西鉄「フェニックス号」と宮崎交通「B&Sみやざき」(簡単な乗車記)
西日本鉄道(以下:西鉄)「はかた号」プレミアムシート乗車記の続きになります。
https://hiroshi-project.jp/2019/05/nnr-hakata-new-premium-impression.html
東京新宿から14時間かけて福岡博多バスターミナルに到着した私。
「さて、これからどうしようか・・・」と考えた挙句、夜まで時間が空いていたことから、人吉まで乗りバスをすることに。
とその前に、お昼ご飯前の僅かな時間を利用してバスウォッチングを楽しみます。
博多バスターミナル1階に降りて、最初に見たのがこちら↓のバス。 西鉄「ひのくに号」植木インター経由便の運用に入っていた西日本鉄道福岡高速自動車営業所所属3909号車(三菱KL-MS86MP)です。
西鉄本体としては、写真の3909号車の他、3713号車、4015号車の3台のみとなってしまった火の鳥カラーの西工S型。
本来であれば既に廃車となっているところですが、福岡~阿蘇線「ASOエクスプレス」開業に伴う車両不足の影響で、廃車予定だったのが急遽運用復活したという車両です。
もう暫くは活躍を続けると思いますが、先は長くないと思われますので、撮影と乗車はお早めに。
九州産交「ひのくに号」の車両も、世代交代が進んでいます。 写真は、2019年式の三菱エアロエース(2TG-MS06GP)。
フロントマスクが変更された「2019年モデル」が発表される直前に製造・導入された車両で、車内は4列シート42人乗り(トイレ付き)の昼行高速仕様になっています。(訂正しました。)
一方で、写真の様な古参車も。 鹿児島交通120号車です。
富士重工1Sボディを架装した日産スペースウィング(KL-RA552RBN)で、現在も「桜島号」(福岡~鹿児島線)の専用車として活躍しています。
3列シート仕様のスペースウィングも、今や全国でも数少ない希少価値的車両になってしまいました。
西日本鉄道博多自動車営業所所属の6017号車(日産PKG-RA274RBN 西工02MC C-Ⅰ)です。(写真はイメージです。)
「フェニックス号」唯一の博多自動車営業所担当便(西鉄天神高速バスターミナル12時15分発、宮崎駅20時00分発、いずれもノンストップ便「スーパーフェニックス」)に充てられる車両で、西工C-Ⅰでも最期の方で生産された車両になります。
車内は3列・4列混合の35人乗り。
前方が2+1列の「3列スーパーシート」、後方が4列の「セレクトシート」になっています。(写真はイメージです。)
ゆったりと移動したい・・・ということで、今回も前方の3列シートの座席を選択。
当然ですね(笑)。
呉服町で残りの乗客を乗せ、5割程の乗車率になったバスは、千代ランプから福岡都市高速道路へ。
更に大宰府インターから九州自動車道へと入ります。
高速基山で最後の乗車扱いを行い、窓側座席がほぼ埋まったバスは、一路宮崎へと向かいます。
基山から先の高速道路の流れもスムーズで、これまでのところ目立った遅れも無く順調であります。
こちらでは10分間の開放休憩となりました。
多くの乗客がバスを降り、トイレや買い物などを済ませていきます。
乗務員も日報の記入、足回りの点検、トイレに一服と、短い休憩時間を有効に使います。
この後バスは、熊本平野から山越え区間を経由して人吉へ。
右手にJR新八代駅が見えると、いよいよ山越え区間に差し掛かります。
大小23か所にも及ぶトンネル群を通過すると、バスは熊本県南部の山間の街「人吉市」に。
そして、15時10分、定刻よりも若干遅れてバスは人吉インターに到着しました。 大半の乗客は、この先の小林、都城、宮崎までの乗車でしたが、私を含めて5、6人が人吉インターで下車。
福岡~人吉間を安く移動出来る交通機関として、ある程度の利用が定着しているのかなぁと改めて感じた次第です。
人吉インターから乗車したのは、こちら↓のバスでした。 宮崎交通宮崎中央営業所所属290号車(いすゞガーラHD PKG-RU1ESAJ)です。
導入当初は、今は無き「皆割フェニックス号」(4列シート便)専用車として活躍していましたが、「皆割フェニックス号」の運行終了後は、「B&Sみやざき」など4列シートで運行される各路線で活躍しています。
