弘南バス「スカイ号」乗車記【札幌~博多間 日本縦断 高速バスだけの旅 南下編】
前回、北海道中央バスの札幌~函館間都市間バス「高速はこだて号」夜行便に乗車した時の模様をお届けしましたが・・・
函館に到着後、しばし函館駅周辺で時間を潰し、更に南下、首都「東京」へと向かいます。
今回はその時の模様をご紹介。
『札幌~博多間 日本縦断 高速バスだけの旅』南下編(札幌→博多)の2日目です。
早朝の北海道から「あのバス」に乗り継ぐためには・・・
前回の記事でもご紹介しましたが、「高速はこだて号」夜行便から北海道新幹線に乗り継ぐ場合、一番乗り換えが楽なのは、いうまでもなく新函館北斗駅で下車する方法です。しかしながら、新函館北斗駅に到着するのは、定刻で早朝の04時20分。
対して、新函館北斗駅が開くのは、約1時間後の05時30分過ぎ。
つまり、1時間以上の間、寒い外で駅が開くを待っていなければなりません。
新幹線の始発電車は、新函館北斗駅06時39分発の東京行き「はやぶさ10号」。
さらに、新函館北斗駅の周辺は、コンビニもなければ何もなく、外で待つにはかなり厳しい場所でもあります。
多少お金はかかりますが、函館駅前ターミナルまで乗り通しましょう。
函館~新函館北斗間のJR運賃(片道440円)が余分にかかりますが、バス車内での睡眠時間が(若干ですが)長く確保出来ますし、新幹線乗車前に函館朝市にて早めの朝食を摂ることも可能ですので、一石二鳥です。
で、本題。
この日は、函館から鉄道を乗り継いで青森県まで移動後、「あるバス」に乗車して東京まで向かうのですが、そのバスとは・・・・ 弘南バスが運行する日本最長昼行高速バス「スカイ号」(上野~弘前・青森)です。
一見、北海道新幹線を利用すれば、このバスに間に合うと思いがちですが、通常の乗り継ぎ方法(函館~新函館北斗~新青森~青森)では、どうあがいても「スカイ号」の青森駅前発車時刻(08時00分)に間に合いません。
先述の通り、北海道新幹線の始発電車は、新函館北斗06時39分発の東京行き「はやぶさ10号」です。
「はやぶさ10号」が新青森に到着するのは、07時41分。
接続する奥羽本線青森行き電車の新青森発車は07時49分で、この電車の青森到着が07時55分。
「スカイ号」の青森駅前発車時刻(08時00分)に間に合わないことはありませんが、余程全力で走らない限り、間に合うことはほぼ不可能です。
ところが、実は、始発の北海道新幹線に乗車しても、「スカイ号」に間に合う方法があるのです。
その方法とは・・・
新青森に到着後、弘前へ先回りするという方法
です。
どういうことか。
「はやぶさ10号」の新青森到着後、奥羽本線の普通電車に乗車はするのですが、乗車するのは「青森行き」の電車ではなく、反対方向の「弘前行き」電車に乗車します。
この電車で弘前へ先回りするのです。
弘前行き電車の新青森発車時刻は08時02分。
この電車に乗車すると、弘前には08時39分に到着します。
弘前駅から「スカイ号」が発車する弘前バスターミナルへは、徒歩5分程で移動出来ますので、「スカイ号」弘前バスターミナル発車時刻の09時20分に十分間に合うのです。
というわけわけで、今回私は、
JR函館本線「はこだてライナー」~北海道新幹線「はやぶさ10号」~奥羽本線弘前行き普通電車
というルートで弘前へ向かいました。
「はこだてライナー」は、同列車専用のJR北海道733系電車。
普段私が生活する札幌圏ではお馴染みの電車ですが、外装及び内装が一部異なっており、「北海道」を意識した車両になっています。
そして、北海道新幹線「はやぶさ10号」は、数少ないJR北海道H5系新幹線電車による運行。
外観こそJR東日本E5系新幹線電車と同じですが、富良野のラベンダーをイメージした外観が特徴です。
旅の始まりは弘前一のバスターミナルから
