夕張鉄道(夕鉄バス)札幌直通バス 廃止直前惜別乗車記【新札夕線・急行札幌線】
12時01分 南幌ビューロー発車
野幌バスターミナルを発車したバスは、江別駅前付近までJR函館本線に並行する道路を走行後、江別あけぼの団地を経由し、きらら街道を南幌方面へ向けてひた走ります。
江別あけぼの団地までは頻繁に乗客の入れ替わりがありましたが、ここから先は次第に乗降客が少なくなり、沿線の風景も含めてローカルバスの雰囲気に変わっていきます。
南幌町に入り、南幌温泉、南幌消防署前、南幌役場前に停車したバスは、12時01分、南幌ビューローに到着します。
南幌町は、空知管内南部にある町。
長く過疎地域に指定されていましたが、1990年代に入り、札幌市のベッドタウン化が進んだことから、人口が5,000人台から9,000人台まで急増したことでも知られています。
南幌町が設置した複合施設「南幌ビューロー」は、2000(平成12)年4月に完成。
南幌町の情報と交通の拠点として建設され、展望台や物産館、会議室、バス待合所などを備えています。
因みに、この「南幌ビューロー」がある場所は、かつての夕張鉄道南幌駅の跡地でもあります。
12時23分 栗山駅前発車
南幌ビューローを発車したバスは、きらら街道を東進、栗山町へ向けてひた走ります。
長沼町に入り、北長沼の集落を通過したバスは、道道45号線「恵庭栗山線」へ。
10分ほど走行し、栗山町内に入ります。
なお、長沼町内は乗降制限があり、札幌・江別方面発の便は、町内各バス停で下車することが出来ません。
また、夕張・栗山発の便は、町内各バス停から乗車することが出来ませんので、ご利用予定の方は注意しましょう。
12時23分、バスは栗山駅前に到着。
こちらで数名の乗客の入れ替わりがあり、乗降扱いが終わると、バスはすぐに栗山駅前を発車します。
栗山町は、空知管内南部に位置する町。
町の西部は平地、東部は夕張山地に由来する山地となっています。
約10,000人の人口を有しており、農業が基幹産業となっています。
水稲や小麦をはじめ豊富な農産物が収穫されている他、商業、工業もバランスよく発展。
住宅メーカー「木の城たいせつ」の本社がある他、洋菓子メーカー「シャトレーゼ」の工場があることでも知られています。
そして、栗山町といえば、あの侍ジャパン前監督、栗山英樹氏とのゆかりが深い町としても知られています。
同氏がスポーツジャーナリスト時代の2002(平成14)年、同町の町民らと協力して少年野球場「栗の樹ファーム」を開設。
隣接するログハウスには、日米の数々の名プレーヤーが使った野球グッズが展示され、野球ファン必見のスポットとなっているそうです。
私自身、まだ一度も行ったことがないのですが、機会があれば是非行ってみたいですね。
13時20分 りすた(夕張市拠点複合施設)到着
栗山駅前を発車したバスは、町内の各バス停に停車後、角田交差点で道道3号線(札幌夕張線)に進路を変え、夕張市内をめざします。
栗山から夕張までの距離は約20km。
目的地の夕張市内まで、もうひと息です。
継立地区を通過すると、バスは山間区間に差し掛かります。
夕張峠を越え、夕張トンネルを抜けると、バスは夕張市若菜地区へ。
若菜交差点を右折し、200m程走行すると、バスは夕鉄本社バスターミナルに到着します。
名称の通り、夕張鉄道の本社に併設する形で夕張営業所とバス待合室、窓口、夕鉄旅行センターが併設されており、夕張市内の交通拠点のひとつにもなっています。
こちらでは、5~6名の乗客が下車、代わりに4名の乗客が乗車して来ました。
同時に、こちらでは2度目の乗務員交代が行われ、5分程停車。
野幌バスターミナルから乗務した乗務員とは、こちらでお別れとなりました。
夕鉄本社バスターミナルを発車したバスは、道道38号線(夕張岩見沢線)を新夕張方向へ。
清水沢地区を通り抜け、ゆうばり小学校正門前を通過したバスは、清陵町地区、南清水沢地区の集落を通り抜け、13時20分、定刻5分遅れでりすた(夕張市拠点複合施設)に到着しました。
このバスの終点は新夕張駅前ですが、今回はこちらで下車。
終点へ向けて走りゆくバスの後ろ姿を見届け、私はりすたの建物にて少しばかりの休息をとるのでありました。
【乗車データ】
- 乗車日:2023/09/16
- 乗車区間:
新さっぽろ駅→りすた(夕張市拠点複合施設) - 運行会社:夕張鉄道
- 車両:日野/ブルーリボン(2PG-KV290Q2)
- 年式:2018年式
- 所属:夕張営業所
- 社番:5059
(次ページに続きます。)