夜行高速バス 2022年春の動き(ダイヤ改正、運行会社の変更、新規参入、運行撤退など)
目次
- 1. 近鉄バス「オランダ号」 (起終点の変更・所要時間短縮)
- 2. 東北急行バス「ニュースター号」(発着場所の変更)
- 3. 名鉄バス・両備ホールディングス「名古屋~岡山・倉敷線」 (運行会社の変更、時刻変更など)
- 4. 京王バス・アルピコ交通「池袋・新宿・渋谷~大阪線」(運行会社の変更)
- 5. 西東京バス・アルピコ交通「渋谷・八王子~金沢・加賀温泉線」(運行会社の変更)
- 6. 関東バス「ドリームスリーパー東京大阪号」(起終点の変更、運行会社の撤退)
- 7. 京成バス・奈良交通「やまと号」『東京ディズニーリゾートR』・横浜線(起終点の変更)
- 8. 防長交通「萩エクスプレス」(停留所新設)
- 9. 近鉄バス・防長交通「カルスト号」(起終点変更、運行区間延伸)
- 10. 最後に
京王バス・アルピコ交通「池袋・新宿・渋谷~大阪線」(運行会社の変更)
長期間運休からの運行再開で、運行会社を変更しました。京王バスの夜行高速バス(イメージ)
元々同路線は、京王バスと阪急観光バスの共同路線として運行していましたが、コロナ禍の影響で約2年間運休していました。
2022年4月21日、ようやく運行を再開しましたが、なんと、運行再開に併せて、大阪側の運行会社をアルピコ交通に変更したのです。
「アルピコ交通?アルピコ交通って長野の会社なのでは?」と思われる方も多いかと思いますが、実は同社、大阪にも運行拠点を構えており、「アルペン長野号」「アルペン松本号」「さわやか信州号」など、一部の高速乗合バスの運行も担当しています。
また、同社と京王バスは、「中央高速バス」などの運行で長年の付き合いがあり、今般の運行会社変更に際しても、比較的スムーズに話し合いが進んだことが推測されます。
運行会社の変更に至った経緯などは不明ですが、"発着地の有力事業者同士が手を組む"という、これまで長く続いた共同運行方式のあり方に変化が生じている様に見えます。
また、この事例においては、大阪空港交通が阪急観光バスを吸収合併することに伴う阪急バスグループの高速路線再編(新会社への一本化と路線の整理)という事情も見え隠れします。
尚、京王バスとアルピコ交通では、「共同運行開始記念キャンペーン」を実施します。
席数限定・期間限定で大人片道4,800円のプランを販売する他、SNSを用いた優待乗車券やギフト券のプレゼント企画も実施するそうです。
少しでも安く利用したい方は、注目すると良いでしょう。
夜行高速バス「池袋・新宿・渋谷~大阪線」の詳細は、ハイウェイバスドットコム(新宿・渋谷~大阪(阪急梅田)・USJ線)にてご確認をお願いいたします。
西東京バス・アルピコ交通「渋谷・八王子~金沢・加賀温泉線」(運行会社の変更)
「池袋・新宿・渋谷~大阪線」と同じ事例が、こちらの路線でも。運行再開に併せて、運行会社を変更しました。
西東京バスの夜行高速バス(イメージ)
元々この路線は、西東京バス(→多摩バス→西東京バス)と北陸鉄道が「八王子~金沢線」として運行していましたが、2007年に運行区間を渋谷マークシティ・八王子~金沢・加賀温泉間に拡大します。
ところが、2020年3月末日をもって北陸鉄道が運行から撤退し、西東京バスの単独運行に変更。
その後、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で運休→運行再開を繰り返し、2022年4月21日渋谷発の運行再開に併せて、新たにアルピコ交通が運行会社として参入することになったのです。
こちらも、運行会社の変更に至った経緯などは不明ですが、先程ご紹介した「池袋・新宿・渋谷~大阪線」と同様、これまでの共同運行方式のあり方に変化が生じている様に見えます。