やって来たのは、JR弘前駅から徒歩5分程の場所に位置する弘前バスターミナル。イトーヨーカドー弘前店1階に入居する同バスターミナルは、弘南バスの基幹バスターミナルであり、東京(品川・浜松町)~弘前・五所川原間夜行高速バス「ノクターン号」の発着地としても有名です。
待合室はもちろん、立ち食いそば屋や売店もあり、往年の昔懐かしいバスターミナルの姿が残っています。
高速バス「スカイ号」は、弘前バスターミナル2番のりばから09時20分に発車します。
今回乗車した車両は、弘南バス弘前営業所所属の991号車(三菱エアロエース QTG-MS96VP)。
弘南バス高速路線カラーを纏ったハイデッカー車になります。
聞くところによると、青森発着の路線であるのも関わらず、バスは毎日弘前から青森へ回送しているとのこと。
2名乗務とはいえ、弘前~青森間を回送するとは・・・ご苦労様です。
(写真は僚車の992号車です。)
バスは09時10分頃に入線。
青森から乗車した乗客は、こちらでトイレ休憩となるため、休憩で下車する乗客を降ろしてからの改札になります。
乗務員の改札を受け、早速車内に入ってみます。
「スカイ号」の車内を改めて紹介
車内は、4列シート36人乗りの昼行高速仕様になっています。トイレは車内後部に設置。
また、乗務員休憩席が車内最後部に4席分設けられています。
座席は、メーカー標準のハイグレードタイプを搭載。
各座席にはテーブルとコンセントを完備しています。
なお、車内ではブランケットの貸し出しサービスを行っています。
必要な方は、交代乗務員に申し出ると手渡ししてくれます。
途中休憩は3回 昼食休憩も
09時20分 弘前バスターミナル発車
バスは、09時20分定刻に弘前バスターミナルを発車。
弘南バス独特の自動案内放送の後、交代乗務員から自己紹介と補足説明が行われます。
その間、バスは一般道を大鰐弘前インターへ。
雪はあるものの、この時期にしては雪の量が少ない印象を受けます。
一般道を20分程走行し、09時40分、バスは大鰐弘前インターから東北自動車道へ。
この先は、東北自動車道を首都圏へ向けてひた走ります。
路面はアイスバーン状態ですが、乗務員は難なくバスを走らせます。
外は一面の銀世界。
ですが、こちらもこの時期にしては雪の量が少ない気がします。
南下するにつれ、雪の量も少なくなっていきます。
11時26分~12時00分 紫波サービスエリアにて1回目の開放休憩
11時11分、盛岡インターを通過し、その15分後の11時26分、バスは最初の休憩場所である岩手県の紫波サービスエリアに到着しました。
「スカイ号」は、途中3箇所~4箇所のサービスエリアで開放休憩を行いますが、上り便(上野行き)と下り便(弘前・青森行き)で休憩場所が若干異なり、上り便は紫波サービスエリア、国見サービスエリア、佐野サービスエリアの3箇所で開放休憩を行います。
これら3箇所の休憩場所といえば、現在の「ノクターン」「津輕号」やかつての「ラ・フォーレ号」と同じ休憩場所(乗務員交代場所)。
水曜どうでしょう「5周年特別企画 札幌~博多3夜連続深夜バスだけの旅」でも登場しましたね。
あの時の「ラ・フォーレ号」は、途中の休憩停車が乗務員交代のみで、乗客は下車することが出来なかったと記憶しています。
こちらでは、昼食休憩も兼ねて30分以上の停車となりました。
「スカイ号」では、運行時間が昼食時間帯にかかるため、この様に昼食休憩として眺めの開放休憩が1回設けられています。
上り便では、こちらの紫波サービスエリアで実施されますが、下り便は
那須高原サービスエリアで実施するとのことでした。
岩手の美味しいものといえば、「冷麺」と「じゃじゃ麺」を思い浮かべる私。
今回は、じゃじゃ麺とミニ牛丼のセットをいただきました。
「スカイ号」も、しばしひと休みです。
12時00分、乗客が全員揃ったところでバスは紫波サービスエリアを発車。
東京へ向けて東北自動車道を南下していきます。
14時12分~14時27分 国見サービスエリアにて2回目の開放休憩
