西日本鉄道「はかた号」プレミアムシート 乗車記(新宿→福岡 2019年5月乗車分)
夜行高速バス「はかた号」に新型車両が導入されました。
2020年7月1日より運行を開始しております。
新型車両の乗車記は、以下のページにて公開しております。
【プレミアムシート】
西日本鉄道「はかた号」新型車両【プレミアムシート】 乗車記(新宿→北九州 2020年7月乗車分)
【ビジネスシート】
今後公開予定(時期は未定)
2020年8月に新宿から福岡(博多バスターミナル)まで乗車した時の模様を動画にしました。
宜しければご覧いただけると幸いです。
2020年7月1日より運行を開始しております。
新型車両の乗車記は、以下のページにて公開しております。
【プレミアムシート】
西日本鉄道「はかた号」新型車両【プレミアムシート】 乗車記(新宿→北九州 2020年7月乗車分)
【ビジネスシート】
今後公開予定(時期は未定)
2020年8月に新宿から福岡(博多バスターミナル)まで乗車した時の模様を動画にしました。
宜しければご覧いただけると幸いです。
夜行バス界の「キング・オブ・キング」として知られる西日本鉄道(西鉄)の福岡~東京新宿間夜行高速バス「はかた号」。
バスに興味がある方にとっては、開業当時から「知らない人はいない」的存在の夜行高速バスでありますが、北海道のローカルバラエティ番組「水曜どうでしょう」をきっかけに、バスファンのみならず日本全国にその名が知られる様になったのは、周知の事実であります。
「キング・オブ・深夜バス」という名称で紹介されていたことは、ご存知の方も多いかと思います。
「はかた号」プレミアムシートについては、このブログで以前ご紹介したことがありましたが・・・
実は先日、福岡での取材を兼ねた旅行目的で東京から福岡へ移動する際に、久しぶりに「はかた号」プレミアムシートに乗車してまいりました。
今回はその時の模様をご紹介します。
目次
旅の始まりはバスタ新宿から
やって来たのは、JR新宿駅南口に位置する「バスタ新宿」(新宿高速バスバスターミナル)4階高速バスのりば。開業から3年が経ち、日本有数の高速バスターミナルとして多くの方に知られるようになりました。(写真はイメージです。)
夜行高速バス「はかた号」は、「バスタ新宿」D10番のりばから発車。
発車の10分前にはバスが入線し、改札が始まります。
今回乗車した車両はこちら↓。
西日本鉄道博多自動車営業所所属の0001号車(三菱エアロクイーン QRG-MS96VP)です。
パールホワイトメタリックの車体に、「Line connecting Hakata with Tokyo」のロゴが入った「はかた号」専用車両になります。
バスが入線したところで、早速車内に入ってみます。
気になる「はかた号」の車内は・・・
現在の「はかた号」は「2クラス制」を採用しており、前方4席が個室タイプの「プレミアムシート」、後方19席が3列独立の「ビジネスシート」になっています。トイレは中央部右側の階段を下りたところにあります。
さほど広くないため、あくまで緊急的な設備といえましょうが、いざという時にありがたい設備です。
プレミアムシート
まずは、今回もお世話になる「プレミアムシート」から。シートは、日本国内の高速バスとしては初採用のマジカルテクニカ製バス用シート「A380-F」を採用。
シート幅約50cm、最大リクライニング角度150度、シートピッチ135cmを誇るゆったりとしたシートが特長です。
シート操作は全て電動式になっていて、リクライニング・オットマンの角度調整はもとより、シートヒーター・マッサージ機能・座面送風機能までもが搭載されています。
足置き台は設置されていませんが、オットマンの長さがそれなりに確保されており、サイドサポートも装備されていることから、足置き台が無いことによる不自由感は特に感じません。
座席周りはパーテーションとカーテンで区切られており、回りを気にせずに休むことが出来ます。
正しく「動くネットカフェ」という表現がピンと来るといえましょう。
通路側壁面に取り付けられているシートリモコンと照明スイッチです。
シート操作と照明のON/OFF・光量調整はこちらで行います。
シートポジションは最大2パターンまで記憶出来、個室内の白熱灯の明るさは無段階で調整することが出来ます。
プレミアムシートのコンセント、USBポートです。
コンセントは左右の肘掛け下に各1箇所、USBポートは窓側の肘掛け下に設置されています。
座席前方のシートポケットには、各種リーフレット類とプレミアムシート利用者専用のタブレット(iPad mini 3)が入っています。
また、窓側下部にはTERUMO製の小型空気清浄機と小型ごみ箱が設置されています。
読書灯は、LED方式を採用。
シートに取り付けられる格好で設置されています。
ビジネスシート
