明光バスを改めて見てみる ~南紀白浜・紀伊田辺で活躍する老舗バス会社~
白浜町を含めた南紀白浜地区は、日本有数のリゾート地としても知られていますが、この白浜町及び隣の田辺市を拠点に路線バス・高速バス・貸切バス事業を行っているのが、白浜町に本社を置く明光バス株式会社です。
「田辺白浜線」で活躍する最新型の日野ブルーリボン
前回の記事で、明光バスの南紀白浜~首都圏(横浜・東京・大宮)間夜行高速バス「ホワイトビーチシャトル」の簡単な紹介記事を書きましたが・・・
実は先日、「ホワイトビーチシャトル」を含む数件の取材で、白浜町に丸2日間滞在しました。
で、この取材の空き時間を見計らって、白浜町内の明光バスを見て回りましたので、今回は、その時の模様を簡単にご紹介します。
目次
明光バスってどんな会社?
まずは、明光バスについて簡単にご紹介しましょう。先日の通り、明光バスは、和歌山県西牟婁郡白浜町に本社を置くバス事業者です。
創業は1930年と大変古く、2020(令和2)年には創業90周年を迎えます。
別の記事でもご紹介した通り、一時期、南海白浜急行バス(現在の御坊南海バス)と熾烈な覇権争いを繰り広げていましたが、現在は、白浜町や隣の田辺市をメインエリアとしており、白浜駅や田辺駅を発着する路線バスの他、大阪・京都・首都圏方面へ向かう高速バス、貸切バスの事業を行っています。
また、同社は近鉄グループに属しており、近鉄グループのバス事業を統括する中間持株会社「近鉄バスホールディングス」(以下:近鉄バスHD)の傘下にも入っていますが、近鉄バスHDの明光バスへの出資比率が50%弱である一方、南海電気鉄道が主要株主の一員になっているのも特徴であるといえます。
とはいえ、導入車両が基本日野車であることや、近鉄バスからの移籍車両が多いこと、そして車両仕様も近鉄グループのものに合わせている点からして、近鉄色が強い事業者であることには間違いないといえます。
東京線「ホワイトビーチシャトル」で活躍する日野セレガHD
ここ数年の明光バスは「パンダ推し」!?
ところで、ここ数年来の明光バスの車両を見て、何か気付くことはないでしょうか。実は、ここ数年来の明光バスは「パンダ推し」なのです。
首都圏(東京・横浜・大宮)・大阪・京都へ直通する高速バスはもとより、白浜町内及び田辺市内などを走る路線バスの多くに、パンダのイラストが配置されています。
このパンダのイラストは、「わかぱん」という和歌山観光PRシンボルキャラクター。
パンダの頭数が日本一の白浜町ならではといえますが、地元のシンボルをバス会社が挙げてPRする姿勢は好感が持てますね。
中には、紀州犬をイメージした和歌山県PRキャラクター「きいちゃん」と「わかぱん」がコラボした車両もあるとか。
機会があれば、探してみるのも良いでしょう。
そして、「パンダ推し」の極めつけともいえる車両が、こちらの「パンダ白浜エクスプレス」です。
アドベンチャーワールドとの協働事業としてデビューしたこのバスですが、左側面にはキリンやイルカなどの数々の動物達が、そして右側面には有名なパンダファミリーがフルラッピングされた、遠くからでも目立つバスです。
2019(令和)年12月には、この車両のバスコレも販売されるので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
車内もパンダ一色。
運行中にアドベンチャーワールドの紹介映像も放映されるなど、乗るだけでアドベンチャーワールドへ行きたくなるバスに仕上がっています。
基本的にこの車両は、大阪線「白浜エクスプレエス大阪号」にて運行されていますが、貸切兼用車のために、運用は不定期となっています。
乗車出来た方はラッキーですね。
(尚、「パンダ白浜エクスプレス」については、後日このブログで乗車記として紹介しますので、どうかお楽しみに。)
インバウンドを意識した施策
明光バスの近年の取り組みは、バス車両だけではありません。御多分に漏れず、白浜町を含めた和歌山県南紀地区においても、近年は外国人観光客の数が増えており、停留所標記の多言語化や各種情報を見易くするなど、インバウンドを意識した施策を行っています。
白浜駅のバスのりばです。
限られたバス停のスペースに、時刻表や系統図、フリーきっぷの案内が掲げられています。
かなり見易い印象を受けました。
そして、こちらは仕事で訪れた際に宿泊した宿の近くにあったバス停です。
時刻表、系統図、主要停留所までの運賃や、バスの乗り方案内が掲げられており、こちらも限られたスペースの中で最低限必要な情報は一応網羅している印象を受けました。
観光客対策といえば、こちらのきっぷも紹介しなくてはなりません。 白浜の観光に便利なフリー乗車券「とくとくフリー乗車券」です。
白浜町内の明光バスが乗り放題というお得なきっぷで、「1日用」「2日用」「3日用」の3種類が発売されています。
