日本三名泉のひとつで、『【女性が選ぶ】「一度は行きたい温泉地」ランキングTOP27! 第1位』(ねとらぼ調査体調べ)にも選ばれた群馬県草津温泉。
日本一の自然湧出量(毎分32,300リットル以上)と日本有数の酸性度(pH値2.1、湯畑源泉)を誇る温泉としても有名です。
また、草津温泉は有名な観光温泉地としても知られ、首都圏や長野県などから複数の高速路線バス・一般路線バスが運行されています。
その中から、今回は冬期に長野県(上田地区)から草津温泉へ乗り換えなしで移動で出来るこちらの路線バスをご紹介します。
上田バス(本社:上田市)が運行する路線バス「湯畑号」です。
「上田バスが草津へ?」「何故に草津温泉へ?」
「湯畑号」とはいったいどんな路線バスなのでしょうか?
上田バスが草津温泉行き路線バスを運行する理由とは?
長野駅からJR北陸新幹線「はくたか」に乗車すること約10分。
JR北陸新幹線としなの鉄道、上田電鉄が乗り入れをする上田駅にやって来ました。
路線バス「湯畑号」はこちら上田駅を起終点としています。
長野県から草津温泉へアクセスする方法は、JR北陸新幹線やしなの鉄道で軽井沢まで移動し、軽井沢駅で草軽交通に乗り換える方法が一般的ですが、2020年12月1日に長野県~草津温泉間の新たな移動手段として路線バス「湯畑号」が開設されました。
運行するのは、上田市に本社を置く上田バス。
と聞いて「どうして上田バスが運行に?」と疑問に思う方も少なくないことでしょう。
これには、ある理由があります。
その理由とは・・・高速バスの送り込み回送を兼ねている路線バスであるからです。
上田バスは、首都圏側の事業者(東急トランセ・東急バス・京王バス・相鉄バス・西武バス)と共同で首都圏~草津温泉間の高速バスを2路線運行しています。
ところが、上田バスは首都圏側、草津温泉側ともに運行拠点(営業所)を所有していません。
となると、上田から草津温泉までバスを回送する必要がありますが、上田と草津温泉の間の所要時間は約2時間。
その分、諸経費も発生するわけで、「であるならば、回送区間も路線営業することで収入にもつながり、長野~草津温泉間の新たな移動手段にもなる」ということで開設されたのが、今回ご紹介する路線バス「湯畑号」なのであります。
気になる「湯畑号」の外観と車内は?
上田駅ののりばは、お城口にあるバスのりばの3番のりば。
JRバス関東・西日本JRバスが運行する「青春ドリーム信州号」と同じのりばになります。
運行本数は、夏期が2往復、冬期(12月~3月)が3往復となっており、上田を午前中に発車し、草津温泉を午後から夕方にかけて発車するという、上田地区から日帰り往復が可能なダイヤになっています。
運賃は、上田~草津温泉間が2,000円、上田~万座・鹿沢温泉駅間が1,500円、上田~新鹿沢温泉間が1,000円、新鹿沢温泉~草津温泉間が1,000円、新鹿沢温泉~万座・鹿沢温泉駅間が500円となっています。(往復割引の設定はありません。)
乗車した車両はこちら。
上田バス上田営業所所属F-081号車(三菱エアロエース BKG-MS96JP)です。
シンプルながらも気品が感じられるカラーリングが特徴の草軽上田ホールディングス共通貸切・高速用カラーを纏っています。
車内は、4列シート42人乗りのトイレ付き昼行高速仕様・・・というより、正確にはリムジンバス仕様になっています。
ご覧の通り、かつて首都圏事業者でリムジンバスとして活躍していた車両。
その面影も、車内の至るところで見られます。
車内前方には、LCD運賃表示器も設置されています。
路線バスとしては十分過ぎるグレードではありますが、こと首都圏~草津温泉間の高速バスとして考えると、共同運行他社の車両グレードが高いだけに、うーんと思ってしまうのは私だけでしょうか。
雄大な景勝も楽しめる草津温泉までの道のり
今回乗車したのは、上田駅11時30分発の便。
11時25分頃にバスがのりばに入線し、乗車が始まります。
運賃は乗車時に現金で支払います。
11時30分、上田駅を発車。
市街地を抜け、上田菅平インター近くの住吉に停車したバスは、国道144号を新鹿沢温泉へ向けて走行します。
平地では雪が殆どありませんでしたが・・・
山道を登っていくにつれ、路面は次第に圧雪アイスバーンに。
バスも慎重に山道を登っていきます。
上田から1時間05分程走行したところで、バスは国道144号から”つまごいパノラマライン”へ。
新鹿沢温泉に立ち寄ります。
12時40分、新鹿沢温泉に到着。
こちらでは、時間調整を兼ねて5分間停車しました。
新鹿沢温泉は唯一の乗降可能な停留所。
上田、草津温泉から新鹿沢温泉へのアクセスとしても使えそうですね。
新鹿沢温泉を発車したバスは、つまごいパノラマラインから群馬県道235号大笹北軽井沢線を通り、国道144号へ戻るのですが、”つまごいパノラマライン”からの車窓がとにかく素晴らしい!
一見の価値アリです。
国道144号へ戻ったバスは、嬬恋村の市街地を抜け、万座・鹿沢口駅前に停車。
その後、万座・鹿沢口駅前の交差点を左折し、群馬県道59号草津嬬恋線を草津温泉へ向けてひた走ります。
この群馬県道59号も、山坂が続く道路。
乗務員の巧みなハンドル捌きで山道を登っていきます。
山道を越えると、バスは草津町内へ。
そして、13時25分、ほぼ定刻にバスは草津温泉バスターミナルに到着しました。
終点は草津温泉ホテル櫻井ですが、この後すぐにでも温泉に浸かりたかったということもあり、今回はこちらで下車。
温泉の香りが漂う街並みを少し散策し、ふらっと立ち寄った外湯で疲れを癒すのでありました。
最後に
長野から草津温泉へ移動する足として利用した路線バス「湯畑号」ですが、長電バスが運行する「長野~志賀高原~白根火山~草津温泉急行バス」と異なり通年運行されている点、そして高速バスの送り込み回送を兼ねているとはいえ複数の便が運行されているという点で、使い勝手は決して悪くない印象を受けました。
そして、この路線は運行経路の大半を山道が占めるということもあり、車窓が素晴らしいです。
特に、新鹿沢温泉から嬬恋村にかけての”つまごいパノラマライン”からの車窓は、是非とも見ていただきたい絶景スポットだと感じました。
一方で、実際に運行する上田バスにとっては厳しい環境なのかもしれません。
山道という運行条件もさることながら、気象条件との闘い、高速バス車両の送り込みを兼ねた営業運行、そして現在の利用状況などなど・・・課題や苦労が相当あるのではと感じました。
もっと利用が多ければと思いますが、このバスの存在を知らない人も実はかなり多いのではないかと。
もっと多くの方にこのバスの存在を知っていただくためのPRを、自治体や関係者には是非とも頑張って行って欲しい・・・そんなことを思った今回の路線バス「湯畑号」の乗車でございました。
機会がありましたらまた乗ってみたいですね。
今度乗車の際は、長電バス「長野~志賀高原~白根火山~草津温泉急行バス」との乗り比べもしてみたいなぁ・・・と思っております。
【乗車データ】
- 乗車日:2022/12/20
- 乗車区間:
上田駅→草津温泉バスターミナル - 運行会社:上田バス
- 車両:三菱/エアロエース(BKG-MS96JP)
- 年式:2008年式
- 所属:上田営業所
- 社番:F-081



