函館バス「高速はこだて号」T3616号車(三菱エアロクイーンⅠ)【2021年春 日本縦断】
本州事業者で活躍した夜行高速仕様車
函館バスT3616号車は、同社が「高速はこだて号」に参入するにあたり、首都圏事業者からやって来た車両です。元々は、京浜急行バスで夜行高速用車両として活躍。
東京品川・浜松町を起点に、日本全国を駆け回っておりました。
しかし、2015年9月、同社が今治線「パイレーツ号」の運行から撤退。
その翌年の2016年に東急トランセが同路線に運行参入することになり、これに合わせて同社へ移籍することになります。
その後、東急トランセにて「パイレーツ号」の専用車・予備車として活躍しますが、やがて引退。
その引退した車両を、函館バスが「高速はこだて号」の予備車として導入したのが、このT3616号車になります。
車両は、三菱エアロクイーンⅠ(KL-MS86MP)。
KL-規制のエアロクイーンⅠとしては、後期型のモデルになるかと思われます。
恐らく、2000年代前半に製造されたものではないでしょうか。
秀逸なカラーリングがとても良く合っているという印象を受けます。
車内は、3列独立シート29人乗り夜行高速仕様。
窓側座席には、通路と座席を仕切るカーテンが後付けされている他、プラズマクラスターも後付けされています。
シートは、天龍工業製のスリーピングシートを採用。
腰当部分が隆起する他、足置き台の奥行が通常のタイプよりも若干深くなっています。
移籍にあたって車内をしっかりと整備したのか、状態は良好を保っていますが、シートモケットやシート構造など、京急時代の面影を色濃く残しています。
また、車内前方には、東急トランセ時代の面影も。
東急バスや東急トランセの車両で見られる「禁煙プレート」が、そのままの状態で残っておりました。
真冬の道央~道南路を函館へ・・・
今回乗車したのは、札幌駅前ターミナル07時50分発の便。八雲まで高速道路を走行した後、八雲から一般道を経由する「八雲経由便」になります。
発車の10分前にはバスが入線。
手際良く乗車改札が行われます。
札幌駅前ターミナルを発車したバスは、5分程走行した中央バス札幌ターミナルにて乗車扱いを行い、一般道を大谷地バスターミナルへ向けて走行しますが、降雪の影響で道路が渋滞。
大谷地バスターミナル到着時点で、40分以上の遅れになっていました。
大谷地バスターミナルの近くにある札幌味南インターからは、雪が舞う道央自動車道を函館へ向けて南下します。
10時35分、バスは有珠山サービスエリアに到着。
こちらでは30分弱の開放休憩となりました。
通常であれば、この後の静狩パーキングエリアでも開放休憩を実施しますが、この日は40分以上遅延していたことから、開放休憩はこちらの有珠山サービスエリア1箇所のみとなりました。
八雲インターで高速道路を降りたバスは、国道5号を函館へ向けて南下。
「冬の北海道」ならではの景色が、車窓一面に広がります。
八雲で数名下車し、その後の森町、新函館北斗駅、七飯町鳴川、桔梗の各停留所は、降車客がおらず通過。
次の昭和4丁目と五稜郭駅前では各数名が下車し、その次のガス会社前は降車客がおらず通過。
そして、函館駅前ターミナルには、定刻37分遅れの14時02分に到着。
それまで降っていた雪も止み、所々青空が見えていました。
JR函館駅
最後に
以上、函館バスで活躍する元本州事業者の夜行高速車について、簡単にご紹介しました。かつて一世風靡した三菱エアロクイーンⅠ夜行高速仕様車も、今では見かける機会も限りなく減りました。
そうした中で、予備車とはいえ、活躍している姿をじかに見ると、「本当に頑張って!」と声をかけたくもなります。
現在、三菱エアロクイーンⅠ夜行高速仕様車の活躍の姿が見られるのは、函館バスの他、宗谷バスなど、ごく一部の事業者のみ。
今回ご紹介した車両も予備車扱いで、滅多に乗車出来る車両でありませんが、繁忙期など混雑時には続行便で稼働することもありますので、機会があれば狙って乗車してみるのも良いかもしれませんね。
【乗車データ】
- 乗車日:2021/02/18
- 乗車区間:
札幌駅前ターミナル→函館駅前ターミナル - 運行会社:函館バス
- 車両:三菱/エアロクイーンⅠ(KL-MS86MP)
- 年式:不明
- 所属:本社・函館営業所(高盛)
- 社番:T3616
【おまけ】動画にしてみました
今回ご紹介した函館バスT3616号車の乗車の様子を動画にしてみました。
宜しければご覧いただけると幸いです。
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