2023年7月14日に運行を開始した成田空港・西船橋・東京駅~仙台・松島海岸間昼行高速バス「ザ・サンライナー」。
成田空港交通(本社:成田市)と宮城交通(本社:仙台市)が共同で1日1往復運行しています。
以前にこのブログで、「ザ・サンライナー」成田空港交通便に乗車した時の模様をご紹介しましたが、
今回は、共同運行会社の宮城交通便に乗車した時の模様をご紹介します。
改めて、「ザ・サンライナー」の特徴を挙げると、
- 既存路線を生かした路線設定
- ターゲットは”インバウンド客”
- 昼夜運行路線ではなく完全なる昼行路線
- 観光気分で楽しめるゆったり路線
といったところになります。
運行開始から1年経過した「ザ・サンライナー」の現状は如何に???
出来るだけ詳しくお届けします。
旅の始まりは京成夜行高速バスの発着拠点「西船橋駅」
やって来たのは、千葉県船橋市の西船橋駅。
JR総武線・JR武蔵野線・東京メトロ東西線・東葉高速鉄道が乗り入れるターミナル駅であり、千葉県内の駅で利用客数が一番多い駅としても知られています。
バスのりばは北口と南口にありますが、メインのバス発着所は北口。
京成バス、京成バスシステム、京成トランジットバス、ちばレインボーバスといった京成グループの路線バスや、京成バスが運行する夜行高速バス、羽田空港行きリムジンバスが発着しています。
実はこちら西船橋駅北口は、京成グループ長距離高速バス部門の重要拠点のとして位置付けてられており、電話予約を受け付ける京成高速バス予約センターもこちらに所在しています。
発着路線も、京都、大阪・神戸、堺・和歌山、名古屋、天理・奈良(現在休止中)、仙台、松本・長野の計7路線。
京成グループ長距離高速バスが発着する停留所の中で唯一全路線が発着するのりばでもあるのです。
今回は、大昔に2年間だけ住んでいたこの西船橋から仙台まで乗車することにしました。
宮城交通「ザ・サンライナー」の外観・車内をご紹介
「ザ・サンライナー」の外観
ここで、宮城交通「ザ・サンライナー」に使用されている車両を改めてご紹介します。
こちらの車両に乗車しました。
宮城交通仙台南営業所所属3169号車(日野セレガHD LKG-RU1ESBA)です。
元々この車両は、成田空港交通にて「成田空港・西船橋・東京~松本・長野線」に専用車として活躍していましたが、「ザ・サンライナー」運行開始に併せて成田空港交通から宮城交通へ移籍、改装の上、「ザ・サンライナー」専用車として再デビューしました。
但し、「ザ・サンライナー」専用車は1台しか在籍していないため、車両の点検時は仙台~名古屋線「青葉号」や仙台~京都・大阪線「フォレスト号」に投入される夜行高速用車両が運用に就きます。
気になる車内の様子は・・・
車内は、3列独立シート28人乗り夜行高速仕様となっています。
ブル系ーのシートモケットが特徴で、窓側座席には通路カーテンを設置しています。
車内最後部にはトイレと乗務員仮眠室が設置されていますが、乗務員仮眠室は昼行路線の「ザ・サンライナー」で使用されることはないため、事実上閉鎖されています。
シートは、天龍工業製の夜行用標準シートを採用。
リクライニング角度もかなり深く、長時間の移動を快適に過ごすことが出来ます。
頭を包み込むヘッドレストの形状がこのシートの特徴。
以前にご紹介した成田空港交通便のシートよりも豪華に見えます。
もちろん、レッグレストやフットレスト(足置き台)も完備。
各座席には充電用USBポートも完備しています。
この他、車内では無料のWi-fiサービスも実施。
ざっと見た感じでは、首都圏~仙台間を昼間に移動する高速バスとしては十分過ぎる程の充実した車内設備となっており、道中快適に移動出来そうです。
途中休憩は3回 流れゆく車窓を見ながらのゆったり高速バス移動
10時40分 西船橋駅発車
「ザ・サンライナー」の始発は成田空港第3ターミナルですが、西船橋駅に到着するのはおよそ10時頃。
乗車改札が行われるのが、発車時刻10分前の10時30分からとなるため、その間、乗務員と乗客は休憩時間となります。
10時30分、乗車改札開始。
乗務員にモバイル乗車券を提示しバスに乗車、発車時刻を待ちます。
