一畑バス「みこと号」の乗車から始まった「西日本エリアJR高速バス乗り放題きっぷ」を使った旅。
広島市内で広島電鉄の路面電車を撮影したり、
中国JRバス「めいぷるループ」に乗車したりして、しばしの時間を過ごします。
山陽と北陸を乗り換えなしで結ぶ「百万石ドリーム政宗号」
広島からは、以前から乗車したかった夜行高速バスで、一気に北上します。
その夜行高速バスとは・・・中国JRバス(本社:広島市)と西日本JRバス(本社:大阪市)が共同で運行する広島・岡山~福井・金沢・富山間夜行高速バス「百万石ドリーム広島号」です。
「百万石ドリーム広島号」の運行開始は、2019(令和元)年12月13日。
同様のコンセプトで登場した「北陸ドリーム四国号」(高知・高松・徳島~福井・金沢・富山)に続き、関西地区の大都市である京都・大阪・神戸を完全にスルーして山陽地方と北陸地方を結んでいるのが特徴です。
北陸と中国地方両地域の交流促進および観光需要増大などにも期待がかかる路線として登場しました。
意表を突いた区間設定に、3列クレイドルシートを装備する「グランドリーム」仕様車の充当・・・以前から注目しておりました。
11時間後の北陸金沢へ向けて・・・
やって来たのは、広島市中心部の紙屋町にある広島バスセンター。
そごう百貨店の建物内3階に位置します。
「百万石ドリーム広島号」は、広島バスセンターの一番先端「1番のりば」から発車します。
乗車したのは、広島駅新幹線口19時45分発の福井・金沢・富山行き「百万石ドリーム広島2号」。
本来であれば、終点の富山駅まで乗車するべきなのでしょうが、今回は時間の関係から、途中の金沢駅(金沢港口)までの乗車となりました。
当然のことながら、今回の乗車も「西日本エリアJR高速バス乗り放題きっぷ」を利用。
夜行路線に関しては利用出来る路線が限られていますが、幸いにも「百万石ドリーム広島号」は対象路線として指定されているのです。
車両は、中国JRバス広島支店所属の641-8969号車(いすゞガーラHD 2RG-RU1ESDJ)。
2018年式の「グランドリーム」仕様車になります。
気になる車内の様子は・・・
19時41分、バスが入線。
早速改札を受け、車内に入ります。
車内は、「グランドリーム」専用クレイドルシートを配置した、3列独立シート28人乗り夜行高速仕様となっています。
全席一人掛け、通路カーテンの設置など、シートモケットを含めた車内仕様は、共同運行の西日本JRバス便の車両に準じています。
シートは、「グランドリーム」用に開発された専用のクレイドルシート。
シート幅は46.5cm、リクライニング角度は138°を誇ります。
また、各座席にはコンセントやドリンクホルダーを完備しています。
フルリクライニングすると、この様になります。
もちろん、レッグレストや一体型フットレストも完備しています。
トイレは、車内中央部の階段を下りた突き当たりにあります。
いざという時に嬉しい設備です。
使用時は、中からロックします。
以上、「百万石ドリーム広島号」の車内を簡単に紹介しましたが、「グランドリーム」仕様車ならではのハイグレードな車内が特徴といったところでしょうか。
約12時間の移動時間を快適に過ごせられそうです。
新型コロナ対策について
今回乗車した便の新型コロナウイルス対策は、以下の通りです。
【主な新型コロナ感染症対策】(乗車当時のものです。)
・座席使用制限:なし
※全席通路カーテン付き。
・車内消毒液設置:あり
・運転席回りのビニール製カーテン設置:あり
・運行終了時の車内消毒:実施
・エアコンの外気導入:実施
メーカー公式【いすゞ自動車】バスの室内空調の操作方法について
・休憩時の車内換気:実施
・その他:
車内抗菌処理実施済み
プラズマクラスターイオン発生装置を設置
乗務員のマスク着用 など
途中休憩は3回 乗務員交代も2回実施!?