バス人吉インターに到着した時点で、窓側座席はほぼ全て埋まっている状況。
更に、人吉インターからも私を含めて10人近く乗車したことから、最終的には30人近くの乗客で新八代へ向かうことになります。
客層を見てみますが、スーツ姿の出張サラリーマンが目立ちます。
「B&Sみやざき」といえば、「フェニックス号」よりも1時間程早く移動出来ることはもとより、当日出発前まで購入出来るネット予約限定の乗り継ぎ割引きっぷ(博多~宮崎間7,000円など)が充実しており、近年利用が増えているという話も聞きます。
少しでも安く移動したい人は「フェニックス号」、多少高くても早く移動したい人は九州新幹線+「B&Sみやざき」という棲み分けが出来ているのかもしれません。
バスは、「フェニックス号」で来た道を八代インターまで戻り、八代インターからは一般道を経由してJR新八代駅へと向かいます。
人吉から40分弱でJR新八代駅に到着。
殆どの乗客が、接続する九州新幹線「さくら406号」に乗り換えていきました。(写真はイメージです。)
で、私はというと、のんびりと福岡へ戻りたかったということもあり、JR鹿児島本線で熊本まで移動後、熊本からは西鉄「ひのくに号」スーパーノンストップ便で福岡へ戻りました。(写真はイメージです。)
途中、熊本交通センターにも立ち寄りましたが、九州産交グループが手掛けている桜町再開発事業「SAKURA MACHI Kumamoto」の工事も佳境に入っており、箱と外壁は8割方が出来上がっている状況でした。
実は、以前にも「フェニックス号」と「B&Sみやざき」の乗り比べを行ったことがあるのですが、その時よりも"利用者の棲み分け"がより鮮明に見えた様な気がしました。
と同時に、今までの「フェニックス号」の利用者の一部が「B&Sみやざき」に移っているのかなぁと。
あくまで感覚的な話ですので、詳細なデータを用いての両路線の比較は今回出来ませんでしたが、機会があれば、詳細なデータを用いての比較・検証もやってみたいですね。
あともうひとつ、最近の「フェニックス号」で気になることがありまして、それはいうに及ばず”車両の4列化”です。
既に「桜島号」(福岡~鹿児島線)では車両の4列化がかなり進んでいますが、実はその波が「フェニックス号」にも及んでおりまして、共同運行会社のJR九州バスでは従来の3列シート車を順次4列シート車に置き換えている他、西鉄をはじめとする共同運行会社においても、今後順次4列シート車化を進めるのではないかという噂話がちらほら聞こえている状況です。
車両運用の効率化及び採算面を考慮して4列シート化を進めるのは分からないでもないのですが、これはあくまで事業者側の都合であって、利用者視点に立った施策ではないです。
以前SNSなどでも書いたことがありますが、運行開始当初、現在よりも所要時間が長かったにもかかわらず、何故に「フェニックス号」が予約の取れない程の人気を集め、今日の28往復という多頻度運行路線にまで成長したのか。
運行会社各社は、そのことを初心にふり返ってもう一度考えて欲しい・・・。
そんなことを改めて感じた今回の往復乗りバスの旅でございました。
【乗車データ】
●乗車日:2019/05/15
●乗車区間:博多バスターミナル→人吉インター
●運行会社:西日本鉄道
●車両:日産/PKG-RA274RBN(西工02MC C-Ⅰ)
●年式:2009年式
●所属:博多自動車営業所
●社番:6017
【乗車データ】
●乗車日:2019/05/15
●乗車区間:人吉インター→新八代駅
●運行会社:宮崎交通
●車両:いすゞ/ガーラHD(PKG-RU1ESAJ)
●年式:2009年式
●所属:宮崎中央営業所
●社番:290
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東京新宿から14時間かけて福岡博多バスターミナルに到着した私。
「さて、これからどうしようか・・・」と考えた挙句、夜まで時間が空いていたことから、人吉まで乗りバスをすることに。
とその前に、お昼ご飯前の僅かな時間を利用してバスウォッチングを楽しみます。
