西日本鉄道(本社:福岡市、以下:西鉄)が2019年秋に本格稼働を始めた新ツアーブランド「GRANDAYS(グランデイズ)」。
そのツアー専用バスについて、以前このブログや私が記事を寄稿している高速バス関連の情報配信サイト「バスとりっぷ」でご紹介しました。


「GRANDAYS(グランデイズ)」のツアーは、これまでに山口県「元乃隅神社」「角島大橋」「津和野」を巡るツアー(1泊2日)や、筑前の小京都「秋月」と高取焼・小石原焼の窯元を探訪する日帰りのツアー、「大牟田」の歴史と文化を味わう日帰りのツアーなどを催行して来ました。
しかしながら、募集定員の関係やコロナ禍の影響で中止になったツアーもあり、ここ暫くの間、「GRANDAYS(グランデイズ)」のツアーは催行されていませんでした。
ところが、2020(令和2)年5月下旬になって、新たなツアーの募集が始まります。
コロナ禍の影響で催行されるか気になっていましたが、7月分催行予定のツアーが6月下旬になって「催行決定」となり、「これは滅多にない機会だし、参加してみようかぁ。」ということで、「GRANDAYS(グランデイズ)」のツアーに参加して来ました。
今回はその時の模様をお届けします。
今回のツアーの行先は
「有田」と「波佐見」
そう、有名な磁器「有田焼」「波佐見焼」の産地を巡る日帰りのツアーになります。
今回ご紹介する写真や文章で、「豪華ラグジュアリーバスでの旅」の雰囲気を少しでも感じ取っていただけると幸いです。
※今回の記事は長いため、全8ページに分けています。
ツアーに参加するまで
とはいいつ、実はツアー催行の直前まで、参加するかどうか悩んでいました。
理由はいうまでもなく、新型コロナウイルスの感染拡大です。
「GRANDAYS(グランデイズ)」のツアー参加に際しては、前回の記事でご紹介した西鉄「はかた号」新型車両の体験乗車も兼ねていたのですが、ご存知の通り、2020(令和2)年7月上旬になって東京都での感染者数増加が顕著になって来たことから、「これは参加を見送った方が良いのでは」とも考えました。
しかし、当時の東京都の検査数に対する感染者率や重症者率が春先と異なり低かったこと、報道されている感染源に近づかなければこれまでの個人での感染症対策(マスク、手洗い、うがい、こまめな消毒、目口鼻を触らないことの徹底と、人混みをなるべく避ける、人との距離をこれまで以上に意識する)でいけると判断し、ツアーの参加を決めました。
ツアーの申し込みは西鉄旅行の公式サイトからインターネット経由で行い、入金は銀行振り込みという形で済ませました。
入金後、ツアーの行程表やパンフ類が自宅宛てに郵送されて来ますが、すぐに旅先へ向けて出発したため、行程表やパンフ類の受け取りは、出発直前に私が西鉄旅行の本社(バスハイクセンター)へ受け取りに伺うことで対応していただきました。(お忙しい中、ご対応いただきましてありがとうございました。)
中を開けてみると・・・確かに行程表と各種パンフ類が。
「GRANDAYS」専用車を解説している「GRANDAYS Concept Book」なるものも入っており、旅立ち前の高揚感がさらに高まって来ます。
旅の始まりは由緒ある老舗ホテルから
旅の当日。
やって来たのは、福岡天神から少し離れた西鉄グランドホテルです。
開業50周年を迎えた由緒ある老舗ホテルから「GRANDAYS」のツアーは始まります。
以前のツアーは、西鉄天神高速バスターミナルや博多バスターミナルが出発地でしたが、今回のツアーから出発地が変更されました。
ツアー参加者は、ホテル1階の専用待合所「グランエチュード」にてバスの到着を待ちます。
バス到着までの間、後述の車内コンシェルジュ「グランレディ」が持って来てくれたコーヒーを飲んでくつろぎます。(もちろん無料です。)
08時10分頃 乗車開始
08時10分頃、ホテル玄関前に「GRANDAYS」専用車が到着。
2019年冬に「バスとりっぷ」の取材でお目にかかって以来、約半年ぶりの再会です。
改めて見てみますが、ゴールドを基調とした気品のある車体デザインが遠くからでも目立ちますね。
早速乗車です。
イメージ画像になりますが、車内はこの様になっております。
西鉄「GRANDAYS」専用車の詳細は、「バスとりっぷ」様にて記事を寄稿しておりますので、宜しければ下記リンクにてご確認いただけると幸いです。
