日本最北のバス会社、宗谷バスを見てみる
宗谷バス株式会社。
長らくの間東急グループに属していましたが、2009年の東急グループからの離脱以降は、沖縄県(那覇バス)や福岡県(堀川観光バス)のバス業者と提携しての車両・乗務員の借り受け・貸し出しや、ノンステップバスの導入、地元自治体や観光協会と提携したラッピングバスの運行など、様々な取り組みを行っています。
以前このブログで沿岸バス関連の記事をご紹介したかと思いますが、実はその取材の空き時間を利用して、約10年ぶりに宗谷バスの現状を私なりに見てきました。
今回はその時の模様をご紹介します。
2012年3月10日に竣工し、同年4月29日に営業を開始したのですが、昔の面影は全くといっていい程ありません。
正直情緒は感じられませんが、施設自体がバリアフリー対応であること、JR~バスの乗り継ぎ移動距離が若干短縮されたことを考えると、利便性は向上したと言えるでしょうね。
宗谷バス稚内駅前バスターミナルです。
以前のバスターミナルよりもこじんまりとした印象を受けます。
勿論、看板には宗谷バス新社紋も入っています。
待合室に掲げられた路線図です。
主要停留所のみの掲載ですが、路線毎に色分けされていて、路線図の中では比較的見易いなぁという印象を持ちました。
2番乗り場と3番乗り場に貼られていた市内線の時刻表です。
全盛期と比較すると便数が減りましたが、それでも人口4万に満たない街の市内路線バスで15分ヘッドのダイヤを確保しているのは立派なものです。
(因みに全盛期は約5~10分ヘッドだったそうです。)
と、稚内駅前バスターミナルを簡単にご紹介したところで、現在活躍している宗谷バスの車両達をご紹介しましょう。
まずはこちら↓から。
JR天北線の代替系統「天北宗谷岬線」に使用される三菱エアロスターワンステップ(LKG-MP35UM)です。
かつては長大路線として有名だった「天北宗谷岬線」(当時は「天北線」と呼ばれていた)も、浜頓別での系統分割に経路変更、更にはワンステップ車の投入で、長大路線の雰囲気が徐々に薄れている気がします。
バリアフリー対応でワンステップ車を投入するのは致し方がないところもあるのですが、長距離で乗り通す利用客にとって、この車両はかえって苦痛に感じるかもしれませんね。
「天北線」の経路変更でカバーできなくなった曲渕地区と稚内間を結ぶ「曲渕線」に使用される三菱エアロバススタンダードデッカー(KC-MS815S)です。
元「天北線」専用車両だったこの車両も、現在は離島(利尻・礼文)や枝幸等の他営業所に転属されていますが、写真の様に稚内市内でもまだ見かけることが出来ます。
主に稚内市内線で活躍する日野ブルーリボンツーステップです。
東急バスから移籍してきた車両達ですが、まだまだ現役です!
そして、今回稚内を訪れて驚いたのがこちら↓。
「どこの東急バス??」と言わんばかりの、東急カラーの移籍ノンステップバス(勿論東急バスからの移籍車)が複数台導入されておりました。
私が確認しただけでも6~7台は導入されているかなぁ・・・。
今後更に増えそうな予感がしますw。
実際に乗車して見ましたが、至る所に東急時代の面影が残っておりました。
コアな東急バスファンの方は一度乗りに稚内へ行ってみるのも良いかもしれませんね。
最後に都市間バスの写真をご紹介。 札幌~稚内線「特急わっかない号」で活躍する三菱エアロクイーンⅠ(KC-MS822P)です。
共同運行の銀嶺バスが年式の新しい車両を積極的に投入するのに対し、宗谷バスは移籍車がメイン(というより殆ど移籍車)になっています。
札幌~音威子府・枝幸線「特急えさし号」で活躍する夜行仕様の三菱エアロクイーンⅠ(KL-MS86MP)です。
同路線には補助金を活用して購入された夜行仕様の三菱エアロクイーン(QRG-MS96VP)も活躍していますが、こちらは移籍車両になります。
専用のラッピングが施されています。
というわけで、車両面を中心に宗谷バスをご紹介してきました。
今回の訪問では、稚内市内線を中心に数回同社の路線バスに乗車しましたが、その中で感じたのは「東急グループ離脱後の変化」と、相反する形での「東急グループの繋がり」でした。
「東急グループ離脱後の変化」の面では、車両は勿論のこと、「乗務員の意識の変化」を感じ取ることが出来ました。
特に印象に残ったのが、車内マイクを活用している乗務員が多かったこと。
社を挙げてサービス向上に乗り組んでいる姿勢が随所に伺えました。
一方で「東急グループの繋がり」の面においては、これはかつてのグループ会社である函館バスにも言えることなのですが、やはり所有車両の陣営ですね。
所有車両の大半が東急バスからの移籍車であることは現在も変わっておらず、今後もこの流れは続くことでしょう。
そしてこの先は、十数年前に導入された初期のノンステップ車両・ワンステップ車両が徐々に増えていくことでしょう。
車両の耐久性という問題はあるでしょうが、移籍車両とはいえノンステップ車両が増えれば、高齢者にとっても利用しやすくなっていくかもしれませんね。
ともあれ、久しぶりの稚内訪問と宗谷バスの視察、短い時間でしたが楽しませて貰いました。
次回訪れる機会が出来たら、今度は是非とも「天北宗谷線」を完乗してみたいですね。
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日本最北端、北海道稚内市に本社を置く