博多バスターミナル1階に降りて、最初に見たのがこちら↓のバス。 西鉄「ひのくに号」植木インター経由便の運用に入っていた西日本鉄道福岡高速自動車営業所所属3909号車(三菱KL-MS86MP)です。
西鉄本体としては、写真の3909号車の他、3713号車、4015号車の3台のみとなってしまった火の鳥カラーの西工S型。
本来であれば既に廃車となっているところですが、福岡~阿蘇線「ASOエクスプレス」開業に伴う車両不足の影響で、廃車予定だったのが急遽運用復活したという車両です。
もう暫くは活躍を続けると思いますが、先は長くないと思われますので、撮影と乗車はお早めに。
九州産交「ひのくに号」の車両も、世代交代が進んでいます。 写真は、2019年式の三菱エアロエース(2TG-MS06GP)。
フロントマスクが変更された「2019年モデル」が発表される直前に製造・導入された車両で、車内は4列シート42人乗り(トイレ付き)の昼行高速仕様になっています。(訂正しました。)
一方で、写真の様な古参車も。 鹿児島交通120号車です。
富士重工1Sボディを架装した日産スペースウィング(KL-RA552RBN)で、現在も「桜島号」(福岡~鹿児島線)の専用車として活躍しています。
3列シート仕様のスペースウィングも、今や全国でも数少ない希少価値的車両になってしまいました。
目次
「フェニックス号」唯一の○博担当便
博多バスターミナル内の某うどん屋で昼食を済ませて乗車したのは、こちらのバス↓でした。西日本鉄道博多自動車営業所所属の6017号車(日産PKG-RA274RBN 西工02MC C-Ⅰ)です。(写真はイメージです。)
「フェニックス号」唯一の博多自動車営業所担当便(西鉄天神高速バスターミナル12時15分発、宮崎駅20時00分発、いずれもノンストップ便「スーパーフェニックス」)に充てられる車両で、西工C-Ⅰでも最期の方で生産された車両になります。
車内は3列・4列混合の35人乗り。
前方が2+1列の「3列スーパーシート」、後方が4列の「セレクトシート」になっています。(写真はイメージです。)
ゆったりと移動したい・・・ということで、今回も前方の3列シートの座席を選択。
当然ですね(笑)。
12:35 博多バスターミナル発車
4割程の乗客を乗せたバスは、定刻に博多バスターミナルを発車します。呉服町で残りの乗客を乗せ、5割程の乗車率になったバスは、千代ランプから福岡都市高速道路へ。
更に大宰府インターから九州自動車道へと入ります。
高速基山で最後の乗車扱いを行い、窓側座席がほぼ埋まったバスは、一路宮崎へと向かいます。
基山から先の高速道路の流れもスムーズで、これまでのところ目立った遅れも無く順調であります。
14:02~14:12 北熊本サービスエリア停車(開放休憩)
博多バスターミナルを出発して1時間30分程経過したところで、バスは1箇所目の休憩場所である北熊本サービスエリアに到着します。こちらでは10分間の開放休憩となりました。
多くの乗客がバスを降り、トイレや買い物などを済ませていきます。
乗務員も日報の記入、足回りの点検、トイレに一服と、短い休憩時間を有効に使います。
15:10 人吉インター到着
乗客が全員揃ったところでバスは出発。この後バスは、熊本平野から山越え区間を経由して人吉へ。
右手にJR新八代駅が見えると、いよいよ山越え区間に差し掛かります。
大小23か所にも及ぶトンネル群を通過すると、バスは熊本県南部の山間の街「人吉市」に。
そして、15時10分、定刻よりも若干遅れてバスは人吉インターに到着しました。 大半の乗客は、この先の小林、都城、宮崎までの乗車でしたが、私を含めて5、6人が人吉インターで下車。
福岡~人吉間を安く移動出来る交通機関として、ある程度の利用が定着しているのかなぁと改めて感じた次第です。
ビジネスマンの利用が目立った「B&Sみやざき」
さて、人吉からの帰路をどうしようかぁ・・・と考えるのですが、そのまま「フェニックス号」で」戻りるのでは面白くないと考え、帰路は「B&Sみやざき号」でJR新八代駅まで移動後、新幹線かJR在来線+「ひのくに号」で戻ろう・・・ということになりました。人吉インターから乗車したのは、こちら↓のバスでした。 宮崎交通宮崎中央営業所所属290号車(いすゞガーラHD PKG-RU1ESAJ)です。
