前回のおさらい
またまた思い付きで始めた、博多から札幌まで出来るだけ陸路の交通機関だけで戻ろうという企画「博多札幌間のりもの乗り継ぎ旅」。
初日は、お目当ての列車「WEST EXPRESS 銀河」を見るために、「出雲ドリーム博多号」に乗車して山陰島根へ移動します。
目的を果たしたところへ、次なる場所へ移動。
そして今回、約20年ぶりとなるあの老舗路線と再開するのです。
大阪~島根を結ぶ老舗路線に乗車
JR出雲市駅前で見かけた一畑バスです。
ここ最近の一畑バスの路線車は、かつて採用されていたカラーリングの復刻版を採用し続けています。
これはもう、「先祖帰り」したということなのでしょうか。
個人的にはこのカラーリングが好きなので、今後も採用を続けて欲しいところですが・・・。
一方の広島~出雲間「みこと号」の車両、かつてはトイレなしの一般観光仕様が投入されていましたが、最近は(一畑バス担当便のみ)トイレ付き車両も投入されているそうで、時代の流れを感じます。
「WEST EXPRESS 銀河」を出雲市駅で見るという所定の目的を果たしたところで、出雲からは少し先を急ぐことにしました。
色々と考えた挙句、こちらの路線を利用します。
大阪と松江・出雲を結ぶ高速バス「くにびき号」です。
今回は、阪急バス担当便に乗車します。
高速バス「くにびき号」は、1989(平成元)年4月1日に運行を開始した老舗高速路線。
阪急バス・一畑バス・中国JRバスの3社が共同で運行しています。
運行開始当初は1日5往復の運行でしたが、利用者増加に伴って幾度となく増便を重ね、現在は夜行便1往復を含め13往復設定されています。(ただし、現在は新型コロナの影響で1日5往復に減便中です。)
増便の過程で、別系統「大阪~米子線」の設定(現在は廃止)や、夜行便の出雲大社への延伸も実施しています。
「くにびき号」には、過去に一度だけ乗車したことがあるのですが、私の高速バス乗車記録を調べてみたところ・・・前回乗車したのが1998(平成10)年5月23日。
この時は、出雲市から新大阪まで乗車したのですが、それ以来になりますので、実に20年以上ぶりの老舗路線との再会になります。
今回乗車した車両はこちら。
阪急バス豊中営業所所属1168号車(日野セレガHD 2RG-RU1ESDA)です。
同社の高速バスといえば、なんといっても「西工車」というイメージが強いのですが、ここ数年で車両の代替が進み、現在は「くにびき号」に使用される車両も日野セレガHDに統一されています。
そして、同社といえば、本社社屋と豊中営業所の移転が発表されました。
阪急バス豊中営業所および本社の移転について(阪急バス公式サイト)
本社は阪急宝塚線岡町駅近くの高架下に、豊中営業所は大阪市の阪急十三駅近く(武田薬品工業十三グラウンド跡?)にそれぞれ移転します。
中でも、豊中営業所は大阪市内へ移転することから、営業所名称も「大阪営業所」に変更。
この車両のナンバーも、近いうちに”なにわナンバー”へ変更されるのでしょうね。
バスは発車の10分程前にのりばに入線。
乗車改札が始まります。
のりばは、JR出雲市駅前バスのりばの3番のりば。
一畑グループのホテル「ツインリーブスホテル出雲」目の前ののりばになります。
気になる車内の様子は・・・
車内は、3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様。
阪急バスは昼行便のみの担当で夜行便を担当しませんが、運行距離が長いとはいえ、あえて夜行仕様車を投入するあたり、この路線に対する位置付けが分かる様な気がします。
シートは、西武バスの新型車両や南海バス「サザンクロス」新型車両などで採用されている天龍工業製の可動式枕付きシートを採用。
座り心地の良さが特徴です。
リクライニング角度もかなり深く、長時間の移動を快適に過ごすことが出来ます。
足置き台(フットレスト)、レッグレストも完備しています。