自席には、クッションとブランケットの他に、手書きのメッセージカードが添えられていました。
この様なちょっとした心遣いは嬉しいですね。
シート間の調光式テーブルライトや天井の間接照明が、落ちついた雰囲気を醸し出しています。
実は今回のツアー、「再始動」の第一弾として位置づけられており、各種サービスの見直し及びグレードアップが図られています。
『西鉄グランデイズがグレードアップして再始動!』(西鉄「GRANDAYS」特設サイト)
詳細は上記リンクにてご確認いただくとして、車内コンシェルジュ「グランレディ」の添乗や出発場所の変更と共に挙げられているのが、新型コロナウイルス感染拡大防止の対策。
「GRANDAYS」専用車も、新型コロナウイルス対策に万全を期しています。
【主な新型コロナ感染症対策】
・座席使用制限:なし
※座席は事前指定
※シートピッチは160cmで通常の観光バスの約1.8倍
・車内消毒液設置:あり
※各座席にアルコール消毒液と除菌ウェットティッシュを配置
・運転席回りのビニール製カーテン設置:なし
・運行終了時の車内消毒:実施
・エアコンの外気導入:実施
メーカー公式【日野自動車】「日野セレガ」の車内空調について
・休憩時の車内換気:実施
・その他:
内装に「ハイブリッド触媒ラーフエイド」施工を実施
(ハイブリッド触媒ラーフエイドの詳細についてはこちら)
乗務員・添乗員・グランレディのマスク着用
自席にも、携帯用アルコール消毒液と除菌ウェットティッシュが置かれていました。
車窓を見ながら有田地区へ・・・
08時25分 西鉄グランドホテル発車
関係者の見送りを受け、08時25分に「GRANDAYS」専用車は西鉄グランドホテルを発車。
10分程市街地を走行し、天神北ランプから福岡都市高速道路に入ります。
左手には博多港が。
そして、さらに進むと福岡空港国際線ターミナルが見えて来ます。
ウェルカムドリンク(アイスコーヒー)をいただきながら、流れゆく車窓を楽しみます。
以前のツアーでは、添乗員がドリンクの提供などを行っていましたが、今回のツアーからはグランレディがその役割を担います。
いただいたウェルカムドリンク(アイスコーヒー)をいただきながら、流れゆく車窓を楽しむ・・・高速バス車内から見る風景とはまた違った様に見えるのは、気のせいでしょうか。
09時03分 鳥栖ジャンクション通過 長崎自動車道へ
太宰府インターから九州自動車道に入ったバスは、10分程で鳥栖ジャンクションを通過。
ここからは長崎方面へと進路を変え、長崎自動車道を西進します。
09時20分~09時30分 金立パーキングエリア<下り線>停車(開放休憩)
西鉄グランドホテルを発車して約1時間、バスは長崎自動車道金立パーキングエリア<下り線>にてトイレ休憩(開放休憩)となりました。
「GRANDAYS」専用車はトイレが付いてないため、サービスエリア(パーキングエリア)でのトイレ休憩は貴重な時間。
殆どの乗客がバスを降りて、トイレや買い物などを済ませていました。
バスもしばしのひと休みです。
10時09分 波佐見有田インター流出
トイレ休憩を終えたバスは、さらに長崎自動車道を西進。
グランレディから絶妙なタイミングで出された口直し(チョコレート類)をいただきながら、車窓を楽しみます。
武雄ジャンクションを通過したバスは、進路を長崎自動車道から西九州自動車道へ。
そして、10分ほど経過した10時09分に波佐見有田インターを通過。
波佐見有田インターで西九州自動車道を出たところで、有田観光協会のガイドさんと合流します。
いよいよ有田・波佐見地区の散策がスタートです。
世界的にも有名な「有田焼」の産地を散策
車内にて観光協会のガイドさんが挨拶した後に、佐賀県有田町についての簡単な説明と、今春の有田陶器市がコロナにより(中止ではなく)延期されたこと、代わりに「WEB陶器市」を実施したところ約47万のアクセスがあったとのことなどの説明がありました。
説明が終わると、間もなくして最初の訪問地に到着します。
ブラタモリにも登場した泉山磁石場
最初に訪れたのは、国指定史跡としても知られている泉山磁石場です。
17世紀初頭、朝鮮人陶工・李参平が磁器の原料である「陶石」を発見した場所で、「磁器発祥の地」ともいわれています。