導入当初は、今は無き「皆割フェニックス号」(4列シート便)専用車として活躍していましたが、「皆割フェニックス号」の運行終了後は、「B&Sみやざき」など4列シートで運行される各路線で活躍しています。
バス人吉インターに到着した時点で、窓側座席はほぼ全て埋まっている状況。
更に、人吉インターからも私を含めて10人近く乗車したことから、最終的には30人近くの乗客で新八代へ向かうことになります。
客層を見てみますが、スーツ姿の出張サラリーマンが目立ちます。
「B&Sみやざき」といえば、「フェニックス号」よりも1時間程早く移動出来ることはもとより、当日出発前まで購入出来るネット予約限定の乗り継ぎ割引きっぷ(博多~宮崎間7,000円など)が充実しており、近年利用が増えているという話も聞きます。
少しでも安く移動したい人は「フェニックス号」、多少高くても早く移動したい人は九州新幹線+「B&Sみやざき」という棲み分けが出来ているのかもしれません。
バスは、「フェニックス号」で来た道を八代インターまで戻り、八代インターからは一般道を経由してJR新八代駅へと向かいます。
人吉から40分弱でJR新八代駅に到着。
殆どの乗客が、接続する九州新幹線「さくら406号」に乗り換えていきました。(写真はイメージです。)
で、私はというと、のんびりと福岡へ戻りたかったということもあり、JR鹿児島本線で熊本まで移動後、熊本からは西鉄「ひのくに号」スーパーノンストップ便で福岡へ戻りました。(写真はイメージです。)
途中、熊本交通センターにも立ち寄りましたが、九州産交グループが手掛けている桜町再開発事業「SAKURA MACHI Kumamoto」の工事も佳境に入っており、箱と外壁は8割方が出来上がっている状況でした。
最後に
以上、福岡~人吉間の往復乗りバスの模様を簡単に紹介しましたが、前回(2019(平成31)年1月)の時とは異なり、今回は「フェニックス号」と「B&Sみやざき」の現況を見ることが出来たのが最大の収穫でした。実は、以前にも「フェニックス号」と「B&Sみやざき」の乗り比べを行ったことがあるのですが、その時よりも"利用者の棲み分け"がより鮮明に見えた様な気がしました。
と同時に、今までの「フェニックス号」の利用者の一部が「B&Sみやざき」に移っているのかなぁと。
あくまで感覚的な話ですので、詳細なデータを用いての両路線の比較は今回出来ませんでしたが、機会があれば、詳細なデータを用いての比較・検証もやってみたいですね。
あともうひとつ、最近の「フェニックス号」で気になることがありまして、それはいうに及ばず”車両の4列化”です。
既に「桜島号」(福岡~鹿児島線)では車両の4列化がかなり進んでいますが、実はその波が「フェニックス号」にも及んでおりまして、共同運行会社のJR九州バスでは従来の3列シート車を順次4列シート車に置き換えている他、西鉄をはじめとする共同運行会社においても、今後順次4列シート車化を進めるのではないかという噂話がちらほら聞こえている状況です。
車両運用の効率化及び採算面を考慮して4列シート化を進めるのは分からないでもないのですが、これはあくまで事業者側の都合であって、利用者視点に立った施策ではないです。
以前SNSなどでも書いたことがありますが、運行開始当初、現在よりも所要時間が長かったにもかかわらず、何故に「フェニックス号」が予約の取れない程の人気を集め、今日の28往復という多頻度運行路線にまで成長したのか。
運行会社各社は、そのことを初心にふり返ってもう一度考えて欲しい・・・。
そんなことを改めて感じた今回の往復乗りバスの旅でございました。
【乗車データ】
●乗車日:2019/05/15
●乗車区間:博多バスターミナル→人吉インター
●運行会社:西日本鉄道
●車両:日産/PKG-RA274RBN(西工02MC C-Ⅰ)
●年式:2009年式
●所属:博多自動車営業所
●社番:6017
【乗車データ】
●乗車日:2019/05/15
●乗車区間:人吉インター→新八代駅
●運行会社:宮崎交通
●車両:いすゞ/ガーラHD(PKG-RU1ESAJ)
●年式:2009年式
●所属:宮崎中央営業所
●社番:290
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