道北バスの西工製都市間路線用1058号車(元「ライオンズエクスプレス」予備車)を見てみる

昼行高速バス,高速バス乗車記,一般路線バス

旭川市に本社を置き、路線バス及び貸切バスを運行している道北バス株式会社

道北バス ・228

道北バス「ノースライナーみくに号」 ・821

旭川市内及び近郊への一般路線バスはもとより、旭川、名寄から道央、道北、道東の主要都市へ都市間バスを運行しています。

同社の都市間バスといえば、本州の事業者で活躍した車両が移籍して活躍することでも有名で、昨年冬からは西武グループ(西武バス・西武観光バス・西武高原バス)で活躍した西工製高速車両が移籍し、札幌~紋別線「流氷もんべつ号」や旭川~釧路線「サンライズ旭川釧路号」といった長距離都市間路線で活躍しています。
(写真は旭川~釧路線「サンライズ旭川釧路号」などで活躍する3列シート仕様の1040号車。)
道北バス「サンライズ旭川釧路号」 1040

道北バス「サンライズ旭川釧路号」 1040 リア

これまで、道北バスの西工製都市間路線用車両は、3列シート仕様が3台(1026号車、1031号車、1040号車)在籍していますが、そんな中、今年2015年の秋に、4台目の西工製の都市間路線用車両が西武グループより移籍し、稼働を開始しました。
それがこちらの車両↓です。
道北バス「ノースライナー」 1058

道北バス「ノースライナー」 1058 リア
2004年式の1058号車(日産KL-RA552RBN)です。
西日本車体工業製の「02MC SD-Ⅱ」ボディを架装しており、道北バスの西工製都市間路線用としては初の4列シート34人乗り定員車になります。
普通であれば、ここで話が終わるのですが・・・
実はこの車両、異色の経歴を持つ車両でもあるのです。

日本最長夜行バスの予備車として活躍したファン馴染みの車両

先述の通り、この車両は2004年式で、西武時代は1410号車という車番が与えられました。
1410号車と聞いて「あっ!!!」と思われた方も多いかと思いますが、実はこの車両、2011年12月より約2年間、西武観光バス大宮営業所に配属され、今は無き大宮・東京池袋・横浜~福岡間の日本最長夜行高速バス「ライオンズエクスプレス」の予備車として活躍していたのです。
西武観光バス「Lions Express」 1410
2004年のデビュー当時は西武バス練馬営業所に配属され、主に新潟・富山・高岡方面への高速路線で活躍していましたが、2011年12月の「ライオンズエクスプレス」運行開始に伴い西武観光バス大宮営業所へ移籍し、同路線の予備車として活躍していました。
「ライオンズエクスプレス」予備車時代の様子は、私のブログに乗車記として纏めていますが、首都圏~福岡間約1,200kmを主に専用車の点検・整備時や繁忙期に往復していました。
⇒ 『西武観光バス「ライオンズエクスプレス」続行便乗車記』
専用車よりも広くて乗り心地が良いとの評判から、特に繁忙期にはわざわざ続行便を狙って乗車するファンも少なからずいたそうです。
「ライオンズエクスプレス」予備車としての役目を終えてからは、西武高原バス(本社:軽井沢町)へ移籍し、東京池袋~軽井沢・佐久・小諸・上田間を結ぶ高速バスとして活躍していましたが、西武グループ内での規定使用年数に達したことから廃車扱いになり、この度北海道の道北バスにやって来た・・・というわけなのです。

西武時代の面影を色濃く残した車内

と、概略をご紹介したところで、1058号車の外観及び内装について触れておきましょう。
外観は道北バスの都市間路線・貸切用塗装に塗り替わり、これまでのイメージが一新しました。
道北バス「ノースライナーみくに号」 1058
ベースカラーのホワイトにダークブルー、スカイブルー、ピンク3色のストライプを纏った、北海道内ではお馴染みのカラーリングです。

一方で、車内は4列シート34人乗りと、かつての「関越高速仕様」そのままの状態で導入されています。
道北バス「ノースライナー」 1058 車内

道北バス「ノースライナー」 1058 シート
シートピッチが広いのが特長で、所要時間が長い路線(旭川~釧路・帯広・枝幸・北見など)でも快適に移動出来るようになっています。

更に、同社の長距離都市間路線ではTV・ラジオサービスが実施されている関係上、マルチステレオコントローラと液晶モニターが後付けにて設置されました。(液晶モニターよりも隣のLCD運賃表の方が画面サイズが大きいのはどうなのかなぁという気はしますが。)
道北バス「ノースライナー」 1058 マルチステレオコントローラ

道北バス「ノースライナー」 1058 LCD運賃表&液晶モニタ

車内後部にはトイレを完備。
現在は使用されていない乗務員仮眠室の跡もしっかり残っています。
道北バス「ノースライナー」 1058 化粧室

道北バス「ノースライナー」 1058 後部仮眠室跡

使用される路線の環境に合わせるべく、一部改造を施してはいるものの、シートの形状といいモケットの柄といい、西武時代の面影を色濃く残した車内がこの車両の特徴ともいえるでしょう。

この車両ですが、今秋(2015年秋)に導入され整備後稼働を開始しました。
現在は主に旭川~釧路線「サンライズ旭川釧路号」及び旭川~帯広線「ノースライナー」で活躍しています。
道北バスでは34人定員の都市間路線用車両(富士重7S)を複数台所有していますが、老朽化が著しいことから、今後はこのタイプの車両が増備されるものと思われます。
現在のところ、2路線での活躍がメインになっていますが、車両が増備された暁には「特急石北号」(旭川~北見線)や「特急えさし号」(旭川~音威子府・枝幸線)で西工製都市間路線車が見られる・・・ということもそう遠くない時期に来るかもしれませんね。

尚、今回ご紹介した1058号車をはじめ、道北バスの西工製都市間路線車については、今後乗車記(「サンライズ旭川釧路号」乗車記、「ノースライナー」乗車記)という形でこのブログにてご紹介する他、現在制作中の同人誌「北海道路線バス紀行Vol.01 道北・道東編」でも取り上げる予定ですので、どうかお楽しみに。

道北バス「ノースライナー」 1058 幾寅物産センターにて(縦位置)


応援して頂けると嬉しいです。
↓  ↓  ↓  ↓

その他ランキング
にほんブログ村 その他趣味ブログ バス(車)へ
にほんブログ村