商船三井フェリー「さんふらわあ ふらの」乗船記(2015年9月分)
旅はようやく終盤へ。
福岡天神から西鉄の高速バス&北九州空港エアポートバスで北九州空港へ移動し、近くのビジネスホテルに宿泊後、JALのB737-800で東京羽田へ移動します。(写真はイメージです。)
ここから飛行機に乗り継いで札幌へ・・・といいたいところですが、そう簡単に戻りはしません。(笑)
首都圏からはこちらで北海道へ戻ります。 商船三井フェリー(本社:東京都)が運航する苫小牧~大洗航路「さんふらわあ」です。(写真は「さんふらわあ さっぽろ」です。)
1972年に日本沿岸フェリーが苫小牧~東京航路の運航を開始して今年2015年で43年間、幾度かの運航会社の変更を経て、現在は商船三井フェリーが3隻体制(2015年10月現在)で苫小牧~大洗間を日夜往復しています。
残念ながら、2015年8月のカジュアルフェリー 「さんふらわあ だいせつ」の火災に伴い、当分の間は減便ダイヤによる運行が続きますが、同航路は北海道~首都圏間の物流の役目も果たしていることから、出来るだけ早く通常ダイヤに戻ることを切に望みたいものですね。
目次
古き良き時代の大型フェリー「さんふらわあ ふらの」の船内は?
今回乗船したのは、2015年9月下旬の大洗発苫小牧行き「さんふらわあ ふらの」。 三菱重工業下関造船所にて建造され、1993年7月に竣工した、13,539総トン、全長192m、幅27m、出力35,600馬力、航海速力24ノットを誇る大型フェリーです。元々この船は、今は無き東日本フェリーにて「へすていあ」という船名で活躍していましたが、同社の苫小牧~大洗航路移管に伴い、2007年1月に船名が変更され、船体カラーも「さんふらわあ」仕様に変更、現在に至っています。
商船三井フェリーといえば、北海道~首都圏間の乗り継ぎ割引企画きっぷ「パシフィックストーリーシリーズ」が有名ですが、この日は連休期間中で東京~水戸間の高速バス「みと号」の大幅な遅延が予想されたため、東京~水戸間はJR常磐線で移動し、水戸からは水戸~札幌間の乗り継ぎ割引きっぷ「茨城マリンきっぷ」を利用することにしました。
東京からJR常磐線に揺られること2時間程で水戸駅に到着。
水戸駅から大洗港方面へ向かうバスの発車まで少し時間があったことから、久しぶりに茨城のバスを撮影します。
旧茨城オートの車両や「ガルパン」ラッピングバスもいましたね~。
水戸駅からは、茨城交通の元西武バス富士7E(3扉車)で大洗港フェリーターミナルへ。
乗船手続きを済ませ、2階乗船口から乗船します。
早速、船内を見てみることにしましょう。 船内へはCデッキから入ります。
船内に入ると、すぐ右手にインフォメーション(カウンター)があります。
Aデッキ~Bデッキ~Cデッキ間の階段及びエントランスです。
バブル期末期に竣工したフェリーということもあってか、造り自体はそれなりの豪華さを感じますが、最新型フェリーのエントランスと比較すると、どうしても狭いという印象は拭えないですね。
売店はCデッキのインフォメーション横に設置されています。
飲食物・日用品の他、「さんふらわあ」オリジナルグッズが販売されています。
Cデッキに設置されているシアタールームです。深夜時間帯を除き、航海中は数本の映画が上映されます。
Bデッキ船尾側には、展望大浴場が設置されています。
深夜時間帯(22:00~06:30)を除き、好きな時間に湯舟に浸かることが出来ます。
大型カーフェリーお約束のゲームコーナーと自販機コーナーです。
「さんふらわあ ふらの」には、この様なミーティングルームが設置されています。
この日はキッズルームとして開放されていましたが、団体客乗船時はこの部屋をミーティングの場所として使用するのでしょうね。
で、肝心の船室なのですが・・・
今回は「カジュアル」(いわるゆB寝台)を選択しました。
2段式の寝台タイプの船室となっており、相部屋でありながらプライベート空間も確保出来るのが特長です。
各寝台にコンセントが設置されているのも嬉しいですね。
(船室の写真を撮り損ねてしまいました。申し訳ありません。)
因みに、「パシフィックストーリーシリーズ」ご利用の方は、追加料金(3,090円)を支払うことで「カジュアル」が利用出来ます。
そうこうしているうちに、出港時刻の18時30分が近づいて来ます。
日が沈む直前の大洗町の街並みが美しいです。
出港・・・大海原を苫小牧へ
18時30分 出港
定刻に「さんふらわあ ふらの」は大洗港を出港。多少の揺れはあるものの、当初の予想に反して波は穏やかで、苫小牧港到着まで快適な船の旅が楽しめそうです。
