岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 乗車記【札幌~博多間 日本縦断 高速バスだけの旅 北上編】

夜行バス,高速バス乗車記

札幌~博多間を高速バスだけで縦断しようという旅企画『札幌~博多間 日本縦断 高速バスだけの旅』

姫路から京王バス東の夜行高速バス「プリンセスロード」(新宿神戸姫路線)で東京に戻り、

京王バス東「プリンセスロード」 81553


東京都八王子市でちょっと変わったバスを実見した私。

京王バス南「nearくる」 T091


いよいよ、本州最北端青森への移動を開始します。
今回の旅のゴールまで、もうひと踏ん張り。

『札幌~博多間 日本縦断 高速バスだけの旅 北上編』4日目の後半です。

シャンパンゴールドとオレンジのカラーリングが目立つ「MEX青森」

東京から乗車したのは、こちらのバスでした。
岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244
岩手県北自動車南部支社(通称:南部バス)が運行するTDL・新宿~弘前・青森間夜行高速バス「MEX青森」です。(写真はイメージです。)

元々、同社はWILLER EXPRESSから委託を受け、高速バス「WILLER EXPRESS」を運行していましたが、2018(平成30)年12月末日をもって提携を解消し、翌2019(平成31)年1月1日より新ブランド「MICHINORI EXPRESS」としてリニューアル(リブランド)しました。
カラーリングも、それまでの「WILLER EXPRESS」カラーから、シャンパンゴールドとオレンジをベースにしたみちのりHD高速用カラー「MEXカラー」に変更。
気品と暖かみが感じられるカラーリングが特徴です。

ブランド変更で、一時は「WILLER EXPRESS」との提携を解消していましたが、現在は「MEX+WILLER」のダブルブランドとして運行しています。

岩手県北自動車南部支社の「MICHINORI EXPRESS」は、方面別に3系統設定されています。

こちらは、TDL・新宿と八戸・三沢を結ぶ「MEX三沢」
トイレなし4列シート車が投入されます。
岩手県北自動車南部支社「MEX三沢」 ・978
「MEX三沢」 三菱エアロエース

川崎・新宿と盛岡・八戸を結ぶ「MEX八戸」には、トイレ付き3列&4列シート車が。
岩手県北自動車南部支社「MEX八戸」 ・980
「MEX八戸」 日野セレガHD

そして、今回私が乗車した「MEX青森」(TDL・新宿~弘前・青森)には、「MEX八戸」と同じトイレ付き3列&4列シート車が投入されます。
岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244
「MEX青森」 日野セレガHD

車両は、岩手県北自動車南部支社青森営業所所属の日野セレガHD(2RG-RU1ESDA)。
写真の1244号車ともう1台の計2台が「MEX青森」に充てられている様です。

快適な11時間 東京~青森間「MEX青森」の旅

旅の始まりはバスタ新宿から

やって来たのは、日本最大級の高速バスバスターミナル「バスタ新宿」
「MEX青森」の始発は東京ディズニーランドですが、今回はこちらバスタ新宿から乗車します。

バスタ新宿

「MEX青森」のバスタ新宿発車時刻は22時30分。
羽田空港や成田空港へ行くリムジンバスがメインで使用しているA1のりばから発車します。

22時20分、「MEX青森」が入線します。
シャンパンゴールドとオレンジを配したカラーリングは、夜のバスタ新宿でも目立ちますね。

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244

気になる「MEX青森」の車内は・・・

バスタ新宿A1のりばに停車した「MEX青森」。
乗務員の改札を受け、車内に入ります。

車内は、前方と後方でシート配列が大きく異なります。

車内前方(22席)は、2+2配列の4列シート。
幅広タイプの本革シートを採用し、フットレスト(足置き台)やレッグレスト、可動式枕、コンセントを装備したゆったり仕様になっています。

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 車内前方(4列シートエリア)

