近鉄バス「ひなたライナー」運行終了へ ~3度目の関西~宮崎間夜行バス運行終了~

夜行バス

近鉄バス「ひなたライナー」 2255

近鉄バス「ひなたライナー」 2255 大阪駅前到着

またひとつ本州~九州間の夜行高速バスが無くなるという、ショッキングなニュースが入ってきました。
近鉄バス(本社:東大阪市)が運行する京都・大阪・神戸~延岡・宮崎線「ひなたライナー」(通称:宮崎特急線)の運行終了であります。
運行終了日は2019(平成31)年2月28日。
これにより、関西と宮崎県を結ぶ夜行高速バスは完全に無くなります。

LCC就航、燃料費高騰、乗務員不足など外部環境の変化が理由

(近鉄バスプレスリリースより引用) 
京都・大阪~延岡・宮崎線(ひなたライナー)の運行終了について

日頃より近鉄高速バスをご利用いただきましてありがとうございます。

この度、京都・大阪・神戸~延岡・宮崎線(ひなたライナー)について、2019年2月28日(木)の出発便をもちまして、運行を終了させていただくことになりました。

当路線は、2016年まで運行しておりました『京都・大阪・神戸~都城・宮崎線』(おひさま号)を延岡駅前経由に変更し、割引運賃の導入等により新たな需要の開拓に取り組んでまいりました。しかし、LCC(格安航空会社)の就航や、燃料費高騰、乗務員不足といった様々な内外の環境の変化もあり、今後の収支改善が見込めず、運行を継続することが困難な状況となりました。

ご利用のお客様には、大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

今回だけではなかった?関西~宮崎間夜行高速バスの運行終了

夜行高速バス「ひなたライナー」は、2017(平成29)年2月1日に近鉄バスの単独運行路線として開設されました。
プレスリリースにも記載されている通り、同路線は東九州自動車道延伸に伴い、2016年まで運行していた京都・大阪・神戸~都城・宮崎線「おひさま号」を延岡駅前経由に変更するかたちで開設されました。
割引運賃の導入等により新たな需要の開拓を図ってきましたが、利用者数が伸びなかったことに加え、外部環境の変化などの理由から、僅か2年余りで運行を終了することになりました。

関西~宮崎間夜行高速バスの運行終了は、今回が初めてではありません。
実は、過去に遡ること20年以上前の1989(平成元)年12月8日に、近畿日本鉄道(→近鉄バス)と宮崎交通が共同で大阪~宮崎間夜行高速バス「あおしま号」の運行を開始しました。
近鉄バス「あおしま号」 6176

近畿日本鉄道「あおしま号」 6174
派生系統の大阪~延岡線「ひえつき号」(近畿日本鉄道・宮崎交通)も開設(1993年1月末で運行終了)されますが、バブル崩壊後は利用者数が延びなかったことから、1999(平成11)年3月28日に「あおしま号」は運行を終了します。

その9年後の2008(平成20)年12月1日に、今度は近鉄バスが単独で京都・大阪・神戸~都城・宮崎線「おひさま号」の運行を開始します。
近鉄バス「おひさま号」 2256
大阪のみならず、京都や神戸もカバーすることで需要の掘り起しに努めますが、こちらも利用者数を伸ばすことが出来ず、2016(平成28)年9月30日をもって2度目の運行終了となります。

そして、今回の「ひなたライナー」の運行終了が発表されたことで、関西~宮崎間夜行高速バスは3度の運行終了を迎えることになってしまいました。

長距離夜行高速バスの相次ぐ撤退は今後も続くのか?

以前このブログや「乗りものニュース」で、名古屋~長崎線「グラバー号」の運行終了および京都・大阪~長崎線「オランダ号」の長崎自動車運行撤退について書きましたが、ここ数年来、本州~九州間夜行高速バスの運行撤退、とりわけ関西~九州間夜行高速バスの運行撤退の動きが目立っています。


外部環境の変化などの理由で、コストのかかる長距離夜行高速バスの運行を維持することが困難になって来ています。
昨今の乗務員不足に加えて、LCCをはじめとする競合交通機関の台頭、更には再度の燃料費高騰と、高速バスを取り巻く環境が厳しさを増す中、事業者にとって収益面で必ずしも「うまみ」が多くない長距離夜行高速バスの廃止・運行撤退は、もしかすると今後動きが加速するかもしれないですね。
今後の業界全体の動向に注目したいところです。

尚、「ひなたライナー」については、スケジュールを調整してお別れ乗車をしに現地を訪問しようかと考えています。
乗車の際はブログにて模様を紹介しますので、どうかご期待下さい。


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