新日本海フェリー「すずらん」苫小牧東→敦賀 乗船記

フェリー

北海道と東北、新潟、関西を結ぶ新日本海フェリー
国内数あるフェリー会社の中でも、多様な船内設備にレストラン・グリルでの食事など、旅客サービスに力を入れているフェリー会社として数多くの方に利用されています。
また、小樽~舞鶴航路と、苫小牧東~敦賀航路では、時速30ノット前後で航行可能な高速フェリーを導入するなど、競合するRO-RO船との差別化を図っています。

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小樽~舞鶴航路で活躍する新日本海フェリー「あかしあ」(日本海上にて)

新日本海フェリーについては、これまで何度か乗船記をご紹介して来ましたが・・・




今回ご紹介するのは、苫小牧東~敦賀航路で活躍する「すずらん/すいせん」
昨年2023年の年末に苫小牧東から敦賀まで乗船する機会があり、とかく敬遠しがちな冬の日本海航路の船旅を楽しんでまいりました。

2012年に現行船がデビューして以降、私にとって初の乗船となる新日本海フェリー「すずらん/すいせん」の旅。
いったいどんな船旅であったのでしょうか。
2024年一発目の記事としてご紹介します。

新日本海フェリー「すずらん/すいせん」とは?

ここで、おさらいの意味も含めて、新日本海フェリー「すずらん/すいせん」について改めてご紹介しましょう。

大阪府大阪市に本社を置く新日本海フェリーが現行の「すずらん/すいせん」を投入したのは、今から12年前の2012(平成24)年初夏。
先代の「すずらん/すいせん」(1996年~2012年、小樽~舞鶴航路 → 苫小牧東~敦賀航路)の代替としてデビューしました。

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苫小牧東~敦賀航路で活躍する新日本海フェリー「すいせん」(日本海上にて)

2隻とも三菱重工業長崎造船所で建造され、同社初の「2隻同時建造」「2隻同時の進水命名式実施」の船としても注目されました。

全長224.5m、全幅26.0mは、2003(平成15)年にデビューした小樽~舞鶴航路の現行「はまなす」「あかしあ」と同一で、推進器はCRPポッド推進を採用していますが、航海距離と所要時間のバランスから、航海速力は27.5ノットに抑えられています。
先代の「すずらん/すいせん」と比較して、二酸化炭素排出量25%削減、窒素酸化物排出量40%削減と環境性能が強化された一方で、トラック積載能力は30%増加した他、2等船室を全て寝台化、露天風呂を設置するなど、旅客設備が強化されているのも特徴です。

2020年のドック入り時には、SOxスクラバーを搭載しファンネルが大型のものに交換された他、胴体の「Shin Nihonkai」のロゴが東京九州フェリーの船舶と同じ「Cruising Resort」に変更。
近年は、東京九州フェリーの「はまゆう/それいゆ」と入れ替わる形で、新門司~横須賀航路にて運航することもあります。

なお、船名の「すずらん」「すいせん」は、北海道の代表花「スズラン」および福井県の県花「スイセン」が由来となっています。

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