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 4列シート

<4列シートエリアの仕切りカーテン設置について>
4列シートエリアについて、撮影当時は仕切りカーテンが設置されていませんでしたが、その後、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、飛沫拡散の抑制のため、現在は仕切りカーテンが設置されています。
※3列独立シートエリアについては、従来より通路カーテン(仕切りカーテン)が設置されています。
詳しくは、MEX公式サイトにてご確認願います

一方で、車内後方(10席)は3列独立シートエリア。
4列シートと違い、シート表面はモケットになっていますが、ブラックのシート地にワインレッドのチェックが入った、落ち着いた雰囲気になっています。
シート自体は、南海バスやとさでん交通などが採用しているゆったりタイプのものを採用。
座り心地も良く、快適に過ごすことが出来ます。

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 車内後方(3列独立シートエリア)

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 3列独立シート

フットレスト(足置き台)、レッグレストはもちろん、可動式枕も搭載しています。

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 フットレスト・レッグレスト

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 3列独立シート 可動式枕

コンセントは、ひじ掛け下に設置しています。

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 3列独立シート コンセント

シートグレードを問わず、各座席には毛布、使い捨てスリッパに加えて、腰当てクッション(腰枕)が置かれています。
この腰当てクッションの柔らかさが私の好みの硬さで丁度良く、腰が疲れずにに済みました。

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 3列独立シート 腰当てクッション(腰枕)

各座席には、注意事項などを記したリーフレットが入っています。
飛行機の「安全のしおり」を意識した内容になっていますが、この様なリーフレットを用意するバス会社も最近増えて来ましたね。

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 3列独立シート リーフレット

尚、このバスには、乗降口付近にアルコール消毒液を設置している他、シャープ製プラズマクラスターイオン発生装置を設置しています。
(プラズマクラスターはシャープ株式会社の登録商標です。)

ひと通り車内を見ましたが、他社競合路線と比較しても、かなりのハイグレードバスという印象を強く受けました。


22時30分 バスタ新宿発車

乗客が全員揃ったろことで、バスは22時30分定刻にバスタ新宿を発車します。
車内は約8割方の乗車率で、私がアサインした3列独立シートエリアは満席でした。

バスタ新宿を発車したところで、自動放送による案内と乗務員からの補足説明が行われます。
その間、バスは中野長者橋ランプから首都高速道路中央環状線に入り、22時51分に車内は消灯されました。

23時09分、東北道浦和料金所を通過。
あとは、東北自動車道を青森へ向けて北上するのみです。


23時45分~00時10分 佐野SAにて開放休憩

「MEX青森」の途中休憩個所は4箇所。
トイレ付き夜行バスにしては多い印象を受けます。

最初の休憩場所は、東北自動車道佐野サービスエリア
こちらでは、23時45分から25分間停車しました。

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 佐野SA

佐野サービスエリアは、東北自動車道のサービスエリアの中でも有数の規模の大きさを誇ります。
トイレ、自販機はもちろん、フードコーナーや売店も品揃えが充実しており、土産物を見ているだけでも楽しいです。
そして、佐野サービスエリア下りの売店といえば、一度はこちらを見ておきたいものです。

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 佐野SA 売店内のおもちゃコーナー

売店の一角に設けられている「おもちゃコーナー」です。
プラモデルやトミカ・バスコレクションなどが所狭しと並べられており、長時間居ても飽きません。
栃木県といえば、鉄道模型やバスコレクションなどでお馴染みのトミーテック(タカラトミーの子会社)の本社所在地としても有名ですが、おもちゃコーナーが充実しているサービスエリアの売店は、非常に珍しいのではないでしょうか。
時間を忘れてバスに乗り遅れないよう、気を付けましょう。

バスもしばしのひと休み。
灯りに照らされたシャンパンゴールドとオレンジの車体がひと際映えますね。

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 佐野SAにて_01

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 佐野SAにて_02

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 佐野SAにて_03

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 佐野SAにて_04

09時15分 青森港フェリーターミナル到着

00時10分、乗客が全員揃ったところでバスは佐野サービスエリアを発車。
東北自動車道を青森へ向けて北上します。

この後、バスは安達太良サービスエリア長者原サービスエリア岩手山サービスエリアにて開放休憩を実施しますが、シートを倒して目を瞑ると、いつしか夢の中へ。
あまりにも寝心地が良く、翌朝まで目を覚ますことはありませんでした。