「白浜エネルギーランド」「三段壁洞窟」「円月島グラスボート」の割引券も付いており、大変便利です。
【明光バス「とくとくフリー乗車券」】
1日用:1,100円(小人:550円)
2日用:1,500円(小人:750円)
3日用:1,700円(小人:850円)
詳しくは、明光バス公式サイト「とくとくフリー乗車券」のページにてご確認願います。
乗るなら白浜町内を1周する町内循環がオススメ
先述の通り、明光バスは白浜町や隣の田辺市をメインエリアとしています。主力路線は、田辺駅と白浜町内を「田辺白浜線」(11系統・12系統及び30系統・31系統)や白浜駅と白浜町内を結ぶ「白浜町内線」(11系統・12系統)、白浜駅とアドベンチャーワールドを結ぶ「アドベンチャーワールド線」(1系統・2系統)の計3路線ですが、数日間の白浜町内滞在で明光バスを利用してみて一番オススメだと思ったのは、白浜町内を約50分かけて1周する「町内循環線」です。
「町内循環線」は2系統あり、とれとれ市場・白浜温泉街先回りが101系統として、アドベンチャーワールド・南紀白浜空港先回りが102系統としてそれぞれ運行されています。
本数は決して多くはないものの、町内の主要観光地をほぼ全て網羅しており、観光地間の移動に便利な路線です。
パンダファミリーが見られる「アドベンチャーワールド」
白浜で有名な景勝地「三段壁」その1
白浜で有名な景勝地「三段壁」その2
夏は海水浴客で賑わう白良浜
海産物など和歌山県のお土産が揃う「とれとれ市場」
特にオススメなのは、主力路線が経由しない白浜バスセンター~臨海(円月島)~白浜桟橋間の車窓です。
一面に広がる海と円月島をはじめとする数々の岩・・・美しいのひとことに尽きます。
夕暮れ時には、昼間とは違った、これまた趣のある風景が堪能出来ます。
この様な美しい風景が堪能出来る路線は、全国探してもそう多くはないかと。
是非一度乗車されてみてはいかがでしょうか。
最後に
以上、明光バスについてご紹介しました。私自身、南紀白浜を訪れたのは約20年ぶり。
しかも、丸2日に渡って滞在したのは、今回が初めてでした。
明光バスの存在については、以前から知ってはいたものの、決して営業エリアが広くない、しかも沿線人口も多くない地域で、よく頑張っているなぁという印象を、今回の2日間の乗車を通じて改めて感じました。
と同時に、なんとなくではありますが、南紀白浜という場所が好きになった気がします。
数々の景勝地にアドベンチャーワールドやとれとれ市場などなど・・・どこへ行っても楽しかったですね。
聞くところによると、この南紀白浜という場所は、気候も比較的温暖なことから、個人の別荘や企業の保養所としても人気がある場所だとか。
この様な素晴らしい場所で別荘を持つ・・・というのは夢のまた夢ですが、長閑なリゾート地「南紀白浜」でのんびり余生を過ごす・・・というのも良いのかもしれませんね。
今度いつになるかは分かりませんが、そう遠くない時期に、南紀白浜を訪問したいと思います。
今度は、未乗の京都線「白浜ブルースカイ号」で是非とも白浜入りしたいですね。
【おまけ】昔の明光バス
今でこそ、自社発注の車両や近鉄バスで活躍していた車両が目立つ明光バスの車両ですが、昔は京阪バスで活躍していた車両が多く活躍していました。その時の写真が出て来ましたので、数枚ご紹介します。(撮影に際しては、事前に許可を得ています。)
元京阪バスの日野ブルーリボンです。
フロント左側のセーフティウィンドウが特徴。
現在の明光バスのカラーリングは「パープル」というイメージが強いですが、先代のカラーリングは海をイメージした鮮やかなものでした。
こちらは、元京阪バスの日野RC(モノコック)です。
撮影当時は、この手の車両が一番多かった気がします。
そして、同じく元京阪バスの日野RC(モノコック)です。
ですが、こちらは先々代のカラーリングを纏った車両になります。
「MEIKO BUS LINE」のロゴが入った、シンプルなカラーリングが特徴です。
最後はこちら。
日野RC(モノコック)なのですが、自社発注の車両なのか、近鉄からの車両なのか、分かりません。
使用からして、元近鉄の車両の様な気がするのですが・・・。(詳しい方、教えていただけると幸いです。) 写真は、白浜バスセンターで撮影したものですが、単なるバス停と化している現在とは異なり、当時は建物1階がバス発着所となっていて、バス車両が頭から入れる様な構造になっていました。
但し、高さ制限があった様で、バスセンター構内に入れる車両は一般路線車のみ。
ハイデッカー以上の車高が高い車両は、路上にて乗降扱いを行っていた記憶があります。
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