沿岸バス「特急はぼろ号」乗車記~地域住民に欠かせない札幌への足~

昼行高速バス,高速バス乗車記

全国47都道府県の中で一番面積が広い北海道。
その北海道では、昔から札幌や旭川と道内主要都市とを結ぶ長距離路線バスが多くの方に利用されています。

こと北海道に関しては、高速道路を経由せずに一般道を走破する長距離路線バスが少なからず存在することから、「高速バス」と言わずに「都市間バス」という言われ方をするのは、ご存知の方も多いかと思います。

今回ご紹介する沿岸バス(本社:羽幌町)の札幌~留萌・羽幌・豊富間の都市間バス「特急はぼろ号」も、その中の一つ。

沿岸バス「特急はぼろ号」・387

沿岸バスの「特急はぼろ号」は、昨年2012年7月に開催された同社の「創立60周年記念イベント」参加の際に札幌~羽幌間を往復利用したのですが、今回、以前から計画していた道北遠征を敢行するにあたり、以前ご紹介した「萌えっ子はぼろ号」の試乗も兼ねたいということもあって、またしても札幌~羽幌間を往復利用してきました。

札幌発の便は・・・なんと「萌えっ子ラッピングバス」!

ここで、おさらいの意味も含めて改めて「特急はぼろ号」についてご紹介すると、「特急はぼろ号」は札幌~留萌・羽幌・豊富間を結ぶ都市間バスです。
昭和59年に運行を開始した、北海道内を走る都市間バスの中では老舗の部類に入ります。
運行開始当初は、当時の道路運送法21条に基づく貸切バスによる乗合代替輸送として運行していましたが、後に乗合路線に切り替えられた経緯があります。
現在は高速道路経由の札幌~留萌・羽幌・豊富系統4往復をメインに、同じく高速道路経由の札幌~留萌・羽幌系統1往復、更に国道231号経由の札幌~厚田・増毛・留萌・羽幌系統1往復の計6往復が運行されています。
沿岸バスといえば、最近では「萌えっ子フリーきっぷ」をはじめとする「萌えキャラ」によるPR戦略がすっかり有名(?)になってしまいましたが、実は留萌南部から宗谷南部にかけての日本海沿岸地域エリアとする、れっきとした路線バス・貸切バス事業者であります。
この「特急はぼろ号」も、旧国鉄羽幌線の廃線以降は留萌・羽幌・豊富などの日本海沿岸地域と札幌とを結ぶ唯一の交通機関として、観光・ビジネスはもとより地元住民にとって欠かせない足にもなっているのです。

というわけで、前段はここまでにして、本題に入ります。
今回利用したのは、金曜日の札幌13時発高速道路経由豊富行きと、日曜日の豊富15時05分発高速道路経由の最終便。
往路の札幌13時発の便は・・・・なんと、このバスが充てられていました。
沿岸バス「特急はぼろ号」・392(H25.06.09)

沿岸バス「特急はぼろ号」・392 リア(H25.06.09)
「萌えっ子ラッピングバス」(三菱エアロエース QRG-MS96VP)です。
この車両については、以前このブログでも紹介しましたので、詳しい説明は省きますが、まあ、とにかく目立ちますね。
ですが、沿岸バスのイメージカラー「ブルー&ホワイト」と上手く調和しているのは、流石といったところでしょうか。
因みにこのラッピングですが、あの札幌市電「雪ミク電車」のラッピングを手掛けた業者が施工したそうで、作業に丸2日間費やしたそうですよ。

車内はこの様になっておりまして・・・
沿岸バス「特急はぼろ号」・392 車内

沿岸バス「特急はぼろ号」・392 シート

沿岸バス「特急はぼろ号」・392 フットレスト
4列独立シート40名乗りの昼行仕様となっています。
ブラックを基調としたシートモケットが特徴と言えましょうか。
シートピッチが若干狭いのが難点ですが、各座席にはTV・ラジオ音声を聞くためのマルチステレオコントローラとフットレストが完備。
途中休憩もあることから、さほど疲れずに道中移動することが出来ます。

13時、定員の約6割程の乗客を乗せた「萌えっ子はぼろ号」は、札幌インターから道央自動車道へ。
沿岸バス「特急はぼろ号」・392 車内 その2

約1時間程で「砂川サービスエリア」に到着します。
ここでは10分間の開放休憩があります。
沿岸バス「特急はぼろ号」・392 砂川サービスエリアにて その1

沿岸バス「特急はぼろ号」・392 左側「観音崎らいな」

沿岸バス「特急はぼろ号」・392 右側「白浜ひばり」
改めて車体デザイン見てみると・・・繰り返しになりますが、とにかく目立ちますね。
あらゆる方がこちらのバスを見ていたり、更には私以外の5~6人の方がバスの車体を撮影していたりと、注目度は抜群ですねww。

