西武バス「長岡新潟線」0053便乗車記
今回の最大の目的は、松山で開催された「バスマップサミットin松山」の参加と、名古屋での公共交通系セミナーの参加でしたが、この間、数多くの乗りものに出会ってきました。
そこで今回から暫くの間、本州、四国、九州遠征で出会った乗りもの達を紹介していきます。
「東京池袋~新潟線」をカバーする「長岡新潟線」
今回ご紹介するバスはこちら↓。(写真はイメージです。) 西武バスの東京新宿・池袋・さいたま大宮・川越~長岡・新潟間高速バス「長岡新潟線」です。西武バスの東京池袋~新潟線「関越高速バス新潟線」といえば、運行開始30年以上を誇る老舗路線ですが、今回ご紹介する「長岡新潟線」は「関越高速バス新潟線」を経由しないさいたま大宮、川越地区及び新潟県長岡地区をカバーする派生路線であります。
運行を開始したのは2013年8月1日。
さいたま市大宮区、川越市、長岡市のそれぞれ中心部を経由して、新潟側の終点は佐渡汽船新潟港ターミナルに設定されています。
さいたま市内から川越市内にかけてと長岡市内で一般道路を経由するため、運行所要時間は約7時間と「東京池袋~新潟線」と比較して約1時間半程長く設定されています。
運行本数は昼行便1往復と夜行便1往復の計1日2往復。
「東京池袋~新潟線」の1日16往復と比較すると少ないのですが、派生路線であることと需要を考慮すると、1日数往復の便数設定が妥当なのかもしれません。
私自身、この路線には以前から乗車してみたいと考えており、乗車機会を伺っていましたが、この度新潟を再訪することになり、「それならば折角なので乗車してみようか」ということで、今回は新宿発の夜行便(0053便)に乗車してみました。
旅の始まりは国内最大級の高速バス専用ターミナル
やって来たのは、JR新宿駅南口前に2016年4月4日から運用を開始した「バスタ新宿」。。「バスタ新宿」については回を改めてご紹介しますが、1日約1,600便の高速バスが発着し、その規模は国内最大級を誇ります。
発着便数が多いだけに、事前にサイネージ表示にてバスの発車時刻とのりばを確認しておく必要はありますが、昼夜問わずひっきりなしに発着する高速バスと人数の多さには、バスに詳しくない方でも圧倒されることでしょう。
「長岡新潟線」0053便(夜行便)は、西武バスが運行を担当。
リムジンバス発着するホームのA2番のりばからの乗車となります。
今回乗車したのは、こちらの車両↓でした。 西武バス1208号車(いすゞガーラHD QPG-RU1ESBJ)です。
埼玉西武ライオンズのイメージカラーであるレジェンドブルーと埼玉西武ライオンズの球団ロゴが目立つ、いかにも西武バスらしいカラーリングです。
レジェンドブルーカラーのバスの台数も、ここ数年で飛躍的に増えました。
車内はこの様になっております。(写真はイメージです。)
レジェンドブルーをイメージしたシート柄が特徴の3列独立シート28人乗り夜行高速仕様です。
シートのリクライニング角度が若干浅いのが気になりますが、各座席にはコンセントを完備するなど、昨今の利用者のニーズを反映させた車内仕様になっています。
それにしても、昔の「関越高速バス」といえば、4列シートの車両ばかりでしたが、ここ数年で3列シート車への置き換えが進み、現在は「東京池袋~新潟線」「長岡新潟線」共に1号車は原則3列シート車にて運行されています。
時代も変わりましたね。
発車10分前にはバスが入線、改札が始まります。
この日は連中明けの平日中日ということもあって乗客が少な目。
出発時刻前には予約済みの乗客が全員揃います。
22時40分、バスは定刻にバスタ新宿を発車。
明治通りを走行し、時間調整を行った後、23時過ぎに池袋駅東口高速バスのりばに到着します。
ここで数名の乗客を乗せ、23時10分に池袋駅東口を発車。
発車後、乗務員より自己紹介と運行経路、車内設備の案内が口頭にて行われますが、最初に客席側を向いて挨拶するあたり、乗務員教育が行き届いていることを感じさせます。
過不足無い丁寧な案内が西武バスの特長といったところでしょうか。
高速道路と一般道を駆使しながら一路新潟へ・・・
