下津井電鉄「ペガサス号」H520号車 乗車記

夜行バス,高速バス乗車記

九州福岡県と岡山県の間を結ぶ夜行高速バス「ペガサス号」

西日本鉄道「ペガサス号」 4875

両備ホールディングス「ペガサス号」 1511

下津井電鉄「ペガサス号」 H955

西日本鉄道(福岡県福岡市)・両備ホールディングス(岡山県岡山市)・下津井電鉄(岡山県岡山市)の3社が共同で運行、週末や繁忙期には満席になることも少なくない人気路線であります。

「ペガサス号」については、これまで何度か取り上げましたが、殆どが両備ホールディングス便でした。
実はこの度、岡山側のもうひとつの運行会社である下津井電鉄担当便に乗車する機会があり、先日乗車して来ました。
今回はその時の模様をご紹介しましょう。

全国的にも稼働数が少なくなった日野セレガR-GDインターシティ(夜行高速仕様車)

ところで今回、何故に下津井電鉄担当の「ペガサス号」に乗車しようと思ったのか・・・
実は、こちらの車両↓に「夜行バス」として乗車したかったからであります。
下津井電鉄「ペガサス号」 H520

下津井電鉄「ペガサス号」 H520 リア
全国的にも稼働数が少なくなった、日野セレガR-GDインターシティ(夜行高速仕様車)です。
デビュー当初は、主に日野製のバスを好んで導入している事業者を中心に全国各地で導入されましたが、次第に廃車が進み、2018年4月現在で「現役車」として活躍しているのは、今回ご紹介する下津井電鉄と九州産交バス(熊本県熊本市)、鹿児島交通観光バス(鹿児島県鹿児島市)、防長交通(山口県周南市)、高知西南交通(高知県中村市)、とさでん交通(高知県高知市)、明光バス(和歌山県白浜町)などと数が限られます。
さらに、夜行路線に使用している事業者となると、下津井電鉄が「ペガサス号」として使用している他、防長交通が東京線「萩エクスプレス」や大阪線「カルスト号」の予備車として使用している程度であります。

今回ご紹介する下津井電鉄の日野セレガR-GDインターシティ(夜行高速仕様車)は、同社の看板路線「ルミナス号」(児島・倉敷・岡山・津山~東京新宿)の専用車として導入されたという経緯から、車内の造りがしっかりしているとの評判を得ているそうです。
現在この車両は、主に「ペガサス号」(岡山・倉敷~北九州・福岡)で活躍していますが、果たしてどんな車両なのか・・・楽しみであります。

更新工事の実施でより快適な車両に・・・

やって来たのは、福岡市中央区天神の西鉄天神高速バスターミナル。
西鉄天神高速バスターミナル
岡山行き「ペガサス号」は、こちらを始発地としています。

今回乗車した車両を改めて紹介です。
こちらの車両↓に乗車しました。
下津井電鉄「ペガサス号」 H520 岡山駅西口にて その3
下津井電鉄のH520号車(日野セレガR-GDインターシティ KL-RU1FSEA)です。
下電オリジナルの高速路線用塗装を纏った、シンプルながらも目立つカラーリングが特徴です。

車内はこの様になっております。
下津井電鉄「ペガサス号」 H520 車内
3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様ですが、数年前に更新工事を実施した様でして、定員が29人から28人に変更された他、床の張替え(木目調に変更)、通路カーテン、座席コンセント、非常押ボタンが後付けにて設置されています。
下津井電鉄「ペガサス号」 H520 座席コンセント
ざっと見た感じでは、まだまだ使用することを前提に更新工事を行ったという印象を受けました。

シートは、天龍工業製のスリーピングシートを採用。
下津井電鉄「ペガサス号」 H520 シート

下津井電鉄「ペガサス号」 H520 足置き台くり抜き部分
シートのリクライニングに合わせて、座面後部の高さが微妙に変化する他、足置台のくり抜き部分が深くなっており、ゆったりと足を伸ばすことが出来るなど、往年の古き良き「スリーピングシート」の寝心地が体験出来ます。

この他にも、車内中央部にはコーヒー・お茶・冷水のセルフサービスコーナーも設けられており、さながら夜行バス創成期時のサービスが今日においても提供されているなど、更新工事の実施と併せて快適度がよりアップしたという印象を受けます。

