西鉄高速バス「桜島号」4列シート車に乗ってみました

昼行高速バス,高速バス乗車記

福岡~鹿児島間を昼夜21往復~24往復体制で運行している高速バス「桜島号」
この「桜島号」に、2017年4月から一部の便において4列シート車が投入されていることは、以前このブログでも紹介しておりますし、ご存知の方も多いかと思います。(写真はイメージです。)

西鉄高速バス「桜島号」 3137

現在は、西鉄高速バスが担当する9.5往復のうち6往復と、南国交通が担当する便のうち1往復(土休日のみ運行)に4列シート車が投入されています。
「桜島号」の4列シート車投入については、並行する九州新幹線がインターネット事前購入割引なので運賃・料金面で対抗していることもあってか、「明らかなサービスダウン」「混雑時は窮屈なのでは」「4列シートになるのであれば時間が確実な九州新幹線を選ぶかも」といった否定的な意見が多い印象を受けます。
私も、2017年から始まった4列シート車の投入については、事業者側の理由があるにせよ、どちらかというと否定的な意見の立場なのですが、とはいえ、まずは乗ってみないことには・・・ということで、過日九州を訪問した際に乗車する機会を得て乗車して来ました。
今回はその時の模様を簡単ではありますがご紹介します。

足元が広くなったのは評価出来ますが・・・

やって来たのは、JR博多駅前の博多バスターミナル。
「桜島号」昼行便はこちらが始発となります。(写真はイメージです。)
博多バスターミナル

今回乗車したのは、博多バスターミナル8時32分発のノンストップ便。
こちらの車両↓が充てられていました。
西鉄高速バス「桜島号」 3145

西鉄高速バス「桜島号」 3145 リア
西鉄高速バス福岡支社所属3145号車(三菱エアロエース QTG-MS96VP)です。
同タイプの車両は、「ひのくに号」や「とよのくに号」で良く見かけますが、側窓が固定窓になったことで、また一際違った印象を受けます。

乗務員の改札を受けて、早速乗車してみましょう。
西鉄高速バス「桜島号」 3145 リア

車内はこの様になっております。
西鉄高速バス「桜島号」 3145 車内

西鉄高速バス「桜島号」 3145 シート
ご覧の通り、2人掛けの4列シートが並んでおり、乗車定員は38名と、通常の4列シート車よりは若干シートピッチが広くなっています。
感覚としては、私の地元北海道で運行されている都市間バス「特急はぼろ号」(沿岸バス)のエアロエースのシートピッチを広くして、補助席をなくした仕様といった感じに受け取れます。

前席のシート背面にはテーブルが設置されています。
先代の西工C-Ⅰ(日産PKG-RA274RBN)ではテーブルが廃止されていたため、型式が違うとはいえ、約10年ぶりの設備復活となりました。
その代わり、このタイプの車両ではドリンクホルダーが廃止されています。
西鉄高速バス「桜島号」 3145 テーブル

前席下の足元部分です。
フットレストが廃止されましたが、床が完全にフラットなため、シート下へ足を伸ばすことが出来ます。
先述の通り、シートピッチも広くとられています。
西鉄高速バス「桜島号」 3145 足元

各座席にはコンセントが装備。
窓側座席のコンセントは内壁に、通路側座席のコンセントは肘掛け下にあります。
西鉄高速バス「桜島号」 3145 コンセント_01

車両最前部にはLCD運賃を設置。
これまではモニターが設置されていましたが、TVサービスの廃止に伴い、代わりにLCD運賃表が取り付けられました。
西鉄高速バス「桜島号」 3145 LCD運賃表
以上、簡単に車内を紹介しましたが、見た感じでは「ひのくに号」や「とよのくに号」の車内サービスを少しだけ良くした・・・といった印象を受けました。
シートピッチの拡大により足元が広くなったのは評価出来ますが、シート配列が4列になった分、車内全体が窮屈に感じてしまうのは否めない事実だと思います。

博多バスターミナルを発車した「桜島号」は、西鉄天神高速バスターミナルで乗車扱いを行った後、天神北ランプから福岡都市高速道路へ。
10分程走行し、太宰府インターから九州自動車道へと入ります。
高速基山にて最後の乗車扱いを行い、あとは鹿児島へ向けてひた走ります。

