弘南バス「ニューノクターン号」 弘前→東京新宿 簡単な乗車記

夜行バス,高速バス乗車記,鉄道



弘南バス最新の3列夜行仕様車は快適性重視の造り!?

そうこうしているうちに、22時05分、私が乗車する「ニューノクターン号」が五所川原からやって来ました。
今回乗車したのは、こちらの車両。

弘南バス「ニューノクターン号」 33101-3 バスタ新宿前にて

弘南バス五所川原営業所所属33101-3号車(三菱エアロクイーン 2TG-MS06GP)です。
同社の3列シート夜行高速仕様車としては現在の時点で最新車両にあたり、現行型三菱エアロクイーン夜行高速仕様車導入第1号の車両でもあります。

到着後、乗車改札が始まります。
乗務員に乗車券を渡し、バス車内に入ります。
弘南バス「ニューノクターン号」 33101-3 弘前バスターミナル乗車改札中

車内は3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様。
座席と通路を仕切るカーテンは、窓側座席に設置しています。
トイレは、車内中央部の階段を下りたところにあります。
弘南バス「ニューノクターン号」 33101-3 車内

シートは、名鉄バスの夜行高速用車両「プレミアムワイド」で採用されているシートと同型のシートを採用。
座面が通常の夜行用シートよりも広い他、足置き(フットレスト)の奥行きが空洞になっているため、ゆったりと足を伸ばすことが出来ます。
但し、実際にシートを倒してみると、リクライニングの角度が浅いことで、シートを倒して寝る時の姿勢が少し中途半端になる点が個人的に気になりました。
弘南バス「ニューノクターン号」 33101-3 シート

コンセントは各座席に完備。
窓側座席のコンセントは、壁側下部に設置されていました。
弘南バス「ニューノクターン号」 33101-3 コンセント

以上、弘南バス「ニューノクターン号」33101-3号車の車内を簡単にご紹介しましたが、先にデビューした「津輕号」専用車(日野セレガSHD)の仕様を引き継ぐ形での”快適性重視の造り”になっているのが特徴といえるのではないでしょうか。

途中休憩は2回 首都高の渋滞で1時間以上の遅延到着に・・・

22時20分 弘前バスターミナル発車

定刻に弘前バスターミナルを発車したバスは、一般道を大鰐弘前インター向けて走行します。
その間、自動音声による案内放送が流れ、乗務員による補足説明が行われた後、車内は消灯となります。
津軽訛りが残る乗務員の補足説明を聴くにつれ、青森県のバス会社が運行するバスに乗っていることを改めて実感します。

弘南バス「ニューノクターン号」 33101-3 弘前BT~大鰐弘前インター走行中

22時36分、大鰐インターを通過。
ここから先は、ひたすら東北自動車道を南下し、東京・横浜をめざします。


00時15分~00時30分 紫波サービスエリアにて開放休憩

弘前バスターミナルを発車すること約2時間、バスは最初の休憩場所である岩手県の紫波サービスエリアに到着します。
こちらでは、15分間の開放休憩となりました。

弘南バス「ニューノクターン号」 33101-3 紫波サービスエリア

弘南バス「ニューノクターン号」 33101-3 紫波サービスエリアにて

車内を見回ると、多くの方がすでに就寝しており、バスを降りたのは私を含め数名のみでした。
夜間時間帯で売店が閉まっていることや、外が冷えていたということもあって、トイレと飲料水を購入後、すぐにバスに戻りました。


05時30分~05時45分 佐野サービスエリアにて開放休憩

紫波サービスエリアを発車したバスは、暗闇の東北自動車道を首都圏へ向けて順調に南下。
夜中1時くらいまでは起きていましたが、やがて眠くなり、シートを倒して就寝します。

翌朝、目を覚ますと、バスは栃木県の佐野サービスエリアに到着していました。
概ね4時間半ほど寝ていたことになるでしょうか、数移民時間は短いものの、寝不足という感覚はなく、むしろすっきりした気分で目覚めることが出来ました。

弘南バス「ニューノクターン号」 33101-3 佐野サービスエリア

佐野サービスエリアでは、2回目の開放休憩として15分間停車しました。
1回目の休憩の紫波サービスエリアとは異なり、こちらでは多くの乗客がバスを降りてトイレや買い物などを済ませていました。
バスも、ラストスパートに向けてしばしのひと休みです。

