西日本鉄道「はかた号」 0001号車【プレミアムシート】乗車記 <2023年秋 ~中国道迂回編~>

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西鉄「はかた号」の外観・車内を改めて紹介

過去の乗車記でもご紹介していますが、ここで、西鉄「はかた号」の現行車両を改めてご紹介します。

乗車した車両はこちら↓。

西鉄「はかた号」 0001 福岡天神(新川橋)にて

西鉄「はかた号」 0001 リア

西日本鉄道博多自動車営業所所属の0001号車(三菱エアロクイーン 2TG-MS06GP)です。
2020年7月1日に運行を開始した最新車両で、パールホワイトメタリックの車体に「Line connecting Hakata with Tokyo」のロゴが入った「はかた号」専用カラーリングの外観は変わりませんが、フロントマスクが2019年モデル(いわゆる「令和顔」)に変更されたことにより、より精悍になった印象を受けます。

車内は、前方4席が個室タイプの「プレミアムシート」、後方19席(うち予備席1席を含む)が3列独立の「ビジネスシート」となっています。

西鉄「はかた号」 0001 車内

シート配列は、2014年にデビューした先代の「はかた号」専用車(現在は予備車)を踏襲していますが、実際に車内に入ってみると、雰囲気が大きく異なります。

プレミアムシート

まずは、今回お世話になる「プレミアムシート」から。

これまで、進行方向左側座席(A席)を選択することが多かったのですが、今回は運転席側の最前列席「1B席」を選択しました。
これがのちに"大正解"であることが分かるのですが、その理由は後程。

西鉄「はかた号」 0001 プレミアムシート 1B席プレート

シートは、先代の専用車と同様にマジカルテクニカ製バス用シートを採用。
新型シート「A388」シリーズの特注版となっています。

シートスペックは、シート座面幅約56cm、背もたれ幅約69cm、最大リクライニング角度150度、シートピッチ135cm。
ゆったりとした座り心地が特長のプレミアムシートですが、先代のプレミアムシートと比較すると、座面幅が約6cm、背もたれが約19cm拡大されており、座り心地にも改良が施されています。
また、シート色が変更された他、無駄なスペースの排除、木目調パネルの多用により、より落ち着いた雰囲気になっています。
座席周りはパーテーションとカーテンで区切られており、回りを気にせずに休むことが出来ます。

西鉄「はかた号」 0001 プレミアムシート

シート操作は全て電動式
シートの機能も先代のプレミアムシートを踏襲しており、リクライニング・オットマンの角度調整はもとより、シートヒーター・マッサージ機能・座面送風機能を搭載しています。

西鉄「はかた号」 0001 プレミアムシート_03

窓側肘掛け前方には、蓋付きダストボックスドリンクホルダーワイヤレス式の携帯充電器が設置されています。
先述のUSBポート設置場所が通路側肘掛け前方に変更されたことから、ドリンクホルダーにドリンク類を置いた際に充電出来ないといった不具合が解消されました。
蓋付きダストボックスは容量が小さいので、あくまで緊急用と考えた方が良いでしょう。
出来れば、ごみ類はサービスエリアやバスターミナルなどで捨てることを心掛けたいものです。
なお、ワイヤレス式の携帯充電器は、対応機種のみ使用可能となっていますので、対応しているか否かを事前に確認しておきましょう。

西鉄「はかた号」 0001 プレミアムシート_04

西鉄「はかた号」 0001 プレミアムシート_05

個室内の照明は、先代の白熱灯からLED方式に改められています。
また、個室専用空気清浄機は、照明の横に取り付けられています。

西鉄「はかた号」 0001 プレミアムシート_04

先代のプレミアムシートでは設置されていなかった足置き台が、現行のプレミアムシートでは設置されています。

西鉄「はかた号」 0001 プレミアムシート_05

シートテーブルは、これまでの約2倍の広さになりました。
ただ、テーブルの構造上、蝶番の部分の耐久性が気になるところです。

西鉄「はかた号」 0001 プレミアムシート_06

通路側の肘掛け下には、USBポートを2口完備しています。

西鉄「はかた号」 0001 プレミアムシート_08

プレミアムシートの側窓カーテンは、ロール式になっています。
カーテンレールも設置している他、ロール部も木目パネルで隠すなど、しっかりとした造りになっています。

西鉄「はかた号」 0001 プレミアムシート_09

一方で廃止された設備やサービスも。
先代のプレミアムシートで提供していた「iPad」の貸し出しサービスは、盗難や破損などの恐れがあることから、サービス自体が廃止されました。
また、読書灯については、先代の(座席横に取り付けている)方式が破損しやすかったことから、従来の方式(座席上部から照らす方式)に変更されている他、モバイル充電も先述のUSBポートが設置された代わりにコンセントが廃止されています。


ビジネスシート

続いては、車内後方の「ビジネスシート」です。

ビジネスシートは、車内後方部に19席(予備席1席を含む)設置されています。

西鉄「はかた号」 0001 ビジネスシート_01

先代のビジネスシートは、プレミアムシートと同様のマジカルテクニカ製を採用していましたが、現行車両においては、天龍工業製の特注シートを採用しています。
シートスペックは、シート幅約46cm、最大リクライニング角度約143度、シートピッチ約95cmと、先代のビジネスシートとスペックはほぼ同じですが、ダブルクッションを採用するなどの改良が施されています。
3点式シートベルトを全席に採用するなど、安全・安心を売りにしているのも特長です。

西鉄「はかた号」 0001 ビジネスシート_02

ビジネスシートにも、充電用USBポートを設置。
肘掛け下に1口設置しています。

西鉄「はかた号」 0001 ビジネスシート_03

もちろん、全席にプライベートカーテンが装備されていますので、「それなりに安く、回りを気にせずに移動したい。」という方にはお勧めのシートといえましょう。

尚、「はかた号」ビジネスシートについては、過去記事で詳しく紹介していますので、下記の記事も併せてお読みいただけると幸いです。



その他の設備

トイレは、車内中央部の階段を下りた突き当たりにあります。
この車両に限ったことではありませんが、あくまで非常用と考えた方が良いかもしれません。

西鉄「はかた号」 0001 トイレ

無料Wi-fi「Kyushu Bus Network Free Wi-fi」も完備しています。
1回の接続時間が最大720分に大幅延長されました。

西鉄「フェニックス号」 Wi-fiスクリーンショット

細かなところでは、この様な工夫も。
写真は、シートベルトのバックルですが、シートベルト非着用時にバックルのLEDランプが点滅する様になっています。(写真はイメージです。)

西鉄「はかた号」 0001 シートベルトバックル部

今回の新型車両では、安全対策も強化されています。
この車両には、EDSS(ドライバー異常時対応システム)を搭載。
車内の車両停止スイッチは、プレミアムシート1A/1B席の外壁上部に取り付けられています。(写真はイメージです。)

西鉄「はかた号」 0001 EDSS車内スイッチ

また、この車両には、左折時の巻き込みを防ぐ機能(アクティブサイドガードアシスト)や、タイヤの異常を検知するTPMS(タイヤプレッシャーマネジメントシステム)を導入。
これらの装置の一部は、通信型ドライブレコーダーと連動しており、運行管理者がリアルタイムで運行の状況を確認することで、万一異常が発生した場合に迅速に対応することが出来る様になっています。


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