19時45分 広島バスセンター発車
19時45分、定刻に広島バスセンターを発車したバスは、10分程走行した広島駅新幹線口にて乗車扱いを行います。
と、ここで、乗務員がわざわざ私が着席している座席にやって来ます。
「何かなぁ・・・」と思いきや、乗務員からこの様なお言葉が。
「ご乗車ありがとうございます。この便ですが、現在のところご予約がお客様お一人のみとなっております。何かございましたら、ご遠慮なくお申し付けください。」
そう、今乗車しているこの便、なんと、私1人の貸切だというのです。
ローカル路線バスや昼行高速バスで私1人の貸切状態というのは何度か経験がありますが、夜行高速バスでの貸切状態というのは、数ある夜行高速バスの乗車経験がある私でさえ、一度も経験がありません。
このコロナ禍で全国的に高速バスの利用が激減しているとはいえ、「寂しい」というより「わざわざ運行していただいて申し訳ない」という気持ちが先に来てしまいました。
広島駅新幹線口を発車したバスは、 間所ランプから広島高速へ。
8分程走行し、広島東インターから山陽自動車道に入ります。
21時00分~21時10分 八幡パーキングエリアにて開放休憩
「百万石ドリーム広島号」は、運行距離が長く、かつ全区間ワンマンにて運行されることから、途中の開放休憩が3回と多めに設定されていいます。
1回目の休憩場所は、山陽自動車道の八幡パーキングエリア。
トイレ、自動販売機はもちろん、コンビニやレストランもあり、供食施設が充実しています。
停車後、乗務員が人数確認を実施してからドアを開放するという、中国JRバス独自のスタイルも健在。
こちらでは、10分間停車しました。
22時40分 岡山駅西口発車
1回目の休憩を終え、八幡パーキングエリアを発車したバスは、山陽自動車道を東へ。
1時間程走行した岡山インターにていったん高速道路を降り、岡山市内へと向かいます。
22時30分、バスは岡山駅西口に到着。
こちらで最後の乗車扱いを行いますが、乗車する客はおらず、結局目的地まで私1人の貸切状態が確定しました。
22時40分、バスは定刻に岡山駅西口を発車。
来た道を戻り、岡山インターから再度山陽自動車道に入り、この先の京都南インターまで高速道路をひた走ります。
23時10分~23時20分 瀬戸パーキングエリアにて開放休憩
2回目の休憩場所は、山陽自動車道の瀬戸パーキングエリア。
こちらのパーキングエリアも、トイレ、自動販売機はもちろんのこと、売店やレストランもあり、施設が充実しています。
瀬戸パーキングエリアでは、23時10分から10分間停車しました。
23時25分 消灯
2回目の休憩を終え、瀬戸パーキングエリアを発車したバスは、5分後の23時25分に消灯となります。
ここから先、乗客は翌朝の北陸自動車道南条サービスエリアでの開放休憩まで下車することが出来ません。
そして、バスはこの先、三木サービスエリアにて乗務員休憩や道路情報確認のために停車した後、京都南インターでいったん高速道路を降りて西日本JRバス京都営業所へ。
こちらで、中国JRバスの乗務員と西日本JRバスの乗務員が交代します。
乗務員交代を終え、西日本JRバス京都営業所を発車したバスは、京都南インターから再度名神高速道路へ。
多賀サービスエリアにて乗務員休憩や道路情報確認のために停車した後、名神高速道路から北陸自動車道を経由して福井・金沢・富山へと向かいます。
本来であれば、西日本JRバス京都営業所での乗務員交代の様子を窓越しから見る予定でしたが、消灯後シートを倒して目を瞑るなり、いつしか夢の中へ。
翌朝の南条サービスエリア到着まで目を覚ますことはありませんでした。
04時25分~04時50分 南条サービスエリアにて開放休憩
3回目の休憩場所は、北陸自動車道の南条サービスエリア。
トイレ、自動販売機はもちろんのこと、売店やレストランもあり、施設が充実していることでも有名なサービスエリアです。
こちらでは、04時25分から25分間と長めの停車になりました。
バスもラストスパートに向けてひと休みです。
06時56分 金沢駅(金沢港口)到着
