清水沢駅前)で夕張へ行ってきました。
夕張鉄道 急行札幌線 5012 新さっぽろ駅にて_01

夕張鉄道 急行札幌線 5012 新さっぽろ駅にて_02

鮮やかな現行カラーリングを纏う新型ノンステップバス

やって来たのは、「急行札幌線」に揺られること約1時間半程で到着する、夕張市若菜の夕鉄本社ターミナル。
夕張鉄道 急行札幌線 5012 夕鉄本社ターミナル到着

夕張鉄道 本社ターミナル_01

夕張鉄道 本社ターミナル_02
夕鉄バスの本社及び夕張側の発着拠点として機能していますが、街中心部から離れているのが難点といえば難点でしょうか。
訪れた時も、人の数はまばらでした。

残念ながら、夕鉄本社ターミナルに到着した時、新車のノンステップバスは3台とも出払っていましたが、暫く待っていると、社光方面から新車のノンステップバスがやって来ました。
夕張鉄道 新型ノンステップバス_00
鮮やかな夕鉄バス現行カラーリングとj-bus製の新型ボディがよく合っていますね。

このバスですが、夕鉄本社ターミナルから清水沢・清陵町・夕張高校方面へ行った後、再び本社ターミナルに戻って来て社光(旧石炭の歴史村周辺)へ向かうとのことで、折角来たバスではありますが、一旦やり過ごすことにして、折り返しのバスで社光へ向かうことにしました。

ターミナルの待合室で待つこと30分程で、先程見かけたバスがやって来ました。
早速乗ることにします。
夕張鉄道 新型ノンステップバス_05

夕張鉄道 新型ノンステップバス_06

学生の下校時間帯ということもあり、車内は下校小、中、高校生で多くの座席が埋まっている状況。
それでも、各バス停で次々と下車していき、終点の社光到着時は私一人だけでした。

現在の社光の様子です。
夕張鉄道 新型ノンステップバス_09 社光_02

夕張鉄道 新型ノンステップバス_10 社光_03
石炭の歴史村が無くなって以降、すっかりと寂れてしまいました。
現在の夕張を象徴する光景かもしれません。

折り返しの時間を利用し、新型ノンステップバスの写真を撮影します。
夕張鉄道 新型ノンステップバス 5060_01

夕張鉄道 新型ノンステップバス 5060_02

夕張鉄道 新型ノンステップバス_03

夕張鉄道 新型ノンステップバス 5060_04
車内は、着席重視の郊外路線仕様になっています。
見た感じでは、十勝バスが2016(平成28)年以降導入を進めている日野ブルーリボンに準じた仕様なのかなぁという印象を受けました。

折り返し便の出発までしばし待ちます。
夕張鉄道 新型ノンステップバス 社交にて

夕張鉄道 社光バス停

この後、すぐに札幌へ戻る必要があったため、折り返し便に乗車した私は、社光から5分程のレースイリゾート前で下車。
すぐさま、北海道中央バスの高速バス「高速ゆうばり号」で札幌へ戻るのでありました。
北海道中央バス「高速ゆうばり号」 2800 社光にて

JR石勝線夕張支線廃止後に向けた先行投資的意味合いが・・・

ところで、この記事のはじめに、「実は単なる一事業者の新車導入ではないのです。」と書きましたが、実は今回導入されたバスは、JR石勝線夕張支線廃止後を見据えての先行投資的意味合いがあります(と私は考えています)。

新聞報道によると、実はこのバスの導入にあたり、夕張市から全額補助されることになっているのですが、その補助金の出どころが、今年2018(平成30)年3月にJR北海道と夕張市が交わした覚書に基づく拠出金(JR代替バス運行で生じる地元負担の20年分あたる約7億5千万円)であるとされています。
この報道が本当だとすれば、このバスの導入の目的は、まさに2019(平成31)年4月1日運行開始予定のJR石勝線夕張支線代替バス運行用であり、この時期の導入されたのは、代替バス運行に向けた先行投資的意味合いがあるのと同時に、老朽化などで運行出来ない状況が続いていたノンステップバス(東京都から寄贈を受けた元都営バスの車両)の代替の目的もあるのではと推測されます。

ご存知の通り、JR北海道と夕張市では、JR石勝線夕張支線廃止後の新しい交通体系について議論を重ね、2019(平成31)年4月以降は、JR、路線バス(夕張支線代替バス)、デマンド交通、スクールバス混乗、タクシー乗車補助を絡めた公共交通体系に移行する予定になっています。
※下図はJR公式サイト『2018.03.23「石勝線(新夕張・夕張間)の鉄道事業廃止について」』より引用。
夕張支線廃止後の交通体系について
詳細は図を見ていただきたいのですが、計画によると、新夕張駅~若菜(夕鉄本社ターミナル)~社光間に鉄道代替バスを10往復運行し、途中の南清水沢地区には交通結節機能の他、子育て支援施設や公民館機能などを兼ね備えた複合施設を建設、真谷地地区や南部地区へ向かうデマンド交通への乗り換えを容易にするとしています。
あくまで私見ですが、この計画を見る限り、路線バスにおいては、現行の夕張市内線を鉄道代替線へ集約した上で、これまでの循環運行から新夕張駅~若菜(夕鉄本社ターミナル)~社光間の往復運行に移行するのではないでしょうか。

JR石勝線夕張支線廃止まであと4か月。
今回導入された新型ノンステップバスが、来年2019(平成31)年4月以降は新夕張駅や南清水沢の複合施設でも、その姿を見ることになるでしょう。
3台の新型ノンステップバスが、夕張市内の新しい交通の顔として、そして地元に愛される交通機関に育って欲しいと切に願っております。


【乗車データ】 
  • 乗車日:2018/11/06
  • 乗車区間:
      夕鉄本社ターミナル→社光(旧石炭の歴史村付近)
      社光(旧石炭の歴史村付近)→レースイリゾート前
  • 運行会社:夕張鉄道(夕鉄バス)
  • 車両:日野/ブルーリボン(2PG-KV290Q2)
  • 年式:2018年
  • 所属:夕張営業所
  • 社番:5060

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