新日本海フェリー「らいらっく」(小樽~新潟航路) 乗船記
以前このブログでご紹介した「太平洋フェリー」(苫小牧~仙台・名古屋)と並び、多様な船内設備を設けるなど旅客サービスに力を入れているフェリー会社として、数多くの方に利用されています。
また、一部の便には30ノット前後で航行可能な高速フェリーを導入するなど、競合するRO-RO船との差別化を図っています。
私自身、新日本海フェリーにはこれまで2度程乗船したことがありますが、実は人生初のフェリーが新日本海フェリーの小樽~敦賀航路でありまして、今から約30年前の10歳に家族での関西旅行の足として利用したのですが、その時はとにかく退屈だったことを今でも覚えています。
しかし、時が流れ、フェリーを利用する機会も増え、フェリーの旅の素晴らしさも知るようになった今日、久しぶりに日本海航路に乗船したくなり、2015年9月の新潟・名古屋・岡山・九州訪問の足としてる利用することを計画。
気が付けば、新日本海フェリーの予約サイトにアクセスする自分がいました。(笑)
早速予約と決済を済ませ、出発当日の朝、JRとタクシーを乗り継いで小樽港フェリーターミナルへと向かいます。
目次
18,229総トンの大型旅客船「らいらっく」
やって来たのは、JR小樽築港駅からタクシーで5分程移動したところにある小樽港フェリーターミナル。新日本海フェリーの小樽~新潟航路と小樽~舞鶴航路の2航路が発着します。
アーチ状の形状が特徴といったところでしょうか。
1階受付カウンターの隅の一角に、「はまなす」(小樽~舞鶴航路)の模型が飾られておりました。
今回乗船したのは、小樽発新潟行きの「らいらっく」。
アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド(横浜)で建造され、2001年6月に竣工、2002年4月5日に就航を開始した旅客船です。
総トン数18,229トン、全長199.9m、幅26.5m、出力21,200kw、航海速力22.7ノットを誇り、国内の旅客フェリーの中でも大型の部類に入ります。
一通り外観をチェックしたところで、フェリーターミナルの売店で飲食物を購入し、待合室で乗船開始時刻を待ちます。
新日本海フェリー「らいらっく」の旅【1日目】
09:45 乗船開始
2階乗船口から乗船しますが、乗船連絡橋はエスカレーター・エレベーター完備のバリアフリー対応になっていて、足が不自由な方でも楽に乗船することができます。この日は平日ということもあり、徒歩客は少な目でしたが、自衛隊の方の多さが目立ちます。
09:50 船内散策
出港が午前ということもあり、食事をするには早過ぎるため、早速船内を散策します。3デッキのフロントです。 乗下船口の傍に位置しています。
個室利用の方は予めこちらで鍵を受け取ります。
エントランス部のオブジェです。
同じく3デッキにある自販機コーナーです。
4デッキの売店とカフェコーナーです。
売店では各種飲食物とお土産類を扱っており、カフェコーナーでは軽食・アルコール類を注文することが出来ます。
但し、営業時間が細かく設定されていますので、利用する際は事前に営業時間をチェックしておくことをお勧めします。
4デッキのプロムナードを歩くと、その奥には・・・
レストラン「Tahichi(タヒチ)」があります。 カフェテリア方式(好きな料理をラインから取って会計する方式)のレストランとなっており、昨今フェリー内のレストランで流行りのバイキング方式が苦手な方は、こちらの方が良いのかもしれませんね。
勿論、アルコール類も楽しむことが出来ますよ。
因みにプロムナードの反対側通路の奥には、事前予約制のグリルが設置されており、こちらでは季節のコース料理が楽しめます。
4デッキの船主側には、フォワードサロンが設置されています。
船主側の風景を見ながら寛げるフリースペースです。
但し、冬季は航行する日本海が荒れる関係で窓に鉄板を装着するため、外が見えません。
また、夜間は航行時の安全確保の理由で閉鎖されますので、併せてご注意を。
海を見ながらひとっ風呂・・・というのはいかがでしょうか。
4デッキの大浴場です。 乗船時から22時まで利用することが出来ます。
4デッキのゲームコーナーとスポーツコーナーです。
各種コインゲームが楽しめる他、スポーツコーナーでは懐かしい(?)エアホッケーが楽しめます。
5デッキにはシアタールームがあります。 映画の上映の他、ミニコンサートや新日本海フェリー恒例のビンゴ大会もこちらで行われます。
一通り船内を散策したところで、今回お世話になった客室へ。
こちらの客室↓にお世話になりました。
「ステートルームB ツイン」という、窓ありインサイドの部屋になります。
海が見えないのと個室トイレが無いのが難点ですが、一人で寛ぐには十分すぎる広さです。
10:30 出港
出港の汽笛が鳴らされ、快晴の空の元、定刻に小樽港を出港します。昼食までの時間、フォワードサロンで船主の風景を楽しみます。
11:00 ビンゴ大会