南条サービスエリアを発車したバスは、北陸自動車道を北上。
目的地到着まで、あと少しです。
05時18分、福井インターを通過。
10分弱走行し、05時26分に福井駅東口に到着します。
乗客が私1人なので降車客がいないことは分かっていますが、それでも通過せずに停車していくあたり、JRバスならではの丁寧さが感じられます。
再度福井インターから北陸自動車道に入り、やがて夜が明けて来ます。
左手には、美しい風景が車窓一面に広がります。
この風景を眺めるだけでも、北陸自動車道経由の高速バスに乗る価値があるのでは?と思うのは私だけでしょうか。
この後、バスは北陸小松(小松インター)、松任海浜公園(徳光パーキングエリア)に停車。
そして、06時56分、バスは定刻よりも5分早く金沢駅西口(金沢港口)に到着しました。
おりばには、西日本JRバスの交代乗務員が待機。
この先、富山までの乗客がいる場合は、こちらで乗務員交代を行って終点富山駅まで運行するのですが、今回は唯一の乗客である私が金沢駅までの乗車であったため、私の降車後に車内の点検を乗務員2名で行い、車庫(西日本JRバス金沢営業所)へと回送されていきました。
コロナ禍後に生き残ることは出来るのか・・・
以上、中国JRバス「百万石ドリーム広島号」の乗車記をお届けしました。
近年において久しぶりの長距離夜行路線の新設であること、そして大都市をスルーした「地方対地方」の路線であるということから、運行開始以降、今回の乗車を楽しみにしておりました。
実際に乗車してみての感想ですが、山陽地方と北陸地方を乗り換えなしで移動出来る利便性の良さは感じ取ることが出来ました。
ひと眠りすれば目的地という、時間を有効的に使える夜行高速バスの良さを生かした路線であることも分かりました。
乗務員不足や採算面などで長距離夜行路線の新設が難しいといわれる昨今、東阪間「ドリーム号」から受け継がれている「乗り継ぎワンマン方式」による運行が可能なJRバスグループだからこそ実現出来た路線であることも、実際に乗車してみて分かりました。
一方で心配になったのが、「この路線はコロナ禍後に生き残ることが出来るのか」ということでした。
この路線に限ったことではありませんが、全国的に高速乗合バスの大幅な利用減、収入減が叫ばれております。
現在において運休を続けている高速路線がそれなりに多いことを考えると、6月の緊急事態宣言解除後、今日に至るまで運行を続けている点においては頭が下がる思いなのですが、果たして実際にそこまで利用者がいるのかどうか、今回のコロナ禍(コロナ騒動)をきっかけに運行終了ということになりはしないか・・・今回の乗車の模様を含め、とても気になりました。
仮に、今回のコロナ禍(コロナ騒動)が今後続く(=収まりの見通しが立たない)となれば、残念ながら大幅な路線の改廃は避けられません。(実際に、11月に開催された某オンラインセミナーでも、中国JRバスの社長がその様なことを仰っていました。)
「百万石ドリーム広島号」の運行も継続出来るのかどうか・・・心配でなりません。
まずは、「百万石ドリーム広島号」がコロナ騒動を乗り越えて今後も運行を続けていくのか、それとも短期間で運行を終了するのか・・・当分の間はこの点に注目して見ていきたいと考えています。
利便性が良い路線であることには間違いありませんので、所用などで利用する機会がありましたが、是非とも利用してみてはいかがでしょうか。
最後に。
何度も書いていますが、とにかく今回のコロナ禍(コロナ騒動)が一刻も早く収束し、都市内交通、都市間交通の賑わいが少しでも戻ることを切に願ってやみません。
今はむやみに出かける・・・というわけにはいきませんが、感染拡大防止に気を配りながら、出掛けられる時には高速バスのみならず公共交通機関を利用して出かけたいものです。
【乗車データ】
- 乗車日:2020/10/17
- 乗車区間:
広島バスセンター→金沢駅(金沢港口) - 運行会社:中国JRバス
- 車両:いすゞ/ガーラHD(2RG-RU1ESDJ)
- 年式:2018年式
- 所属:広島支店
- 社番:641-8969