2回目の休憩場所は、紫波サービスエリアから2時間程走行した宮城県の国見サービスエリア。
こちらでは、15分間の休憩停車となりました。
国見サービスエリアは、2018(平成30)年の秋から大規模な改修工事を行っており、現在もその工事の真っ只中。
トイレや売店などは、仮設の建物にて営業しています。
「スカイ号」の隣には、仙台発東京行きの「WILLER EXPRESS」が停車していました。
バス入口付近には、この様な貼り紙が。
まあ、仕方がないですね。
私も、ありがたく使わせていただきました。
14時27分、乗客が全員揃ったところで、バス発車。
引き続き東北自動車道を南下していきます。
青森から岩手にかけての区間は一面の銀世界でしたが、こちらに来ると流石に雪がありません。
暖かい場所に来たことを実感します。
16時57分~17時10分 佐野サービスエリアにて3回目(最後)の開放休憩
3回目(最後)の休憩場所は、国見サービスエリアから2時間半程走行した栃木県の佐野サービスエリア。
こちらでは13分間の開放休憩となりました。
この時間にもなると、日は沈みかけ、夕焼けに照らされるバス車体が美しく映える時間帯でもあります。
17時10分、バスは佐野サービスエリアを発車。
終着の上野駅前へ向けてラストスパートです。
18時30分 上野駅前(東北急行バスのりば)到着
17時47分、浦和本線料金所を通過。
その後も順調に進み、17時52分に首都高川口料金所を通過、18時01分に扇大橋ランプを流出します。
そして、一般道を走行すること20分ほど経過した18時30分、バスは定刻よりも20分早く終点の上野駅前(東北急行バスのりば)に到着しました。
バスツアー気分が楽しめる高速バス「スカイ号」
今回、約2年ぶりの「スカイ号」の乗車でしたが、途中の開放休憩のおかげか、長時間運行にもかかわらず、思っていたよりも疲れを感じずに済みました。とても昼間に9時間もバスを乗り通したとは思えない程、降車した時の身体は至って軽やかでした。
長距離昼行高速バスにおける途中休憩の重要性を、改めて実感するのでありました。
一方で、今回の乗車、平日にもかかわらず乗車率が高かったのに驚いたのもまた事実。
私が見た限り、窓側座席は全て埋まっており、通路側座席も所々埋まっていたという状況でした。
恐らくですが、乗車率は60%を超えていたのではないかと。
キャンペーン運賃(片道3,800円)の期間中とはいえ、この数字は中々のものではないでしょうか。
採算面の不安はありますが、路線のPR目的であれば、期間を限定してのキャンペーン運賃の導入はアリだと私は思います。
前回(2年前)は、「バスとりっぷ」様の取材乗車という形で利用しました。
乗車体験記にも書きましたが、この「スカイ号」は、長距離走る昼行高速バスというよりは、「高速道路を走破する日帰りバスツアー」に近い感覚が楽しめるバスだと思います。
- 時間はかかっても良いので、とにかく安く移動したい
- でも、夜行バスは体質的に寝られないので、できれば利用したくない
今回も楽しい「スカイ号」の旅でございました。
機会があれば、また乗車してみたいですね。
【乗車データ】
- 乗車日:2020/02/19
- 乗車区間:
弘前バスターミナル→上野駅前(東北急行バスのりば) - 運行会社:弘南バス
- 車両:三菱/エアロエース(QTG-MS96VP)
- 年式:2016年式
- 所属:弘前営業所
- 社番:32802-3
【お知らせ】
「スカイ号」のご予約・ご購入はこちらのサイトでも受け付けています。
次回予告
東京到着後、ホテルで一泊して翌日を迎えた私。南下編最後のバスに乗車する前に、とあるバスに会いに行く!
果たして、そのバスとは???
次回
「対岸でご対面!?最後の活躍を見せる高速バス」
お楽しみに。
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