前回のおさらい
札幌~博多間をなるべく高速バスだけで移動しようという「札幌~博多間 3日連続 高速バスだけの旅」を始めた私。
初日は、函館バスの「高速はこだて号」(札幌~函館)で札幌から函館へ移動。
念願だったラビスタ函館ベイに宿泊し、翌朝を迎えました。
今回は、いよいよ船で津軽海峡を渡り本州へ。
そして、かつて某TV番組で「東日本チャンピオン」と呼ばれた夜行バスで、一気に首都東京へと向かいます。
前回の記事は、以下のリンクからご覧いただくことが出来ます。
九州で有名なキャラクターのバスが函館に? 津軽海峡をフェリーで移動
有名な宿泊先の朝食をたらふく堪能した私。
遅めにチェックインした私は、ホテル前から函館バスの路線バスで函館駅へと移動しますが、やって来たバスは、なんと・・・
西鉄系の交通系ICカード「nimoca」のキャラクターとしてお馴染み「フェレット」のラッピングバスでした。
いうまでもありませんが、函館バスと函館市電はICカード「ICAS nimoca」を採用しており、九州ではお馴染みのキャラクターが函館市内の至るところで見られるのです。
採用当初、「西鉄系のICカードを何故に函館が採用?」と思いましたが、聞くところによると、バス同士の乗り換えのシステムが他の交通系ICカードと比較して優れていたのが採用の決め手になったとか。
今では函館および近郊の住民にすっかり定着している様です。
函館駅前ターミナルにて、函館タクシー(函館帝産バス)のフェリーシャトルバスに乗り換え、津軽海峡フェリーのフェリーターミナルへと向かいます。
実は、このバスも宿泊したホテルの目の前に停車するのですが、函館駅周辺にてちょっとした買い物があったため、あえていったん函館駅へ出たのでありました。
バスに揺られること約30分、函館港の津軽海峡フェリーターミナルに到着。
乗船手続きを済ませ、いざ乗船となるわけですが・・・津軽海峡フェリーは、便によってボーディングブリッジから乗船する便と車両甲板からの乗船する便があります。
今回乗船した便は、なんと車両甲板からの乗船の便。
係員からの誘導に従って乗船します。
今回乗船したのは、写真の「ブルードルフィン」。
2016(平成28)年10月に就航を開始した船舶になります。
スタンダード船室にて横になりながら、3時間40分の移動時間をのんびりと過ごします。
かつて「ラ・フォーレ号」と呼ばれた夜行バスの現在(いま)は・・・
津軽海峡フェリー「ブルードルフィン」は、定刻に青森港に到着。
すぐさま、青森観光バスの路線バス「ねぶたん」で青森駅へと移動します。
夜のJR青森駅です。
長年、本州最北端の玄関口として慣れ親しんだこの駅舎も、今年度限りで見納めになるとのこと。
新しい駅舎及び駅ビルに期待する一方で、一抹の寂しさも感じます。
駅周辺で軽く食事を済ませた後、待合室で次に乗車するバスの到着を待ちます。
その間、いくつかの夜行バスや路線バスを見かけることが出来ました。
こちらは、JRバス東北の青森空港線「青森空港リムジンバス」です。
「青森空港リムジンバス」といえば、かつては青森市営バスが運行していましたが、2009(平成21)年3月末日をもって運行から撤退。
現在はJRバス東北が単独で運行しています。
管轄する青森支店の一般路線が縮小する中、現在は同支店の主力路線にもなっています。
写真の「はやぶさカラー」のバスも頻繁に投入されます。
暫くしてやって来たのは、岩手県北自動車南部支社(通称:南部バス)の夜行高速バス「MEX青森」です。
コロナ禍で運休する夜行高速バスが多い中、この「MEX青森」は一部期間を除いてほぼ休み無しで運行を続けています。
関係者のご苦労も大変かとは存じますが、昨今の社会情勢の中、ほぼ休み無く運行を続けているとは・・・頭が下がる思いです。
この日、一番驚いたのはこちらのバスでした。
弘南バスの青森・弘前~東京上野間夜行高速バス「パンダ号」です。
「えっ、「パンダ号」?これって「ノクターン号」でしょ?」と思われた方も多いことでしょう。
それもそのはず、実は新型コロナ対策の一環で「ノクターン号」で使用されている3列独立シート車を「パンダ号」に投入することがあるそうで、この日がまさにその日であったのです。