11時になると、5階シアタールームではビンゴ大会が始まります。 早く抜けた順から好きな景品を貰えるという、新日本海フェリー恒例の船内イベントで、2,000円分の商品券や、系列のオーセントホテル小樽で製造された特性タルト(クール宅配便で配送)、新日本海フェリーオリジナルグッズなどが貰えます。何でも、参加者数に関わらず景品の数は変わらないとのことで、利用客が少ない日は全員に景品が当たることもあるとか。
因みに、この日のビンゴ参加者は、私を含めて29名。
結果的には全員に景品が当たる結果となり、私は新日本海フェリーオリジナルメモ帳を頂きました。
12:00 昼食
ビンゴ大会が終わったところで、レストラン「Tahichi(タヒチ)」で昼食です。 あまりお腹が空いていないかったこともあり、アルコール付きの白米+味噌汁+おかず類と軽く済ませました。昼食後、船尾側の写真を撮影しにデッキへ行ってみます。 青空と海のコントラストが美しいですね。
13:30 1回目の入浴
昼食後、部屋に戻って少し休んだ後、1回目の入浴を楽しみます。海を見ながらの風呂は格別で良いですね。
14:30 フォワードサロンで休憩
大浴場でさっぱりしたところで、再びフォワードサロンへ。飲み物を飲みながらゆっくり景色を楽しみます。
15:30 昼寝
再び部屋に戻り、横になっていると、いつしか夢の中へ・・・。気が付くと、BSで大相撲中継が放映されていました。
目覚めたところで、4デッキ通路にて西側の風景を眺めます。 沈みゆく夕陽が美しいですね。
18:00 夕食
お腹が空いたところで、2回目のレストランでの食事です。軽く済ませた昼食とはうって変わって、少し多めに選んでみました。
因みにおかずの肉料理ですが・・・ホエー豚のジンギスカン。
あの花畑牧場との限定コラボメニューとのことでした。
19:30 2回目の入浴
部屋に戻って少し休んだ後、2回目の入浴を楽しみます。1回目の時とは違い、空は真っ暗になってしまいましたが、ほぼ貸切状態の浴室でのんびりさせていただきました。
22:30 就寝
入浴から上がって、部屋で軽く晩酌を楽しみ、22時の消灯案内の放送をきっかけに就寝の準備へ。もう少し遅く起きていたいところですが、翌朝の到着が早いので仕方がないですね。
そして22時30分、丁度良いほろ酔い加減になったところで就寝。
航行中揺れが殆どなかったこともあり、翌朝までぐっすり眠ることが出来ました。
新日本海フェリー「らいらっく」の旅【2日目】
翌朝04:30 起床まだ夜が明けきっていない4時30分に起床。
早速、洗顔や身支度、荷物の整理など、下船の準備を始めます。
05:45 まもなく接岸
5時45分、夜が明けて来た頃に「らいらっく」は接岸の準備を始めます。外を見てみると、一日が動き出そうとしている新潟市内の風景が一面に広がっていました。
06:00 接岸・到着
定刻に新日本海フェリー「らいらっく」は新潟港フェリーターミナルに到着しました。出迎えの車で家路に向かう人や、連絡バスなどで次の目的地へ向かう人、はたまた駐屯地へ戻る自衛隊員や配送先へ向かうトラックドライバーなど、それぞれの人間模様が垣間見えるのが、フェリー旅の面白いところでもあるのかなぁと思いました。
最後に
というわけで、新日本海フェリーの小樽~新潟航路「らいらっく」の乗船記をお届けしました。私自身、新日本海フェリーの小樽~新潟航路を利用したのは今回が初めてでしたが、前回4年前に乗船した小樽~舞鶴間航路(高速フェリー)とはまた違った良さを今回実感じました。
言葉では上手く表現しがたいのですが、小樽~新潟航路に関しては、丁度良い航海速力と使い易い運行ダイヤ、レベルの高い船内設備が、船内で過ごす時間の充実度を高めている様な気がします。
そして、人が動いている時間に何も考えず景色を眺めながら自由に過ごす時間と空間・・・これこそ「フェリー旅の良さ」でもあり「フェリー旅の魅力」だと思います。
今回はあくまで移動のための足として利用しましたが、機会があればまた是非この航路に乗船してみたいですね。
と同時に、気軽に利用できる寝台列車がほぼ皆無になった昨今、これまで物流の一手段として利用されてきた長距離フェリーが、旅客移動の手段として本格的に見直される時期がそう遠くない時期に来るのではないかと今回の乗船を通じて改めて感じました。
実際、各フェリー会社ではここ数年来、新船を相次いで登場させており、テレビの情報番組にも特集されるなど、注目度が上がっています。
今後数年間は、長距離フェリーが面白いことになるかもしれませんね。
【おまけ】
新潟港フェリーターミナルで下船し、正面玄関に出てみると、このバス停が。 ウィラーさん、乗り入れているのですね。
ここから新宿行きの高速バスが出ている様でして・・・。
新日本海フェリーに接続する運行ダイヤを組んでいます。
かつて、新日本海フェリーが関越高速バス(西武バス・新潟交通・越後交通)と提携して、東京~新潟~小樽間の乗り継ぎ割引きっぷを販売したことがありますが、今はその役割をウィラーが担っている・・・ということなのでしょうね。
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