大阪なんば・大阪駅前・京都と神奈川県小田原・藤沢・鎌倉・横浜(戸塚)を結ぶ南海バス(本社:堺市)の夜行高速バス「サザンクロス」鎌倉線。
和歌山県和歌山市に本社を置く和歌山バスと共同で運行しています。
南海バス「サザンクロス」鎌倉線
和歌山バス「サザンクロス」鎌倉線
以前は、江ノ電バス(本社:藤沢市)と共同運行していましたが、同社の夜行高速バス事業撤退に伴い、2020年4月以降は同じ南海電鉄グループの和歌山バスが江ノ電バスの代わりとして運行に参入。
車両愛称も「サザンクロス」に統一の上、現在に至っています。
以前にこのブログで、「サザンクロス」鎌倉線の和歌山バス便(サザンクロス)をご紹介しましたが、


今回は、同路線の南海バス便に乗車した時の模様をご紹介します。
しかも、今回は大阪なんばから戸塚駅東口(横浜市)までのほぼ全区間の乗車。
2022年10月に新設された横須賀市内停留所も経由するとのことで、どの様な経路で運行するのかを含めて、乗車前から楽しみにしておりました。
コロナ騒動が落ち着き、横須賀経由に変更された「サザンクロス」鎌倉線。
いったい、どの様に変わったのでしょうか。
始発地も変更に 南海最大のターミナル駅から発車
やって来たのは、大阪市中央区・浪速区にまたがる南海電鉄難波(なんば)駅。
この駅に隣接する高級ホテル「スイスホテル南海大阪」の5階に、「南海なんば高速バスターミナル」があります。
ホテルの玄関前にのりばを備えた、こじんまりとした発着場所ではありますが、のりばから少し離れた建物には、乗車券カウンターとトイレ・パウダールーム(女性のみ)、自販機を完備。
乗車券カウンターでは、南海バスや南海電鉄のオリジナルグッズも販売しています。
「サザンクロス」鎌倉線の大阪側始発地は、こちらから徒歩で20分ほど離れた湊町バスターミナル(なんばOCAT)ですが、今回はこちら南海なんば高速バスターミナルから乗車することにしました。
以前は堺市のJR堺市駅前を起終点としていましたが、2022年10月1日付のダイヤ改正で大阪側の起終点が大阪なんばに変更されています。
昨今の利用状況を鑑みての変更といえますが、またひとつ堺地区から夜行高速バス発着路線が消えたわけで、かつての南海高速バス旺盛時代を知るものとしては寂しさを感じます。
南海なんば高速バスターミナルの発車時刻は22時10分。
バスは発車時刻間際に到着し、到着するとすぐに乗車改札が始まります。
南海バス「サザンクロス」鎌倉線の外観・車内をご紹介
ここで、今回乗車した乗車を改めてご紹介します。
こちらの車両に乗車しました。
南海バス堺営業所所属735号車(日野セレガHD QRG-RU1ESBA)です。
2020年に導入された夜行高速バス「サザンクロス」専用車両で、現有する「サザンクロス」専用車両では一番新しい車両になります。
デビュー後は、「サザンクロス」鎌倉線や「サザンクロス」立川線、「サザンクロス」長岡線、「サザンクロス」長野線で活躍。
2024年8月現在、主に「サザンクロス」鎌倉線で活躍しています。
気になる車内の様子は・・・
車内は、座り心地が良さそうなシートを配置した、3列独立シート28人乗り夜行高速仕様となっています。
大理石調の床と茶系のチェックが入ったシートモケットが特徴で、全席一人掛け、全席通路カーテンの設置など、3列シートの夜行高速用車両としては、ハイグレードな印象を受けます。
シートは、西武バスの新型車両やとさでん交通「ブルーメッツ号」新型車両などで採用されている天龍工業製の可動式枕付きシートを採用。
リクライニング角度もかなり深く、長時間の移動を快適に過ごすことが出来ます。
もちろん、レッグレストやフットレスト(足置き台)も完備。
シートポケットには、エチケット袋と各種リーフレットが入っています。
車内用使い捨てスリッパは、フットレスト(足置き台)のポケットに。
持ち帰りも可能です。
各座席の肘掛け下には、充電用USBポートがあります。
2016年式の車両まではコンセントを採用していましたが、2018年式の車両(677号車)からはUSBポートを採用しています。
車内では、無料のWi-fiサービスも実施しています。
トイレは、車内中央部の階段を下りた突き当たりにあります。
消灯前に休憩停車がありますが、いざという時にありがたい設備です。
以上、南海バス「サザンクロス」長岡線に使用される車両をご紹介しましたが、何度も書いている通り、他社が運行する3列独立シート夜行用車両と比較してグレードが高い印象を受けます。
この車両、そして車内設備であれば、道中快適に移動出来そうですね。
