中国JRバス「出雲ドリーム博多2号」 簡単な乗車記【博多札幌間のりもの乗り継ぎ旅】

夜行バス,高速バス乗車記



「出雲ドリーム博多2号」で山陰島根へ・・・

博多バスターミナル3階に到着したのは、夜も更けつつある22時30分頃。
前日から「どの様なルートで帰ろうか・・・」と考えた挙句、今回は「山陰に寄ってから帰ろう。」という結論に達しました。

それというのも、"ある列車"を現地で見たかったから。
その"ある列車"については後程簡単にご紹介しますが、コロナ禍の現状において福岡と山陰を結ぶ高速バスといえば・・・そう、福岡・北九州と松江・出雲を結ぶ夜行高速バス「出雲ドリーム博多号」しかありません。
個人的には、福岡・北九州と山陰の米子・鳥取を結ぶ夜行高速バス「大山号」(日ノ丸自動車・日本交通)の方が都合が良かったのですが、新型コロナの影響で運休しているため、利用することが出来なかったのです。

というわけで、窓口にて乗車券を購入し、バスの到着を待ちます。

「出雲ドリーム博多号」については、以前にこのブログで乗車記を紹介しました。


路線の歴史や概要等は上記リンクにてご確認いただきたいのですが、元々は西鉄と一畑(一畑電気鉄道→一畑バス)が運行していた「出雲路号」がこの路線の起源。
運行事業者や路線形態こそ変わってはいますが、福岡と島根を結ぶという点においては、30年以上の歴史を誇る夜行バスになります。

今回乗車したのは、博多バスターミナル22時45分発の「出雲ドリーム博多2号」
この日は中国JRバスの車両で運行されました。

乗車した車両はこちら。
中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955
中国JRバス島根支店所属641-3955号車(いすゞガーラHD QPG-RU1ESBJ)です。
同社内にて幾度か転属を繰り返した後、現在は「出雲ドリーム博多号」をはじめとする島根支店管轄の長距離高速路線各路線で活躍しています。
国鉄時代から受け継がれる青白塗装とつばめマークが輝かしいですね。

バスは発車の5分~10分前まで入線し、乗車改札が行われます。
乗車券類は降車時に回収(モバイル決済の場合は画面提示)するため、目的地まで紛失しないようにしましょう。
中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 博多バスターミナル乗車改札中

乗車改札を受けたところで、車内に入ります。

気になる車内の様子は・・・

車内は、3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様となっています。
窓側座席には通路カーテンを装備し、プライベート空間も確保出来るようになっています。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 車内

シートは、天龍工業製の夜行用標準シートを採用。
足置き台(フットレスト)、レッグレストも完備しています。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 シート

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 足置き台(フットレスト)・レッグレスト

各座席にはコンセントを設置。
携帯電話やスマートフォン利用者にとってはありがたい設備です。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 座席コンセント

トイレは、車内中央部の階段を下りた突き当たりにあります。
中からロックすることで、トイレ入口上部と車内最前部のランプが点灯します。
ランプが消えていることを確認した上で使用しましょう。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 トイレ

以上、車内を簡単に紹介しましたが、1人掛けシートに通路カーテン、コンセント完備と、所要9時間程度の路線としては必要十分な設備を有しているといえましょう。


新型コロナ対策について

今回乗車した便の新型コロナウイルス対策は、以下の通りです。

【主な新型コロナ感染症対策】(乗車当時のものです)
・座席使用制限:なし
 ※窓側座席のみ通路カーテン付き。
・車内消毒液設置:あり
・運転席回りのビニール製カーテン設置:あり
・運行終了時の車内消毒:実施
・エアコンの外気導入:実施
 メーカー公式【いすゞ自動車】バスの室内空調の操作方法について
・休憩時の車内換気:実施
・その他:
 車内抗菌処理の実施
 乗務員のマスク着用 など


夜間工事の影響で遅延!?

