夜行高速バス 2022年春の動き(ダイヤ改正、運行会社の変更、新規参入、運行撤退など)
新型コロナウイルス感染拡大が完全に落ち着いていない昨今、まん延防止等重点措置が2022(令和4)年3月21日をもっていったん終了したことに伴い、全国各地で高速バスの運行再開、減便数の変更(一部便の運行再開)の動きが出ています。
こと夜行高速バスに関しては、運行再開に併せて「ダイヤ改正」「運行会社の変更(パートナーの変更)」「新規参入」「運行撤退」といった、比較的大きな動きも出て来ています。
そこで、今回は「夜行高速バス 2022年春の動き」と題し、特に話題となった「ダイヤ改正」「運行会社の変更」「新規参入」「運行撤退」などの情報を改めておさらいしたいと思います。
目次
- 1. 近鉄バス「オランダ号」 (起終点の変更・所要時間短縮)
- 2. 東北急行バス「ニュースター号」(発着場所の変更)
- 3. 名鉄バス・両備ホールディングス「名古屋~岡山・倉敷線」 (運行会社の変更、時刻変更など)
- 4. 京王バス・アルピコ交通「池袋・新宿・渋谷~大阪線」(運行会社の変更)
- 5. 西東京バス・アルピコ交通「渋谷・八王子~金沢・加賀温泉線」(運行会社の変更)
- 6. 関東バス「ドリームスリーパー東京大阪号」(起終点の変更、運行会社の撤退)
- 7. 京成バス・奈良交通「やまと号」『東京ディズニーリゾートR』・横浜線(起終点の変更)
- 8. 防長交通「萩エクスプレス」(停留所新設)
- 9. 近鉄バス・防長交通「カルスト号」(起終点変更、運行区間延伸)
- 10. 最後に
近鉄バス「オランダ号」 (起終点の変更・所要時間短縮)
最初に取り上げるのは、近鉄バスが運行する京都・大阪・神戸~長崎間夜行高速バス「オランダ号」のダイヤ改正です。近鉄バス「オランダ号」
「オランダ号」もご多分に漏れず、新型コロナウィルス感染拡大の影響で運休→運行再開を繰り返していますが、京阪神~長崎間を直行する唯一の陸路交通機関ということもあってか、コロナ禍においても出来るだけ運行を継続している印象があります。
その「オランダ号」ですが、2022年2月1日にダイヤ改正を実施しました。
ポイントは、長崎側の運行経路の変更。
これまでの長崎バイパス・川平有料道路経由からながさき出島道路経由に変更し、併せて長崎市内の停留所を大幅に整理しました。
これにより、長崎市内の停車停留所は「長崎新地バスターミナル」「大波止」「長崎駅南口」「ココウォーク・茂里町」の4箇所のみとなり、起終点も「長崎新地バスターミナル」から「ココウォーク・茂里町」に変更されました。
尚、ダイヤ改正に伴い、両地の発車時刻が19時台から20時台に繰り下がった他、所要時間が10分程度短縮されています。
詳しくは、近鉄バス「オランダ号」のページにてご確認をお願いいたします。
東北急行バス「ニュースター号」(発着場所の変更)
あの老舗路線に大きな変化です。東北急行バスが運行する高速バス「東京~仙台線」の一部便において、2022年4月1日より東京側の発着場所が変更されました。
東北急行バス「ニュースター号」(イメージ)
変更対象となったのは、3列シート便の「ニュースター号」。
これまでの「東京駅八重洲通り(東北急行バスのりば)」から、JRハイウェイバスの発着場所としてお馴染みの「東京駅JR高速バスターミナル(東京駅八重洲南口発/東京駅日本橋口着)」に変更したのです。
同社の高速バスが「東京駅JR高速バスターミナル」へ乗り入れるのは、「鬼怒川・東部ワールドスクエア・日光~東京線」に次いで2路線目。
「ホリデースター号」(東京~仙台 4列シート便)や「レインボー号」(東京~山形)などの一部路線が残るとはいえ、伝統ある停留所からの発着場所の移転は、歴史の転換点ともいえる出来事かもしれません。
尚、先述の通り、同じ東北急行バスの「ホリデースター号」は、従来通り「東京駅八重洲通り(東北急行バスのりば)」から発車となりますので、ご利用の方は注意が必要です。
詳しくは、東北急行バス「仙台~東京線」のページにてご確認をお願いいたします。
名鉄バス・両備ホールディングス「名古屋~岡山・倉敷線」 (運行会社の変更、時刻変更など)
高速バス「名古屋~岡山・倉敷線」も、新型コロナウィルス感染拡大の影響で長期間運休していましたが、2022年4月15日に運行を再開しました。両備ホールディングス「名古屋~岡山・倉敷線」
運行再開のみであれば、この記事で特段取り上げることはなかったのですが、実は運行再開に併せて、なんと、名鉄バスが運行事業者として参入したのです。
名鉄バス「名古屋~岡山・倉敷線」
元々この路線は、JR東海バスと両備バス(→両備ホールディングス)が共同で運行していた夜行高速バス「チボリ号」(1997年7月運行開始)が起源になっています。
路線愛称の「チボリ」は、当時倉敷駅北口にあった「倉敷チボリ公園」にちなんだもの。
特に、両備バスは車体に専用カラーリングを施す程、かなりの気合を入れていた印象があります。
両備バス「チボリ号」
その後、2001年にJR東海バスが運行から撤退。
更に、2009年には「倉敷チボリ公園」が閉園したことにより、路線愛称を「リョービエクスプレス名古屋」に変更。
そして、2012年には昼行便が新設され、コロナ禍による長期運休前の運行形態に至っています。
今般の運行再開に伴い、両備ホールディングスは名古屋側の運行パートナーをJR東海バスから名鉄バスに変更。
名鉄バス・両備ホールディングスの共同運行路線として再出発したのです。
運行パートナーの変更は、過去にも事例がありましたし、この後でも別事例をご紹介しますが、コロナ禍で事業環境が激変している中、この様な事例は今後更に出てくるかもしれません。
尚、高速バス「名古屋~岡山・倉敷線」の運行再開、名鉄バスの参入に伴い、運行時刻の変更、運賃体系の変更、名古屋側の予約サイト、電話予約先が変更になっていますので、ご利用の方は注意が必要です。
詳しくは、名鉄バス「岡山・倉敷線」のページにてご確認をお願いいたします。
【お知らせ】
高速バス「名古屋~岡山・倉敷線」の名鉄バス担当初便乗車記を、後日このブログでご紹介する予定です。
どうかお楽しみに。
高速バス「名古屋~岡山・倉敷線」の名鉄バス担当初便乗車記を、後日このブログでご紹介する予定です。
どうかお楽しみに。
(次ページに続きます。)