日本の磁器生産に関わる遺跡として国の史跡にも指定されました。
約400年間掘り尽くしたとされる山は扇形に削り取られ、鋭利な岩肌が剥き出しとなっています。
遠くから見ても、迫力がありますね。
現在は休鉱中で採掘されていませんが、磁石場が見学できる公園となっています。
2018年10月に放送された「ブラタモリ#116 有田焼~なぜ“世界の有田焼”になった?~」(NHK総合)にも登場した場所ですので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
因みに、有田焼の原料となる「陶石」、かつては先述の泉山磁石場から採掘された陶石を使用していましたが、現在は天草(熊本県)の陶石が用いられているとのことでした。
こちらの紹介パネルも、泉山磁石場から採掘された陶石を用いて作られているそうです。
内山地区で散策とティータイム
続いて訪れたのは、伝統的建築物が立ち並ぶ内山地区。
こちらでガイドによる散策とティータイムを楽しみます。
内山地区では、「トンバイ塀のある裏通り」を散策。
トンバイ塀とは、登り窯を築くために用いた耐火レンガ(トンバイ)の廃材や使い捨ての窯道具を赤土で塗り固め作った塀のことですが、まあ、趣のある面白い裏通りでした。
ですが、私的には、こちらの建物が一番興味深かったですね。
かつて有田町長にも就任し、日本特殊陶業初代社長や日本碍子社長、東洋陶器(現 TOTO)社長・会長を務められた江副孫右衛門(えぞえ まごえもん)氏の旧家です。
有田では有名な方らしいですが、あの有名企業のトップを務められた方の旧家がこの場所にあったとは・・・。
第百十二代霊元天皇の時代から皇室(宮内庁)御用達の窯元として知られている辻精磁社も、こちらのエリアにあります。
「トンバイ塀のある裏通り」での散策を終え、少し移動。
有田焼の伝統に「モダン」「スタイリッシュ」の特徴を取り入れた「ARITA PORCELAIN LAB(アリタポーセリンラボ)」のショップに併設されているカフェにて、ティータイムとなりました。
好きな色のカップを選択し、飲み物を注文。
散策で多少汗をかいたということもあり、アイスコーヒーを注文しました。
カップもおしゃれですね。
ショップも覗いてみました。
これまで見て来た有田焼とは一線を画す「モダン」「スタイリッシュ」な器が並びます。
「ARITA PORCELAIN LAB(アリタポーセリンラボ)」公式サイト
バスに戻る道のりでは、この様な建物も。
有田焼を取り扱う有名な商店とのことでした。
370年以上の歴史を誇る「柿右衛門窯」の工房を特別見学
ティータイムが終わったところで、次に向かったのは、370年以上の歴史を誇り、有田焼を代表する窯元のひとつである柿右衛門窯。
その製陶技術は国の重要無形文化財にも指定されていますが、今回のツアーでは、普段立ち入ることが出来ない工房を特別見学しました。
「柿右衛門」「柿右衛門様式」についてはこちらの公式サイトにて詳しく書かれていますので、詳細な説明は省きますが、非対称で乳白色の余白が豊かな構図が特徴の柿右衛門様式の器類は、一つ一つ手作りで作られます。
作品自体は「酒井田柿右衛門」名義となりますが、実際の工房は「細工場」「絵書座」「仕上場」など、作業工程によって部屋が分かれており、約40人の職人による完全分業制をとっているそうです。
18歳位で入工すると定年までずっとその作業を極めるらしく、だからこそ高品質の焼き物を作り続けられるんだとか。
凄い世界ですよね。
因みに、当代の窯主である「酒井田柿右衛門」は十五代目だそうですが、先述の通り、工房が完全分業制をとっているため、実際の窯主の役割はどちらかというと「製作チームの統括者(プロデューサー)およびデザイナー」として考えた方がより実像に近いのかもしれません。
残念ながら、工房内は撮影禁止のため、画像をアップすることは出来ませんが、張り詰めた空気の中で黙々と作業をする職人の姿が印象に残りました。
こちらは、「素焼き」「本焼き」用の窯です。
燃料として使用する薪は、油分が多く焼き上がりが良いアカマツを使用しているそうです。
その後、展示場・参考館も見学(こちらも撮影禁止)。
またひとつ知を得た時間でもありました。
