JRバス関東「中央道昼特急13号」乗車記 ~ラストラン前の惜別乗車(?)~
「景色の眺めが良い」「のんびりと移動出来る」という点が評価され、常に一定数の利用があるJRバスの東阪昼行高速バス「東海道昼特急」「中央道昼特急」。
幾度のダイヤ改正を経て現在も運行を続けていますが、来たる2019(令和元)年5月17日実施予定のJRバス東阪間高速路線のダイヤ改正で、「昼特急」も大きく変わりそうです。
そして、このダイヤ改正で、実は運行を終了する系統があります。
その系統とは・・・中央自動車道経由の「中央道昼特急号」です。
かつては数往復運行されていた「中央道昼特急号」も、現在は1往復のみ。
沿線の美しい山々の風景が楽しめるということで、私自身、中央道は好きな区間ではあるのですが、この中央道全区間を乗り換えなしで走破する高速バスが無くなるのは、やはり一抹の寂しさがあります。
それならば・・・ということで、久しぶりに中央道からの景色を楽しみたいと思った私は、高速バス予約サイト「高速バスネット」から直前予約して「中央道昼特急号」に乗車することを決意。
ネットで決済を済ませ、のりばへと向かうのでありました。
当時好調であった「東海道昼特急大阪号」を補完する系統として、「中央道昼特急京都号」が誕生したのが始まりです。
その後、大阪発着の「中央道昼特急大阪号」も登場し、増便や停留所新設などを行いますが、大きく変わったのは2010(平成22)年7月の東阪間高速バスのダイヤ改正でした。
このダイヤ改正で、京都発着の便が廃止され、路線愛称も「東海道昼特急号」「中央道昼特急号」に揃えられます。
そして、2014(平成26)年7月のダイヤ改正で、「中央道昼特急号」の1往復を「東海道昼特急号」に振り替えたことにより、「中央道昼特急号」は1往復に減便。
現在は、東京を昼頃に発車する「中央道昼特急13号」と、大阪を朝に発車する「中央道昼特急6号」がそれぞれ運行されています。
今回私が乗車したのは、東京発の「中央道昼特急13号」。
JRバス関東の車両で運行されます。
やって来たのは、日本最大級の高速バスターミナル「バスタ新宿」。(写真はイメージです。)
「中央道昼特急13号」は東京駅八重洲南口が始発ですが、今回は少し撮影もしたいと思い、東京駅八重洲南口で発車直前の「中央道昼特急13号」を撮影後に、JR中央本線快速電車で新宿へ先回りし、バスタ新宿から乗車することにしました。
ネタバレしましたが、今回乗車した車両はこちら↓です。
JRバス関東東京支店所属のD674-04508号車。
かつて「ドリーム号」四国系統でも活躍した三菱エアロキング(MU612TX)です。
車内の様子です。
1階席、2階席ともに1人掛けシートが並んでおり、1階の定員は8名、2階の定員は30名となっています。
車体更新時に貼り換えられた青いシートモケットが目立ちますが、基本的には「ドリーム号」四国系統運用時とほぼ同じ姿であるといって良いでしょう。
各座席にはコンセントが後付けにて装備されている他、窓側座席には通路カーテンも装備。
昼特急の運用ではありますが、通路カーテンをセットしてくつろぐことも出来ます。
「中央道昼特急13号」は、バスタ新宿D10のりばから発車。
発車の10分前にはバスが入線し、乗車改札が行われます。
12時50分、定刻にバスタ新宿を発車したバスは、甲州街道を西へ向けて走行。
発車後、乗務員から各種案内が行われた後、自動放送にて注意事項などの案内が行われます。
その間、バスは初台ランプから首都高速道路4号線に入り、そのまま中央自動車道をひた走ります。
中央道三鷹、中央道深大寺、中央道府中、中央道日野、中央道八王子で乗車扱いを行ったバスは、いよいよ山岳ハイウェイの旅へ。
この日の車内は、週末であるにもかかわらず10人前後の乗車と少な目。
「東海道昼特急号」と比較して時間のかかる「中央道昼特急号」は、敬遠される傾向にあるのでしょうか。
東名高速道路からの景色もそれはそれで美しいのですが、個人的には中央道の景色も一見の価値があると思うのです。
こちらでは14時27分から18分間停車しました。 大半の乗客がバスを降り、トイレや買い物などを済ませていきます。
こちらのパーキングエリアには、コンビニ(ファミリーマート)がありますので、お昼を食べ損なた方も安心です。
エアロキングもひと休みです。
尚、「中央道昼特急号」では、「東海道昼特急号」「グラン昼特急号」と同様に、発車時の乗務員による人数確認を行いません。(通路カーテン設置車両のため。)
発車時刻になりましたらバスは発車しますので、発車時刻までには必ずバスに戻りましょう。
発車時刻になったところで、バスは境川パーキングエリアを発車。
中央自動車道を愛知県へ向けてひた走ります。
右手には甲府盆地や諏訪湖が。
外は天気が良く、車窓もひと際映えますね。
2回目の休憩は、境川パーキングエリアから1時間20分程走行した長野県の中央自動車道小黒川パーキングエリア。
16時07分から18分間停車しました。