途中の休憩場所は、北熊本サービスエリアとえびのサービスエリアの2箇所。
西鉄高速バス「桜島号」 3145 北熊本SAにて

九州自動車道 えびのPA

西鉄高速バス「桜島号」 3145 えびのPAにて_01

西鉄高速バス「桜島号」 3145 えびのPAにて_02

西鉄高速バス「桜島号」 3145 えびのPAにて_03

西鉄高速バス「桜島号」 3145 えびのPAにて_04
両地ともに天気が大変良く、バスを降りて気分転換を行う乗客の姿が目立ちました。

えびのパーキングエリアを発車したバスは、鹿児島へ向けてラストスパート。
鹿児島空港南で数名が下車し、その約35分後の鹿児島中央駅前では殆どの乗客が下車していきました。
結局、終点の鹿児島本港高速船ターミナルで下車したのは私一人。
西鉄高速バス「桜島号」 3145 鹿児島本港到着

この後、別のバスへ乗り継ぐ予定があった私は、高速船ターミナルで少し休んだ後、乗車する予定のバス停へと移動するのでありました。

2+1配列の3列スーパーシートに慣れてしまうと・・・

この日から4日間、私は「SUNQパス」(4日間用)を使って九州島内を高速バスで回っておりました。
先程ご紹介した「桜島号」4列シート車に乗車した2日後、今度は高速基山から「桜島号」3列スーパーシート車に乗車。
こちらの車両↓が充てられていました。
西鉄高速バス「桜島号」 6020

西鉄高速バス「桜島号」 6020 リア

西鉄高速バス「桜島号」 6020 車内

西鉄高速バス「桜島号」 6020 シート
西鉄高速バス福岡支社所属6020号車(日産PKG-RA274RBN 西工02MC C-Ⅰ)です。
「桜島号」の主力であったこのタイプの車両も、現在は平日1往復(土休日2往復)のみの運行となってしまいました。
ですが、JR在来線グリーン車に匹敵する幅広シートは未だに健在。
いうまでもありませんが、福岡~鹿児島間クラスの距離にもなると、やはり3列シートの方が快適に感じます。

西鉄高速バス「桜島号」 6020 北熊本SAにて_01

西鉄高速バス「桜島号」 6020 えびのPAにて その1

西鉄高速バス「桜島号」 6020 えびのPAにて その2

西鉄高速バス「桜島号」 6020 えびのPAにて その3

4列シート車導入による九州新幹線への乗客の流出が心配

というわけで、西鉄高速バス「桜島号」4列シート車について紹介しました。
今回、初めて「桜島号」4列シート車に乗車してみましたが、

「普通の高速バスになってしまった。」

これが率直な感想でした。
座席数を増やした代わりに、シートピッチの拡張や座席テーブルの設置など、デメリットを補う工夫はなされていますが、正直申し上げて窮屈な感じは否めませんでした。

「桜島号」のライバルは、いうまでもなく九州新幹線ですが、ここ数年来はインターネット予約限定の事前購入割引の投入などで、巻き返しを図っているともいわれています。
「桜島号」も、曜日別運賃の投入などで対抗していますが、九州新幹線の巻き返しや昨今の乗務員不足などの影響で、かつての盛況とは違って厳しい状況に置かれていることは確かだと思います。
その最中、今回の「桜島号」4列シート車の投入は、この厳しい状況に追い打ちをかけるのでは・・・と個人的に心配しています。
せめて、福岡~宮崎線「フェニックス号」の様に、3列シートと4列シート混合の「セレクトシート」仕様にして、シートによって運賃に差をつけるなどの施策が出来なかったのか・・・悔やまれるところです。

先述の通り、「桜島号」4列シート車は現在、西鉄高速バスと南国交通が6往復~7往復投入していますが、乗客の声を受けて3列シートへ戻すのか、それともこのまま4列シート化へ突っ走るのか、はたまた別の施策を打つのか・・・「桜島号」の動向については、今後も引き続き注目していきたいと思います。

【乗車データ】
  • 乗車日:2018/04/27
  • 乗車区間:
    博多バスターミナル→鹿児島本港高速船ターミナル
  • 運行会社:西鉄高速バス
  • 車両:三菱/エアロエース(QTG-MS96VP)
  • 年式:2017年式
  • 所属:福岡支社
  • 社番:3145
【乗車データ】
  • 乗車日:2018/04/29
  • 乗車区間:
    高速基山→鹿児島本港高速船ターミナル
  • 運行会社:西鉄高速バス
  • 車両:日産/PKG-RA274RBN(西工02MC C-Ⅰ)
  • 年式:2009年式
  • 所属:福岡支社
  • 社番:6020

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