西鉄バス→下電「ペガサス号」→両備バス西大寺営業所見学会
前回、2018(平成30)年12月10日に岡山市北区の岡山国際交流センターにて開催された交通系セミナー「公共交通マーケティング研究会 スタートアップセミナー」の様子を備忘録として紹介しました。
で、このブログの読者の多くは、恐らく
「どうやって(=どのような変則的ルートで)岡山入りしたのか」
と思われたことでしょう。
そこで、今回は「公共交通マーケティング研究会 スタートアップセミナー」開催前日から当日直前までの行動を簡単に振り返りたいと思います。
今回の記事も、前回と同様の「備忘録」扱い的な記事にはなりますが、どうかお付き合いいただけると幸いです。
目次
いきなり福岡へ・・・なぜに福岡へ???
今回、岡山入りするにあたり色々と考えた結果、なんと、いきなり福岡入りするという行程にしました。通常、札幌から岡山へ移動するには、
- ANAの直行便で岡山入りして前泊する
- 大阪(伊丹・関西空港)まで飛行機を利用し、大阪からは新幹線やリムジンバス、高速バスなどで岡山入りする
- 東京まで飛行機を利用し、東京からは新幹線や夜行高速バスで岡山入りする
なぜに岡山からさらに西の「福岡」まで飛行機で移動して岡山入りしたのか・・・。
その理由は大きく2つありました。
ひとつは、久しぶりに福岡の街で西鉄バスを乗りバスしたいと思ったから。
まあ、これは単純なヲタ的理由です。(笑)
そして、もうひとつは、福岡経由の方が一番安かったから。
実はこの時期、東京経由や大阪経由よりも数千円安く、「であれば、福岡でちょっとバスを見てから岡山へ移動しようか・・・」ということに相成ったわけです。
西鉄バスで福岡市内を乗りバス
札幌午前発のスカイマークで福岡空港に到着した私。(写真の一部はイメージです。)博多駅まで移動して知人と合流後、昼食を済ませて西鉄バスの乗りバスの開始です。
最初は、新しい営業所を建築中の桧原営業所まで行く予定でしたが、週末の日曜日ということもあって福岡市内は大渋滞。
同行した知人の提案で桧原営業所行きのバスを途中で見捨て、反対側から来た片江営業所所属の7925号車(日野ブルーリボンⅡノンステップ)に乗車することにしました。
片江営業所7925号車といえば、車内がクリスマス装飾されている車両として有名。
聞くところによると数年前から実施されているそうですが、飾りつけはもちろんのこと、前輪タイヤハウス上の荷物置き場にはLEDで光る小さなクリスマスツリーも置かれるなど、とにかく凝っています。
バスに乗る「楽しみ」を演出する方法のひとつとして、これはこれでアリなのかもしれません。
地元北海道の事業者で行っている事例としては、沿岸バス(本社:羽幌町)が毎年クリスマス時期に羽幌町内で運行している「クリスマスバス・ほっと号」位しか思い浮かばないのですが、北海道内でもこの様な取り組みが広がるといいなぁ・・・と思いながら乗車しておりました。
博多駅~天神間を数往復したところで、知人とはここでお別れ。
その後、私のフォロワーさん数名とお会いしたり、時間を見計らって乗りバスをするなど、時間はあっという間に過ぎていきました。
お会いしたフォロワーの皆様、本当にありがとうございました。
(写真はイメージです。)
博多駅のイルミネーションが幻想的で綺麗でした。
下津井電鉄「ペガサス号」で一路岡山へ・・・
福岡からは、下津井電鉄の夜行高速バス「ペガサス号」で岡山へと向かいます。(写真はイメージです。)「ペガサス号」下津井電鉄担当便に乗車するのは三度目。
今回は、2005年式の日野セレガR-GD(KL-RU1FSEA)が充てられていました。
重厚なスリーピングタイプのシートは、足元も広くて快適そのもの。
通路カーテンは、座席の前後もカーテンで仕切られる様になっており、プライベート空間も確保。
車体更新工事を実施したということもありますが、歴代セレガR-GDインターシティ(夜行高速仕様車)のなかでも1位2位の快適性を誇る車両なのではないでしょうか。
フォロワーさん数名に見送られ、バスは西鉄天神高速バスターミナルを発車。
博多バスターミナル、黒崎インター引野口、砂津、小倉駅前で乗車扱いを行い、満席になったバスは、関門橋、中国自動車道、山陽自動車道を岡山へ向けてひた走ります。
翌朝目が覚めたのは、5時半過ぎの車内灯点灯の時でした。
道口パーキングエリアにて仮眠休憩停車していた様で、車内灯点灯後にバスは走り始めます。
6時過ぎにバスは倉敷駅北口に到着。
