北海道バス「釧路特急ニュースター号」 乗車記(2024年4月・5月乗車分)
「ニュースター号」という愛称で親しまれ、若い方を中心に多くの方に利用されています。
北海道、とりわけ札幌を起点とする都市間バスといえば、道内最大の事業者である北海道中央バス(本社:小樽市)が幅を利かせていますが、新型コロナウイルス感染拡大騒動の影響で、一部路線では未だに運休が続いている状況。
しかも、夜行便においては、全路線(釧路・北見網走)が運休中であり、札幌~函館線「高速はこだて号」に至っては、2023年10月のダイヤ改正(減便改正)で夜行便が廃止されるという状況になっています。
そんな中、北海道バス「ニュースター号」は、コロナウイルス感染拡大騒動の最中でも、可能な限り夜行便の運行を継続。
その結果、現在は公共交通における北海道内の夜行移動のシェアを、北海道バス「ニュースター号」がほぼ独占している状況であります。
ここ1か月あまり、諸事情(家庭の事情など)によりブログを更新できませんでしたが、実はこの間に釧路へ行く所用が数回発生していたのです。
その際の移動手段として、今回、久しぶりに北海道バス「釧路特急ニュースター号」に乗車しました。
今回は、その時の模様を簡単にご紹介します。
先に感想を述べると、
今回に関しては「ニュースター号」があって本当に助かった!
このひとことに尽きます。
<その1>札幌→釧路 夜行39便
まず最初にご紹介するのは、札幌発釧路行きの夜行便です。やって来たのは、札幌市中央区大通にある大通バスセンター。
近くにはさっぽろテレビ塔や大通公園、整備された創成川などがあり、オフィス街の中のオアシスとしても親しまれているエリアです。
北海道バス「ニュースター号」は、北海道一の繁華街「すすきの」にある市電すすきの前バス停が始発となっていますが、こちらの大通バスセンター前バス停にも停車。
今回はこちらから乗車することにしました。
大通バスセンターといえば、北都交通および共同運行会社が運行する都市間バス(札幌~根室線「オーロラ号」、札幌~稚内線「わっかない号」など)が発着する場所としても有名ですが、北海道バス「ニュースター号」はバスセンター前のバス停で発着を行います。
バスセンター施設内の待合室などは原則として利用出来ませんので、注意しましょう。
乗車したのは、こちらのバス。
北海道バス清田営業所所属の42S92-033TB号車(日野セレガHD LKG-RU1ESBA)です。
2012年式の比較的古い車両が充てられていました。
北海道バスの「ニュースター号」といえば、かつては比較的新しい車両が投入されるイメージでしたが、最近は「北見特急ニュースター号」に新車両が投入される傾向がある様で、逆に「釧路特急ニュースター号」「帯広特急ニュースター号」には車齢がある程度経過した車両が投入されている様に思えます。
車内は、3列独立シート29人乗り。
窓側座席が青のモケット、中央列座席が赤のモケットと、列によって座席モケットを変えているのが、「ニュースター号」の車両の特徴のひとつでもあります。
確かこのシートモケット、デビュー当時は"西陣織を採用している"という謳い文句でPRされていたかと記憶しています。
トイレは車内最後部に設置されています。
※写真はイメージです。
シートは、天龍工業製の幅広シートを採用。
「ニュースター号」初期のシートではありますが、座り心地が良く、可動式枕のクッションも程良い感じになっています。
個人的には、このタイプのシートが「ニュースター号」のシートの中で一番好きですね。
※写真はイメージです。
シートには足置き台(フットレスト)、レッグレスト、充電用コンセントを完備。
札幌~釧路間の移動を快適に過ごせられる様になっています。
23時24分 大通バスセンター前発車
23時24分、定刻に大通バスセンター前を発車したバスは、札幌市中心部を5分程走行し、札幌駅前33番のりばに到着します。
こちらで、残りの乗客を乗せ、車内はほぼ満席に。
23時35分、札幌駅前33番のりばを発車したところで、自動放送による案内と交代乗務員による補足説明が行われ、その間、バスは創成川通り(石狩街道)から札幌新道に入り、札幌北インターから札樽自動車道に入ります。
北海道バス「ニュースター号」は、原則として全区間ワンマン運行ですが、夜行便に限っては、完全確保などの目的から、他社長距離都市間バスと同様のツーマン運行となっています。
23時52分、札樽自動車道に入ったところで、車内は消灯。
この後、バスは札樽自動車道から道央自動車道を千歳恵庭ジャンクションまで走行し、千歳恵庭ジャンクションからは道東道へ。
本来であれば、途中の白糠インターまで高速道路を走行しますが、この日は白糠での降車客がいなかったため、釧路市内まで直行することに。
現在の東側の終点である阿寒インターまで、高速道路をひた走ります。
途中の開放休憩場所は2か所。
占冠パーキングエリアと上浦幌パーキングエリアで各15分間停車しますが、私はというと、消灯後シートを倒して目を瞑ったところで夢の中へ。
翌朝の交代乗務員の案内放送まで、目を覚ますことはありませんでした。
05時10分 釧路駅前(北大通13)到着
翌朝5時前、釧路市内に入ったところで、交代乗務員による案内が行われます。
釧路市内の降車停留所は、大楽毛駅前、鳥取神社前、釧路駅前(北大通13)、フィッシャーマンズワーフMOO、釧路車庫(海運1丁目)の5か所ですが、この日は大楽毛駅前、鳥取神社前で降車する乗客がいなかったため、釧路駅前まで直行することになりました。
バスは順調に走行し、05時10分、定刻より15分早くバスは釧路駅前(北大通13)に到着。
私を含め半数以上の乗客がこちらで下車となりました。
バス停前の建物の一角には、「釧路特急ニュースター号」利用者限定の待合室も完備されています。
こじんまりとはしていますが、寒い中外で待つことを考えると、この様な待合室はありがたい限りです。
早朝のJR釧路駅です。
この駅舎も、私が小さい頃からある建物。
現駅舎の完成が1961(昭和36)年ですから、人で言うところの還暦はすでに迎えています。
国鉄時代に建てられた独特の構造も見ものではありますが、(いつになるかは分かりませんが)現在計画が練られている釧路駅周辺の高架化&再開発が具体的に進んだ段階で、この駅舎ともお別れになるのでしょうね。
鉄道から都市間バスにシフトした札幌~釧路間の夜行移動。
競合路線である「スターライト釧路号」(北海道中央バス・くしろバス・阿寒バス)夜行便の運休が続いている昨今、その代わりをしっかりと担っている「釧路特急ニュースター号」夜行便のいまの姿を見ることが出来ました。
「ひと眠りして目覚めたら目的地へ・・・」
夜行バスの最大のメリットを生かしたバスの運行。
そして、そのメリットを理解した上で利用している乗客の姿が印象に残った、今回の「釧路特急ニュースター号」夜行便の乗車でございました。
【乗車データ】
- 乗車日:2024/04/11
- 乗車区間:
大通バスセンター前→釧路駅前(北大通13) - 運行会社:北海道バス
- 車両:日野/セレガHD(LKG-RU1ESBA)
- 年式:2012年式
- 所属:清田営業所
- 社番:42S92-033TB
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