JR九州「36ぷらす3」赤の路 木曜日ルート(博多→鹿児島中央) 乗車記

鉄道

JR九州が2020(令和2)年10月16日より運行を開始したD&S列車「36ぷらす3」

JR九州 787系「36ぷらす3」 小倉駅にて_01

5日間かけて九州7県を反時計回りに巡るコース設定や、豪華クルーズ列車「ななつ星in九州」に倣った内装、D&S列車では初めてとなる電車(787系特急電車)による運行など、注目すべき点が多くある列車です。

「36ぷらす3」の概要や運行コースについては、以前このブログでご紹介しましたが・・・


実は運行開始から約1か月後の2020年11月に、博多から鹿児島中央までの「赤の路 木曜日ルート」グリーン席コースに乗車しました。

先述の通り、「36ぷらす3」が運行を開始したのは2020(令和)2年10月16日でしたが、「赤の路 木曜日ルート」の走行ルートである肥薩おれんじ鉄道が、令和2年7月豪雨により土砂流入および道床流出が発生、同年7月23日時点で八代~水俣間が運休となっていたため、復旧時期が未定な同区間を経由する「赤の路 木曜日ルート」は暫くの間、発売を見合わせていました。
しかし、肥薩おれんじ鉄道が同年11月1日より全線での運行を再開したことから、11月19日より「赤の路 木曜日ルート」の運行を開始、現在に至ります。

実は、以前からこの「赤の路 木曜日ルート」が「36ぷらす3」の旅を一番長く楽しめるルートとして、同ルートの運行開始を今か今かと待っていました。
運良く乗車券・特急券の入手が出来た今回の「赤の路 木曜日ルート」。
その時の模様を、車両面を中心にご紹介します。

「ななつ星in九州」を彷彿させる漆黒の車体

やって来たのは、JR博多駅の6番ホーム
「36ぷらす3」は、こちらから発車します。

JR九州 787系「36ぷらす3」 博多駅6番ホーム_01

JR九州 787系「36ぷらす3」 博多駅6番ホーム_01

ホームで暫く待っていると、お目当ての「36ぷらす3」が入線。

JR九州 787系「36ぷらす3」 博多駅_01

JR九州 787系「36ぷらす3」 博多駅_02

実車を見るのはこれで3度目ですが、「ななつ星in九州」を彷彿させる漆黒の車体は、遠くからでも目立つとともに、鉄道に興味がない人でも、一目実物を見た暁には「これは乗ってみたい」と思う筈です。
この辺りの見せ方の上手さは、流石水戸岡デザインといったところでしょうか。
(いうまでもありませんが、「36ぷらす3」をデザインしたのは、「ななつ星in九州」「或る列車」など、JR九州の多くの車両デザインを手がけた工業デザイナー水戸岡鋭治氏です。)

畳敷きの6号車車内

今回私が乗車したのは、鹿児島方面先頭車の6号車
「36ぷらす3」は6両編成となっており、5日間かけて九州を1周しますが、「青の路 日曜日ルート」の門司港駅で先頭車が逆になるため、1号車、6号車どちらが先頭車になるのかは、週によって変わるそうです。

早速車内に入ります。

グリーン席の車内は、2+1配列の3列シート。
九州新幹線800系電車のシートがベースになっています。
車内中央部を境に車内前方と後方でシートモケットを替えているのも特徴のひとつです。

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 車内_01

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 車内_02

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 シート_01

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 シート_02

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 シート_03

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 シート_04

6号車の最大の特徴は、床が畳敷きになっていること。
畳敷きの列車は、お座敷列車などで見かける程度で、座席方式の列車で床が畳敷きになっているのは、これまで聞いたことがありません。
これは面白いと思いました。

当然のことながら、6号車の客席は土足厳禁。
客席手前で靴を脱いで専用のロッカーに収納し、客席に入ります。

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 靴入れ

座席背面には、ドリンクホルダーと革製シートポケットが備えられています。

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 シートポケット

各座席にはコンセントを完備。
携帯電話・スマートフォンの充電に便利です。

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 コンセント

細かな部分も手を抜かないのが水戸岡氏デザイン。
荷物棚はハットラック式になっています。
JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 客席入口

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 車端部

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 車内_03

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 車内_04

車端部には荷物置き場を設置。
キャリーケースなど大きな荷物は、こちらに収納します。

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 荷物置き場_01

JR九州 787系「36ぷらす3」 6号車 荷物置き場_02

尚、隣の5号車は、6号車と同じグリーン席ですが、床面がタイル状の木目調になっている他、シートモケットが6号車と異なるなど、細かな箇所で相違点があります。


ゆったりとくつろげる4号車マルチカー

4号車は、共用スペース「マルチカー」です。
共用スペースではありますが、共用スペースとしてのみならず、車内での「体験メニュー(有料)」・「車内イベント(無料)」がこちらにて開催されます。
また旬な食や飲み物の販売もこちらで行われることがあります。

JR九州 787系「36ぷらす3」 4号車「マルチカー」_01

JR九州 787系「36ぷらす3」 4号車「マルチカー」_02

JR九州 787系「36ぷらす3」 4号車「マルチカー」_03

JR九州 787系「36ぷらす3」 4号車「マルチカー」_04

テーブル、椅子、ソファーの配置が絶妙で、道中「マルチカー」でくつろぐのもアリかな?と思わせる程の居心地の良さを感じました。
実際に「マルチカー」で長時間くつろぐ乗客もちらほら見かけましたね。


3号車ビュッフェ

3号車の一部は、ビュッフェとなっています。
かつての特急「つばめ」以来、17年ぶりの復活を遂げたビュッフェでは、列車オリジナル商品や、九州各地のお酒、軽食類、お土産などを販売。
特に、~ 旅する九州酒 ~と題したお酒の品揃えは、呑み助の方もきっと満足出来るものではないでしょうか。

JR九州 787系「36ぷらす3」 3号車ビュッフェ_01

JR九州 787系「36ぷらす3」 3号車ビュッフェ_02

JR九州 787系「36ぷらす3」 3号車ビュッフェ_03

⇒ ビュッフェ取扱商品(36ぷらす3 公式サイト)

尚、ランチ提供時間及びディナー提供時間(約1時間)は、食事提供準備に専念するため、ビュッフェの営業が休止されますので、ご利用予定の方はご注意を。


その他の号車(1号車・2号車・3号車一部)

1号車と2号車、そして3号車の一部は、グリーン個室になっています。
グリーン個室は、ランチプラン/ディナープラン利用者のみが利用可能。
4名個室(畳)、6名個室、2名個室の3種類が用意されています。

残念ながら、1号車~3号車のグリーン個室エリアについては、グリーン個室利用者以外の立ち入りが原則出来ないため、車内の画像を撮影することが出来ませんでした。
機会があれば、グリーン個室にも乗車してみたいですね。


(次ページに続きます。)