こちらで約1/3の乗客が下車し、その後約40分程一般道を走行したバスは、定刻より若干早い6時46分に終点の岡山駅西口に到着しました。
快適なスリーピングタイプのシートのおかげで、熟睡に近い状態で眠ることが出来たのが個人的には大変助かりました。
何しろ、この後の予定に差し支えますから・・・。
尚、下津井電鉄「ペガサス号」の詳細な乗車記は、以下のリンクにて掲載しております。
宜しければご覧いただけると幸いです。
岡山駅西口で少しヲタ活動をした後、身支度を済ませて岡山駅東口バスターミナルへ。
2018年12月に運行を再開した中国JRバス「京浜吉備ドリーム号」
東北急行バス「ルブラン号」
下津井電鉄「ルミナス号」最新車両
関東バス「マスカット号」
宇野自動車 三菱エアロスター ワンステップ
両備ホールディングス 三菱エアロスターM
この後、私は両備ホールディングス(両備バス)の路線バスで西大寺へと向かうのでありました。
両備バス西大寺バスセンター・営業所見学ツアーへ・・・
本数の少ない「沖元西大寺線」で西大寺へ
岡山駅からは、こちらのバス↓で西大寺へと向かいます。両備ホールディングスに1台しか在籍していない西工製路線車「三菱エアロスターS」(PKG-AA274MAN)です。
しかも、行先表示を見て来ると・・・「沖元・金岡経由西大寺」と表示されているではありませんか。
岡山~西大寺間の路線バスは、天満屋・東山を経由する「岡山西大寺線」(天満屋経由)が主力で本数も多いのですが、これに対して、沖本・金岡を経由する「沖元西大寺線」は、平日で10.5往復(土日祝は6.5往復)と本数が多くありません。
「これは乗っておかないと!」ということで、バスに飛び乗りました。
バスは岡山市街地を過ぎると、川沿いの道を走ったり、郊外の狭隘区間を走ったりと、ヲタ的には中々面白い路線であります。
面白い路線でありますが、正直な話、利用客は多くありません。
今年2018年2月に発表された「廃止予定の路線(系統)一覧」(結果的には撤回されましたが・・・)には含まれていないものの、厳しい状況に変わりはなさそうです。
バスは岡山駅から50分弱で西大寺バスセンターに到着。 ターミナル前に静態保存されている西大寺鉄道「キハ7号」が、両備発祥の地であることを物語っています。
あの建物も健在!西大寺バスセンター・西大寺営業所見学会に参加
で、何故に私が西大寺を訪れたのか・・・実は、前回の記事でご紹介した「公共交通マーケティング研究会 スタートアップセミナー」のプレイベントとして、両備バス西大寺バスセンターと西大寺営業所の見学会が企画され、その見学会に参加するためでした。
この場所には何度も訪れているのですが、ことバスセンター・営業所の見学となると、今から約20年前にプライベートで訪れて以来となります。
当時は、こちらの車両↓が現役バリバリで活躍していました。
両備バス F8422 三菱P-MP518M
見学会に参加したのは、私を含めて約30名。
殆どが公共交通関連にお勤めの方でしたが、開催時間前からターミナルの構造や掲示物などを見学されている熱心な方も多かったです。
見学会開催前に、静態保存されている西大寺鉄道「キハ7号」の車内を特別に見させていただきました。
「キハ7号」は、1936年川崎車輌製で、定員は60名。
3フィート軌間のガソリンカーとしては、日本で唯一現存している車両だそうです。
デビュー当初はフォード製のガソリンエンジンを搭載していたそうですが、1949年にディーゼルエンジンに換装。
同じ年に製造された兄弟車の「キハ6号」とともに西大寺鉄道では最後に導入された車両だそうです。
軽便鉄道ならではのコンパクトさとシンプルさが印象に残りました。
尚、この車両は、2004(平成16)年に産業考古学会から「推定産業遺産」に認定されています。
時間になり、見学会のスタートです。
案内人は、こちらのお二方↓。 両備ホールディングス 両備バスカンパニーの森さんと豊田さんです。
両備グループの若きエースです。
まずは、両備グループの歴史について簡単な説明があった後に、バスセンターの説明と見学に移ります。 バスターミナル内の路線図(というか系統図)です。
「まずは出来ることからやろう」ということで作成したがこの路線図だそうです。
なんとこちら、Excelで作成したとか。
今後の進化に期待したいところですが、同時にExcelの達人(と勝手に呼ばせていただいている)知り合いの某氏と競わせてみたいとも思いました(笑)。