「ペガサス号」の福岡天神発車時刻は22時00分。
発車10分前にはバスが入線し、改札が始まります。
下津井電鉄「ペガサス号」 H520 西鉄天神高速バスターミナルにて その1

下津井電鉄「ペガサス号」 H520 西鉄天神高速バスターミナルにて その2

下津井電鉄「ペガサス号」 H520 西鉄天神高速バスターミナルにて その3

下津井電鉄「ペガサス号」 H520 西鉄天神高速バスターミナルにて その4

下津井電鉄「ペガサス号」 H520 西鉄天神高速バスターミナルにて その5
この日は閑散期の平日ということもあってか、乗客は少な目。
数分で改札が終わり、発車時刻を待ちます。

22時00分、バスは定刻に西鉄天神高速バスターミナルを発車します。
15分程で博多バスターミナルに到着し、22時20分に博多バスターミナルを発車後、自動音声による案内と乗務員からの補足説明が行われます。
下津井電鉄担当便も途中の開放休憩は一切実施しないとのことで、その旨マイクで案内していました。
ですので、飲食物の購入及び洗顔は乗車前に済ませておきましょう。

22時27分、呉服町ランプから福岡都市高速道路へ
10分程走行し、福岡インターから九州自動車道に入ります。
ここから先は、乗車扱いのために北九州市内へ立ち寄った後、九州自動車道~関門橋~中国自動車道~山陽自動車道を岡山へ向けてひた走ります。

23時10分に黒崎インター引野口に、23時31分に砂津(チャチャタウン前)に、23時35分に小倉駅前にそれぞれ停車。
小倉駅発車後、再度自動音声による案内と乗務員からの補足説明が行われ、23時50分、車内灯が消され消灯となります。
暫くは起きていましたが、スリーピングシートの座り心地の良さからか、いつしか夢の中へ。
起床の案内まで目を覚ますことはありませんでした。
約6時間弱の間、目を覚まさずに寝ていた様です・・・。

5時58分、車内灯が灯され起床。
すぐさま案内放送が流れ、6時03分にバスは倉敷駅北口に到着します。
こちらでは3名が下車。
もう少し降りるかなと思っていただけに、倉敷での降車客の少なさは正直意外でした。
その後、一般道を30分程走行し、定刻よりも10分早い6時40分に、バスは終点の岡山駅西口に到着しました。
下津井電鉄「ペガサス号」 H520 岡山駅西口にて その1

下津井電鉄「ペガサス号」 H520 岡山駅西口にて その2
「あっという間に着いてしまった」という感覚が抜けきれないまま、私は乗務員から荷物を受け取り、次なる目的地へと向かうのでありました。

歴代の日野セレガR-GDインターシティの中でも一番快適な車両!?

というわけで、下津井電鉄「ペガサス号」H520号車の乗車記をお届けしました。
私自身、日野セレガR-GDインターシティには、地元の北海道中央バス、道南バスの他、東北急行バス、防長交通など、数々の事業者の車両に乗って来ましたが、今回乗車した下津井電鉄のH520号車は、もしかすると歴代の日野セレガR-GDインターシティの中でも一番快適な車両といって良い位に快適に感じました。
特に今回印象に残ったのは、現在のニーズを反映した大掛かりな更新工事を行っていること。
ちょっと手を加えるだけで、快適度が大きく変わることもあるのですね。
新たな発見というか、勉強になりました。
流石に乗り心地に関しては、旧型車両ということもあって、最新型車両と比較すると劣る(サスペンションが若干固い)部分もありますが、サービスレベルに関しては、今日運行されている最新型3列独立シート車両と比較しても遜色ないといっても良いでしょう。

残念ながら、岡山側の事業者は通常4日毎の運行となるため、お目当ての事業者に当たりにくいという難点がありますが、日程の都合を付けて下津井電鉄便指名で乗車してみるのも面白いかもしれません。(乗車予定日の担当会社については、ハイウェイバスドットコムなどの予約サイトで調べることが可能です。)
機会があれば近いうちにまた乗車してみようかなぁ・・・と思わせる、快適な車両でございました。

下津井電鉄「ペガサス号」 H520 福岡天神にて


【乗車データ】 
  • 乗車日:2018/04/17
  • 乗車区間:
    西鉄天神高速バスターミナル→岡山駅西口
  • 運行会社:下津井電鉄
  • 車両:日野/セレガR-GD(KL-RU1FSEA)
  • 年式:2005年式
  • 所属:興除営業所
  • 社番:H520

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