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名士バス「仁宇布線デマンドバス」 簡単な乗車記

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名士バス「仁宇布線デマンドバス」 トロッコ王国にて

ひろしプロジェクトです。
いつもこのブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

写真は、2018(平成30)年10月下旬に美深町仁宇布の「トロッコ王国」にて撮影した、名士バス「仁宇布線デマンドバス」です。
「仁宇布」という地名で「あっ!!」と思われた方は、恐らく昔からの鉄道ファンなのではないでしょうか。
そう、この美深町仁宇布は、かつて「日本一の赤字線」としてマスコミなどにも取り上げた、旧国鉄美幸線の終着地なのです。

実は、昨年2018(平成30)年の秋に、とある案件の取材目的で名士バス「仁宇布線デマンドバス」に乗車、この地を訪れました。
今回はその時の模様をご紹介します。

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北見枝幸まで繋がる予定だった美幸線

その前に、廃線になった旧国鉄美幸線について簡単にご紹介しましょう。

旧国鉄美幸線は、北海道北部開発の拠点であった(北見)枝幸と宗谷本線を短絡する目的で計画された鉄道路線で、東京オリンピックが開催された1964(昭和39)年10月5日に美深~仁宇布間が開業しました。
元々この区間には、美深町営の殖産軌道(簡易鉄道)がありましたが、美幸線開業に先立ち1962(昭和37)年に廃止されています。
仁宇布から先の区間も日本鉄道建設公団(当時)によって進められていましたが、1979(昭和54)年に完成間近で工事は凍結され、結局開業することは出来ませんでした。

開業区間自体の輸送量は極めて少なく、国鉄全路線中最悪レベルの赤字線であったといわれています。
「日本一の赤字線」を逆手に取って、当時の美深町町長が美幸線の宣伝活動を東京銀座で行ったことは有名ですが、経営環境が改善することはありませんでした。
因みに、1984(昭和59)年度の営業係数(100円の収入を得るのにかかる経費)は4,731、輸送密度24人であったといわれています。

1981(昭和56)年に第1次特定地方交通線として指定された後も、同じく特定地方交通線となった興浜線と合わせて第三セクター化した「オホーツク縦貫鉄道構想」と関連付けて全線開業による存続を目指したますが、収支見込みで黒字に転換する可能性はないとされ、また対策協議会開始から2年以内に調わない際に認められる廃止申請とバス転換の強行を旧国鉄により示唆されたことから、全線開通と鉄道による存続は断念。
1985(昭和60)年9月17日に廃止され、路線バスに転換されました。

美幸線の代替バス「仁宇布線」は、名寄市に本社を置く名士バスが運行を行っています。
代替バス運行開始当初は、中型の路線バスが1日5往復運行していましたが、元々利用客が少なかったことから、運行区間の見直しや日曜日運休などの効率化を行いますが、状況が好転しなかったことから、2012(平成22)年度から「仁宇布線」のデマンド(予約)型運行の実証試験を行い、2014(平成24)年4月から本運行に移行、現在に至っています。

廃線跡を眺めながら約30分で仁宇布へ

「仁宇布線デマンドバス」の始発地である美深町は、北海道上川地方北部に位置する町。
札幌からはJR特急「宗谷」で3時間弱で到着します。
JR北海道 261系「宗谷」 美深にて
JR北海道 261系 特急「宗谷」

美深駅の駅舎は、バスターミナルと一体化した「美深町交通ターミナル」となっており、屋上には廃止された美幸線を偲んで作られた「美幸の鐘」がある他、美深町第3セクター運営の売店や観光協会の案内所も入っています。

そして、こちらを訪れた際に是非とも立ち寄っていただきたい場所がこちら。
美深町交通ターミナル 2階 美幸線展示室_01

美深町交通ターミナル 2階 美幸線展示室_02

美深町交通ターミナル 2階 美幸線展示室_03
「美深町交通ターミナル」2階に設けられている「美幸線展示室」です。
美幸線ゆかりのものや資料、年表などが展示されており、鉄道ファンであれば「お~っ!!」と思われることでしょう。

「仁宇布線デマンドバス」は、交通ターミナル前のバス停から発車します。
名士バス「仁宇布線デマンドバス」 美深町交通ターミナル バス停_01

名士バス「仁宇布線デマンドバス」 美深町交通ターミナル バス停_02
運行本数は1日5往復。
予約制デマンド運行のため、事前予約が必要です。
予約者がいない便は運休となりますのでご注意下さい。

【予約先】
・名士バス 01654-2-4151

今回私が乗車したのは、美深駅11時10分発の便。
昨今デマンドバスや乗合タクシーなどで多く採用されているトヨタハイエースが充てられます。
名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300_01

名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300_02

定刻に交通ターミナルを発車したバスは、町内を回った後、道道680号から道道49号に入り、仁宇布へと向かいます。
暫くは広大な景色を眺めながら進みますが、やがて奥地へ入ると・・・
名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 車窓_01