知っていれば、恐らく利用していました。
いや~乗りたかったです。
そうこうしているうちに、乗車するバスがやって来ました。
今回、青森から乗車したバスは・・・JRバス東北の青森~東京線「ドリーム青森・東京(ラ・フォーレ)2号」です。
「ドリーム青森・東京2号?聞きなれない名称だなぁ・・・」と思われる方も多いかと思いますが、実はこの路線、かつて「ラ・フォーレ号」と呼ばれていた路線であります。
「ラ・フォーレ号」は、JRバス東北の他、JRバス関東、京浜急行電鉄、弘南バスの4社が共同運行する夜行高速バスでしたが、東京側の事業者(JRバス関東、京浜急行電鉄→京急観光バス→羽田京急バス)の撤退をきっかけに、弘南バスが「津輕号」として独立。
残ったJRバス東北が最後まで「ラ・フォーレ号」という名称で運行を続けていました。
しかし、2020(令和2)年3月29日、「ラ・フォーレ号」は「ドリーム青森・東京号」と改称され、従来からの「ラ・フォーレ号」の愛称は副名称化されたのです。
「ラ・フォーレ号」といえば、北海道テレビのバラエティ番組「水曜どうでしょう」を思い出します。
ある企画で「深夜バス東日本チャンピオン」として紹介された他、「札幌→博多 3夜連続深夜バスだけの旅」では実乗路線として登場しました。
そして、「ラ・フォーレ号」については、以前このブログでも取り上げたことがあります。
最近になって使用車両を変更したのと、路線名称を「ラ・フォーレ号」から変更したということもあり、今回改めて乗車してみることにしました。
今回乗車したのは、こちらの車両でした。
JRバス東北青森支店所属H677-16403号車(日野セレガHD QRG-RU1ESBA)です。
以前は「ドリーム秋田・東京号」(秋田~東京・TDL)や「ドリーム盛岡(らくちん)号」(盛岡~東京・TDL)で活躍していましたが、「ドリーム青森・東京(ラ・フォーレ)号」の使用車両変更に伴い、青森支店に転属した車両であります。
「ドリーム青森・東京(ラ・フォーレ)2号」の青森駅前発車時刻は21時00分。
8番のりばから発車します。
発車の10分前にはバスが入線。
乗車改札が始まります。
乗車改札を受け、車内に入ります。
気になる車内の様子は・・・
車内は、3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様。
天龍工業製の夜行標準シートを採用した、一般的な夜行用車両の造りになっています。
以前は窓側座席のみに設置していた通路カーテンですが、新型コロナ対策の一環として、最近になって通路側座席にも設置されました。
併せて、可視光応答型光触媒「ルネキャット(R)」(東芝マテリアル(株)製)による抗ウイルス、除菌、消臭コーティングも実施しています。
また、新型コロナ対策として毛布(ブランケット)の貸出を中止している夜行バスが多い中、この路線ではクリーニング済みブランケットの貸出を行っておりました。
尚、トイレは車内中央部の階段を下りた突き当たりに設置されています。
通路カーテンをセットした状態の座席です。
もちろん、足置き台(フットレスト)やレッグレストも完備。
(ピンぶれ写真ですが)各座席にはコンセントも設置されています。
ひと通り見た感じでは、夜行バスとして必要十分の車内設備を有していますが、シートピッチが広めな先代の専用車(26人定員車)と比較すると、いささかグレードダウンした感が否めない印象を受けました。
新型コロナ対策について
今回乗車した便の新型コロナウイルス対策は、以下の通りです。
【主な新型コロナ感染症対策】(乗車当時のものです。)
・座席使用制限:なし
※全席通路カーテン付き
・車内消毒液設置:あり
・運転席回りのビニール製カーテン設置:あり
・運行終了時の車内消毒:実施
・エアコンの外気導入:実施
<動画追加>【お知らせ】バス事業者様へ 大型観光バス「日野セレガ」の室内空調について
・休憩時の車内換気:実施
・その他:
プラズマクラスターイオン発生装置を設置
乗務員のマスク着用 など
途中休憩は2回 飲食物・土産類の購入も可能!?