途中休憩は消灯前の1回のみ 目覚めると美しい海岸線の風景が
22時10分 南海なんば高速バスターミナル発車
定刻に南海なんば高速バスターミナルを発車した「サザンクロス」鎌倉線のバスは、難波周辺の一般道路から阪神高速湊町ランプへ。
阪神高速を5分程走行し、出入橋ランプから一般道を大阪駅へ向けて走行します。
22時25分頃、大阪駅前(桜橋口JR線高架下)バス停に到着、乗車扱いを行いますが、こちらでは数多くの乗客が乗車し、車内は満席近くの乗車率になります。
22時35分、大阪駅前(桜橋口JR線高架下)を発車したバスは、梅田ランプから阪神高速へ。
阪神高速から第2京阪道路に入り、高速京田辺にて乗車扱いのために停車後、京都市内へ向かいます。
上鳥羽ランプで第2京阪道路を降り、一般道を走行したバスは、23時35分頃、京都駅八条口H2のりば(ホテル京阪前)に到着します。
京都駅八条口H2のりば(ホテル京阪前)は、京阪バスの高速バスや定期観光バス、関西空港行きリムジンバスが発車するのりば。
「南海バスが京都に乗り入れ?」と意外に思われるかもしれませんが、業務提携により京都駅八条口への乗り入れが実現したことで、需要創出と利便性向上に繋がったのは間違いないでしょう。
京都駅八条口で残りの乗客を乗せ、満席になったバスは、23時45分定刻に京都駅八条口H2のりば(ホテル京阪前)を発車します。
この路線で満席になるイメージは正直ありませんでしたが、聞くところによるとこの路線、週末や繁忙期は満席になることも少なくないとか。
路線自体のポテンシャルが高いということなのでしょうか・・・。
発車後、車内設備などを案内する自動放送が流れ、その間、バスは一般道を京都南インターへ向けて走行します。
23時56分、京都南インターを通過。
ここから先、バスは名神高速道路~新名神高速道路~伊勢湾岸自動車道~新東名高速道路~東名高速道路を経由し、神奈川県の大井松田インターまで高速道路をひた走ります。
00時15分~00時25分 草津パーキングエリア(第一駐車場)にて開放休憩
日付が変わり00時15分、バスは唯一の開放休憩場所である名神高速道路草津パーキングエリアに到着します。
こちらでは、10分間の開放休憩となりました。
草津パーキングエリアは、滋賀県大津市(小牧方面)および草津市(西宮方面)の名神高速道路上にあるパーキングエリア。
名神高速道路の中でも有数の広さと設備を誇るパーキングエリアであり、新名神高速道路との分岐点(ジャンクション)を併設する、日本でも珍しい構造を持つパーキングエリアとしても知られています。
先述の通り、草津パーキングエリアといえば、充実した設備で有名なのですが、南海バスの夜行高速バスについては、基本的に第二駐車場にて開放休憩を行います。
ですが、今回は偶然にもバス専用駐車場が空いていたからか、なんと、第一駐車場に停車。
これは!と思い、下車後に売店にて京都土産を購入したのでありました。
バスも、深夜走行に向けてしばしのひと休みです。
乗務員交代もこちらで行います。
00時25分、草津パーキングエリア第一駐車場を発車したバスは、車内灯が消され完全消灯に。
翌朝まで目を覚ますことはありませんでした。
05時23分 小田原駅東口到着
翌朝、目を覚ますと、バスは東名高速道路鮎沢パーキングエリア付近を走行していました。
間もなくして、大井松田インターを流出。
国道255号を小田原市中心部へ向けて走行します。
酒匂川(さかわがわ)にかかる飯泉橋を渡り、東海道新幹線の高架をくぐると、
最初の降車停留所である小田原駅東口に到着します。
小田原駅東口には、定刻より20分早い05時23分に到着。
こちらでは6~7名の乗客が下車しました。
小田原駅東口からは、国道255号、国道1号を経由して小田原インターへ。
小田原インターから大磯東インターまで、西湘バイパスを走行します。
西湘バイパスは、神奈川県小田原市と中郡大磯町を結ぶ自動車専用道路。
一般国道1号のバイパスでもあります。
海岸線を走るバイパスということもあり、ドライブルートとしても有名です。
進行方向右手には、この様な素晴らしい海岸線が車窓一面に広がります。
もちろん、江の島も・・・です。
ですので、この路線に乗車するのであれば、“大阪発の上り便”かつ“座席はC側指定”で乗車されることをオススメします。
06時22分 藤沢駅南口到着 / 06時43分 鎌倉駅東口到着
小田原駅東口を発車して約1時間後の06時22分、藤沢駅南口に到着。
こちらでは2~3名下車していきました。
藤沢駅南口からは、県道32号(藤沢鎌倉線)~県道311号線を走行。
20分程で鎌倉駅東口に到着します。