名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 車窓_02

旧国鉄美幸線の廃線跡が至るところで見られます。
名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 車窓_03

名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 車窓_04

名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 車窓_05

名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 車窓_06

更に進むと、右手には自動車メーカー「スバル」の試験場「スバル研究実験センター美深試験場」が。
名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 車窓_07
1995(平成7)年に完成し、スバル車の寒冷地における性能評価や雪上試験を行う他、2017(平成29)年からは新たに完成したテストコースで高度運転支援技術のための試験も行っています。

やがてバスは仁宇布市街に入ります。
終点は仁宇布待合所ですが、デマンドバスなので降車場所もある程度の自由は聞き入れていただけます。
ということで、かつての仁宇布駅に設けられた施設「トロッコ王国」まで乗せていただくことにしました。
名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 トロッコ王国_01

営業(開国)期間に訪れたい「トロッコ王国美深」

旧仁宇布駅に設けられた「トロッコ王国美深」は、旧国鉄美幸線の跡を活用した観光施設。
美深町が所有する旧美幸線の線路や鉄橋を始めとする付帯施設を、NPO法人「トロッコ王国美深」が無償で借り受け、車両や線路の製造・メンテナンス全般を行い、運営されているそうです。
オープンしたのは1998(平成10)年で、これまで全国各地から多くの観光客が訪れているとのこと。
往復約10kmもある本物のレール上を、エンジン付のトロッコで、しかも自らの運転で走ることが出来る観光施設は、全国探してもここだけだそうです。
普通自動車免許があれば運転することも出来ます。

トロッコ王国の入口には、美幸線の記念碑があります。
名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 トロッコ王国_02 美幸線記念碑

トロッコ王国の起点となる駅舎です。
新たに建てられたもので、旧仁宇布駅舎とは異なります。
名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 トロッコ王国_03 トロッコ王国駅舎

さぁ、トロッコに乗りましょうかぁ!・・・
といいたいところなのですが、実は訪れた日が営業(開国)期間を過ぎた日でありまして、残念ながらトロッコに乗ることが出来ませんでした(涙)。
ということで、しばしの間、山奥へ繋がる線路を見ながら気分転換。
名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 トロッコ王国_04 トロッコ王国駅舎
今にも山奥から気動車がやって来そうな風景ですね。

因みに、トロッコに乗ると・・・写真の様な景色が楽しめます。
名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 トロッコ王国_05

名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 トロッコ王国_06

最後に

先述の通り、名士バス「仁宇布線デマンドバス」は予約制となっており、事前予約が必要です。
更に、日曜日が運休のため、土日連休に乗りに行くことは難しいですが、廃線跡に興味がある方や「トロッコ王国」へ行ってみたいという方は、是非ともこのバスに乗って仁宇布へ行っていただきたいです。
「トロッコ王国」営業(開国)期間中の涼しい時期に、もう一度このバスに乗って、エンジン付トロッコをもう一度運転してみたい・・・そう思った今回の旅でございました。

名士バス「仁宇布線デマンドバス」 ・300 トロッコ王国_07


【乗車データ】 
  • 乗車日:2018/10/25
  • 乗車区間:
    美深町交通センター(JR美深駅)→仁宇布(トロッコ王国美深)
  • 運行会社:名士バス
  • 車両:トヨタ/ハイエース(形式不明)
  • 年式:不明
  • 所属:本社(美深駐在?)
  • 社番:300
【トロッコ王国美深について】 
  • 営業(開国)期間:
    毎年4月下旬GW前~10月下旬
    (平成31年は4月4月27日~10月20日の予定)
  • 受付時間:8時30分~16時00分
  • 入国料金:
    大人
    ・2名様以上1名様分…1,500円
    ・1名様の場合…1,800円
    中・高生(学生証などを提示)…1,200円
    小人(小学生)…700円
    幼児(未就学児童)…無料
    障がい者割引あり(10%引き)
    団体割引あり(15名様以上 各料金の10%引き)
    町民割引あり(大人1,000円、中高生800円、小学生500円)
    ※トロッコの運転には普通免許が必要です。
  • お問い合わせ
    NPO法人トロッコ王国美深
    tel:01656-2-1065
    美深町 総務課 企画グループ 商工観光係
    tel:01656-2-1645

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Koji Suda(ひろしプロジェクト)

Koji Suda(ひろしプロジェクト)

自称「高速バスアドバイザー」。高速バス乗車回数1000回以上(2018年2月現在)。バス・鉄道をはじめとする乗り物を追っかけて撮ったり、ブログやサイトの運営、バス関連本やネットニュースの原稿執筆、同人誌活動などを通じて、乗り物旅の素晴らしさを伝える活動を行っています。北海道札幌市在住。バスと鉄道とカレーと粉物が大好き。 [詳細]

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