現青森駅舎を背景に発車を待つ「ドリーム青森・東京(ラ・フォーレ)2号」です。
21時00分 青森駅前発車
定刻に青森駅前を発車したバスは、市街地から青森中央大橋を経由し、青森インターへ向かいます。
その間、自動音声による案内と乗務員による補足説明が行われますが、JRバスらしい丁寧な案内が印象に残ります。
中間地点(仙台宮城インター)での乗務員交代についても、しっかりと触れられていました。
21時16分、青森インターから東北自動車道に入ったところで、車内は消灯。
途中の開放休憩時間を除き、車内灯は完全に消された状態になります。
23時02分~23時17分 岩手山サービスエリアにて開放休憩
この便では、長距離夜行高速バスとしては珍しい全区間ワンマン運行便のため、途中の開放休憩が2回実施されます。
1回目の休憩場所は、青森市内から約2時間走行したところに位置する岩手県の岩手山サービスエリア。
こちらでは、15分間の開放休憩となりました。
深夜帯ということもあり、回りはひっそりとしていましたが、東北自動車道の中でも比較的大きなサービスエリアであるためか、売店やフードコートは24時間営業。
飲食物や土産物を買い忘れたという方にとっては、ありがたいと感じるかもしれません。
バスも、しばしのひと休みです。
23時17分、時間になったところでバスは発車。
「ドリーム青森・東京(ラ・フォーレ)号」は、通路カーテンが設置されている関係上、お客様の睡眠妨害防止の観点から、サービスエリアでの発車前人数確認を実施しません。
東京~京阪神間の「グラドリーム号」「プレミアムドリーム号」や「グラン昼特急号」などと同じ扱いですね。
サービスエリアで置いて行かれない様、外へ出る際は予め発車時刻を確認しておきましょう。
05時22分~05時37分 羽生パーキングエリアにて開放休憩
バスは、中間地点である仙台宮城インターでの乗務員交代を挟みながら順調に走行。
翌朝05時22分、2回目の休憩場所である埼玉県の羽生パーキングエリアに到着します。
こちらでは、05時37分までの15分間停車しました。
羽生パーキングエリアの上り線といえば、写真の建物が特徴のひとつ。
実は羽生の近隣に栗橋関所があったことや、2013(平成25)年が池波正太郎の生誕90周年にあたることなどから、同年12月19日に池波の代表作『鬼平犯科帳』の世界観と江戸の街並みを再現した「鬼平江戸処」としてリニューアルオープンしたのです。
鬼平ファンにとって、この施設はたまらないのではないでしょうか。
夜明け前の「鬼平江戸処」も、何処となく独特な雰囲気を醸し出していますね。
深夜の高速道路を快走したバスも、ラストスパートに向けてひと休みです。
バスの出入口付近には、写真の様に発車時刻が掲げられますので、時間までにはバスに戻りましょう。
06時58分 東京駅日本橋口到着
羽生パーキングエリアを発車したバスは、夜明けの東北自動車道を南下。
06時03分には浦和料金所通過し、首都高速道路に入りますが、その先の川口料金所を通過したあたりから平日恒例の渋滞に巻き込まれます。
左手に東京スカイツリーを眺めながらバスはゆっくりと進み、06時55分、ようやく呉服橋ランプを流出します。
そして、06時58分、定刻8分遅れでバスは東京駅日本橋口に到着しました。
終点は東京ディズニーランドですが、この日は私を含めて乗客全員が東京駅日本橋口で下車したため、車内点検の後、東京都江東区のJRバス関東東京支店へ回送されるのでありました。