弘南バス「ニューノクターン号」 33101-3 佐野サービスエリアにて

08時26分 バスタ新宿到着

佐野サービスエリアを発車したバスは、引き続き東北自動車道を南下。
住宅地が連続する景色を見るにつれ、首都圏が近づいていることを実感します。

東北自動車道浦和本線料金所あたりまでは順調に進んでいましたが、雨模様と週末ということもあってか、首都高速道路に入ってから渋滞に巻き込まれます。
しかもこの渋滞、思っていたよりも酷く、中々車が進みません。
結局。中野長者原ランプを通過したのは、定刻よりも1時間以上遅い08時07分。
さらに、都内一般道路の朝ラッシュにも少し巻き込まれたこともあって、バスタ新宿(新宿高速バスターミナル)に到着したのは、定刻よりも1時間16分遅い08時26分のことでした。

弘南バス「ニューノクターン号」 33101-3 バスタ新宿到着

遅延はしましたが、「ノクターン号」時代と比較して弘前側の発車時刻が少し遅くなっていることや開放休憩を2回に増やしたこと、さらには朝の首都高渋滞という不可抗力を考えると、こればかりは致し方がないのかなぁという気がします。
むしろ、コンプライアンスの遵守が求められている現代においては、これが普通なのかもしれません。(過去の「ノクターン」時代が異常だった?)


利便性が向上した「ノクターン号」のリニューアル

今回、久しぶりに弘南バスの弘前~東京間夜行高速バスに乗車しましたが、「ノクターン号」から「ニューノクターン号」へのリニューアルは、路線単体および弘南バスの夜行高速路線網の双方において利便性向上に繋がったのではと感じました。

路線単体という点で見てみると、先述の通り京浜急行バスの運行撤退と世界貿易センタービルの建て替えが原因とはいえ、日本有数の交通結節点「新宿」への乗り入れが実現したことで、新宿を拠点に箱根や富士山、草津温泉など有名観光地へのアクセスもしやすくなりました

また、弘南バスの夜行高速路線網という点で見てみると、これまで乗り入れていた「津輕号」「パンダ号(東京新宿線)」に「ニューノクターン号」が加わったことで、とりわけ弘前~新宿間で選択肢が増え、より利便性が向上する結果となりました。

「供給過剰なのでは?」と心配する声もあろうかと思いますが、選択肢がないよりあった方が良いのはいうまでもなく、旧高速ツアーバス対策から始まった青森・弘前~首都圏間路線強化策の一連の流れをふり返れば、今日の姿になるのはある程度予想出来たのかもしれません。

そして、同社はこの先、「ブランド名の統一」という次の手に打って出ます。
2022年12月1日、現在の「津輕号」が「ノクターン・ネオ号」に、現在の「スカイ号」が「パンダ号(スカイ線)」にそれぞれ名称変更し、3列シート便を「ノクターン」に、4列シート便を「パンダ」にブランド統一します。
同社の公式サイトでは、「お客様にわかりやすく、ご利用しやすく、愛される路線を目指し」と書いてありますが、ブランドを統一することで、弘南バスの存在感を前面に出して利用促進を図るものと思われます。
もっとも、「ノクターン号」から京浜急行バスが撤退したことで可能になったブランド名の統一ではありますが、この施策が今後の同社東京方面夜行高速バスの利用状況にどう反映されるのか、注目したいところです。

色々と書きましたが、「ノクターン号」からリニューアルした「ニューノクターン号」、個人的には現在の「津輕号」とセットでもう一度乗車してみたいと思いました。
車両もさることながら、“バスタ新宿から乗車出来る""バスタ新宿で下車出来る"利便性の良さは、是非一度体験して欲しいです。

弘南バス「ニューノクターン号」 33101-3 前面


【乗車データ】
  • 乗車日:2022/10/13
  • 乗車区間:
    弘前バスターミナル→バスタ新宿(新宿高速バスターミナル)
  • 運行会社:弘南バス
  • 車両:三菱/エアロクイーン(2TG-MS06GP)
  • 年式:2019年式
  • 所属:五所川原営業所
  • 社番:33101-3

【おまけ】動画にしてみました

今回ご紹介した弘南バス「ニューノクターン号」乗車の模様を動画にしてみました。
現在、Youtubeにて公開しています。
宜しければご覧いただけると幸いです。


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