バスは東池袋ランプより首都高速5号線~大宮線を経由してさいたま大宮へ。大宮駅西口で数人を乗せ、23時55分にバスは発車します。
ここから川越駅西口までは一般道路をひた走りますが、夜遅いこともあって車内の室内灯が減光されます。
24時30分過ぎ、バスは川越駅西口に到着。
ここで更に数人の乗客を乗せ、予約済みの乗客が全員揃ったバスは、24時35分に川越駅西口を発車します。
発車して10分程でバスは川越インターより関越自動車道へ。
長岡・新潟方面へ向けて関越自動車道をひた走ります。
「長岡新潟線」の途中休憩箇所は2か所設定されています。
1か所目の休憩場所は上里サービスエリアで、定刻ですと1時20分頃に到着します。 そして2回目の休憩場所は、関越トンネルを抜けた新潟県の越後川口サービスエリアで、定刻ですと3時20分頃に到着します。
1回目の休憩場所である上里サービスエリア到着時は目が覚めて外へ出ることが出来たのですが、その後眠りに就いてしまいます。
2回目の休憩停車(越後川口サービスエリア到着)には気付いたものの、外へ出る気力までは流石に残っていませんでした。
4時11分、バスは定刻より若干早く長岡駅東口に到着。
ここで2名が下車していきます。
その後、巻潟東と鳥原にて降車扱いのために停車しますが、新潟市内が近づくにつれ、多くの民家やオフィスが目に入る様になります。
5時09分にバスは新潟亀田インターを通過。
新潟市内を走行すること約10分程で、バスは新潟駅前に到着します。
ここで多くの乗客が下車し、その4分後にバスは新潟交通の本社オフィスがある万代シティバスセンターに到着しました。 本来であれば、終点の佐渡汽船ターミナルまで乗車したいところですが、今回はこの後の行程の関係から、西武バス「長岡新潟線」とはここでお別れ。
終点へ向かうバスの後姿をしばし眺めるのでありました。
というわけで、西武バス「長岡新潟線」0053便(夜行便)の乗車の模様をお届けしました。
今回この路線には初めて乗車したのですが、「東京池袋~新潟線をカバーしていないさいたま大宮、川越、長岡地区の利用者開拓」「佐渡方面へのアクセス確保」という目的がはっきりしている点で評価出来ると思いました。
問題は、路線の存在自体がきちんと知られているのかという点です。
どうも今回乗車した限りでは、私が思っていた程存在が知られていないのかなぁという印象を受けました。
並行する「WILLER EXPRESS」の存在も気になるところではありますが、老舗事業者故の知名度を生かしたPRをもう少し積極に行っても良いのかなぁと感じました。
佐渡汽船のフェリーターミナルも乗り入れているだけに、利用促進策の一環として観光客及び地元客向けの「バス+フェリーセット券」(割引あり)なるものを販売しても面白いのかなぁという気もします。
一方でこの路線は、先述の通り所要時間が「東京池袋~新潟線」と比較して約1時間長く確保されています。
途中停車の度に起こされるリスクはありますが、アイマスクを持参するなど自己防衛を行えば、少なくとも夜行便においては使い勝手が良い路線であるといえましょう。
途中何度か目が覚めましたが、その割にはしっかりと眠ることが出来ました。
佐渡方面への乗り継ぎも便利ですし、特に観光客にとっては利用価値がある路線なのではないでしょうか。
「さいたま大宮、川越、長岡地区の利用者開拓」「佐渡方面へのアクセス確保」という目的がはっきりしている高速バス「長岡新潟線」。
開設の目的が達成出来、利用者からも評価される生き残り施策を今後打ち出せるのかどうか、そこにこの路線の将来がかかっているのではないか・・・。
その様なことを考えた今回の西武バス「長岡新潟線」0053便(夜行便)の乗車でございました。
使い勝手は決して悪くない路線だけに、今後も末永く運行を続けて欲しいと思います。
【乗車データ】
- 乗車日:2016/05/11
- 乗車区間:
バスタ新宿(新宿高速バスターミナル)→万代シティバスセンター - 運行会社:西武バス
- 車両:いすゞ/ガーラHD(QPG-RU1ESBJ)
- 年式:2012年式
- 所属:練馬営業所
- 社番:1208
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