西鉄「GRANDAYS」佐賀・名尾和紙と古湯温泉を巡る日帰りツアーに参加してみました

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午前は300年の歴史を持つ和紙のふるさとへ

09時00分 西鉄グランドホテル発車

関係者の見送りを受け、「GRANDAYS」専用車は09時00分に西鉄グランドホテルを発車。
長浜にある福岡中央卸売市場の前やKBC(九州朝日放送)の裏手を通過し、天神北ランプから福岡都市高速道路に入ります。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 車窓_01

福岡都市高速から博多の街並みや福岡空港国際線ターミナルを眺めながら、バスは太宰府インターへ。
最前列の座席をアサインされたということもあり、前方の眺望を独り占めです。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 車窓_02

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 車窓_03

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 車窓_04

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 車窓_05

平日朝の九州自動車道は、車の量も多めです。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 車窓_06

09時38分 鳥栖ジャンクション通過 長崎自動車道へ

太宰府インターから九州自動車道に入ったバスは、10分程で鳥栖ジャンクションを通過。
ここからは長崎方面へと進路を変え、長崎自動車道を西進します。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 車窓_07 鳥栖JCTを通過

09時53分~10時03分 金立サービスエリアにて開放休憩

西鉄グランドホテルを発車して約50分、バスは長崎自動車道金立パーキングエリアにて開放休憩となりました。
「GRANDAYS」専用車はトイレが付いてないため、サービスエリア(パーキングエリア)でのトイレ休憩は貴重な時間。
殆どの乗客がバスを降りて、トイレや買い物などを済ませる・・・と思いきや、実際に下車したのは私と1組の女性参加者のみでした。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 金立サービスエリア

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 金立サービスエリアにて_01

バスも、しばしのひと休みです。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 金立サービスエリアにて_02

10時30分頃~12時00分頃 名尾手すき和紙を見学

10時03分、金立サービスエリアを発車したバスは、2分程で佐賀大和インターを流出。
川沿いの長閑な風景を眺めながら20分程走行し、最初の訪問地「名尾手すき和紙」(佐賀市大和町)に到着します。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 車窓_08

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 車窓_09

実際に製紙を始めたのは、今から300年以上前の江戸時代。
佐賀市大和町の名尾には、元禄時代に名尾の若者であった納富由助氏が、現在の福岡県八女市にて修行の後、製紙技術を村民に伝えることで広まったそうです。
最盛期には100軒以上の工房が軒を連ねる和紙の一大産地となりましたが、時代の流れと共に減少し、今では、「名尾手すき和紙」の工房を残すのみとなっています。
午前中は、この「名尾手すき和紙」の工房見学を行った後、カラフルな和紙の切れ端を用いてのうちわ作りを体験します。

「名尾手すき和紙」は、原料である梶の木の栽培から手漉きで和紙にするまでの全工程をこちらで行っています。

写真が、原料の梶の木です。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 名尾手すき和紙_02 梶の木_01

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 名尾手すき和紙_03 梶の木_02

通常、和紙の原料として使われるのは楮(コウゾ)という木ですが、「名尾手すき和紙」では名尾地区に自生する梶の木(カジノキ)を使用しています。
楮に比べて繊維が長く繊維同士が絡み合うため、薄手でも丈夫な紙ができるのが特徴とのこと。
そうした特徴を評価され、名尾手すき和紙の紙は、光を通すための薄さと、墨書きされても穴が空かない強度の両方が必要とされる提灯用の紙をはじめ、番傘、合羽、障子紙などに使われて来たそうです。

和紙作りに欠かせない、透き通るきれいな水です。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 名尾手すき和紙_04 透き通る水

工房へ移動し、行程を見学します。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 名尾手すき和紙_01

原料の梶の木は、春から秋へと成長し、1月に刈り取りします。
刈り取った梶の木を、すぐに大釜で1時間ほど蒸し上げ、熱いうちに手早く皮を剥ぎます。
剥いだ梶の木の皮を束ね、ひと月ほど吊るして乾かし、干し上がった皮は倉庫で保管。
保管しておいた皮を2日間程度水槽に浸けて戻し、50cm程度の長さに切り揃えた後、皮を大釜に入れ、約2時間煮ます。
大釜で煮た後、どろどろになった原料を水槽に入れ、約3日間晒します。
天日と地下水に晒されることで、白い梶の木の繊維が見えて来るそうです。
その後、打震機で1時間ほど打解。
鎌のような刃がついた撹拌機に繊維と水を入れ、10分ほどかき混ぜると、繊維が2~3cmの長さになり、綿のような原料が出来上がります。

そして、和紙作りにとってもうひとつ必要なのが「ネリ」。
トロロアオイを1年間以上水槽に浸けてできた「ネリ」を必要量取り出し、さらに叩いて粘りを出します。

こうして出来上がった原料とネリ、水を漉き舟に入れて調合。
そして、桁と呼ばれる木枠と目の細かい簾を使って水をすくい、縦横に揺らしながら紙を漉きます。


西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 名尾手すき和紙_02

漉き上がった紙は端をそろえて重ねられ、ジャッキを使って水分を落とします。
搾り終わった紙を1枚ずつ乾燥機に貼り付け、刷毛で空気を抜きながら乾かし、最後の紙の選別を行い、完成となります。

和紙の製作工程といえば、私を含め多くの方が「紙漉きの様子」を想像すると思います。
テレビの旅番組などの影響だと思いますが、実は多くの行程を経て作られていることに、只々驚かされた次第です。
「良いものを見させていただいた」というのが正直な感想でした。

この「名尾手すき和紙」ですが、古くから福岡の博多山笠や長崎の精霊流しの提灯に使用されている他、唐津くんちの曳山や日光東照宮の修復など、国宝級の建造物の修復用紙にも使用されており、数百年単位での仕事(受注)もあるとか。
とはいえ、後継者や製作道具の調達といった課題もある様で、特に製作道具については、部品毎に別々の職人・業者が製造しており、その製造に携わる職人の後継者問題が深刻だというお話もされていました。

工房の見学を終えたところで、隣接する直営店へ移動。
こちらで、カラフルな和紙を使ったうちわ作りを楽しみます。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 名尾手すき和紙_03

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 名尾手すき和紙_04

実際に作ってみましたが・・・センスがないですね(笑)。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 名尾手すき和紙_05

直営店では、和紙はもちろん、ポストカードや扇子、照明などのオリジナル製品を購入することが出来ます。

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 名尾手すき和紙_06

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 名尾手すき和紙_07

おや?これはどこかで見た様な・・・

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 名尾手すき和紙_08

これは、豊後竹田の名物「姫だるま」ではありませんか!

西鉄観光バス「GRANDAYS」 8545 名尾手すき和紙_09 姫だるま

「姫だるま」といえば、テレビ番組「水曜どうでしょう」(北海道テレビ)の企画「原付西日本制覇」でも登場し、以来大ブレイクしたことでも有名ですが、実はこの「姫だるま」の張子紙を「名尾手すき和紙」で制作しているとか。
知りませんでした。


約1時間半の見学を終え、次の目的地へ向かいます。

(次ページに続きます。)