モバイル充電は、コンセントとUSBポートのデュアルタイプ。
各々肘掛下に設置されています。
さらに、コンセントの上部にはシートヒータのスイッチが。
寒くなる時期に重宝するありがたい設備ですね。
トイレは、車内中央部の階段を下りた突き当たりにあります。
中からロックすることで、トイレ入口上部と車内最前部のランプが点灯します。
ランプが消えていることを確認した上で使用しましょう。
以上、車内を簡単に紹介しましたが、1人掛けシートにコンセント、USBポート、シートヒーター完備と、所要5時間程度の昼行路線としては十分過ぎる程の設備を有しているといえましょう。
新型コロナ対策について
今回乗車した便の新型コロナウイルス対策は、以下の通りです。
【主な新型コロナ感染症対策】(乗車当時のものです)
・座席使用制限:なし
・車内消毒液設置:あり
・運転席回りのビニール製カーテン設置:あり
・運行終了時の車内消毒:実施
・エアコンの外気導入:実施
<動画追加>【お知らせ】バス事業者様へ 大型観光バス「日野セレガ」の室内空調について
・休憩時の車内換気:実施
・その他:
プラズマクラスターイオン発生装置を設置
車内各所に消臭・抗菌・抗ウイルス施工を実施
乗務員のマスク着用 など
途中休憩は2回 絶景の中国山地を眺めながらのハイウェイクルージング
10時35分 JR出雲市駅発車
定刻にJR出雲市駅発車を発車したバスは、斐川インターまで一般道を走行。
早朝に辿った道のりと逆方向を進みます。
斐川インターから山陰自動車道に入ったバスは、高速道路上の宍道、玉造各バス停に停車し、30分程走行した松江西インターでいったん高速道路を降ります。
左手には宍道湖が。
松江市内に戻って来たことを実感します。
11時25分、JR松江駅に到着。
こちらで予約済みの乗客を乗せ、11時30分、定刻にJR松江駅を発車します。
松江駅を発車したところで、前方のモニターでは車内設備の案内放送が流れます。
自動放送を上手く活用する阪急バスならではといったところでしょうか。
もちろん、乗務員による補足案内もしっかりと行っておりました。
11時42分、松江中央インターから再度山陰自動車道へ。
ここから暫くの間は、山岳景色を眺めながらの移動となります。
左手に日本海が見える車窓ですが・・・
米子自動車道に入ると・・・ご覧の通り。
遠くに見えるのは「大山」ですが、写真の様な絶景を見られるだけでも「くにびき号」に乗車する価値は十分にあると私は思います。
12時40分~12時52分 蒜山高原サービスエリアにて開放休憩
「くにびき号」は、途中2箇所のサービスエリアにて開放休憩を行います。
1回目の開放休憩場所は、JR松江駅から1時間程走行した米子自動車道蒜山高原サービスエリア。
こちらでは、12分間停車しました。
サービスエリアということもあって、売店やレストランを完備するなど、設備は充実。
もちろん、買い忘れた飲食物や土産物をこちらで購入することも可能です。
展望スペースからの景色は”素晴らしい!”のひとことに尽きます。
バスも、しばしのひと休みです。
乗客が全員揃ったところで、12時52分にバスは発車。
見応えのある高速道路からの山間の景色を眺めながら、バスは米子自動車道を南下していきます。
13時17分、落合ジャンクションを通過。
ここから先は、進路を東に変え、中国自動車道を大阪方面へ向けてひた走ります。
14時30分~14時47分 加西サービスエリアにて開放休憩
2回目の開放休憩場所は、蒜山高原サービスエリアから1時間40分程走行した兵庫県の中国自動車道加西サービスエリア。
こちらでは、17分間停車しました。
加西サービスエリアといえば、個人的にはTV番組「水曜どうでしょう」の初期の頃「サイコロ3」で登場した夜行高速バス「キャメル号」(京浜急行バス・日ノ丸自動車・日本交通、現在は新型コロナの影響で運休中)鳥取系統の開放休憩場所というイメージが強いのですが、昼間にこのサービスエリアに来たのは、もしかすると初めてかもしれません。