開放休憩が終ったところで、バスは道央自動車道~深川留萌自動車道をひた走ります。
1時間程でバスは留萌市内へ。
ここから先は、沿線の主要停留所に停車していくのですが、各停留所で数名毎降りていくのが印象的でした。
そしてバス停では、家族と思われる方が迎えに来ている光景を何度も目にしました。
言うまでもありませんが、「特急はぼろ号」、地元住民にすっかり定着しています。

左手には夕焼けの日本海が一面に広がります。
沿岸バス「特急はぼろ号」 夕暮れの日本海
日本海沿いを走るバスの利用者の特権ですね。

札幌を発って約3時間、バスは沿岸バスのお膝元である羽幌町内へ。
羽幌町内では、旧国鉄羽幌駅跡地に整備された羽幌バスターミナル(同社羽幌営業所併設)と、街中にある本社ターミナルに停車します。
で、私はというと、多少時間があったので、街中の本社ターミナルで下車。
沿岸バス「特急はぼろ号」・392 羽幌本社ターミナル到着

沿岸バス本社ターミナル、この様なノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。
沿岸バス本社ターミナルと「萌えっ子はぼろ号」
ともあれ、あっという間の3時間でした。

一方、復路は2日後の羽幌本社ターミナル17時発(最終便)に乗車。
この車両が充てられていました。
沿岸バス「特急はぼろ号」・391

沿岸バス「特急はぼろ号」・391 リア


昨年の創立60周年記念イベントにて展示された日野セレガHD(QPG-RU1ESBA)です。
「特急はぼろ号」で活躍する日野セレガの中では、最新車両にあたります。

車内はこの様になっておりまして・・・
沿岸バス「特急はぼろ号」・391 車内
基本的な仕様は往路の車両と全く同じですが、こちらはグリーンを基調としたシートモケットが特徴といったところでしょうか。

17時、定刻に羽幌本社ターミナルを出発すると、往路とは逆に留萌市内までの主要停留所に停車、こまめに乗客を拾っていきます。
羽幌発車時は思っていた程乗っていなかったので、「これはゆったり帰れるかなぁ・・・」と思いきや、各停留所で数人毎の乗車があり、結果的に最終乗車停留所の留萌東橋発車時には車内はほぼ満席に。
週末札幌へ戻る利用客がある程度いると予想はしていましたが、まさか満席になるとは・・・。
特に留萌市内での乗車数が多かったのには意外でしたが、並行する北海道中央バス「高速るもい号」留萌発最終便とほぼ同じ時間帯に出発して、札幌に1時間早く着けるとなると、留萌市内からの乗車が多いのも納得出来ますね。

バスは留萌大和田インターから深川留萌自動車道に入ると、一路札幌へ向けて自動車専用道路・高速道路をひた走ります。
途中の砂川サービスエリアで休憩を挟み、羽幌から約3時間程でバスは終点の札幌駅前バスターミナル中レーン11番乗り場に到着しました。
沿岸バス「特急はぼろ号」・391 札幌駅前ターミナル到着

沿岸バス「特急はぼろ号」・391 札幌駅前ターミナル到着 その2
往路の時も思ったのですが・・・「やっぱり『はぼろ号』、速いわ。」

というわけで、沿岸バスの都市間バス「特急はぼろ号」の乗車記をご紹介しました。
私自身、「特急はぼろ号」にはこれまで数回乗車していますが、今回改めて「地元住民に根付いた、地元住民に欠かせない札幌直通の交通機関」であることを実感しました。
「はぼろ号」に乗車する人、「はぼろ号」から降りる人・・・・そして「はぼろ号」を出迎える人、「はぼろ号」を見送る人・・・・
正しく「おらが街の都市間バス」そのものだと思いました。
勿論、旧国鉄羽幌線が廃止されて以降、「はぼろ号」が唯一の札幌直通交通機関になったというのが今日まで走り続けてきた理由でもあるのでしょうが、一方で長年地域に根ざして走り続けてきた沿岸バスに対する信頼の大きさというのもあるのでしょうね。
「特急はぼろ号」独自のサービス(条件付のペット持込可・繁忙期のフレキシブルな続行便行先設定など)も支持を得ているのかもしれません。
強いて要望を挙げるとするならば、乗務員の接客教育にもう少し力を入れて頂けると、利用者の立場としては嬉しかったりしますね。
現状、乗務員によってかなりのバラつきがあるのかなぁという印象を持ちました。
最も、今回の遠征で訪れた宗谷バス(本社:稚内市)の接客対応の改善ぶりが目に付いたというのもあるのですが・・・・。
(後日改めて書こうかと思っていますが、少なくても以前の東急グループ時代の同社では考えられない程、乗務員の接客教育に力を入れているという印象を受けました。)

ともあれ、来年で運行開始30周年を迎える沿岸バスの「特急はぼろ号」。
今後も地域住民の欠かせない重要な足として、そして同社の看板路線として、今後も走り続けることでしょう。
そんなことを思った、今回の「特急はぼろ号」の乗車でございました。


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