長らくの間東急グループに属していましたが、2009年の東急グループからの離脱以降は、沖縄県(那覇バス)や福岡県(堀川観光バス)のバス業者と提携しての車両・乗務員の借り受け・貸し出しや、ノンステップバスの導入、地元自治体や観光協会と提携したラッピングバスの運行など、様々な取り組みを行っています。
以前このブログで沿岸バス関連の記事をご紹介したかと思いますが、実はその取材の空き時間を利用して、約10年ぶりに宗谷バスの現状を私なりに見てきました。
今回はその時の模様をご紹介します。
大きく生まれ変わった稚内駅と稚内市内を走る宗谷バスの車両
まず私が稚内に来て最初に驚いたのが、JR稚内駅周辺が大きく変わっていたことでした。 写真はJR稚内駅・稚内駅前バスターミナル・シネコンなどが入った「キタカラ」という稚内駅再開発ビルになります。2012年3月10日に竣工し、同年4月29日に営業を開始したのですが、昔の面影は全くといっていい程ありません。
正直情緒は感じられませんが、施設自体がバリアフリー対応であること、JR~バスの乗り継ぎ移動距離が若干短縮されたことを考えると、利便性は向上したと言えるでしょうね。
宗谷バス稚内駅前バスターミナルです。
以前のバスターミナルよりもこじんまりとした印象を受けます。
勿論、看板には宗谷バス新社紋も入っています。
待合室に掲げられた路線図です。
主要停留所のみの掲載ですが、路線毎に色分けされていて、路線図の中では比較的見易いなぁという印象を持ちました。
2番乗り場と3番乗り場に貼られていた市内線の時刻表です。
全盛期と比較すると便数が減りましたが、それでも人口4万に満たない街の市内路線バスで15分ヘッドのダイヤを確保しているのは立派なものです。
(因みに全盛期は約5~10分ヘッドだったそうです。)
と、稚内駅前バスターミナルを簡単にご紹介したところで、現在活躍している宗谷バスの車両達をご紹介しましょう。
まずはこちら↓から。
JR天北線の代替系統「天北宗谷岬線」に使用される三菱エアロスターワンステップ(LKG-MP35UM)です。
かつては長大路線として有名だった「天北宗谷岬線」(当時は「天北線」と呼ばれていた)も、浜頓別での系統分割に経路変更、更にはワンステップ車の投入で、長大路線の雰囲気が徐々に薄れている気がします。
バリアフリー対応でワンステップ車を投入するのは致し方がないところもあるのですが、長距離で乗り通す利用客にとって、この車両はかえって苦痛に感じるかもしれませんね。
「天北線」の経路変更でカバーできなくなった曲渕地区と稚内間を結ぶ「曲渕線」に使用される三菱エアロバススタンダードデッカー(KC-MS815S)です。
元「天北線」専用車両だったこの車両も、現在は離島(利尻・礼文)や枝幸等の他営業所に転属されていますが、写真の様に稚内市内でもまだ見かけることが出来ます。
主に稚内市内線で活躍する日野ブルーリボンツーステップです。
東急バスから移籍してきた車両達ですが、まだまだ現役です!
そして、今回稚内を訪れて驚いたのがこちら↓。
「どこの東急バス??」と言わんばかりの、東急カラーの移籍ノンステップバス(勿論東急バスからの移籍車)が複数台導入されておりました。
私が確認しただけでも6~7台は導入されているかなぁ・・・。
今後更に増えそうな予感がしますw。
実際に乗車して見ましたが、至る所に東急時代の面影が残っておりました。
コアな東急バスファンの方は一度乗りに稚内へ行ってみるのも良いかもしれませんね。
最後に都市間バスの写真をご紹介。 札幌~稚内線「特急わっかない号」で活躍する三菱エアロクイーンⅠ(KC-MS822P)です。
共同運行の銀嶺バスが年式の新しい車両を積極的に投入するのに対し、宗谷バスは移籍車がメイン(というより殆ど移籍車)になっています。
札幌~音威子府・枝幸線「特急えさし号」で活躍する夜行仕様の三菱エアロクイーンⅠ(KL-MS86MP)です。
同路線には補助金を活用して購入された夜行仕様の三菱エアロクイーン(QRG-MS96VP)も活躍していますが、こちらは移籍車両になります。
専用のラッピングが施されています。
というわけで、車両面を中心に宗谷バスをご紹介してきました。
今回の訪問では、稚内市内線を中心に数回同社の路線バスに乗車しましたが、その中で感じたのは「東急グループ離脱後の変化」と、相反する形での「東急グループの繋がり」でした。
「東急グループ離脱後の変化」の面では、車両は勿論のこと、「乗務員の意識の変化」を感じ取ることが出来ました。
特に印象に残ったのが、車内マイクを活用している乗務員が多かったこと。
社を挙げてサービス向上に乗り組んでいる姿勢が随所に伺えました。
一方で「東急グループの繋がり」の面においては、これはかつてのグループ会社である函館バスにも言えることなのですが、やはり所有車両の陣営ですね。
所有車両の大半が東急バスからの移籍車であることは現在も変わっておらず、今後もこの流れは続くことでしょう。
そしてこの先は、十数年前に導入された初期のノンステップ車両・ワンステップ車両が徐々に増えていくことでしょう。
車両の耐久性という問題はあるでしょうが、移籍車両とはいえノンステップ車両が増えれば、高齢者にとっても利用しやすくなっていくかもしれませんね。
ともあれ、久しぶりの稚内訪問と宗谷バスの視察、短い時間でしたが楽しませて貰いました。
次回訪れる機会が出来たら、今度は是非とも「天北宗谷線」を完乗してみたいですね。
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