こちらのサービスエリアも設備は充実しており、レストランや売店・スナックコーナーも完備。
トイレを済ませた後に売店で軽食を購入しようかと思いましたが、団体バスツアーの客が売店に押し寄せて大混雑していたため、あえなく断念しました。
バスも、ラストスパートに向けて最後のひと休み。
終点の大阪梅田まであと一息です。
16時24分 大阪梅田(阪急三番街)到着
加西サービス発車したバスは、長閑な景色を眺めながら、中国自動車道を大阪へ向けてひた走ります。
50分程走行した中国池田インターで、高速道路とはお別れ。
ここから先は一般道を走行しますが、やはりというか車の流れは悪く、所々で渋滞も発生しています。
15時55分、定刻8分遅れでバスは千里ニュータウンに到着。
近くには北大阪急行桃山台駅があり、同線や大阪メトロ御堂筋線への乗り換えに便利です。
新御堂筋を走行すること10分程の16時08分、バスは新大阪に到着。
東海道新幹線高架傍の阪急バス新大阪ターミナルが発着場所となっており、東海道・山陽新幹線やJR線、大阪メトロ御堂筋線への乗り換えに便利です。
淀川を渡ると、大阪梅田はすぐそこです。
その後も、一部箇所でのノロノロ運転に巻き込まれた結果、終点の大阪梅田(阪急三番街)に到着したのは、定刻17分遅れの16時24分。
乗客を降ろし、忘れ物有無の点検を済ませたバスは、すぐさま豊中営業所へ回送されていきました。
飽きない車窓が楽しめる「くにびき号」 再増便の時期はいつ?
以上、阪急バス「くにびき号」乗車の模様をお届けしました。
約20年以上ぶりの「くにびき号」の乗車でしたが、中国山地を眺めながらの高速バスの旅の素晴らしさと、大阪~島根間を乗り換えなしで移動出来る利便性の良さを今回再認識いたしました。
特に「くにびき号」は、一面に広がる車窓が見ていて飽きません。
米子市付近から見る大山や、蒜山高原付近の景色は、一見の価値があるといえましょう。
利便性の良さについても、今回乗車した便に限ってかもしれませんが、平日にも関わらずトータルの乗車人数が15人オーバー(20人近く)と、それなりに乗車しておりました。
大阪~松江間を4時間半(大阪~出雲間は5時間半)程度で移動出来、ゆったり1人掛けシートで安く移動出来る点が利用者から評価されているのはないでしょうか。
一方で気になったのが、やはり現在の運行本数でしょうか。
最盛期に13往復運行されていたこの路線も、新型コロナの影響で現在は5往復にまで減便されています。
ですが、今回乗車した便の混み具合を考えると、感染防止対策という観点であと2~3往復は増便しても良いのでは?と感じました。
正直は話、久しぶりに混み合う高速バスの車内を目にして”怖さ”を感じたのも事実。
採算面などを考慮すると難しいかとは思いますが、今後移動が増えてくると感染リスクも増大する可能性は十分にあり得ますので、利用状況を見ながら柔軟に判断されることをお願いしたいです。
約20年以上ぶりの「くにびき号」の乗車。
十分に楽しませていただきました。
次はいつになるか分かりませんが、いつの日にか車窓を楽しむためにまた利用すると思います。
皆様も機会がありましたら、是非一度利用されてみてはいかがでしょうか。
【乗車データ】
- 乗車日:2020/10/06
- 乗車区間:
JR出雲市駅→大阪梅田(阪急三番街) - 運行会社:阪急バス
- 車両:日野/セレガHD(2RG-RU1ESDA)
- 年式:2018年式
- 所属:豊中営業所
- 社番:1168
次回予告
島根出雲から高速バス「くにびき号」で大阪に到着し、「博多札幌間のりもの乗り継ぎ旅」もようやく行程の約半分に到達。
大阪からは、日本海沿いの北上ルートを選択し、ここ最近利用頻度の多い”あの路線”に乗車します。
日本海沿いの景色を眺めながらゴールの札幌へ。
次回もお楽しみに。