続いては、車内後方の「ビジネスシート」です。「ビジネスシート」は、車内後方部に19席設置されており、うち最後部3席(女性専用席)を除く16席には、マジカルテクニカ製の3列独立タイプ本革シート「A330-F」が採用されています。
シート幅は46cm、最大リクライニング角度は143度、シートピッチは95cmを誇ります。
先代車両(三菱エアロキング)の「ビジネスシート」と比較すると、リクライニング角度・シート幅共にグレードダウンしている感は否めませんが、全席3点式シートベルトを採用するなど、安全・安心を売りにしているのが特長です。
勿論、「ビジネスシート」にも座席コンセントやUSBポートが設置されている他、全席にプライベートカーテンが装備されていますので、「それなりに安く、回りを気にせずに移動したい。」という方にはお勧めのシートといえましょう。
休憩場所変更と迂回運行というイレギュラーが発生
今回アサインされたのは、「プレミアムシート」の2A席。最前列の1A/1B席と比較すると多少圧迫感はありますが、それでもゆったりとした座り心地とプライベート感覚は変わることはありません。
車内をひと通り見たところで、バスの発車を待ちます。
21時00分 バスタ新宿発車
予約済みの乗客が揃い、バスは21時00分定刻にバスタ新宿を発車します。スロープを下り、甲州街道から首都高速道路初台南ランプへ。
初台南ランプから、首都高速道路中央環状線~同3号渋谷線を経由し、東名高速道路へと入ります。
初台南ランプに入ったところで、乗務員による運行経路・車内設備の案内がマイクを通じて行われますが、この日は工事の関係で消灯前の休憩場所が静岡サービスエリアから駿河湾沼津サービスエリアに変更される旨と、新名神高速道路から名神高速道路へ迂回するために到着時刻が通常よりも30分程遅れる旨の案内も行われました。
過不足無く丁寧な案内は、さすが西鉄といったところでしょうか。
21時25分 東京料金所通過
東京料金所を通過後は、いよいよ夜のハイウェイクルージング。シートを少し倒してマッサージ機能をONにし、外の景色を眺めながらのんびりと過ごします。
車の流れはいたってスムーズ。
最初の休憩場所までは遅れることなく進みそうです。
22時19分 御殿場JCT通過
御殿場ジャンクションからは新東名高速道路へ。走行環境が良い新東名高速道路も、車の流れはスムーズです。
22時32分~22時45分 駿河湾沼津サービスエリア停車(開放休憩)
新宿から1時間30分程で、バスは消灯前の休憩場所である駿河湾沼津サービスエリアに到着。こちらでは開放休憩時間として13分停車しました。
多くの乗客がバスを降り、トイレや洗顔、買い物などを済ませていました。
私もトイレと洗顔、就寝準備を済ませます。
駿河湾沼津サービスエリアに停車中の「はかた号」です。
22時50分 消灯
乗客が全員揃ったところで、バスは駿河湾沼津サービスエリアを発車します。この後は、数か所のサービスエリアにて乗務員交代のために停車しますが、乗客は翌朝の開放休憩まで下車することができません。
その間、バスは新東名高速道路~東名高速道路~名神高速道路~中国自動車道~山陽自動車道を福岡へ向けてひた走ります。
次の乗務員交代場所である名神高速道路尾張一宮パーキングエリア到着時までは起きていましたが、その後は眠気には勝てず、暫くしてシートを倒して眼を瞑ります。
ホールド感の良いシートの座り心地とバス自体の安定した乗り心地に魅了され、いつしか夢の中へ。
翌朝までぐっすりと眠ることが出来ました。
山陽路~関門橋を経由して九州へ・・・
翌朝、バスが山陽自動車道福山サービスエリアにて乗務員交代を行っている時に目を覚まします。外はすっかり明るくなってはいるものの、まだ起床時間にはなっていません。
ですが、気兼ねなく窓を開けて外の景色を楽しめるのも、プレミアムシートならでは。
福山サービスエリア出発後は、左手に広がる車窓を楽しみながら、のんびりと過ごします。
08時00分 起床
乗務員による案内放送で起床となります。案内後、交代乗務員が前方のカーテンとビジネスシートにてセットしていたプライベートカーテンを片付け、その後、朝の休憩場所到着の案内が行われます。
08時10分~08時25分 佐波川サービスエリア停車(開放休憩)
駿河湾沼津サービスエリア発車後、9時間半弱でバスは朝の休憩場所である山陽自動車道佐波川サービスエリアに到着します。こちらでは15分間の開放休憩となりました。
殆どの乗客がバスを降り、トイレや洗顔、朝食の買い出しなどを済ませていました。
佐波川サービスエリアに停車中の「はかた号」です。
09時23分~09時24分 関門橋通過
乗客が全員揃ったところで、バスは佐波川サービスエリアを発車します。終点まであと3時間弱。
ここから先は、昼行高速バスの雰囲気を味わいながら福岡へと向かいます。
9時23分~9時24分、バスは関門橋を通過。
いよいよ九州に上陸です!