翌朝07時38分、大鰐弘前インターを通過したところで目が覚めます。
多少疲れていたというのもありますが、夜行バスで7時間近くも目を覚まさずに寝ていたというは、私にとって珍しいこと。
それほどまでに快適であったということなのでしょう。

07時45分、車内灯が点灯され起床。
9分後の07時54分に バスは最初の降車停留所である弘前駅城東口に到着します。
こちらでは、半数近くの乗客が下車していきました。

その後、暫く一般道を走行し、08時27分に黒石インターから再度東北自動車道へ。
遠くには、雪を被った山が見えました。

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 黒石インター~青森間の車窓

20分程走行し、青森中央インターを流出したバスは、定刻よりも10分程早い08時59分に青森駅前に到着します。
こちらで残りの乗客が下車し、残るは私1人となりました。

青森駅からは、青森ベイブリッジを渡り青森港へ。
09時15分にバスは終点の青森港フェリーターミナル到着しました。

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 まもなく終点青森港フェリーターミナル

岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 終点青森港フェリーターミナル到着

津軽海峡フェリー 青森港フェリーターミナル

この後、私は津軽海峡フェリー「ブルーハピネス」で北海道函館へ。
今回の旅の最後に向けて、しっかりと身体を休めるのでありました。

津軽海峡フェリー「ブルーハピネス」_101

津軽海峡フェリー「ブルーハピネス」_105

津軽海峡フェリー「ブルーハピネス」_107

津軽海峡フェリー「ブルーハピネス」_108

好印象の「MEX青森」

新宿から青森までの所要時間は約11時間。
首都圏~東北間の夜行バスの中では、所要時間が長い部類に入りますが、意外や意外、ひと眠りしたらもう青森に着いてしまった・・・いう感覚でした。

今回、「MEX青森」にリブランドしてから初めての乗車でしたが、「これはリピーターになって良いかなぁ・・・」というのが正直な感想でした。
シートはもちろんのこと、腰当てクッションや通路カーテンなど、他社競合路線にも引けを取らない車内サービスは、きっとアドバンテージになる筈。
発着地や運行ダイヤ自体は「WILLER EXPRESS」時代をほぼ踏襲していますが、シートの座り心地が良いという点と、車内設備のレベルが高いという点で、個人的には「WILLER EXPRESS」時代よりも好印象でした。
欲をいえば、途中休憩停車の回数が4回も必要かなぁとは思いましたが、就寝中の乗客を出来るだけ起こさない配慮もなされている様ですし、さほど気にする点ではないのかもしれません。

みちのりブランド「MEX」へリブランドしてから1年あまり経ちましたが、今回乗車した便に限っては、「WILLER EXPRESS」時代と同様に多くの方が利用されており、人気が維持されている印象を受けました。
残念ながら、現在は新型コロナウィルス感染拡大の影響で、殆どの高速バスがかつてない苦境に陥っていますが、この苦境を何とか乗り越えて、多くの方が利用される路線に戻ることを切に願いたいものです。


岩手県北自動車南部支社「MEX青森」 1244 青森港フェリーターミナルから回送へ


【乗車データ】 
  • 乗車日:2020/02/26
  • 乗車区間:
    バスタ新宿(新宿高速バスターミナル)→青森港フェリーターミナル
  • 運行会社:岩手県北自動車南部支社
  • 車両:日野/セレガHD(2RG-RU1ESDA)
  • 年式:2018年式
  • 所属:青森営業所
  • 社番:1244

次回予告

約10日にわたった札幌~博多間を高速バスだけで旅をするという企画も、ついにあと1路線。
ゴールの札幌へ向けてラストスパート!
ラストは、もちろんあの路線で締めます!

次回

最終回「緑のバスでゴールの地へ!」

お楽しみに。

北都交通「高速はこだて号」 3831 函館駅前ターミナルにて


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