人の感情に刺さる様なアピールポイントを
以上、JRバス東北「ドリーム青森・東京(ラ・フォーレ)号」乗車の模様をご紹介しました。
今回ご紹介したJRバス東北「ドリーム青森・東京(ラ・フォーレ)号」をはじめとして、東京~青森間は東京~仙台間に次ぐ「東京~東北間の高速バス激戦区」のひとつです。
「ドリーム青森・東京(ラ・フォーレ)号」以外にも、東京~青森間だけで
・「津輕号」(弘南バス)
・「パンダ号」(弘南バス)
・「MEX青森」(岩手県北自動車南部支社)
・「ジャムジャムエクスプレス」(ジャムジャムエクスプレス)
・「オリオンバス」(オー・ティー・ビー/八洲交通)
とこれだけの路線がある他、周辺の弘前・八戸・三沢発着路線も含めると、かなりの路線数になります。
その中で、「ドリーム青森・東京(ラ・フォーレ)号」の売りは何だろうか・・・ふと移動中の車内で考えてしまいました。
真っ先に思い浮かんだのは、JRバスが得意?とする「安心・安全」。
ですが、現状の「ドリーム青森・東京(ラ・フォーレ)号」において、これ以上思い浮かばないんですよね。(一バスファンの戯言で大変申し訳ありませんが・・・。)
以前ですと、「シートピッチが広いゆったりシート」というキーワードも出て来たのですが、使用車両変更により、このキーワードは必ずしも当てはまらなくなりました。
「津輕号」や「ノクターン号」「MEX青森」が改良型シートを搭載した車両を投入している昨今、(少なくてもハード面において)どうもアピールポイントが少ないのでは?という気がします。
当然のことながら、「安心・安全」は利用者に対するアピールポイントのひとつにはなりえますが、業界の事情を知らない一般利用者は「安全に運んでくれて当たり前」と考えるはず。
競合が多い区間だからこそ、「これがあるから「ドリーム青森・東京(ラ・フォーレ)号」を使いたい!」と思わせる、人の感情に刺さる様な(ハード面における)『もう一押し』が欲しいなぁというのが、今回久しぶりに乗車して率直に感じたことです。
とはいえ、逆にいうと、目的地に応じて路線の使い分けが出来るという考え方もあるわけでして、「東京駅やディズニーランドに直行出来る」「3列シートで最安6,000円台から乗車出来る」といったメリットがこの路線にはあります。
東京駅で降りて新幹線や東京以西の電車に乗り換えるといった方にとっては、便利な路線であることには間違いないでしょう。
色々と書きましたが、使い方によっては便利な「ドリーム青森・東京(ラ・フォーレ)号」。
青森~東京間の移動の選択肢のひとつとして候補に挙げても良いバスだと思います。
今後、同路線がどの様に推移していくかは分かりませんが、「利用者が今後も使いたがる路線」に育っていくことを大いに期待したいですね。
【乗車データ】
- 乗車日:2020/09/30
- 乗車区間:
青森駅前→東京駅日本橋口 - 運行会社:JRバス東北
- 車両:日野/セレガHD(QRG-RU1ESBA)
- 年式:2016年式
- 所属:青森支店
- 社番:H677-16403
次回予告
青森から10時間弱かけて首都東京に到着した私。
ビジネスホテルのデイユースプランを活用しながら、空き時間にこの日運行を開始した「東京BRT」を実見するなど、夜まで身体を休めます。
そして、いよいよ、あの夜行バスで一気に九州博多まで移動!
次回、皆様お待ちかね?の”あのバス”が登場します!