9時48分 小倉駅前到着
9時30分、門司インターを通過。ここから先は北九州都市高速道路を小倉市街へと向かいます。9時50分、バスは最初の降車停留所である小倉駅前に到着。
こちらでは6名が下車していきました。
その後、砂津(チャチャタウン前)と黒崎インター引野口は、降車客がいないために通過。
足立ランプから北九州都市高速道路に入り八幡インターまで走行後、八幡インターからは九州自動車道を福岡へ向けてひた走ります。
11時03分 西鉄天神高速バスターミナル到着
10時44分、福岡インターを流出。ここから先は福岡都市高速へ入り、10分程で天神北ランプを流出します。
11時03分、バスはほぼ定刻に西鉄天神高速バスターミナル到着。
九州島内高速バスや西鉄の路線バス、西鉄天神大牟田線への乗り換えは、こちらが便利です。 こちらでは約半数の乗客が下車していきました。
11時25分 博多バスターミナル到着
そして、定刻から遅れること8分の11時25分、バスは終点の博多バスターミナル2階降車ホームに到着しました。九州島内高速バスや西鉄の路線バス、JR各線、福岡市営地下鉄への乗り換えは、こちらが便利です。
新宿を出発して14時間25分。
福岡までもの凄く長く感じると思いきや、意外とあっという間に着いてしまった・・・というのが正直な感想でした。
多少奮発したとはいえ、個室感覚でくつろげた「プレミアムシート」のおかげであることはいうまでもないでしょう。
今回も十分に楽しませていただきました。
現行「はかた号」専用車もそろそろお役御免か?
というわけで、西日本鉄道「はかた号」個室型プレミアムシートの乗車記(新宿→福岡)をお届けしました。今回、約4年5ヵ月ぶりに「はかた号」に乗車しましたが、
「時代は変われど、夜行バス界のキングの称号はまだまだ渡さんぞ!」
といわんばかりの風格を改めて感じました。
車両にしろ、サービスにしろ、1000km越えの超長距離路線に相応しいものを提供しているからであるからこそだと思います。
一方で気になったのが、やはり現行の専用車両のことです。
現行の専用車両は、運行を開始してから4年5ヵ月経過していますが、毎日1000km以上の走行で酷使されているからでしょうか、外観やシートに所々痛みが目立っているのが気になりました。
特に、「プレミアムシート」に至っては、シートのへたり具合がかなり進んでいるように感じました。
トータルの走行距離も200万kmを越えているものと思われ、時期的にも「次期専用車に代替を・・・」という声がそろそろ出て来そうな気がします。
もしかすると、すでに検討が始まっているのかもしれませんが・・・。
幾度の困難を経て、現在は利用が概ね好調に推移しているといわれる西鉄の「はかた号」。
閑散期の利用促進や常に付きまとう車両の代替問題など、抱える課題は決して少なくありませんが、今後も福岡と東京都を結ぶ「夢の架け橋」として末永く運行を続けて欲しいと切に願うばかりです。
【乗車データ】
- 乗車日:2019/05/14
- 乗車区間:
バスタ新宿(新宿高速バスターミナル)→博多バスターミナル - 運行会社:西日本鉄道
- 車両:三菱/エアロクイーン(QRG-MS96VP)
- 年式:2014年式
- 所属:博多自動車営業所
- 社番:0001
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