こちらのパーキングエリアは乗務員交代箇所にもなっています。
ここで、JRバス関東の乗務員から西日本JRバスの乗務員に交代します。
遠くには山頂に雪が残る山々が。
撮影する方も少なからず見受けられました。
小黒川パーキングエリアを発車したバスは、山坂急カーブが続く中央自動車道を走破。
やがて、日も暮れていきます。
17時37分、中津川(中津川インター)で最後の乗車扱いを行い、バスは更に中央自動車道を西へ。
そして、18時20分、バスは小牧JCT通過します。
ここで中央自動車道とはお別れ。
ここからは名神高速道路を大阪へ向けてひた走ります。
3回目の休憩場所は、小牧ジャンクションを通過して25分ほど経過したところにある名神高速道路養老サービスエリア。
こちらでは、夕食時ということもあってか、19時15分までの27分間停車しました。
養老サービスエリアは、売店やフードコートが充実しているサービスエリアとしても有名。
特に混んでいなければ、フードコートで食事をとることも可能です。
(実際にフードコートで食事をする乗客も数名いましたね。)
エアロキングも、ラストスパート前に最後のひと休みです。
外はすっかり暗くなり、さながら夜行バスの雰囲気でもあります。
名神八日市は降車客がおらず通過し、最初に停車したのは京都深草でした。
時計を見てみると、時刻は20時33分。
ほぼ定刻ベースで運行している様です。
その後、名神大山崎、名神高槻、千里ニュータウンで降車扱いのために停車しますが、特段渋滞に巻き込まれることもなく、至ってスムーズな運行でした。
結局、大阪駅JR高速バスターミナルには、ほぼ定刻の21時27分に到着。 私を含め大半の乗客を降ろしたバスは、終着の湊町バスターミナル(なんばOCAT)へ向けて走り去っていきました。
今回、事実上初めてともいえる「中央道昼特急号」東京~大阪間通し乗車を敢行してみたのですが、沿線の美しい景色を見ながらボーっとしている間に着いてしまった・・・というのが正直な感想でした。
まあ、それが日常を忘れてのんびりと旅ができる「昼特急号」ならではの楽しみ方のひとつでもあり、良さでもあると思うのです。
しかしながら、「東海道昼特急号」の補完的役割が強かったとはいえ、この時点での系統廃止ということは、やはり「東海道昼特急号」と比較して利用者数があまり多くなかったのかなぁという印象を受けます。
実際にこの便も2桁いくかいかないかの乗客数でしたし・・・。
加えて、山坂がきつい中央道は、バス車両にとっても負担になっていた筈で、エアロキングの老朽化などを考慮すると、「東海道昼特急号」への統一は仕方がないのかなぁという気もします。
今後、東阪間の「昼特急号」は、「東海道昼特急号」へ統一されると共に、エアロキングの老朽化により「グラン昼特急」への置き換えが実施されることになっています。
これにより、定期便としてエアロキングで運行される東阪間「昼特急号」は1往復にまで運用が減ることになり、夜行便「ドリーム号」と共にますます希少価値的存在になっていくことでしょう。
そして、スカニア製2階建てバス「InterCity DD」の導入が本格化するに伴い、東阪間のエアロキング完全引退はすぐそこまで来ているといえるでしょう。
いうまでもありませんが、JRバスの2階建てバス「三菱エアロキング」に乗るのであれば、本当に今のうちです!
ともあれ、今回は中央道の車窓を存分に楽しませていただきました。
まずは、「17年間、本当にお疲れ様でした」という言葉をかけたいです。
そして、今後更に少なくなっていく2階建てバス「三菱エアロキング」の雄姿を、出来るだけ追い続けていきたい・・そう思った今回の「中央道昼特急13号」の乗車でございました。
【乗車データ】
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JRバス関東「東海道昼特急号」
JRバス関東「グラン昼特急号」
幾度のダイヤ改正を経て現在も運行を続けていますが、来たる2019(令和元)年5月17日実施予定のJRバス東阪間高速路線のダイヤ改正で、「昼特急」も大きく変わりそうです。
そして、このダイヤ改正で、実は運行を終了する系統があります。
その系統とは・・・中央自動車道経由の「中央道昼特急号」です。
JRバス関東「中央道昼特急号」
かつては数往復運行されていた「中央道昼特急号」も、現在は1往復のみ。
沿線の美しい山々の風景が楽しめるということで、私自身、中央道は好きな区間ではあるのですが、この中央道全区間を乗り換えなしで走破する高速バスが無くなるのは、やはり一抹の寂しさがあります。
それならば・・・ということで、久しぶりに中央道からの景色を楽しみたいと思った私は、高速バス予約サイト「高速バスネット」から直前予約して「中央道昼特急号」に乗車することを決意。
ネットで決済を済ませ、のりばへと向かうのでありました。
目次
「ドリーム号」四国系統で活躍したエアロキングがそのままの状態で活躍!?
