京王バス(本社:府中市)・アルピコ交通(本社:松本市)・長電バス(本社:長野市)の3社が共同で運行する高速バス「新宿・池袋~長野線」。
関越自動車道や上信越自動車道などを経由し、東京と長野を結ぶ老舗高速路線です。
京王バス「新宿~長野線」
アルピコ交通 「新宿~長野線」
長電バス「ナガデンエクスプレス」池袋線
「新宿・池袋~長野線」といえば、「3列シート車でゆったりのんびり移動出来る路線」というイメージをお持ちの方も多いかと思います。
このブログでも数回取り上げました。
ところが、最近になって「新宿・池袋~長野線」に投入されている車両に変化が生じているのをご存じでしょうか。
実は、ここ1年程前から一部の便を除いて順次4列シート車に置き換わっているのです。
先陣を切ったのは、長野側のアルピコ交通。
2+1配列の「プライムシングル」車を順次4列シート車に置き換え、1往復を除いて4列シート化を完了させます。
そして、これに続くかたちで、京王バスが「プライムシングル」車を順次4列シートに置き換え、2025年10月16日をもって同車が引退、共通運用していた「渋谷・新宿~仙台線」とともに4列シート車による運行に変更されました。
フォロワーのみなさまが気になっている「プライムシート車両」ですが、10月15日(水)『新宿・渋谷~仙台・石巻線』9502便の運行をもって、引退いたしました。
13年間の長きにわたり、ご利用いただきありがとうございました。(スイ) pic.twitter.com/onirk3YVrY
— 京王バス【公式】 (@keiobus_info) October 29, 2025
これにより、「新宿・池袋~長野線」において3列シート車で運行されているのは、アルピコ交通が担当する1往復と長電バスが運行を担当する便のみとなりました。
新にデビューした4列シート車は、京王バス・アルピコ交通とともに後部トイレ付きの38人乗り仕様。
さらに、フットレストを装備したワイドシートを採用しているといいます。
「これは一度見ておかなくては・・・」
ということで、先日乗車してまいりました。
今回はその模様をご紹介します。
京王バス「令和顔」エアロエースの外観と車内は?
導入が進む京王バスの「令和顔」エアロエース
やって来たのは、JR新宿駅南口の前に位置するバスタ新宿(新宿高速バスターミナル)。
北は青森から西は九州福岡へ、全国各地へ高速バスが発車する日本有数の高速バス専用バスターミナルです。
バスタ新宿(新宿高速バスターミナル)※イメージ
エスカレータを乗り継いで4階の高速バスのりばへ移動し、待合スペースから直接乗車出来るB6乗り場へ。
バスの発車を待ちます。
乗車したのは、バスタ新宿12時15分発の高速バス「新宿~長野線」京王バス担当便。
こちらの車両に乗車しました。
京王バス永福町営業所52413号車(三菱エアロエース 2TG-MS06GP)です。
2024年式の比較的新しい、いわゆる「令和顔」のエアロエースとなります。
同社が「令和顔」のエアロエースの導入を始めたのは2019年度から。
営業キロが比較的短い「中央高速バス富士五湖線」「中央高速バス甲府線」での活躍を始めました。
「中央高速バス富士五湖線」で活躍する京王バス51908号車
本格導入が始まったのは2023年度から。
長距離の「中央高速バス伊那飯田線」「中央高速バス松本線」「新宿~名古屋線」にも投入されるようになり、2024年度からは長距離路線用車両の仕様を一部変更、2025年度前半まで大量導入されました。
2023年度まで導入され車両は、側窓が下部引き違い式になっていましたが・・・
「新宿~長野線」の運用に就く京王バス52322号車
2024年度と2025年度導入の長距離路線用車両は、側窓が全固定化されました。
「中央高速バス伊那飯田線」の運用に就く京王バス52508号車
一方で、「中央高速バス富士五湖線」「中央高速バス甲府線」といった近距離路線に投入される車両は、2022年度導入分から乗降用ドアを折戸に変更。
停車停留所が多い路線の乗降時間短縮にも貢献しています。
運用都合上「中央高速バス松本線」の運用に就く京王バス52406号車
投入路線によって仕様を区別するあたり、京王らしいなぁ・・・と思うのは私だけでしょうか。
ハイグレードな4列シート車の車内
発車10分前の12時05分、乗車改札が始まりました。
乗務員にスマホ乗車券を提示し、床下トランクに荷物を預けて車内に入ります。
車内は4列シート38人乗りのゆったり仕様。
トイレは車内最後部に設置しています。
シートは天龍工業製の2人掛けワイドシートを選択。
一般的な2人掛けシートよりもシート幅が広く、ヘッドレストもしっかりとした造りになっており、座り心地も中々のものです。
シート背面にはテーブルを設置。
つまみを回し、手前に倒して使用します。
前席下には大型フットレストを装備。
手前に倒し、靴を脱いで使用します。
モバイル充電はUSBポートを採用。
窓側框(かまち)下と通路側ひじ掛け下に設置しています。
車内をひと通り見たところで座席に着席し、バスの発車を待ちます。
高速バス「新宿~長野線」京王バス便といえば、つい最近までこちらの車両が活躍していました。
2+1配列の「プライムシングル」車です。
2012年、高速バス「新宿~長野線」サービス改善の一環として複数台導入され、一部は貸切車「プライムK」に転用されるものの、のちに高速路線運用に復帰、デビューから約13年活躍してきました。
「格安でゆったりと移動出来る」と評判が良かっただけに、今般の新車導入も同じ仕様で引き継いで欲しかった・・・というのが正直な感想ですが、新宿~長野間の移動時間(約4時間)や昨今の事業環境の厳しさなどを考えると致し方がないのかなぁという気がします。
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