10時40分、定刻に西船橋駅を発車したバスは、国道14号(千葉街道)から県道180号(松戸原木線)に入り、原木インターから京葉道路を東京方面へ向けて走行します
荒川を渡り、東京都内に入ったところで、週明けの渋滞に巻き込まれます。
首都高速7号線から同6号線に入り、左手に墨田川を眺めながら、バスは東京駅方面をめざします。
11時25分過ぎ、バスはバスターミナル東京八重洲に到着します。
11時30分 バスターミナル東京八重洲発車
バスターミナル東京八重洲では、5名程の乗客が乗車。
総勢10名で仙台をめざすことになりました。
平日とはいえ10名程の乗客。
夏休み期間を考えると、寂しい利用状況といえましょう。
11時30分、定刻にバスはバスターミナル東京八重洲を発車。
スロープを上がって京橋2丁目交差点に差し掛かるところで、乗務員による各種案内が行われます。
宮城交通の長距離高速バスは、原則として案内は自動音声放送は使用せず、乗務員に任せている様でした。
このあたりは、西日本鉄道(西鉄)の夜行高速バスと同じですが、過不足ない丁寧な案内は好感が持てました。
案内が終わる頃、バスは宝町ランプから首都高速道路に入ります。
左手に隅田川を眺めながら、首都高速道路6号線を堀切ジャンクション、三郷ジャンクション方面へ向けて走行しますが・・・
荒川を渡るころ、首都高速中央環状線との合流地点を起点とする渋滞に巻き込まれます。
渋滞は八潮ランプ手前で解消し、その先は概ね順調に流れていきます。
12時40分~13時00分 守谷サービスエリアにて開放休憩
12時32分、常磐自動車道三郷料金所を通過。
首都圏郊外の長閑な風景を眺めながら、バスは常磐自動車道を北上します。
右手に、TX(つくばエクスプレス)の高架が見えますね。
バスターミナル東京八重洲を発車して1時間10分後の12時40分、バスは常磐自動車道守谷サービスエリアに到着。
こちらでは、1回目の開放休憩として20分間停車しました。
お昼時ということもあり、通常は30分以上停車するそうですが、首都高速道路の渋滞の影響で、この日は13時00分までの開放休憩となりました。
守谷サービスエリアは、常磐自動車道有数の広さを誇るサービスエリア。
下り線は、2015(平成27)年7月1日に「Pasar守谷」としてグランドオープンし、食事関連の店舗が全てフードコートスタイルになっているのが特徴です。
また、上り線は首都直下地震などの大規模災害時に防災拠点として活用出来る様になっており、大規模災害が発生した際には、自衛隊や消防、医療機関など緊急出動機関の前線基地となる他、被災地への支援拠点としての役割や、緊急出動機関が情報共有する場所としての機能を担うことが出来るそうです。
バスもしばしのひと休み。
こちらで軽く食事でも・・・と思いましたが、時間があまり無かったことや、夜に乗船するフェリーでの食事のために、トイレと撮影を済ませてバスに戻りました。
14時15分~14時30分 中郷サービスエリアにて開放休憩
守谷サービスエリアを発車したバスは、常磐自動車道を仙台へ向けて北上します。
晴天のもと、車窓一面に広がる長閑な風景を見ているだけで心が落ち着くのは、私だけでしょうか。
14時15分、バスは常磐自動車道中郷サービスエリアに到着します。
こちらでは、14時30分までの15分間休憩しました。
中郷サービスエリアがある茨城県北茨城市は、茨城県最北端の市。
南は高萩市、北は福島県いわき市と接しており、観光面では県内の他の市町村とよりも、いわき市と提携する傾向が強いそうです。
バスも、しばしのひと休み。
仙台到着まで、あと3時間弱です。
16時00分~16時15分 南相馬鹿島サービスエリアにて開放休憩
中郷サービスエリアを発車したバスは、暫く走行すると福島県いわき市に入ります。
いわき中央インターを過ぎ、広野インターからは、東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所が近くにあるエリアを通過します。
以前のブログ記事にも書いた通り、広野インターからこの先の南相馬インターまでは、原発事故の影響で長らくの間通行止めになっていましたが、2014(平成26)年から段階的に通行止めが解除され、2015(平成27)年3月1日に全線復旧となりました。
