沿岸バス「幌延~羽幌~留萌~旭川直通バス」惜別乗車記
「幌延~羽幌~留萌~旭川間直通バス」に惜別乗車
翌朝6時過ぎのJR幌延駅です。駅の待合室にも、沿岸バスの時刻表・運賃表が掲示されています。
「幌延~羽幌~留萌~旭川間直通バス」の始発地は、幌延駅から4km程離れた「幌延深地層研究センター」。
日本原子力研究開発機構が管理運営する、放射性廃棄物の地層処分に関する研究を行う施設ですが、周辺には何も無く、熊などの野生動物に遭遇する可能性もあるため、今回は以前の始発地である幌延駅から乗車することにしました。
06時26分、1台のバスがやって来ました。
「幌延~羽幌~留萌~旭川間直通バス」です。
今回乗車日したのは、「幌延~羽幌~留萌~旭川間直通バス」や「留萌旭川線」で活躍する709号車(三菱エアロエース BKG-MS96JP)。
同路線で活躍する車両もここ数年で様変わりし、今や同路線で活躍する自社発注の車両は、この709号車だけとなってしまいました。
沿岸バス「幌延~羽幌~留萌~旭川間直通バス」
車内は、4列シートの昼行高速仕様。
車内後部にはトイレが設置されています。
また、定員重視の仕様からか、補助席も設置されています。
車内には、ダイヤ改正を知らせる掲示物も貼られていました。
06時30分、バスは定刻に幌延駅を発車。
約220km先の旭川へ向けて、5時間弱のバスの旅が始まります。
この便ですが、厳密には途中の留萌十字街を境に系統が分割されており、幌延深地層研究センター~留萌十字街間は「13快速幌延留萌線」として、留萌十字街~旭川駅前間は「56快速留萌旭川線」として運行されます。
快速便というだけあって、停車する停留所も各街の中心部や主要停留所がメイン。
その駿足ぶりは、かつての国鉄急行列車「はぼろ号」を彷彿させるものがあります。
幌延町市街地を抜けたバスは、道道121号から国道40号に入ります。
天塩大橋を渡ったところで、右折して国道232号(日本海オロロンライン)へ。
ですが、この地区はまだ内陸部のため、まだ日本海を眺めることは出来ません。
天塩町の市街地を過ぎ、バスは国道232号を南下。
かつての遠別駅跡地に設置された遠別バス停、そして遠別営業所を過ぎると、右手には日本海が見えて来ます。
この日の天候は、前日とはうって変わって快晴に近い晴れ。
多少波が高いものの、日本海がひと際美しく見えます
遠くには焼尻島?が見えますね。
幌延を発車して1時間半程で、バスは羽幌町内へ。
本社ターミナル、羽幌ターミナル、道立羽幌病院にて乗降扱いを行い、引き続き国道232号を南下していきます。
右手に日本海を眺めながら、バスは苫前、小平を過ぎ、留萌市内へ。
そして、幌延を発車して2時間45分、9時15分にバスは留萌十字街に到着します。
こちらでは、乗務員交代と時間調整のため、7分間停車しました。
9時22分、留萌十字街を発車。
ここからは、「56快速留萌旭川線」として旭川駅前まで運行します。
留萌市内の各停留所に停車後、バスは国道232号から国道233号へ。
それまで見ていた景色もうって変わり、ここから先は空知平野を眺めながらの移動となります。
幌糠、峠下付近までは所々で山々の景色が続きますが、碧水、秩父別あたりに差し掛かると、一面「これぞ空知平野!」ともいうべき景色が車窓一面に広がります。
留萌から1時間10程で、バスは深川市内に入ります。跨線橋を渡り、4条12番交差点を右折すると、深川十字街に到着します。
深川十字街を発車したバスは、4条9番交差点を左折し、石狩川を渡って、道内有数の幹線国道のひとつである国道12号へ。
国道12号に入ってからは、石狩川に沿って旭川へと向かいます。
11時過ぎ、幌延駅を発車して4時間半程で、バスは旭川市内に入ります。
旭川大橋手前の交差点を右折し、道道90号~道道98号を神楽地区へ、
神楽4条4丁目バス停に停車したバスは、国道237号線に入り、1条通りの交差点を右折。
そして、旭川中心街を通り、11時22分、定刻にバスは終点の旭川駅前に到着しました。
運賃表を見てみると・・・整理券1番の幌延深地層研究センターからの運賃は4,460円、整理券2番の幌延駅からの運賃は4,400円!
前回ご紹介した阿寒バス「釧路羅臼線」よりも乗車距離が長いにもかかわらず、運賃はこちらの方が安いとは・・・。
ローカル路線バスも色々ですね。
乗車距離約220km、所要時間5時間弱のバスの旅は無事に完遂しましたが、10月以降このバスの乗車出来なくなることを思うと、一抹の寂しさも。
回送されていくバスの後姿を見届けながら、私は旭川駅を後にしたのでありました。
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