中央道経由の昼特急号が登場したのは、2002(平成14)年の3月。当時好調であった「東海道昼特急大阪号」を補完する系統として、「中央道昼特急京都号」が誕生したのが始まりです。
西日本JRバス「中央道昼特急京都号」
その後、大阪発着の「中央道昼特急大阪号」も登場し、増便や停留所新設などを行いますが、大きく変わったのは2010(平成22)年7月の東阪間高速バスのダイヤ改正でした。
このダイヤ改正で、京都発着の便が廃止され、路線愛称も「東海道昼特急号」「中央道昼特急号」に揃えられます。
そして、2014(平成26)年7月のダイヤ改正で、「中央道昼特急号」の1往復を「東海道昼特急号」に振り替えたことにより、「中央道昼特急号」は1往復に減便。
現在は、東京を昼頃に発車する「中央道昼特急13号」と、大阪を朝に発車する「中央道昼特急6号」がそれぞれ運行されています。
今回私が乗車したのは、東京発の「中央道昼特急13号」。
JRバス関東の車両で運行されます。
やって来たのは、日本最大級の高速バスターミナル「バスタ新宿」。(写真はイメージです。)
「中央道昼特急13号」は東京駅八重洲南口が始発ですが、今回は少し撮影もしたいと思い、東京駅八重洲南口で発車直前の「中央道昼特急13号」を撮影後に、JR中央本線快速電車で新宿へ先回りし、バスタ新宿から乗車することにしました。
ネタバレしましたが、今回乗車した車両はこちら↓です。
JRバス関東東京支店所属のD674-04508号車。
かつて「ドリーム号」四国系統でも活躍した三菱エアロキング(MU612TX)です。
車内の様子です。
1階席、2階席ともに1人掛けシートが並んでおり、1階の定員は8名、2階の定員は30名となっています。
車体更新時に貼り換えられた青いシートモケットが目立ちますが、基本的には「ドリーム号」四国系統運用時とほぼ同じ姿であるといって良いでしょう。
各座席にはコンセントが後付けにて装備されている他、窓側座席には通路カーテンも装備。
昼特急の運用ではありますが、通路カーテンをセットしてくつろぐことも出来ます。
「中央道昼特急13号」は、バスタ新宿D10のりばから発車。
発車の10分前にはバスが入線し、乗車改札が行われます。
12時50分、定刻にバスタ新宿を発車したバスは、甲州街道を西へ向けて走行。
発車後、乗務員から各種案内が行われた後、自動放送にて注意事項などの案内が行われます。
その間、バスは初台ランプから首都高速道路4号線に入り、そのまま中央自動車道をひた走ります。
中央道三鷹、中央道深大寺、中央道府中、中央道日野、中央道八王子で乗車扱いを行ったバスは、いよいよ山岳ハイウェイの旅へ。
この日の車内は、週末であるにもかかわらず10人前後の乗車と少な目。
「東海道昼特急号」と比較して時間のかかる「中央道昼特急号」は、敬遠される傾向にあるのでしょうか。
東名高速道路からの景色もそれはそれで美しいのですが、個人的には中央道の景色も一見の価値があると思うのです。
途中休憩は3回 最後の休憩では食事も可能?