バス発着場所のこちら↓に注目です。
通常、バスの停止枠は白線で表示するケースが殆どですが、なんとこちら、西大寺鉄道で使用していたレールを停止枠代わりとして使用しています。
歴史を大事にする会社であることを改めて実感します。
西大寺鉄道時代の面影は他にもあります。
西大寺鉄道の旧本社社屋です。
つい最近まで両備バスカンパニー西大寺営業所の事務所としても使用されていたそうですが、現在は年に2度程度しか使用されないそうです。
因みに、両備ホールディングスの本社は岡山市北区の両備ビルですが、登記上の本店所在地は現在もこの建物になっています。
写真の奥の道路も、西大寺鉄道の線路跡だそうです。
我々一行は、西大寺バスセンターから西大寺営業所敷地へと移動します。
敷地内に停車するバス達です。 意外とワンステップバスや中型車の比率が多いですね。
このことについてお伺いしたところ、「岡山郊外は山坂が多く、ノンステップバスでは底部をこすってしまうため、今後導入する新車はノンステップバスとワンステップバスを並行して入れることになるでしょう。」とのことでした。
「ソラビ(SOLARVE)」の車内でフリートークタイム
整備場を見させていただいたところで、一行はさらに奥へ移動します。奥には、世界初の太陽光電池を搭載した路線バス「ソラビ(SOLARVE)」が駐車。
こちらの車内でフリートークタイムとなりました。
※路線バス「ソラビ(SOLARVE)」については、私のブログにて以前ご紹介している他、両備バス公式サイトでも紹介しておりますので、そちらをご覧いただけると幸いです。
フリートークタイムでは、参加者から事前に寄せられた質問について回答していった後に、フリーの質問タイムとなりました。
岡山の交通の現状や渋滞対策ダイヤの導入など、印象に残る話ばかりだったのですが、その中から私が特に印象に残ったものをいくつかをご紹介します。
- 「岡山西大寺線」の現状(「めぐりん」運行後)
朝夕時間帯については、定期券客が多いことからほとんど影響を受けていないが、日中時間帯は少なからず影響を受けている。
需要喚起を今後どのように行っていくかが課題。 - 事故防止の取り組み
職長制度の導入やドラレコを活用したヒヤリハット集の作成(毎月更新)、心理面重視の事故防止対策の導入など - 乗務員の健康管理
出勤時の体温測定、血圧測定を実施し、乗務させるさせないの判断に活用している など - 乗務員不足対策
乗務員不足は深刻ではあるが、若い運転士が増えている。
一方で、中間層(40代~50代)が不足しており、高齢運転士が退職したら一気に厳しさを増すであろうとの予測。
高卒運転士(候補)の採用を数年前に始めたところ。
他営業所からの助勤など、営業所単位でなく、両備バス会社全体でまわすことで何とかやっている。(高速・貸切・路線という区別はしていない。) - 乗り方教室を行うにあたり気を付けている点
両備バスは基本車庫で実施。(乗務員不足の絡みと、バスで営業所へ来てもらうことで、乗り方の勉強にもなる?)
こども相手なので分かりやすく元気よく!
こども会、幼稚園に営業をかけた→意外と反応が良かった。(こども会は意外とネタ不足に困っている?)
フリートークタイムの終盤では、乗り方教室の一部を実演していただけることに。 お手製のフリップを使用しながら、クイズを織り交ぜて分かりやすく説明していました。
最後は、参加者全員による「ソラビ(SOLARVE)」の撮影会。
こうして、約1時間半にわたる見学会はお開きとなりました。
最後に
以上、「公共交通マーケティング研究会 スタートアップセミナー」前日から当日午前までの動きを振り返ってみました。僅か1日半の間の出来事ですが、まあ良く動きましたね。
ですが、収穫が多かったのも事実。
特に、両備バス西大寺バスセンター・西大寺営業所見学会で聞けた話は勉強になるものばかりで、とても参考になりました。
今回の見学会を企画していただいたお二方(森さん、豊田さん)、そして西大寺営業所の皆様におかれましては、この場を借りてお礼申し上げます。
この後は、前回の記事でご紹介した「公共交通マーケティング研究会 スタートアップセミナー」に参加。
そして、懇親会終了後には札幌に向けて移動を始めるのですが・・・
岡山→札幌の帰路については、次回ご紹介することにしましょう。
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