【再掲?】西日本鉄道「はかた号」 現行専用車を改めて見てみる(三菱エアロクイーン 2TG-MS06GP)
先代より質感が向上 充実した設備の車内
外観と車両スペックなどをご紹介したところで、乗客にとって一番触れる部分であろう車内についてご紹介します。車内は、前方4席が「個室型プレミアムシート」、後方席が「3列独立ビジネスシート」となっています。
客席定員は、予備席1席を含めて23席。
シート配列は先代の「はかた号」専用車をそのまま踏襲していますが、内装の色使いやシート形状などが変更されており、より質感が向上、快適性を重視した造りになっています。
今や憧れの的に? 個室型プレミアムシート
個室型プレミアムシートは、
快適なホテルステイを思わせる完全なプライベート空間
上質なリラクゼーションと快適な眠りを作り出す充実した機能
が謳い文句になっており、個室感覚で快適に移動出来るのが特徴になっています。
予約受付開始直後に満席になることも多く、人気のシートでもあります。
シートは、先代の専用車と同様のマジカルテクニカ製バス用シートを採用していますが、現行車両ではシート形状を変更。
恐らくですが、新型シート「A388」シリーズの特注版を採用しているものと推測されます。
シートスペックは、シート座面幅約56cm、背もたれ幅約69cm、最大リクライニング角度150度、シートピッチ135cmとなっており、先代のプレミアムシートと比較すると、座面幅が約6cm、背もたれが約19cm拡大されており、座り心地にも改良が施されています。
シート色が変更された他、無駄なスペースの排除、木目調パネルの多用により、より落ち着いた雰囲気になりました。
“西鉄天神高速バスターミナルや西鉄ホテルズ系ビジネスホテルの部屋にいる感覚"という表現が一番分かりやすいかもしれません。
座席周りはパーテーションとカーテンで区切られており、回りを気にせずに休むことが出来ます。
プレミアムシート前方下には、足置き台が設置されています。
先代のプレミアムシートにはなかった装備なだけに、これはありがたいです。
シート操作は全て電動式となっており、通路側の壁に設置しているシートコントローラで操作を行います。
シートの機能も先代のプレミアムシートを踏襲しており、リクライニング・オットマンの角度調整はもとより、シートヒーター・マッサージ機能・座面送風機能を搭載しています。
窓側のひじ掛け前方には、蓋付きダストボックスとドリンクホルダー、ワイヤレス式の携帯充電器が設置されています。
先述のUSBポート設置場所が通路側肘掛け前方に変更されたことから、ドリンクホルダーにドリンク類を置いた際に充電出来ないといった不具合が解消されました。
蓋付きダストボックスは容量が小さいので、ごみ類はサービスエリアやバスターミナルなどで捨てることを心掛けたいものです。
また、ワイヤレス式の携帯充電器は、対応機種のみ使用可能となっていますので、対応しているか否かを事前に確認しておきましょう。
個室内の照明は、先代の白熱灯からLED方式に改められています。
また、TERUMO製の小型空気清浄機は、照明の横に取り付けられています。
シートポケットには、シートコントローラの操作説明書や各種リーフレット、使い捨てスリッパが入っています。
※シートポケットは個室内に計3か所あります。
シートテーブルは、これまでの約2倍の広さになりました。
ただ、テーブルの構造上、蝶番の部分の耐久性が気になるところ。
正直な話、私はこのテーブルを全開にして使用していません。
テーブルは、窓側のひじ掛けカバーを手前に開けて引き出し、セットします。
モバイル充電用のUSBポートは2口設置。
通路側のひじ掛け下にあります。
プレミアムシートの側窓カーテンは、ロール式になっています。
カーテンレールも設置している他、ロール部も木目パネルで隠すなど、しっかりとした造りになっています。
プレミアムシート利用者に提供されるお茶とパウダーシート、使い捨て式のアイマスクです。
特に、パウダーシートは朝目覚めた際に顔を拭くのに大変助かります。
一方で見直されたサービスも。
先代のプレミアムシートで提供していた「iPad」の貸し出しサービスは、盗難や破損などの恐れがあることから、サービス自体が廃止されました。
また、読書灯については、先代の座席横に取り付けている方式から従来の座席上部から照らす方式に変更された他、モバイル充電も先述のUSBポートが設置された代わりにコンセントが廃止されています。
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