1回目の休憩は、バスタ新宿を発車して1時間半程走行した場所にある中央道境川パーキングエリア。こちらでは14時27分から18分間停車しました。 大半の乗客がバスを降り、トイレや買い物などを済ませていきます。
こちらのパーキングエリアには、コンビニ(ファミリーマート)がありますので、お昼を食べ損なた方も安心です。
エアロキングもひと休みです。
尚、「中央道昼特急号」では、「東海道昼特急号」「グラン昼特急号」と同様に、発車時の乗務員による人数確認を行いません。(通路カーテン設置車両のため。)
発車時刻になりましたらバスは発車しますので、発車時刻までには必ずバスに戻りましょう。
発車時刻になったところで、バスは境川パーキングエリアを発車。
中央自動車道を愛知県へ向けてひた走ります。
右手には甲府盆地や諏訪湖が。
外は天気が良く、車窓もひと際映えますね。
2回目の休憩は、境川パーキングエリアから1時間20分程走行した長野県の中央自動車道小黒川パーキングエリア。
16時07分から18分間停車しました。
こちらのパーキングエリアは乗務員交代箇所にもなっています。
ここで、JRバス関東の乗務員から西日本JRバスの乗務員に交代します。
遠くには山頂に雪が残る山々が。
撮影する方も少なからず見受けられました。
小黒川パーキングエリアを発車したバスは、山坂急カーブが続く中央自動車道を走破。
やがて、日も暮れていきます。
17時37分、中津川(中津川インター)で最後の乗車扱いを行い、バスは更に中央自動車道を西へ。
そして、18時20分、バスは小牧JCT通過します。
ここで中央自動車道とはお別れ。
ここからは名神高速道路を大阪へ向けてひた走ります。
3回目の休憩場所は、小牧ジャンクションを通過して25分ほど経過したところにある名神高速道路養老サービスエリア。
こちらでは、夕食時ということもあってか、19時15分までの27分間停車しました。
養老サービスエリアは、売店やフードコートが充実しているサービスエリアとしても有名。
特に混んでいなければ、フードコートで食事をとることも可能です。
(実際にフードコートで食事をする乗客も数名いましたね。)
エアロキングも、ラストスパート前に最後のひと休みです。
終着大阪へ向けてラストスパート
19時20分、養老サービスエリアを発車したバスは、名神高速道路を終着大阪へ向けてひた走ります。外はすっかり暗くなり、さながら夜行バスの雰囲気でもあります。
名神八日市は降車客がおらず通過し、最初に停車したのは京都深草でした。
時計を見てみると、時刻は20時33分。
ほぼ定刻ベースで運行している様です。
その後、名神大山崎、名神高槻、千里ニュータウンで降車扱いのために停車しますが、特段渋滞に巻き込まれることもなく、至ってスムーズな運行でした。
結局、大阪駅JR高速バスターミナルには、ほぼ定刻の21時27分に到着。 私を含め大半の乗客を降ろしたバスは、終着の湊町バスターミナル(なんばOCAT)へ向けて走り去っていきました。
昼特急ならではの良さが楽しる系統なのですが・・・
以上、JRバス関東「中央道昼特急13号」の乗車記をお届けしました。今回、事実上初めてともいえる「中央道昼特急号」東京~大阪間通し乗車を敢行してみたのですが、沿線の美しい景色を見ながらボーっとしている間に着いてしまった・・・というのが正直な感想でした。
まあ、それが日常を忘れてのんびりと旅ができる「昼特急号」ならではの楽しみ方のひとつでもあり、良さでもあると思うのです。
しかしながら、「東海道昼特急号」の補完的役割が強かったとはいえ、この時点での系統廃止ということは、やはり「東海道昼特急号」と比較して利用者数があまり多くなかったのかなぁという印象を受けます。
実際にこの便も2桁いくかいかないかの乗客数でしたし・・・。
加えて、山坂がきつい中央道は、バス車両にとっても負担になっていた筈で、エアロキングの老朽化などを考慮すると、「東海道昼特急号」への統一は仕方がないのかなぁという気もします。
今後、東阪間の「昼特急号」は、「東海道昼特急号」へ統一されると共に、エアロキングの老朽化により「グラン昼特急」への置き換えが実施されることになっています。
これにより、定期便としてエアロキングで運行される東阪間「昼特急号」は1往復にまで運用が減ることになり、夜行便「ドリーム号」と共にますます希少価値的存在になっていくことでしょう。
そして、スカニア製2階建てバス「InterCity DD」の導入が本格化するに伴い、東阪間のエアロキング完全引退はすぐそこまで来ているといえるでしょう。
いうまでもありませんが、JRバスの2階建てバス「三菱エアロキング」に乗るのであれば、本当に今のうちです!
ともあれ、今回は中央道の車窓を存分に楽しませていただきました。
まずは、「17年間、本当にお疲れ様でした」という言葉をかけたいです。
そして、今後更に少なくなっていく2階建てバス「三菱エアロキング」の雄姿を、出来るだけ追い続けていきたい・・そう思った今回の「中央道昼特急13号」の乗車でございました。
【乗車データ】
- 乗車日:2019/04/20
- 乗車区間:
バスタ新宿(新宿高速バスターミナル)→大阪駅JR高速バスターミナル - 運行会社:JRバス関東
- 車両:三菱/エアロキング(MU612TX)
- 年式:2004年式
- 所属:東京支店
- 社番:D674-04508
- ※東京~小黒川PA間はJRバス関東の乗務員が、小黒川PA~大阪間は西日本JRバスの乗務員が乗務を行っています。
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