こちらでは5名程下車していきました。
鎌倉駅東口からは、県道21号から国道134号を走行。
国道134号へ出ると、右手には逗子海岸の美しい風景が車窓一面に広がります。
鎌倉から横須賀まで、どの様なルートを走行するのかなぁと気にはなっていましたが、まさか逗子海岸沿いの国道134号を走行するとは・・・。
西湘バイパスからの景色を凌ぐ素晴らしい景色を、是非とも朝の夜行バス車内から見ていただきたいですね。
朝の渋滞に巻き込まれつつも、バスは国道134号から県道311号(逗葉新道)に入り、逗子インターから横浜横須賀道路へ。
ひと区間先の横須賀インターまで走行します。
横浜横須賀道路は、神奈川県横須賀市と横浜市保土ケ谷区を結ぶ、国道16号の自動車専用道路。
通称、横横道路とも呼ばれ、横浜と横須賀を結ぶ最短道路として、交通量が多い有料道路としても知られています。
07時28分 京急横須賀中央駅前到着 / 07時40分 JR横須賀駅前到着
横須賀インターを降りたバスは、朝の渋滞に巻き込まれつつ横須賀市中心部へ。
07時28分、京急横須賀中央駅前に到着します。
こちらでは、8名程の乗客が下車していきました。
次のJR横須賀駅前には07時40分に到着しますが、こちらでは降車客がおりませんでした。
JR横須賀駅前を発車したバスは、横浜横須賀道路の横須賀インターへ戻るために、いったん先程走行した道を逆戻りします。
この逆戻りのルートがかなりの時間ロスになるのでは?と思いましたが、道路の構造上、仕方がありません。
08時30分 戸塚駅東口到着
横浜横須賀道路の横須賀インターに戻ったバスは、横浜横須賀道路を日野インターまで走行します。
日野インターからは、都市計画道路の舞岡上郷線をひた走ります。
そして、大阪なんばを発車すること10時間20分後の08時30分、「サザンクロス」鎌倉線のバスは終点の戸塚駅東口(横浜市)に到着しました。
朝のラッシュ時間帯ということもあり、乗客を降ろしたバスは、すぐさま回送表示に変更され、休息先の江ノ電バス湘南営業所へと向かうのでありました。
長時間の運行、お疲れ様でした。
経路変更で新たな需要創出が? 逗子海岸の車窓もオススメ
以上、南海バス「サザンクロス」鎌倉線の乗車記をお届けしました。
この路線で全区間乗り通したのは、横須賀経由になってからは初でしたが、今回の乗車では、小田原駅や京急横須賀中央駅での降車が多かったのが印象に残りました。
小田原駅においては、ライバル路線(「金太郎号」、近鉄バスと富士急モビリティの共同運行)よりも早く到着出来ること、横須賀地区においては乗り換えなしで大阪から移動出来ることが利用客から評価されているのでは?と感じましたが、果たして本当のところは???
そして、今回の乗車では、週末ということもありますが、車内は満席大盛況でした。
昨今の予約状況なども見るに、この路線の存在が沿線住民、特に横須賀周辺の住民に徐々に周知され、結果として利用に繋がっているのかもしれません。
判断するにはもっと多くのデータなどを見て精査する必要がありますが、今回乗車した際の車内の様子を見る限りにおいては、経路変更で新たな需要創出が起こっているのかなぁと思いました。
横須賀延伸によって、車窓の見どころも増えました。
それまでの「朝目覚めると湘南の海」に加えて、「朝目覚めると逗子海岸の海」も楽しめるようになり、逗子海岸の風景は個人的に大変気に入りました。
夜行バスから眺める海岸線の風景、しばらく病みつきになりそうです。
肝心の乗り心地とサービスですが、いつもの南海バス「サザンクロス」。
ハイグレードシートに、車両が2020年式の日野セレガHDということもあり、快適に移動出来たのはいうまでもありません。
関西圏はもとより、神奈川県側も湘南地区から西部の小田原地区にかけて広くカバーしており、ビジネスにもレジャーにも使える、南海バス「サザンクロス」鎌倉線。
今後も、関西から神奈川県湘南地区への足として、はたまた神奈川西部から関西方面への足として、末永く運行し続けることを祈念したいです。
機会がありましたら、是非乗車してみてはいかがでしょうか。
【乗車データ】
- 乗車日:2024/08/25
- 乗車区間:
南海なんば高速バスターミナル→戸塚駅東口 - 運行会社:南海バス
- 車両:日野/セレガHD(2RG-RU1ESDA)
- 年式:2020年式
- 所属:堺営業所
- 社番:735
【おまけ】動画にしてみました
宜しければご覧いただけると幸いです。
【お知らせ】
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