【再掲?】西日本鉄道「はかた号」 現行専用車を改めて見てみる(三菱エアロクイーン 2TG-MS06GP)
写真は、東京新宿~北九州・福岡間夜行高速バス「はかた号」の専用車として活躍している、西日本鉄道(本社:福岡市、以下:西鉄)博多自動車営業所所属0002号車(三菱エアロクイーン 2TG-MS06GP)です。
夜行高速バス「はかた号」は、東京~福岡間約1,100kmを走破する日本最長クラスの夜行高速バス。
1990(平成2)年10月12日の運行開始から、実に30年以上も運行を続けている老舗高速路線です。
運行開始当初から、バスファンや旅行客、帰省客を中心に利用が多い路線ではありましたが、北海道地区のローカルバラエティ番組「水曜どうでしょう」(北海道テレビ制作)の旅企画「サイコロの旅5」がきっかけで世間一般に知られる存在になり、最近では
夜行バス(深夜バス)=「はかた号」
キング・オブ・深夜バス
といわれる程の知名度になっている他、旅行系Youtuberや乗り物系Youtuberに紹介される機会も多く、後述のプレミアムシートを中心に再び人気を集めている路線でもあります。
「はかた号」については、これまで何度か乗車記をメインにこのブログで取り上げて来ております。
また、2021年には同人誌も刊行。
現在もKindle版で販売を行っております。
「はかた号」の乗車レビューなどについては上記リンクなどでご確認いただくこととして、今回は(今更ではありますが)、「はかた号」で活躍する現行の専用車両について、改めて掘り下げてみたいと思います。
「現在の「はかた号」専用車両をひとことで纏めると?」と尋ねられたなら、私は
ハイグレード・ハイテク夜行バス
こう答えると思います。
詳しく見ていきましょう。
ハイテク夜行バスの外観・エンジン・安全対策は?
車両の外観とカラーリング
ベースとなっている車両は、三菱ふそうトラック・バス製の大型スーパーハイデッカーバス「エアロクイーン」。
「はかた号」で採用されたのは、2017年に発表された現行形式(2TG-MS06GP)の後期型で、フロントマスクが2019年モデル(いわゆる「令和顔」)に変更されたことにより、より精悍になった印象を受けます。
カラーリングは、パールホワイトメタリックの車体に「Line connecting Hakata with Tokyo」のロゴが入ったもの。
先代の専用車両(三菱エアロクイーン QRG-MS96VP)から引き継がれており、イメージカラーのゴールドが特別車両であることを表しています。
環境に優しいエンジン
搭載しているエンジンは、親会社のダイムラー・トラックと共同開発した6S10(T2)型。
エンジンスペックは、排気量7.7L、最高出力280kW(381PS)/2,200rpmとなっています。
先代の専用車両に搭載していた6R10型よりも、排気量で5L超、質量540kgマイナスとなっており、排ガス規制対策としてDPFと尿素SCRを組み合わせた新BlueTecシステムを採用している他、ドライバビリティ対策で小型のプライマリタービンと大型のセカンダリタービンの二基掛けによる2ステージターボを採用、さらに、燃焼室形状の最適化や高圧噴射コモンレールシステムの搭載により、平成27年重量車燃費基準+15%を達成、環境にも優しいエンジンとなっています。
刷新されたコックピット(運転席まわり)
コックピット(運転席まわり)も、先代の専用車両から刷新。
ステアリングが新形状のものに変更された他、トランスミッションがフィンガーシフト式6速MTから“SHIFT PILOT”と呼称する8速AMTに変更されたことで、シフトレバーがインパネからコラム左側へ変更され、これに伴い、ワイパーレバーをウインカーレバーと統合しています。
また、レバー併設ハザードスイッチが道路運送車両法改正により認可されなくなったことから、ハザードボタンをインパネに新設しています。
安全対策
安全対策にも抜かりがありません。
歩行者検知機能も搭載した衝突軽減安全ブレーキ(AMB)や、ディスタンスウォーニング(車間距離警報)、ASR(アンチスピンレギュレーター)を標準装備している他、車両左側方のモニタリングを行う「アクティブ・サイドガード・アシスト」、ドライバーが急病などで運転の継続が困難になった場合に車両を自動停止させる「ドライバー異常時対応システム」、タイヤの異常を検知するTPMS(タイヤプレッシャーマネジメントシステム)を搭載しています。
そして、これら装置の一部は、通信型ドライブレコーダーと連動して営業所の運行管理者がリアルタイムで運行状況を確認出来る様になっており、万一異常が発生した場合に迅速に対応することが出来る仕組みになっています。
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