JR北海道の新型電車「737系電車」を見てみる

鉄道

JR北海道としては久しぶりとなる新型電車が、2023年5月20日にデビューしました。

その電車とは・・・JR北海道737系電車
同社としては初のワンマン運転対応の電車となります。

JR北海道 737系 C-5編成 登別駅にて_01
JR北海道 737系電車

実は先日、デビューしたばかりのJR北海道737系電車に乗車する機会がありましたので、改めてこのブログでご紹介します。

JR北海道737系電車とはどんな電車なのか?

そもそも、JR北海道737系電車とはどんな電車なのか・・・ズバリ、この電車は通勤型電車です!

では、なぜにこの電車が導入されることになったのか・・・。
それは、老朽化していたキハ143形気動車の置き換えが主な目的であったからです。

キハ143形気動車が活躍していた室蘭本線苫小牧~室蘭間は、電化区間でありながら、2012(平成2)4年10月27日のダイヤ改正以降、普通列車は一部列車を除いて気動車によるワンマン運転を実施していました。
その主力車両がキハ143形気動車であったのですが、種車のオハフ51形客車時代から数えて経年が40年以上経過しており、老朽化が問題となっていました。

JR北海道 室蘭本線 キハ143形 苫小牧駅にて
JR北海道 キハ143形気動車

さらに、1988(昭和63)年にデビューした721系電車の初期型も置き換える時期に差し掛かっていたことから、これら車両を置き換える目的で設計・開発されたのが、今回ご紹介する737系電車なのです。

ピンク?それともホワイト?な外観カラーリング

早速外観を見てみましょう。

車体は、2010年にデビューした735系電車以来のアルミニウム合金製(ダブルスキン構造)。
全車運転台付きであることや、ワンマン運転用機器の搭載による重量増加に対応するため、ステンレス製ではなく、あえてアルミニウム合金製にしたそうです。

側面は、桜色をイメージした淡いピンク色を施しています。
「優しさ」「親しみやすさ」「明るさ」「若々しさ」をイメージしているそうですが、見る角度によってピンクに見えたりホワイトに見えたりと、少し変わったカラーリングだなぁという印象を受けます。

JR北海道 737系 C-1編成 苫小牧にて_01

先頭部は普通鋼製となっており、前面窓の上下に前照灯を、上に尾灯を配置しています。
また、カラーリングはブラックをベースとし、視認性向上のため警戒色の黄色とJR北海道のコーポレートカラーであるライトグリーン(萌黄色)を配しています。
2000年代以降のJR北海道の車両は高運転台を採用していましたが、737系ではワンマン運転時の運転士の業務の関係から、H100形気動車を踏襲した構造になっています。
一方で、前面後退角を設け、ケージ構造の採用やクラッシャブルゾーンを採用することで、乗務員の安全性を確保しているそうです。

側面客用扉は、各車両とも片側2か所の片引き式を採用。
床面高さは、733系・735系と同様の1,050mmとなっており、乗降口のステップを省略しています。


「優しさ」をイメージした内装

車内を見てみましょう。

車内も「優しさ」をイメージしたものになっており、乗降ドア周辺には淡いピンク色を配しています。

JR北海道 737系 C-5編成 先頭ドア付近

ドアは、ドアボタンによる半自動方式。
駅に到着後、ボタンのランプが点灯した時点で乗客がボタンを押してドアの開け閉めを行います。

JR北海道 737系 C-5編成 ドアボタン

座席は、731系以降の通勤形電車と同様全てロングシートになっています。
紫地に北海道内に咲く花をイメージしたドットをちりばめており、ここにも「優しさ」が感じられます。
座席幅は460mmと従来車から座席幅を5mm拡大しています。

JR北海道 737系 C-5編成 車内

各車両片側の中央には車椅子やベビーカー利用者・大型荷物用のフリースペースを備えています。

JR北海道 737系 C-5編成 フリースペース

先日の通り、737系電車はJR北海道の営業用電車としては初のワンマン運転対応車両。
LED運賃表と運賃箱を備えています。

JR北海道 737系 C-5編成 運賃表

JR北海道 737系 C-5編成 運賃表

札幌側車両の連結面側には、車椅子スペースと車椅子対応トイレを設置しています。

JR北海道 737系 C-5編成 運賃表

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