とはいえ、常磐富岡インター~浪江インター間の一部エリアは、未だに帰還困難区域に指定されており、広野インター~南相馬インター間各所に設置されている線量計が、震災の影響の甚大さを物語っています。
南相馬インターを過ぎ、徐々に日が暮れ始めて来ました。
16時00分、バスは常磐自動車道南相馬鹿島サービスエリアに到着します。
こちらでは、3回目、最後の開放休憩として15分間停車しました。
南相馬鹿島スマートインターチェンジを併設するこのサービスエリアは、福島県内の常磐自動車道では唯一のサービスエリア。
地域の食材を生かした「お食事処」や、農産物や地域ならではの逸品・珍品を取り揃えた「お土産処」、地域行事やイベントの実施・休憩スペースとして利用できる「コミュニティ広場」を備えるなど、設備が充実していることでも知られています。
敷地内のドックランへ続く道の先には、浮田稲荷神社の鳥居が。
太宰府天満宮から菅原道真公の三神が祀られているらしく、商売繁盛、五穀豊穣、酒造と健康、長命長寿、学問の神様といわれているそうです。
バスも、ラストスパートに向けてしばしのひと休みです。
17時27分 仙台駅西口40番のりば到着
南相馬鹿島サービスエリアを発車したバスは、日が暮れ始めた常磐自動車道を仙台へ向けてひた走ります。
阿武隈川を渡ります。
仙台市内が近づいて来ました。
17時00分、仙台東インターを通過します。
この後、バスは夕方の帰宅ラッシュに巻き込まれながらも、県道137号線(仙台塩釜線)や愛宕上杉通などを経由し、17時27分、定刻7分遅れで仙台駅西口40番のりば(宮交高速バスセンター)に到着しました。
終点は松島海岸駅ですが、この日は私を含めて全員が仙台駅西口40番のりばで降車したため、バスはそのまま回送表示に。
名取市の宮城交通仙台南営業所へ向けて走り去るバスを見届け、次の目的地へ向けて急ぎ足で移動するのでありました。
こちらは、のりば前にある宮城交通仙台高速バスセンターです。
福島方面への帰宅客や東北、関西方面行き高速バスを待つお客様で、バス停と待合室はこれから賑わう時間帯に入ります。
当初の路線開設目的は? 穴場路線ではあるのですが・・・
以上、「ザ・サンライナー」宮城交通便乗車の模様をお届けしました。
路線が開設されてから1年が経過しましたが・・・正直、利用が少ないですね。
路線自体の知名度不足もさることながら、当初の目的である”「インバウンド客」をメインターゲット”を達成するための施策がきちんとなされているのか・・・この点がとても気になりました。
ただ単に「Japan Bus Online」に登録しているだけでは厳しいのではと。
当初の目的である”「インバウンド客」をメインターゲット”とするのであれば、ダイヤしかりWEBでの告知しかり、根本的な見直しが必要なのではと感じました。
一方で、利用が少ないということは、裏を返せば“穴場路線”であるのも事実で、競合路線が「満席」でもこの路線は「空席あり」といったことも多いため、特に急いでいなければ“第3の選択肢”として考えるのもアリかと。
運行経路も、常磐自動車道をほぼ全区間走破するため、普段とは違った景色を楽しむことも出来ます。
また、この路線では途中休憩も3回設定されているため、SAでの買い物も楽しめ、乗り疲れを感じにくい路線かと思います。
今後も路線を維持するにはもっと利用がないと厳しいなぁ・・・というのが今回乗車しての率直な感想でしたが、先述の通り、東京~仙台間高速バスの穴場的路線として使える路線ではありますので、機会がありましたら一度乗車してみてはいかがでしょうか。
私も機会がありましたら、また乗車して今後の展望などについて考えてみたいと思います。
【乗車データ】
- 乗車日:2024/08/26
- 乗車区間:
西船橋駅→仙台駅西口40番のりば - 運行会社:宮城交通
- 車両:日野/セレガHD(LKG-RU1ESBA)
- 年式:2012年式
- 所属:仙台南営業所
- 社番:3169
【おまけ】動画にしてみました
宜しければご覧いただけると幸いです。