22時45分 博多バスターミナル発車

定刻に博多バスターミナルを発車したバスは、呉服町ランプから福岡都市高速道路へ。
10分程走行した福岡インターから九州自動車道に入り、八幡インターまで走行します。
八幡インターで九州自動車道を降りたバスは北九州都市高速道に入り、次の乗車場所である小倉駅新幹線口へ向かいます。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 博多バスターミナル発車後

「出雲ドリーム博多号」は、他のJRバス「ドリーム号」と同様に、途中交代式の完全ワンマン運行を実施。
博多バスターミナル~久地パーキングエリア間はJR九州バスの乗務員が、久地パーキングエリア~出雲市駅間は中国JRバスの乗務員がハンドルを握ります。
広域なエリアを抱えるJRバスならではの乗務員運用方法であり、JRハイウェイバスの強みの一つでもあるといえましょう。


00時25分~00時35分 めかりパーキングエリアにて開放休憩

23時58分、小倉駅新幹線口にて乗車扱いを終えたバスは、富野ランプから再び北九州都市高速道路へ。
10分程走行した門司インターからは、関門自動車道~中国自動車道~山陽自動車道~広島自動車道~中国自動車道~松江自動車道~山陰自動車道を経由し、松江・出雲へと向かいます。

00時25分、バスは消灯前の休憩場所である関門自動車道めかりパーキングエリアに到着。
こちらでは、10分間の開放休憩となりました。

いつもですと、カメラを持ち出して夜間撮影を行いますが、この日は福岡でバスに乗車した瞬間から眠気が酷く、撮影する気力が殆ど残っていなかったために、洗顔を済ませてすぐさまバスに戻りました。

00時35分、乗客が全員揃ったところでバスは発車。
関門橋を渡り終えた2分後の00時37分、消灯されました。
消灯後、シートを倒して目を瞑ったところで完全睡眠に至ったのはいうまでもありません。


06時20分~06時35分 道の駅たたらば壱番地にて開放休憩

早朝05時30分。

目を覚ますと、バスは中国自動車道江の川パーキングエリアに停車していました。
かれこれ1時間近く停車しているでしょうか。
本来であれば朝の開放休憩場所である松江自動車道の道の駅たたらば壱番地に到着している頃ですが、一向にバスが動く気配がありません。
「もしかして乗務員さん、寝坊しているのではないだろうか・・・。」
いらぬことを考えてしまいます。

05時37分、バスは江の川パーキングエリアを発車。
中国自動車道から松江自動車道に進路を変え、松江・出雲へ向けてひた走ります。

06時20分、バスはようやく道の駅たたらば壱番地に到着します。
と、ここで乗務員から、

「松江道・山陰道夜間工事通行止めと時間調整のため、約30分遅れで運行しております。」

との案内放送が。

夜間工事通行止めと時間調整は仕方がないとして、であるならば、夜間工事通行止めの情報は事前に分かっているわけですから、共同運行のJR九州バスへ事前申し送りをした上で、このことを福岡発車直後に案内して欲しかった・・・というのが正直な思いです。

こちらでは、15分間の開放休憩となりました。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 道の駅たたらば壱番地

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 道の駅たたらば壱番地にて_01

バスも、終点へのラストスパートに向けてひと休みです。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 道の駅たたらば壱番地にて_02

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 道の駅たたらば壱番地にて_03

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 道の駅たたらば壱番地にて_04

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 道の駅たたらば壱番地にて_05

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 道の駅たたらば壱番地にて_06

08時21分 JR出雲市駅到着

乗客が全員揃い、道の駅たたらば壱番地を発車したバスは、木次高速バス停にて降車扱いのために停車後、松江自動車道~山陰自動車道を松江・出雲へ向けてひた走ります。

松江自動車道走行中は、写真の様な山間の景色が続きますが・・・

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 朝の車窓_01

山陰自動車道に出た途端、景色が一変。
左手には宍道湖が見えて来ます。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 朝の車窓_02

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 朝の車窓_03

07時09分、松江西インターを流出。
市街地に入ると、それまで遠くに見えていた宍道湖が目の前に。
山陰島根に来たことを改めて実感します。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 朝の車窓_04

07時20分、定刻約30分遅れでバスはJR松江駅に到着します。
こちらでは、私ともう1名の乗客を除く全員が下車。
新型コロナの影響で出発時から寂しかった車内が、さらに寂しくなりました。

07時34分、松江西インターから再び山陰自動車道へ。
斐川インターまで走行し、斐川インターからは一般道を終点JR出雲市駅まで走行します。
斐川インターを降りると、さらに長閑な風景が車窓一面に広がります。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 朝の車窓_05

斐伊川にかかる神立橋を渡ると、終点のJR出雲市駅はもうすぐです。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 朝の車窓_06

そして08時21分、定刻33分遅れでバスは終点のJR出雲市駅に到着しました。

バスを降りて乗車券メールを乗務員に提示すると・・・目の前の高速バスのりばには、阪急バスの大阪行き高速バス「くにびき号」が乗車扱いを行っていました。
目的地に到着した高速バスと、これから目的地へ向かう高速バス・・・絵になりますね。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-3955 JR出雲市駅到着_02

(次ページに続きます。)