19時00分 夕食
岸から遠ざかったところでレストランへ。夕食の時間です。(写真はイメージです。)
「さんふらわあ ふらの」のレストランはバイキング形式となっており、好きなものを好きなだけ食べることが出来ます。
ビールも追加注文し、美味しくいただきました。
20時00分~23時00分 休憩
食事を終えたところで船室で一休み。その後、Aデッキの展望ラウンジで夜の海原を見ながら、しばしの間寛ぎます。(写真はイメージです。)
23時30分 就寝
23時を過ぎたところで眠くなり船室へ。横になって目を瞑ると、いつしか夢の中へと吸い込まれていきました。
長旅を惜しみつつ苫小牧港に到着
8時00分 起床・入浴
翌朝目を覚まし時計を見ると、既に8時を回っていました。レストランで朝食を・・・とも思いましたが、特段お腹が空いていたということでも無かったので、もう一眠りしてから展望大浴場へ直行します。
朝風呂を楽しみ、その後は甲板へ。
今回の長旅を振り返りつつ、一面に広がる大海原をじっと眺めていました。
11時30分~12時30分 下船準備・昼食
11時30分を回ったところで、早目の下船準備を始めます。というのも、12時の昼食バイキングを楽しむからであります。
12時を回ったところでレストランへ。
昼食は私の好きなカレーバイキングでした。
2種類のカレーに焼きそば、中華丼、サラダ、デザート(コーヒーゼリー)などなど、豊富なメニューに目移りがしてしまいます。
前日の夕食と同様、好きなものを美味しくいただきました。
12時30分~13時25分 休憩・下船準備
昼食を楽しんだところで、再度甲板へ。「さんふらわあ ふらの」は順調に苫小牧港へ向けて航行しています。
13時00分、苫小牧港到着まで残り30分となったところで、接岸準備が始まります。
「さんふらわあ ふらの」は苫小牧港の港湾内に入りました。
入港バースの隣には、太平洋フェリー「きたかみ」が停泊していました。
この日の夜の便で仙台へ向かうのでしょうね。
13時30分 苫小牧港到着
定刻の13時30分に「さんふらわあ ふらの」は苫小牧港に接岸、到着しました。この後、接続する苫小牧港フェリーターミナル13時56分発の北海道中央バス「高速とまこまい号」で札幌へ。 約2時間後の16時前に終点の札幌駅前ターミナルに到着、約1週間に渡る長旅は無事に幕を閉じたのでありました。
というわけで、商船三井フェリー「さんふらわあ ふらの」乗船の模様を簡単にご紹介しました。
私自身、この船には「さんふらわあ ふらの」になる前の今から10年前、東日本フェリー「へすていあ」時代に1度乗船したことがありますが、船内は当時と殆ど変わりがありませんでした。
10年前に乗船した時はそれなりの設備を有していたのですが、10年の月日が経ち、最新鋭の大型フェリーが続々と登場する今日においては、やはり見劣りしてしまうというのが正直な感想でした。
ですが、同社は「さんふらわあ さっぽろ」「さんふらわあ ふらの」の代替船建造を決定しており、2017年上期に竣工する予定となっております。(約14,000総トン、全長199.7m、幅27.2m、航海速力24ノット、旅客定員620名、車両積載数:トラック160台・乗用車113台。ジャパン マリンユナイテッド磯子工場建造。)
恐らくですが、個室の数を増やしてバリアフリーや環境にも配慮した、快適性重視の大型フェリーになることでしょう。
新船のデビューも楽しみではありますが、一方でバブル末期に登場した独特の雰囲気を醸し出す大型フェリーが次第に姿を消すということにもなるわけで、そう考えると、今回の「さんふらわあ ふらの」の乗船は、私にとってある意味思い出に残る船旅になるのかもしれません。
以前、このブログで紹介した新日本海フェリー「らいらっく」の乗船記でも似たことを書きましたが、好きな時間に食事をし、好きな時間に風呂を楽しみ、好きな時間に景色を眺め、寝たいときに寝るという空間・・・これこそ「フェリー旅の良さ」であり「フェリー旅の醍醐味」でもあります。
苫小牧~大洗航路の所要時間は約19時間と長丁場。
「フェリー旅の良さ」「フェリー旅の醍醐味」を実感するには最適の航路だと私は思います。
時間的制約がある方も多いかとは思いますが、時間が出来た暁にはフェリー旅でもされてみてはいかがでしょうか。
きっと新しい発見があることでしょう。
私も来年の秋に東京方面へ出掛ける予定があるので、今度は苫小牧から大洗へ向かうダイヤで是非利用してみたいですね。
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