両備ホールディングス「ソラビ(SOLARVE)」 ~世界初太陽光発電バス~

一般路線バス

車両ネタです。
今回ご紹介する車両はこちら↓。

両備ホールディングス 西大寺 太陽光電池バス「ソラビ」 1024

先日岡山を訪れた際に乗車した両備ホールディングスの路線バス「ソラビ(SOLARVE)」です。
主に岡山と西大寺の間を結ぶ路線で活躍していますが、一体どんな車両なのでしょうか。

世界初の太陽光電池を搭載した路線バス「ソラビ(SOLARVE)」

両備ホールディングスが所有する路線バス「ソラビ(SOLARVE)」は、両備グループ創立100周年を迎えた2010(平成22)年に、岡山への感謝の意を表現する路線バスとして製作されました。
「SOLARVE」の愛称は、「ソラビ= solar + vehicle : ソーラー + ビークル」の略であります。

ベースとなったのは、三菱ふそうトラック・バスの大型ハイブリッド路線バス「エアロスターエコハイブリッド」
全国的にも稀少であったこの車両の屋根部分に、ソーラーパネル2枚とソーラーフィルム90枚(=太陽光発電システム、三洋電機製)を設置しています。
車内の照明にはLEDを採用し、太陽光発電システムで発電した電力を室内の照明に使用しています。

エンジン及び駆動系は、「エアロスターエコハイブリッド」そのもの。
発電用ディーゼルエンジンは、同社のマイクロバス「ローザ」に搭載されている4M50系(直列4気筒・排気量4,899cc)を採用し、回生ブレーキを装備しています。これらにより、低燃費および高い静粛性を実現しているそうです。
駆動系はモーター形式となっており、バッテリーは日立製作所製、モータとVVVFインバータはシーメンス製、モータ減速機はFLENDER製をそれぞれ採用しています。

「ソラビ(SOLARVE)」に乗車してみる

今回乗車したのは、西大寺バスセンターから市役所入口・千日前を経由して岡山駅へ向かう「新京橋線」
天満屋バスセンターを経由する「西大寺本線」には数回乗車したことがあるのですが、「新京橋線」に乗車するのは今回が初でした。
両備ホールディングス 西大寺 太陽光電池バス「ソラビ」 1024 西大寺バスセンターにて

整理券を取って車内に入ります。
両備ホールディングス 西大寺 太陽光電池バス「ソラビ」 1024 車内_01

内装を含めた車体の総合プロデュースを担当したのは、ご存知水戸岡鋭治氏。
家具を多用し、白を基調とした車内デザインが特徴となっており、到底バスの車内とは思えません。
床材にはデンマーク産のホワイトカモシアを、家具類には栗やナラの木によるプライウッドを採用。
可能な限り天然素材を使用し、健康と環境に配慮しているとのことです。
ただ、床の木目がこすれて木地が表れている他、シートもくすみが出ているなど、所々で経年劣化の跡が見受けられます。

車内中央部ドア付近にはぬいぐるみが。
癒されますね。
両備ホールディングス 西大寺 太陽光電池バス「ソラビ」 1024 車内_02

バスは西大寺バスセンターを発車後、益野~益野西~自動車学校~東山を岡山市街地へ向けて走ります。
モーター駆動の車両の特性でしょうか、走行音は至って静か。
発電用のエンジンが時々響く程度で、エンジン音がしないタイミングでは、まさしく電車そのものです。
もっと普及するかと思われていた「エアロスターエコハイブリッド」でしたが、車両価格が4,000万円以上と高かったことに加え、ポスト新長期規制に適合出来なかったことなどから、2010年9月末をもって製造は中止されています。
因みに「ソラビ(SOLARVE)」は、改装費を含め1台7,900万円もしたそうです。

東山を通過したバスは、天満屋方面へは向かわずに市役所方面へ。
市役所入口、千日前を通過し、終点岡山駅東バスのりばには西大寺から40分程で到着しました。
乗客を降ろしたバスは、折り返しの西大寺行きとして出発の準備を行うのでありました。

今回、初めての「ソラビ(SOLARVE)」乗車でしたが、走行音が静かな点は流石「エコハイブリッド」だと感じました。
一方で、家具をベースとしている車内(特にシート)については、揺れが大きいバスでは落ち着かない印象を受けました。
シートに腰かけるも、位置が定まらないというか尻部が浮いてしまうというか・・・身体が安定しませんでした。
バスにはバスなりのシートの「型」があることを改めて認識した次第です。
加えて、この車両特有の現象なのか分かりませんが、エアコンの利きが非常に悪く、40分以上も生温い車内で過ごすのは正直きつかったです。
まあ、デビューしてから8年経過していることを考慮すると、この車両の引退もそう遠くはないのかなあと思いましたが・・・。

世界初の太陽光電池を搭載した路線バス「ソラビ(SOLARVE)」。
先述の通り、現在は岡山駅と西大寺を結ぶ路線で活躍しています。
色々と書きましたが、水戸岡テイストが詰まった面白い車両であることには間違いありません。
機会があれば一度乗車されてみてはいかがでしょうか。


【乗車データ】 
  • 乗車日:2018/08/24
  • 乗車区間:
    西大寺(バスセンター)→岡山駅
  • 運行会社:両備ホールディングス
  • 車両:三菱/エアロスターエコハイブリッド(BJG-MP37TM改)
  • 年式:2010年式
  • 所属:西大寺営業所
  • 社番:1006

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