名鉄バス「名古屋〜岡山・倉敷線」 簡単な乗車記

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前回の記事『夜行高速バス 2022年春の動き』でもご紹介した通り、全国的なコロナ騒動が完全に落ち着いたとはいえない昨今、高速バスに関しては、コロナ禍開けを見据えての動きが各地で出始めています。

特に、最近注目されている動きとして、共同運行方式を採用している路線のパートナー(=共同運行会社)変更が挙げられます。

先日発表された、京王グループが運行する夜行高速路線2路線(池袋・新宿・渋谷~大阪、渋谷・八王子~金沢・加賀温泉)の共同運行会社の変更は記憶に新しいところですが、今回は、同じく共同運行会社を変更し、2022(令和4)年4月15日に運行を再開した路線をご紹介します。

その路線とは・・・高速バス「名古屋~岡山・倉敷線」です。

この路線、コロナ禍前までは両備ホールディングス(本社:岡山市)が単独で運行していましたが、運行開始から暫くの間は「チボリ号」としてJR東海バス(本社:名古屋市)と共同運行を行っていた時期もあり、名古屋側の運行支援もコロナ禍前まではJR東海バスが行っていました。
それが、今回の運行再開に伴い、名古屋側のパートナーをJR東海バスから名鉄バス(本社:ともに名古屋市)に変更したのです。

名鉄バス「名古屋~岡山・倉敷線」 3610 名鉄BC入線前
名鉄バス「名古屋~岡山・倉敷線」

同社の長距離夜行路線の新設(参入)は、2013(平成25)年7月4日に福島交通と共同で運行を開始した「名古屋~宇都宮・郡山線」(のちに福島へ延伸)以来、約9年ぶり。
また、同社の山陽方面への路線新設は、名鉄本体時代に広島電鉄と共同で運行を開始した「ファンタジア号」(名古屋~三次・広島、1989(平成元)年9月8日運行開始)以来、実に約33年ぶりとなります。

運行再開に併せてのパートナー変更。
その理由については色々と憶測してしまうところではありますが、実は先日、事実上のリニューアルともいえる高速バス「名古屋~岡山・倉敷線」の運行再開初便を追ってみました。
そこで、今回の記事では、高速バス「名古屋~岡山・倉敷線」の名古屋発運行再開初便の模様をご紹介します。

名古屋側の発着地も変更 バスを待つ環境もさらに充実!?

やって来たのは、名鉄名古屋駅直結の名鉄バスセンター3階高速バスのりば
名鉄バスセンター 外観

名鉄バスセンター 3階高速バスのりば_01

それまでの名古屋駅新幹線口JRハイウェイバスのりばと同様、乗車券カウンター、待合室は完備していますが、名鉄バスセンターにはコンビニが入居している他、地下には名鉄百貨店の食料品売場や飲食店が立ち並ぶなど、飲食物の入手に困ることはありません。
待合スペースもそれなりの広さが確保されており、バスを待つ環境がさらに充実した印象を受けます。

今回運行を再開した高速バス「名古屋~岡山・倉敷線」ですが、長期運休前との相違点を改めておさらいしておきましょう。

【長期運休前との相違点】

  • 名鉄バスが名古屋側のパートナーとして新たに運行に参入
  • 名古屋側の発着場所が名古屋駅新幹線口から名鉄バスセンター(3階高速バスのりば)に変更
  • バス会社公式の予約サイトが「ハイウェイバスドットコム」と「両備高速バス予約システム」の2本立てに
  • 運行時刻を変更
  • 夜行便の所要時間を短縮

尚、運行本数はコロナ禍前と同様、昼夜各1往復の計2往復体制と変わりありません。
ただし、先述の通り、運行時刻及び夜行便の所要時間が変更(短縮)になっていますので、利用の際は注意しましょう。

「プレミアムワイド」車を投入した名鉄バス便

高速バス「名古屋~岡山・倉敷線」は、名鉄バスセンター3階7番のりばから発車します。
名鉄バスセンター 3階高速バスのりば_02

今回乗車した車両は、こちら↓でした。

名鉄バス 「名古屋~岡山・倉敷線」 3610

名鉄バス名古屋中央営業所所属3610号車(三菱エアロクイーン QTG-MS96VP)です。
幅広シート「プレミアムワイド」を搭載した、ハイグレード夜行高速仕様車になっています。

気になる車内の様子は・・・

車内は、3列独立シート27人乗りの夜行高速仕様。
幅広シート「プレミアムワイド」を搭載しており、ゆったりと寛げるのがこの車両の最大の特長です。
座席とシートを仕切るカーテンは、中央列座席も含め全席に採用されており、隣を気にせずに休むことが出来ます。
また、車内中央列座席の上部には、中央列座席用の棚を設置。
コート類などを収納するのに便利です。
尚、トイレは、車内中央部に設置しています。

名鉄バス 「名古屋~岡山・倉敷線」 3610 車内

こちらが、幅広シート「プレミアムワイド」です。
通常の夜行バス用独立シートと比較して、座面が拡大されているのがこのシートの特徴です。
また、このシートの足受け台(フットレスト)は、奥行きが空洞になっているため、足先をゆったりと伸ばすことが出来ます。

名鉄バス 「名古屋~岡山・倉敷線」 3610 シート

シートのリクライニングは、座面横の丸いボタンを押しながら背もたれを押します。
また、通路側の肘掛は、肘掛先端内側の丸いボタンを押すと下に倒れます。
読書灯は肘掛に内蔵されており、肘掛の蓋を開け、引き出して使用します。

以上、名鉄バス便の車内を簡単にご紹介しましたが、名古屋~岡山・倉敷間の移動があっという間に感じる程のハイグレードな車内が名鉄バス便の「売り」といえそうです。

尚、名鉄バス「プレミアムワイド」車の詳細については、過去に「バスとりっぷ」様にてレビュー記事を執筆しておりますので、以下のリンクにてご確認いただけると幸いです。



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