因みに、柿右衛門窯の作品はJR九州の豪華クルーズトレイン「ななつ星」の洗面鉢に採用されており、この洗面鉢(先代14代目酒井田柿右衛門の遺作)も館内に展示されていました。
展示場・参考館と「GRANDAYS」専用車です。
絵になりますね。
波佐見焼の器と創作料理を堪能
柿右衛門窯の見学を終えたツアー一行は、有田町に別れを告げ、長崎県波佐見町へ。
これまで案内していただいたガイドさんも、波佐見有田インターにてお別れとなりました。
波佐見町に入ったところで、昼食の時間となりました。
昼食は、ショップが併設されたレストラン「koyane」にて創作料理を堪能。
器も美しく、料理も味が上品で品数も豊富。
満足のいく食事でございました。
午後は波佐見地区を散策
美味しい料理で満足したところで、波佐見地区を案内する現地ガイドと合流。
午後は波佐見地区の散策です。
バスでの移動途中では、日本の棚田百選にも選ばれている「鬼木の棚田」を遠くに見ることが出来ました。
棚田とは、山の斜面や谷間の傾斜地に階段状に作られた水田のこと。
日本では、山がちのところでは比較的多くみられる水田形態だそうですが、我が地元北海道では殆ど見られない風景だけに、思わずシャッターを切ってしまいました。
波佐見焼の陶郷「中尾山地区」
まず訪れたのは、波佐見焼の陶郷として有名な中尾山地区です。
先程ご紹介した有田焼が高級志向の強いものであるのに対して、波佐見焼は庶民志向のものを大量生産するのが特長だそうですが、その波佐見焼の窯元が多く残っているのが、この中尾山地区であります。
いくつもの煙突が並ぶ街並みが、どことなく懐かしさを与えてくれますね。
街全体の風景写真右奥の階段状のものに注目です。
こちらは、国指定史跡にも指定されている世界第2位の巨大登窯「中尾上登窯跡」になります。
「登り窯」とは、陶磁器を大量に焼成するために、下方に設けた焚き口で薪を燃やして発生した熱が、傾斜地を利用して上方へ伝わる所に部屋を作り、陶器を焼成する仕組みの窯のことですが、この窯の長さは実に160メートルにも達し、窯室は33室もあったそうですよ。
坂を下る形で街を散策します。
この長閑な雰囲気、何処となく落ち着きます。
写真ではご紹介出来ませんが、途中、複数のカンナを用いたデザイン彫りが特徴の「一真窯」の作業工程も見学しました。
多くの種類のカンナを使って、職人が一つ一つ手彫りしていく姿は、まさに「職人」。
シンプルながらも、彫り方一つで多彩のデザインを生み出す工程に、只々驚くしかありませんでした。
一真窯の食器は、JR九州の観光列車「或る列車」でも採用されているそうですよ。
さらに坂道を下っていきます。
もう1箇所お伺いした窯元では、型に陶器の原料を流し込む体験と絵付けの体験が出来るようになっていました。(窯元の名前を忘れてしまいました。申し訳ありません。)
私は汚れると困る服装で参加していましたので、体験には参加しませんでしたが、外国人のツアー参加者1名が緊張しながら楽しそうに作業をしていたのが印象に残りました。
西の原エリアではストラップ作りの体験も
中尾山地区の散策を終えた我々ツアー一行が次に向かったのは、最近オシャレなスポットとして人気を集めている「西の原エリア」です。
以前は窯元が営む製陶所だったそうですが、現在はその趣のある建物を生かして、雑貨店やカフェ、多目的スペースなどに生まれ変わっています。
個性が光ショップが軒を並べているということで、人気を集めているエリアだそうです。
こちら西の原エリアでは、散策を楽しんだ後に、生活道具のお店南倉庫の2階で、お土産用のストラップを作りました。
材料はこちら。
紐一本とビーズ4個(大小各2個)、そしてキューブ状の飾り1個とシンプルです。
作り方は簡単。
紐を2つ折りにして、折り目側下4cm位のところに結び目を作った後、“ビーズ(大)-ビーズ(小)-キューブ状の飾り-ビーズ(小)-ビーズ(大)”の順に、パーツを紐に通していきます。
そして、最後に下側に結び目を作って完成です。
この様な感じになります。
早速、スマートフォンケースに取り付けてみました。
その後、20分程の自由時間があり、各自散策や買い物などを楽しみます。
そして、波佐見地区を案内していただいた現地ガイドの方とは、こちらでお別れとなりました。
(次ページに続きます。)