アルピコ交通の運行体制についてですが、「池袋・新宿・渋谷~大阪線」とは異なり、「渋谷・八王子~金沢・加賀温泉線」は同社の東京支社が担当します。
路線の詳細は、西東京バス「渋谷・八王子~金沢・加賀温泉線(夜行便)」のページにてご確認をお願いいたします。
関東バス「ドリームスリーパー東京大阪号」(起終点の変更、運行会社の撤退)
あの豪華夜行バスにも変化が・・・。関東バス「ドリームスリーパー東京大阪号」
東京~大阪間の豪華夜行高速バス「ドリームスリーパー東京大阪号」が、2022年4月22日に運行を再開しました。
と、ここまでは単なる運行再開のニュースですが、実は今回の運行再開で、大阪側起終点の変更と運行会社の撤退が行われています。
これまで、同路線の大阪側の起終点は「両備バス門真車庫」でしたが、今回の運行再開で同停留所が廃止され、起終点が「大阪駅前桜橋口JR線高架下(大阪行き)」「南海なんば高速バスターミナル(新宿・池袋行き)」に変更されました。
両備ホールディングス大阪支店(大阪側の運行拠点)が、門真市から泉大津市へ移転したことによるもので、これにより、現時点で東京から門真市へ直行する夜行バスはゼロとなりました。
そして、実は今回の運行再開で、「ドリームスリーパー」事業の起案側であり、共同運行会社(関東バス)に話を持ち掛けた側である筈の両備ホールディングスが、この路線の運行から事実上撤退しました。
現時点で公式サイトではこれといった案内がありませんが、同社の「ドリームスリーパー」特設サイトから「ドリームスリーパー東京大阪号」の記載・リンクが消えている他、関東バス公式サイトにおいても両備ホールディングスの電話予約先が削除されていることから、これは運行から事実上撤退したと判断して良いでしょう。
一時的な撤退なのか、それとも恒久的な撤退なのかは不明ですが、話を持ち掛けた側から先に撤退するという「まさかな展開」には、正直驚いた次第です。
唯一大阪に残されていた「ドリームスリーパー東京大阪号」専用車両1台は、系列の観光事業者に移籍してツアー用バスとして活躍するのでしょうが、相手側の関東バスは今回のことをどう考えているのか・・・。
当面の間は、週末のみの1往復体制(東京発:毎週金曜日、大阪発:毎週土曜日)で運行を続けますが、関東バスがこの先の運行についてどう判断するのか、注目したいところです。
「ドリームスリーパー東京大阪号」については、関東バス公式サイト内の特設ページにてご確認をお願いいたします。
京成バス・奈良交通「やまと号」『東京ディズニーリゾートR』・横浜線(起終点の変更)
運行再開に併せて、路線再編を実施します。京成バス「K☆スターライナー」
奈良交通「やまと号」(イメージ)
京成バスと奈良交通が運行する夜行高速バス「やまと号」『東京ディズニーリゾートR』・横浜線が、長期間の運休から明けて、ようやく運行を再開します。
運行再開日は2022年4月27日。
と、ここまでは単なる運行再開のニュースですが、実は今回の運行再開に併せて、路線再編を実施することになりました。
路線再編の内容は・・・
奈良県側の起終点変更
です。
これまでの奈良県側の起終点は、近鉄大阪線の五位堂駅でしたが、今回の路線再編で、奈良県側の起終点が大和西大寺駅南口に変更されます。
これに伴い、五位堂駅、上牧町役場、片岡台三丁目、王寺駅、法隆寺バスセンター、中宮寺東口、近鉄郡山駅、本厚木駅の各停留所が廃止される他、運行時刻が変更されます。
「やまと号」『東京ディズニーリゾートR』・横浜線については、奈良交通公式サイト内の「やまと号」特設ページにてご確認をお願いいたします。
(次ページに続きます)